特許ウォッチ

公開番号2025083731
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197293
出願日2023-11-21
発明の名称回転電機のステータ
出願人株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類H02K 3/46 20060101AFI20250526BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】絶縁部材におけるコイルエンドよりもヨークの径方向の内側への飛び出しを抑えつつも、ヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士の間の絶縁を確保すること。
【解決手段】突出壁60は、延在部47から突出するとともにヨーク16の周方向で隣り合うコイルエンド32同士の間に配置されている。これによれば、突出壁60によって、ヨーク16の周方向で隣り合うコイルエンド32同士の間の絶縁が確保される。ここで、突出壁60は、コイル30をヨーク16の径方向の内側から支持する支持部46から突出していない。したがって、コイルエンド32よりもヨーク16の径方向の内側への絶縁部材40の飛び出しを抑えつつも、ヨーク16の周方向で隣り合うコイルエンド32同士の間の絶縁が確保される。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項１】
筒状のヨーク、及び前記ヨークの内周面から前記ヨークの径方向の内側へ延びる複数のティースを有し、前記ヨークの周方向で隣り合うティースの間にスロットが形成されているステータコアと、
前記スロットを通過する巻線が前記各ティースに集中巻きで巻回されることにより形成され、且つ、前記ステータコアにおける前記ヨークの軸方向に位置する端面であるコア端面から突出するコイルエンドを含むコイルと、
前記スロット内において前記周方向で隣り合うコイル同士の間に配置され、前記周方向で隣り合うコイル同士の間を絶縁する絶縁部材と、を備えている回転電機のステータであって、
前記絶縁部材は、
前記スロット内において前記コイルよりも前記径方向の内側に配置されるとともに前記コイルを前記径方向の内側から支持する支持部、及び、前記スロット内において前記支持部から前記径方向の外側へ延在して前記周方向で隣り合うコイル同士の間に配置されるとともに前記周方向で隣り合うコイル同士の間を絶縁する延在部を有する柱状の本体壁と、
前記本体壁における長手方向に位置する端面から突出する突出壁と、を備え、
前記突出壁は、前記延在部から突出するとともに前記周方向で隣り合うコイルエンド同士の間に配置されていることを特徴とする回転電機のステータ。
続きを表示（約 360 文字）【請求項２】
前記突出壁は、前記周方向で隣り合うコイルエンド同士の間で前記径方向に延在する板状であることを特徴とする請求項１に記載の回転電機のステータ。
【請求項３】
前記突出壁における前記周方向の幅は、前記延在部における前記周方向の幅よりも小さいことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の回転電機のステータ。
【請求項４】
前記延在部は、前記支持部から前記径方向の外側へ向かうにつれて前記周方向の幅が小さくなるように延在しており、
前記延在部における前記径方向の外側に位置する端部は、前記延在部において前記周方向の幅が最も小さい部分である幅狭部になっており、
前記突出壁は、少なくとも前記幅狭部から突出していることを特徴とする請求項１に記載の回転電機のステータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、回転電機のステータに関する。
続きを表示（約 2,400 文字）【背景技術】
【０００２】
例えば特許文献１に開示されているように、回転電機のステータは、ステータコアと、コイルと、を備えている。ステータコアは、筒状のヨーク、及び複数のティースを有している。複数のティースは、ヨークの内周面からヨークの径方向の内側へ延びている。そして、ステータコアには、ヨークの周方向で隣り合うティースの間にスロットが形成されている。コイルは、スロットを通過する巻線が各ティースに集中巻きで巻回されることにより形成されている。コイルは、ステータコアにおけるヨークの軸方向に位置する端面であるコア端面から突出するコイルエンドを含む。また、回転電機のステータは、絶縁部材を備えている。絶縁部材は、スロット内においてヨークの周方向で隣り合うコイル同士の間に配置されている。そして、絶縁部材は、スロット内においてヨークの周方向で隣り合うコイル同士の間を絶縁している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００６－８７１７２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、このような回転電機のステータにおいては、回転電機の軸方向の体格の小型化を図るために、コイルエンドを押し潰すことが考えられる。この場合、コイルエンドを押し潰す分だけ、ヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士が近付くことになる。したがって、ヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士の間の絶縁距離が確保できなくなる虞がある。
【０００５】
そこで、特許文献１のように、絶縁部材の一部をステータコアのコア端面から突出させることにより、絶縁部材におけるコア端面から突出している部分を、ヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士の間に配置することが考えられる。これによれば、絶縁部材におけるコア端面から突出している部分によって、ヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士の間の絶縁を確保することができる。
【０００６】
ここで、絶縁部材におけるコア端面から突出している部分が、コイルエンドよりもヨークの径方向の内側へ飛び出している場合を考える。このような場合、例えば、コイルエンドよりもヨークの径方向の内側に部品を配置するときに、絶縁部材が部品に干渉してしまう虞がある。このように、絶縁部材におけるコア端面から突出している部分が、コイルエンドよりもヨークの径方向の内側へ飛び出していると、不具合が生じる虞がある。したがって、絶縁部材におけるコイルエンドよりもヨークの径方向の内側への飛び出しを抑えつつも、ヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士の間の絶縁を確保することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決する回転電機のステータは、筒状のヨーク、及び前記ヨークの内周面から前記ヨークの径方向の内側へ延びる複数のティースを有し、前記ヨークの周方向で隣り合うティースの間にスロットが形成されているステータコアと、前記スロットを通過する巻線が前記各ティースに集中巻きで巻回されることにより形成され、且つ、前記ステータコアにおける前記ヨークの軸方向に位置する端面であるコア端面から突出するコイルエンドを含むコイルと、前記スロット内において前記周方向で隣り合うコイル同士の間に配置され、前記周方向で隣り合うコイル同士の間を絶縁する絶縁部材と、を備えている回転電機のステータであって、前記絶縁部材は、前記スロット内において前記コイルよりも前記径方向の内側に配置されるとともに前記コイルを前記径方向の内側から支持する支持部、及び、前記スロット内において前記支持部から前記径方向の外側へ延在して前記周方向で隣り合うコイル同士の間に配置されるとともに前記周方向で隣り合うコイル同士の間を絶縁する延在部を有する柱状の本体壁と、前記本体壁における長手方向に位置する端面から突出する突出壁と、を備え、前記突出壁は、前記延在部から突出するとともに前記周方向で隣り合うコイルエンド同士の間に配置されている。
【０００８】
これによれば、突出壁によって、ヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士の間の絶縁を確保することができる。ここで、突出壁は、コイルをヨークの径方向の内側から支持する支持部から突出していない。そして、突出壁は、支持部からヨークの径方向の外側へ延在してヨークの周方向で隣り合うコイル同士の間に配置される延在部から突出するとともにヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士の間に配置されている。したがって、コイルエンドよりもヨークの径方向の内側への絶縁部材の飛び出しを抑えつつも、ヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士の間の絶縁を確保することができる。
【０００９】
上記回転電機のステータにおいて、前記突出壁は、前記周方向で隣り合うコイルエンド同士の間で前記径方向に延在する板状であるとよい。
これによれば、突出壁が、ヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士の間でヨークの径方向に延在する板状であるため、突出壁によって、ヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士の間の絶縁を確保し易くすることができる。
【００１０】
上記回転電機のステータにおいて、前記突出壁における前記周方向の幅は、前記延在部における前記周方向の幅よりも小さいとよい。
これによれば、例えば、突出壁におけるヨークの周方向の幅が、延在部におけるヨークの周方向の幅以上である場合に比べると、ヨークの周方向で隣り合うコイルエンド同士の間での突出壁の配置スペースを極力少なくすることができる。その結果、コイルエンドを押し潰し易くすることができるため、回転電機の軸方向の体格の小型化を図り易くすることができる。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許