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公開番号2025098278
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2025061682,2022130662
出願日2025-04-03,2020-11-17
発明の名称細胞構造体及びその製造方法並びに被験物質の肝毒性の評価方法
出願人TOPPANホールディングス株式会社,国立大学法人大阪大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20250624BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】肝毒性を有する物質に対する応答性に優れる細胞構造体を提供すること。
【解決手段】肝細胞と血管内皮細胞とを少なくとも含む細胞と、細胞外マトリックス成分とを含み、細胞の間に細胞外マトリックス成分が配置され、細胞の間に肝類洞網を有する、細胞構造体。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
肝細胞と血管内皮細胞とを少なくとも含む細胞と、フィブリンと、細胞外マトリックス成分とを含み、
前記細胞の間に前記細胞外マトリックス成分が配置され、
前記細胞の間に肝類洞網を有し、
前記細胞を含む細胞集合体が前記フィブリンに内包されており、
前記肝細胞が、初代肝細胞、前記初代肝細胞を培養した細胞、及び前記初代肝細胞を株化した培養細胞株からなる群より選択される少なくとも1種である、細胞構造体。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記細胞の総数に対する、前記肝細胞の数の比率が60%以上80%以下である、請求項1に記載の細胞構造体。
【請求項3】
前記細胞の総数に対する、前記血管内皮細胞の数の比率が5%以上35%以下である、請求項1又は2に記載の細胞構造体。
【請求項4】
前記細胞構造体が高分子電解質を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞構造体。
【請求項5】
前記高分子電解質がヘパリンである、請求項4に記載の細胞構造体。
【請求項6】
前記細胞外マトリックス成分が線維状である、請求項1~5のいずれか一項に記載の細胞構造体。
【請求項7】
前記細胞外マトリックス成分がコラーゲン成分を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の細胞構造体。
【請求項8】
前記細胞外マトリックス成分が、断片化された細胞外マトリックス成分を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の細胞構造体。
【請求項9】
前記血管内皮細胞が類洞内皮細胞である、請求項1~8のいずれか一項に記載の細胞構造体。
【請求項10】
前記細胞が、肝星細胞を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の細胞構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞構造体及びその製造方法並びに被験物質の肝毒性の評価方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
薬物性肝障害(DILI)は、医薬品の開発/販売中止の主要因である。DILIの作用機序は複雑且つ多岐に渡り、ヒト特有の生体反応によって発現する毒性も少なからず存在するため、動物試験ではその事前予測が必ずしも容易ではない。従って、そのようなヒト特有に発現する毒性の事前予測を行う代替ツールとして類肝組織が求められている。
【0003】
人工的に生体組織を模した構造体を作製する手法として、例えば、培養細胞の表面全体が接着膜で被覆された被覆細胞を培養することによって、三次元組織体を製造する方法(特許文献1)、細胞をカチオン性物質および細胞外マトリックス成分と混合して混合物を得て、得られた混合物から細胞を集めて、基材上に細胞集合体を形成することを含む、立体的細胞組織の製造方法(特許文献2)等が知られている。また、本発明者らは、細胞と内因性コラーゲンを接触させ、好ましくはさらに繊維性の外因性コラーゲンを接触させて、コラーゲン濃度が高い三次元組織体を製造する方法(特許文献3)を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-115254号公報
国際公開第2017/146124号
国際公開第2018/143286号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
血管構造等の高次組織形態を三次元的に再現し、正確な毒性評価を可能とし得るin vitro類肝組織は未だ構築されていない。
【0006】
本発明の目的は、肝毒性を有する物質に対する応答性に優れる細胞構造体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、例えば以下の各発明に関する。
[1]
肝細胞と血管内皮細胞とを少なくとも含む細胞と、細胞外マトリックス成分とを含み、
上記細胞の間に上記細胞外マトリックス成分が配置され、
上記細胞の間に肝類洞網を有する、細胞構造体。
[2]
上記細胞の総数に対する、上記肝細胞の数の比率が60%以上80%以下である、[1]に記載の細胞構造体。
[3]
上記細胞の総数に対する、上記血管内皮細胞の数の比率が5%以上35%以下である、[1]又は[2]に記載の細胞構造体。
[4]
上記細胞外マトリックス成分が線維状である、[1]~[3]のいずれかに記載の細胞構造体。
[5]
上記細胞外マトリックス成分がコラーゲン成分を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の細胞構造体。
[6]
高分子電解質を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の細胞構造体。
[7]
上記細胞外マトリックス成分が、断片化された細胞外マトリックス成分を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の細胞構造体。
[8]
上記血管内皮細胞が類洞内皮細胞である、[1]~[7]のいずれかに記載の細胞構造体。
[9]
上記細胞が、肝星細胞を更に含む、[1]~[8]のいずれかに記載の細胞構造体。
[10]
[1]~[9]のいずれかに記載の細胞構造体を、被験物質と接触させた状態で培養する培養工程を備え、
上記培養工程後における、上記細胞構造体の細胞生存数、アルブミン生産量、アデノシン三リン酸含有量、又は肝類洞網を指標として、肝毒性の有無又は程度を評価する、被験物質の肝毒性の評価方法。
[11]
上記培養工程が、上記被験物質を含有する培地中で上記細胞構造体を培養することにより行われる、[10]に記載の被験物質の肝毒性の評価方法。
[12]
肝細胞と血管内皮細胞とを少なくとも含む細胞と、細胞外マトリックス成分とを、水性媒体中で接触させる接触工程と、
上記細胞外マトリックス成分と接触させた上記細胞を培養する培養工程と、を備え、
上記接触工程が、水性媒体中での上記細胞外マトリックス成分の凝集が抑制された条件で行われ、
上記培養工程が、肝非実質細胞の培養に適した条件で行われる、細胞構造体の製造方法。
[13]
上記細胞外マトリックス成分が線維状である、[12]に記載の細胞構造体の製造方法。
[14]
上記接触工程が、上記細胞と、上記細胞外マトリックス成分と、高分子電解質とを混合することにより行われる、[12]又は[13]に記載の細胞構造体の製造方法。
[15]
上記高分子電解質が、ヘパリンである、[14]に記載の細胞構造体の製造方法。
[16]
接触工程が、上記細胞と、上記細胞外マトリックス成分との接触後に、上記細胞及び上記細胞外マトリックス成分を集積させることを含む、[12]~[15]のいずれかに記載の細胞構造体の製造方法。
[17]
上記細胞外マトリックス成分が、コラーゲン成分を含む、[12]~[16]のいずれかに記載の細胞構造体の製造方法。
[18]
上記細胞外マトリックス成分が、断片化された細胞外マトリックス成分を含む、[12]~[17]のいずれかに記載の細胞構造体の製造方法。
[19]
上記断片化された細胞外マトリックス成分が解繊された細胞外マトリックス成分である、[18]に記載の細胞構造体の製造方法。
[20]
上記血管内皮細胞が類洞内皮細胞である、[12]~[19]のいずれかに記載の細胞構造体の製造方法。
[21]
上記細胞が、肝星細胞を更に含む、[12]~[20]のいずれかに記載の細胞構造体の製造方法。
[22]
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、肝毒性を有する物質に対する応答性に優れる細胞構造体及びその製造方法を提供することができる。
【0009】
本発明の細胞構造体は、肝機能を比較的長期間(例えば、2週間以上)維持することが可能である。本発明の細胞構造体を用いることにより、被験物質の肝毒性を評価することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
CD31染色及びアルブミン染色による実施例1の細胞構造体の顕微鏡観察結果を示す写真である。
CD31染色及びアルブミン染色による実施例2の細胞構造体の顕微鏡観察結果を示す写真である。
CD31染色及びアルブミン染色による実施例3の細胞構造体の顕微鏡観察結果を示す写真である。
CD31染色及びアルブミン染色による実施例4の細胞構造体の顕微鏡観察結果を示す写真である。
CD31染色及びアルブミン染色による実施例5の細胞構造体の顕微鏡観察結果を示す写真である。
CD31染色及びアルブミン染色による比較例1の細胞構造体の顕微鏡観察結果を示す写真である。
CD31染色による実施例6の細胞構造体の顕微鏡観察結果を示す写真である。
CD31染色による実施例7の細胞構造体の顕微鏡観察結果を示す写真である。
CD31染色による実施例8の細胞構造体の顕微鏡観察結果を示す写真である。
アルブミン分泌量の測定結果を示すグラフである。
Nefadazoneに対する応答性の評価結果を示すグラフである。
Troglitazoneに対する応答性の評価結果を示すグラフである。
モノクロタリン投与実験の結果を示す写真である。
モノクロタリン投与実験の結果を示す写真であり、図13の拡大写真である。
モノクロタリン投与実験における肝類洞網の解析結果を示すグラフである。
モノクロタリン投与実験におけるATPアッセイの結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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