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公開番号
2025079197
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-21
出願番号
2023191735
出願日
2023-11-09
発明の名称
磁気冷凍材料用原料合金及びその製造方法並びに磁気冷凍材料及びその製造方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250514BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】従来よりも幅広い水素化条件で水素吸蔵量の制御及び水素濃度分布の均質化が可能である磁気冷凍材料用原料合金及びその製造方法、並びに高いΔSをもち、転移温度を制御した磁気冷凍材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の磁気冷凍材料用原料合金はLa
(1-a)
R
a
(Fe
(1-b-c-d)
TM
b
Si
c
A
d
)
z
の組成式で表され、(La,R)MSi相、(La,R)
5
M
3
相、(La,R)
6
M
11
Si
3
相、及び(La,R)
2
M
17
相の少なくとも一つの相をその総量が0.3体積%以下で、Rを含む副相として含有し、α-Fe相を0.1体積%以上2.2体積%以下で含有し、残部が(La,R)(Fe,TM,Si,A)相を主相として含有する。本発明の磁気冷凍材料は本発明の磁気冷凍材料用原料合金を水素化熱処理したものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
La
(1-a)
R
a
(Fe
(1-b-c-d)
TM
b
Si
c
A
d
)
z
(RはCe、Pr及びNdから選択される1種類以上の希土類元素、TMはCo、Mn、Ni、Nb、W、Ta、Cr、Cu及びAgから選択される1種類以上の元素、AはAl、Ga、P、Ge、Sn及びInから選択される1種類以上の元素であり、0≦a≦0.5、0≦b≦0.03、0.09≦c≦0.14、0≦d≦0.05、13.0≦z≦13.4を満たす)の組成式で表され、(La,R)MSi相、(La,R)
5
M
3
相、(La,R)
6
M
11
Si
3
相、及び(La,R)
2
M
17
相の少なくとも一つの相(MはFe及びTMから選択される1種以上の元素である)をその総量が0.3体積%以下で、Rを含む副相として含有し、α-Fe相を0.1体積%以上2.2体積%以下で含有し、残部が(La,R)(Fe,TM,Si,A)相を主相として含有する磁気冷凍材料用原料合金。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記α-Fe相の平均円近似直径が6μm以下である請求項1に記載の磁気冷凍材料用原料合金。
【請求項3】
La
(1-a)
R
a
(Fe
(1-b-c-d)
TM
b
Si
c
A
d
)
z
(RはCe、Pr及びNdから選択される1種類以上の希土類元素、TMはCo、Mn、Ni、Nb、W、Ta、Cr、Cu及びAgから選択される1種類以上の元素、AはAl、Ga、P、Ge、Sn及びInから選択される1種類以上の元素であり、0≦a≦0.5、0≦b≦0.03、0.09≦c≦0.14、0≦d≦0.05、13.0≦z≦13.4を満たす)の組成式で表される合金を、真空雰囲気中、または不活性ガス雰囲気中で1000~1300℃で10~100時間熱処理する請求項1又は2に記載の磁気冷凍材料用原料合金の製造方法。
【請求項4】
La
(1-a)
R
a
(Fe
(1-b-c-d)
TM
b
Si
c
A
d
)
z
H
e
(RはCe、Pr及びNdから選択される1種類以上の希土類元素、TMはCo、Mn、Ni、Nb、W、Ta、Cr、Cu及びAgから選択される1種類以上の元素、AはAl、Ga、P、Ge、Sn及びInから選択される1種類以上の元素であり、0≦a≦0.5、0≦b≦0.03、0.09≦c≦0.14、0≦d≦0.05、0<e≦1.5、13.0≦z≦13.4を満たす)の組成式で表され、(La,R)MSi相、(La,R)
5
M
3
相、(La,R)
6
M
11
Si
3
相、(La,R)
2
M
17
相の、及びそれらの水素化物相の少なくとも一つの相(MはFe及びTMから選択される1種以上の元素である)をその総量が0.3体積%以下で、Rを含む副相として含有し、α-Fe相を0.1体積%以上2.2体積%以下で含有し、残部が(La,R)(Fe,TM,Si,A)
13
H
e
相を主相として含有する磁気冷凍材料。
【請求項5】
前記α-Fe相の平均円近似直径が6μm以下である請求項4に記載の磁気冷凍材料。
【請求項6】
La
(1-a)
R
a
(Fe
(1-b-c-d)
TM
b
Si
c
A
d
)
z
(RはCe、Pr及びNdから選択される1種類以上の希土類元素、TMはCo、Mn、Ni、Nb、W、Ta、Cr、Cu及びAgから選択される1種類以上の元素、AはAl、Ga、P、Ge、Sn及びInから選択される1種類以上の元素であり、0≦a≦0.5、0≦b≦0.03、0.09≦c≦0.14、0≦d≦0.05、13.0≦z≦13.4を満たす)の組成式で表され、(La,R)MSi相、(La,R)
5
M
3
相、(La,R)
6
M
11
Si
3
相、及び(La,R)
2
M
17
相の少なくとも一つの相(MはFe及びTMから選択される1種以上の元素である)をその総量が0.3体積%以下で、Rを含む副相として含有し、α-Fe相を0.1体積%以上2.2体積%以下で含有し、残部が(La,R)(Fe,TM,Si,A)相を主相として含有する合金を、水素化熱処理する際の冷却速度を0.1℃/min以上50℃/min以下とする請求項4又は5に記載の磁気冷凍材料の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、転移温度を制御し、かつ高い磁気エントロピー変化をもつ磁気冷凍材料用原料合金及びその製造方法並びに磁気冷凍材料及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
フロン類がオゾン層破壊物質であり、地球温暖化ガスでもあることから、環境保全のためにフロンを用いない新規冷凍空調システムが注目されている。フロンに代わる冷媒の開発が活発に行われているが、性能、コスト及び安全性の面において満足できる新規冷媒の実用化には至っていない。
【0003】
一方、従来の冷凍空調システムとは異なり、磁場の増大に伴うエントロピーの変化(磁気熱量効果、ΔS)を利用する磁気冷凍システムが注目されている。ΔSの絶対値が大きな材料としてはMn(As
1-x
Sb
x
)(特許文献1)やLa(Fe
1-x
Si
x
)
13
H
z
(特許文献2)等が挙げられる。特に前者はΔSが-30J/kgKと非常に大きく、優れた磁気冷凍材料になりうる。しかし、Mn(As
1-x
Sb
x
)の成分のAsが毒性を示すため実質的には適用が困難である。La(Fe
1-x
Si
x
)
13
H
z
は、ΔSが-25J/kgKとMn(As
1-x
Sb
x
)に次いで大きく、かつ構成元素は毒性を示さず、レアメタルではないことから最も有望視されている物質である。また、ΔSの変化は磁気熱量効果を示す物質の磁気転移温度(T
c
)付近に限られ、一種類の材料では、ある一点の温度でしか動作できないため、実質的に広い温度差を作り出す必要がある冷凍システムはできない。そこで、動作温度を変化させるために成分の一部を他の元素で置換するといった方法がとられる。
【0004】
これらの物質は室温近傍(-70~+70℃程度)で動作することが要件となる。しかし、気体冷凍では生成が困難な極低温を生成する手段として用いられてきた従来の磁気冷凍とは異なり、上記動作温度における磁気冷凍では格子振動が無視できないために磁気熱量効果が低下するという問題があった。この問題については、この格子振動を蓄熱効果として利用することで解決できる。そして、この格子振動を蓄熱効果として利用するAMR(Active Magnetic Regenerative)サイクルが開発され、磁気熱量効果を利用した室温近傍での冷凍空調システムが現実味を帯びてきた。
【0005】
AMRサイクルでは水等の熱媒体が通過可能な隙間を有した状態で磁気冷凍材料が充填される(ベッド部と呼ばれる)。熱媒体は隙間を通じて高温端および低温端に移動できる。低温端側に熱媒体がある状態で、永久磁石等で磁場をベッド部に印加し磁気冷凍材料のエントロピーを低下させ、磁気冷凍材料の温度を上昇させる。熱媒体を低温端側から高温端側に移動させる。このとき、熱媒体は磁気冷凍材料から熱を受け取って、高温端側に移動し、高温端で熱交換器を用いて排熱する。続いて永久磁石の磁場を取り去り磁気冷凍材料のエントロピーが上昇するとともに温度が低下する。熱媒体を高温端側から低温端側に移動させる。このとき、熱媒体は磁気冷凍材料により冷却される。冷却された熱媒体は熱交換器で吸熱する。このサイクルを繰り返していくことで、高温端と低温端との間に温度差を発生させ、冷凍サイクルが作られる。
【0006】
AMRサイクルにおいて、単一組成の材料で発生することのできる温度差は材料にもよるが2~10K程度である。冷蔵庫や空調などの用途で求められるような大きな温度差を発生させるためには、異なる磁気転移温度(T
c
)を持つ磁気冷凍材料を高温端側から低温端側にかけてT
c
が高いものから低いものへと順に充填(カスケード充填)し、隣合う磁気冷凍材料間で熱交換を行うことで大きな温度差が生成可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2003-28532号公報
特開2006-89839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
カスケード充填した磁気冷凍材料間で熱交換が行われるためには、隣合う磁気冷凍材料間で作動温度がオーバーラップする必要があり、これまでの検討により、例えばLa(Fe
1-x
Si
x
)
13
の場合、半値幅が3~5Kと狭いため、作動温度(転移温度)を高い精度で制御することが、良好な熱交換のためには好ましいことがわかってきている。
【0009】
しかしながら、La(Fe
1-x
Si
x
)
13
の作動温度は、当該材料の組成の他、製造する際の合金均質化条件や水素化条件などの製造条件によって変化し、かつΔSも同様に製造条件の影響(例えば、材料内の水素濃度分布)を大きく受けるため、研究的な数gスケールの実験ではなく、製造的なkgスケール以上の作製規模で、精度良く転移温度を制御し、かつ高いΔSを高い値とすることは困難であった。
【0010】
特に問題となるのが水素化熱処理である。一般論として前処理(活性化処理)条件で水素吸蔵の程度が変化することは知られているが、さらに水素化熱処理の温度や時間、冷却時の雰囲気や冷却速度によって、La(Fe
1-x
Si
x
)
13
材の水素吸蔵量や材料内の水素濃度分布が変化するため、水素吸蔵量の制御(転移温度の制御)と水素濃度分布の均質化(高いΔS)を製造的なスケールで達成することは簡単ではない。
(【0011】以降は省略されています)
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