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公開番号2025086880
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-09
出願番号2024199752
出願日2024-11-15
発明の名称プライマーセット、キット及び判別方法
出願人国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 15/11 20060101AFI20250602BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】近縁種からトマトキバガを判別するための新規のプライマーセット、キット及び判別方法を提供すること。
【解決手段】配列番号1に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、配列番号2に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、配列番号5に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、及び配列番号6に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマーを含む、プライマーセット。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
配列番号1に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、
配列番号2に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、
配列番号5に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、及び
配列番号6に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー
を含む、プライマーセット。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
配列番号3に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、及び
配列番号4に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー
をさらに含む、請求項1に記載のプライマーセット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプライマーセットを含む、トマトキバガ検出キット。
【請求項4】
被験昆虫がトマトキバガであるか否かを判別する方法であって、
プライマーセットを用いて、被験昆虫の核酸を鋳型としてLAMP法を実施すること、
LAMP法により核酸の増幅が確認された場合に、被験昆虫がトマトキバガであると判別することを含み、
前記プライマーセットが、
配列番号1に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、
配列番号2に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、
配列番号5に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、及び
配列番号6に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマーを含む、方法。
【請求項5】
前記プライマーセットが、配列番号3に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、及び
配列番号4に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマーをさらに含む、請求項4に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プライマーセット、キット及び判別方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
トマトキバ(Tuta absoluta)はトマトを中心としたナス科植物を加害するチョウ目キバガ科の害虫であり、トマトにおいては幼虫が葉や果実に穿孔して内部を食害することで収穫に大きな被害を与える。本種は幼虫が葉や果実内に潜行して成長することから、生産圃場へ侵入すると植物体に大きな被害が発生するまでに本種の侵入を確認することが困難である事から、圃場周辺での予察を行い本種の発生を迅速に確認することが必要である。
【0003】
しかし、トマトキバガの形態形質に基づく種の同定に関しては専門知識や経験が必要であり、トラップで捕獲された近縁種の成虫との形態的な判別は生産現場においては困難である。そのため、栽培現場での簡便且つ迅速な同定法が求められている。
【0004】
非特許文献1には、トマトキバガのReal-Time PCR法を用いた同定方法が記載されている。しかしながら、Real-Time PCR法を用いた方法では、Real-Time PCRのための機器及び試薬が必要であり、栽培現場での迅速な同定には不向きである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
FA Zink et al., Journal of Economic Entomology, 113(3), 2020, 1479-1485
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、近縁種からトマトキバガを判別するための新規のプライマーセット、キット及び判別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、LAMP法によりトマトキバガに特異的な塩基配列を増幅することができる新規プライマーセットを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、例えば、以下の発明を提供する。
〔1〕
配列番号1に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、
配列番号2に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、
配列番号5に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、及び
配列番号6に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー
を含む、プライマーセット。
〔2〕
配列番号3に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、及び
配列番号4に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー
をさらに含む、〔1〕に記載のプライマーセット。
〔3〕
〔1〕又は〔2〕に記載のプライマーセットを含む、トマトキバガ検出キット。
〔4〕
被験昆虫がトマトキバガであるか否かを判別する方法であって、
プライマーセットを用いて、被験昆虫の核酸を鋳型としてLAMP法を実施すること、
LAMP法により核酸の増幅が確認された場合に、被験昆虫がトマトキバガであると判別することを含み、
上記プライマーセットが、
配列番号1に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、
配列番号2に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、
配列番号5に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、及び
配列番号6に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマーを含む、方法。
〔5〕
上記プライマーセットが、配列番号3に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマー、及び
配列番号4に示す塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドからなるプライマーをさらに含む、〔4〕に記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、LAMP法によりトマトキバガに特異的な塩基配列を増幅することで、トマトキバガを迅速に検出することができ、近縁種からトマトキバガを判別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
表1のプライマーを設計した際のプライマーの設計模図である。アラインメントは、上からトマトキバガ(Tuta absoluta)、ヒヨドリジョウゴキバガ(ポルトガル)(Scrobipalpa ergasima P)、ヒヨドリジョウゴキバガ(ポルトガル)(Scrobipalpa ergasima J)、ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)、tomato pinworm(Keiferia lycopersicella)、コナガ(Plutella xylostella)の配列をそれぞれ示す。
実施例1において、トマトキバガ及び近縁種のDNAを鋳型とし、開発したプライマーのセットを用いてLAMP法を行った際のリアルタイム濁度データを示すグラフである。DNA増幅が進むと濁度が上昇する。15~20分で濁度が上昇しているサンプルがトマトキバガである。各サンプル番号は、以下のDNAを鋳型とした結果を示す。1- 4:ヒヨドリジョウゴキバガ、Sp・p:トマトキバガ(ポジティブコントロール)、Sn・n:ネガティブコントロール(蒸留水)。
実施例2において、トマトキバガ及び近縁種のDNAを鋳型とし、開発したプライマーのセットを用いてLAMP法を行った際のリアルタイム濁度データを示すグラフである。DNA増幅が進むと濁度が上昇する。15~20分で濁度が上昇しているサンプルがトマトキバガである。各サンプル番号は、以下のDNAを鋳型とした結果を示す。KC24・KW2・KW5・KC53:ジャガイモガ、KC54・KC55:トマトキバガ、n:ネガティブコントロール(蒸留水)、p:ポジティブコントロール(トマトキバガ)。
実施例3において、トマトキバガ及び近縁種のDNAを鋳型とし、開発したプライマーのセットを用いてLAMP法を行った際のリアルタイム濁度データを示すグラフである。DNA増幅が進むと濁度が上昇する。15~20分で濁度が上昇しているサンプルがトマトキバガである。各サンプル番号は、以下のDNAを鋳型とした結果を示す。KC29・KC30・KC31・KC32・KC39・KC40:トマトキバガ、KC33:カレハチビマルハキバガ(Tyrolimnas anthraconesa)、KC34:ホソキバガ科の一種(Batrachedra sp.)、KC35:ハマキガ科の一種、KC36:ホソキバガ科の一種(Batrachedra sp.)、KC37:ツツミノガ科の一種(Coleophora sp.)、KC38:ネマルハキバガ科の一種(Blastobasis sp.)、n:ネガティブコントロール、p:ポジティブコントロール(トマトキバガ)。
実施例4において、トマトキバガ及び近縁種のDNAを鋳型として、開発したプライマーのセットを用いてLAMP法を行い、色相の変化によりトマトキバガを同定した結果を示す写真である。DNAが増幅すると反応液が赤色から黄色に変化する。各サンプル番号は、以下のDNAを鋳型とした結果を示す。T:トマトキバガ、P:ジャガイモガ、E:ヒヨドリジョウゴキバ、N:ネガティブコントロール(蒸留水)。トマトキバガのみ反応液が赤色から黄色に変化した。
実施例5において、トマトキバガ及び近縁種のDNAを鋳型とし、開発したプライマーのセットを用いてLAMP法を行った際のリアルタイム濁度データを示すグラフである。DNA増幅が進むと濁度が上昇する。15~20分で唯一濁度が上昇しているサンプルpがポジティブコントロール(トマトキバガ)である。nはネガティブコントロールである。トマトキバガ以外の昆虫種のサンプルは、60分間経過しても濁度の上昇は確認されなかった。
実施例5において、トマトキバガ及び近縁種のDNAを鋳型とし、開発したプライマーのセットを用いてLAMP法を行った際のリアルタイム濁度データを示すグラフである。DNA増幅が進むと濁度が上昇する。15~20分で唯一濁度が上昇しているサンプルpがポジティブコントロール(トマトキバガ)である。nはネガティブコントロールである。トマトキバガ以外の昆虫種のサンプルは、60分間経過しても濁度の上昇は確認されなかった。
実施例5において、トマトキバガ及び近縁種のDNAを鋳型とし、開発したプライマーのセットを用いてLAMP法を行った際のリアルタイム濁度データを示すグラフである。DNA増幅が進むと濁度が上昇する。15~20分で唯一濁度が上昇しているサンプルpがポジティブコントロール(トマトキバガ)である。nはネガティブコントロールである。トマトキバガ以外の昆虫種のサンプルは、60分間経過しても濁度の上昇は確認されなかった。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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