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公開番号2025078370
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-20
出願番号2023190880
出願日2023-11-08
発明の名称テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス及びそれを用いた磁気光学デバイス
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C04B 35/44 20060101AFI20250513BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】出力グレード毎に利用可能なテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス及びそれを用いた磁気光学デバイスを的確に提供する。
【解決手段】本発明の透明セラミックスは、式(1)の複合酸化物とSiO2を0.1%以下で含有する焼結体を含み、
(Tb1-x-yYxScy)3(Al1-zScz)5O12(1)
(0.05≦x≦0.45、0<y<0.1、0.5<1-x-y<0.95、0.001<z<0.15、0<y+z<0.2)
外径Rmmが3.5mm以上、長さ14mm以上のロッド形状で、両端面が精密研磨と波長NnmのARコート処理が施され、光学有効径rmmが0.9×Rであり、光学有効径内に入射ビーム径Dで波長Nのレーザービームを入射させた際の平均挿入損失が0.043dB以下で、光学有効径内に30μm超の異物等が無く、10μm以上の異物等の総和が最大4個である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表される複合酸化物と焼結助剤としてSiO

を0質量%超0.1質量%以下で含有する焼結体を含むテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスであって、
(Tb
1-x-y


Sc



(Al
1-z
Sc




12
(1)
(式中、0.05≦x≦0.45、0<y<0.1、0.5<1-x-y<0.95、0.001<z<0.15、0<y+z<0.2である。)
当該テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスは、
入射ビーム径Dmmが1.6mm以下の場合、外径Rmmが2.2×Dmm以上、且つ3.5mm以上であり、
長さが14mm以上のロッド形状に加工され、その両端面が精密研磨されており、この両端面に波長NnmのARコート処理が施されており、
光学的に利用される光学有効径rmmが下記式(2)で定義される場合に、この光学有効径rmm内に入射ビーム径Dmmで波長Nnmのレーザービームを入射させた際の平均挿入損失が0.043dB以下であり、
r=0.9×R (2)
光学有効径rmm内に30μmを超える異物、異相、ボイドが無く、且つ光学有効径rmm内に10μm~30μmサイズの異物、異相、ボイドの個数の総和が最大4個である、テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記平均挿入損失が0.035dB以下であり、光学面の中心から入射ビーム径Dmmを半径とする円形領域内に10μm~30μmサイズの異物、異相、ボイドの個数の総和が最大1個である、請求項1に記載のテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス。
【請求項3】
前記平均挿入損失が0.030dB以下であり、光学有効径rmm内に10μm~30μmサイズの異物、異相、ボイドの個数の総和が最大3個であり、且つ光学面の中心から入射ビーム径Dmmを半径とする円形領域内に10μmを超える異物、異相、ボイドが無い、請求項1又は2に記載のテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス。
【請求項4】
当該テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスは、
入射ビーム径がエキスパンダーにより通常の2倍の径であるD
2倍
mmに拡張したレーザービームを利用し、この入射ビーム径D
2倍
mmが1.6mm以上の場合、外径R’mmが2.2×D
2倍
mm以上、且つ5mm以上であり、
長さが14mm以上のロッド形状に加工され、その両端面が精密研磨されており、この両端面に波長NnmのARコート処理が施されており、
光学的に利用される光学有効径r’mmが下記式(3)で定義される場合に、この光学有効径r’mm内にビーム径D
2倍
mmで波長Nnmのレーザービームを入射させた際の平均挿入損失が0.030dB以下であり、
r’=0.9×R’ (3)
光学有効径rmm内に10μm~30μmサイズの異物、異相、ボイドの個数の総和が最大2個であり、光学面の中心から2×D
2倍
mmを半径とする円形領域内に10μmを超える異物、異相が1つも無く、10μm~30μmサイズのボイドの個数が最大2個であり、且つ光学面の中心からD
2倍
mmを半径とする円形領域内に10μmを超える異物、異相、ボイドが1つも無い、請求項1に記載のテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス。
【請求項5】
請求項1または4に記載のテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスを用いて構成される磁気光学材料。
【請求項6】
上記テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスをファラデー回転子として備え、上記ファラデー回転子の光学軸上の前後に偏光材料を備えた波長帯0.9μm以上、1.1μm以下で利用可能な光アイソレータである請求項5記載の磁気光学デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス及びそれを用いた磁気光学デバイスに関し、より詳細には、光アイソレータなどの磁気光学デバイスを構成するのに好適なテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス及びそれを用いた磁気光学デバイスに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、高出力化が可能となってきたこともあり、ファイバーレーザーを用いたレーザー加工機の普及が目覚しい。ところで、レーザー加工機に組み込まれるレーザー光源は、外部からの光が入射すると共振状態が不安定化し、発振状態が乱れる現象が起こる。特に発振された光が途中の光学系で反射されて光源に戻ってくると、発振状態は大きく撹乱される。これを防止するために、通常光アイソレータが光源の手前等に設けられる。
【0003】
光アイソレータは、ファラデー回転子と、ファラデー回転子の光入射側に配置された偏光子と、ファラデー回転子の光出射側に配置された検光子とからなる。また、ファラデー回転子は、光の進行方向に平行に磁界を加えて利用する。このとき、光の偏波線分はファラデー回転子中を前進しても後進しても一定方向にしか回転しなくなる。更に、ファラデー回転子は光の偏波線分が丁度45度回転される長さに調整される。ここで、偏光子と検光子の偏波面を前進する光の回転方向に45度ずらしておくと、前進する光の偏波は偏光子位置と検光子位置で一致するため透過する。他方、後進する光の偏波は検光子位置から45度ずれている偏光子の偏波面のずれ角方向とは逆回転に45度回転することになる。
すると、偏光子位置における戻り光の偏波面は偏光子の偏波面に対して45度-(-45度)=90度のずれとなり、偏光子を透過できない。こうして前進する光は透過、出射させ、後進する戻り光は遮断する光アイソレータとして機能する。
【0004】
上記光アイソレータを構成するファラデー回転子として用いられる材料として、近年、(Tb
1-x-y


Sc



(Al
1-z
Sc




12
という組成を有するテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスの普及が進んでいる。例えば、これらの組成や透明性については特開2019-199386号公報(特許文献1)、国際公開第2022/054596号(特許文献2)に詳しい。
【0005】
またその作製方法については特開2019-104674号公報(特許文献3)、特開2019-207340号公報(特許文献4)、特開2019-199078号公報(特許文献5)、特開2019-199079号公報(特許文献6)、国際公開第2022/054593号(特許文献7)、国際公開第2022/054515号(特許文献8)、特開2023-064774号公報(特許文献9)、特開2023-082887号公報(特許文献10)、特開2023-128125号公報(特許文献11)などに詳しい。
【0006】
さらに品質などについては特許文献7、国際公開第2022/054595号(特許文献12)、国際公開第2022/085107号(特許文献13)、国際公開第2022/054592号(特許文献14)、国際公開第2022/054594号(特許文献15)、特開2023-128117号公報(特許文献16)などに詳しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-199386号公報
国際公開第2022/054596号
特開2019-104674号公報
特開2019-207340号公報
特開2019-199078号公報
特開2019-199079号公報
国際公開第2022/054593号
国際公開第2022/054515号
特開2023-064774号公報
特開2023-082887号公報
特開2023-128125号公報
国際公開第2022/054595号
国際公開第2022/085107号
国際公開第2022/054592号
国際公開第2022/054594号
特開2023-128117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスについて、実際の工業利用においては、例えば、レーザー加工機の出力パワーグレードにより、用いられるファラデー回転子の光学品質規格に差が出てくる。低出力用途では、光学有効径内に多少のコントラスト源があっても許容され得るし、高出力用途では当然にコントラスト源のサイズについての管理が厳しくなる。ただし、従来こうした出力パワーグレードに対応したファラデー回転子の光学品質について言及された文献は見当たらない。
【0009】
なお、特許文献7では、光学有効径内に存在するコントラスト源のサイズや個数を規定することにより、100W超のハイパワーレーザーへの適用が可能になる効果が例示されているに留まり、レーザー加工機の出力パワーグレードにより、コントラスト源のサイズや個数を変動できることについては、何らの示唆もなされていない。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスをロッド形状に加工してARコート処理をした後に、コントラスト源のサイズと個数、及びビームの挿入損失を段階的に規定することにより、出力グレード毎に利用可能なテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス及びそれを用いた磁気光学デバイスを的確に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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