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公開番号2025099395
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023216030
出願日2023-12-21
発明の名称三次元構造体の製造方法
出願人JSR株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12N 5/071 20100101AFI20250626BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】三次元構造体の形成から回収までを簡便に行える新たな手段を提供すること。
【解決手段】以下の工程(i)~(iii)を備える、三次元構造体の製造方法。
(i)上端が第一の開口部となっており、底部及び側壁のいずれか一方又は両方に第二の開口部が少なくとも1つ設けられている容器を準備する工程
(ii)回転型粘度計を用いて測定温度23℃、せん断速度0.1sec-1の条件で測定したときの粘度Xと、回転型粘度計を用いて測定温度23℃、せん断速度100sec-1の条件で測定したときの粘度Yとの比(X/Y)が10以上である第一の組成物を、少なくとも第一の組成物が容器内側から第二の開口部に接するまで前記容器に充填する工程
(iii)工程(ii)で容器に充填された第一の組成物に第二の組成物を注入する工程
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
以下の工程(i)~(iii)を備える、三次元構造体の製造方法。
(i)上端が第一の開口部となっており、底部及び側壁のいずれか一方又は両方に第二の開口部が少なくとも1つ設けられている容器を準備する工程
(ii)回転型粘度計を用いて測定温度23℃、せん断速度0.1sec
-1
の条件で測定したときの粘度Xと、回転型粘度計を用いて測定温度23℃、せん断速度100sec
-1
の条件で測定したときの粘度Yとの比(X/Y)が10以上である第一の組成物を、少なくとも第一の組成物が容器内側から第二の開口部に接するまで前記容器に充填する工程
(iii)工程(ii)で容器に充填された第一の組成物に第二の組成物を注入する工程
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
以下の工程(iv)を更に備える、請求項1に記載の製造方法。
(iv)工程(iii)で形成された三次元構造体と第一の組成物とを含む前記容器を振盪する工程
【請求項3】
工程(iv)が、前記容器を、第一の組成物を溶解する液剤中に少なくとも前記液剤が容器外側から第二の開口部に接するまで浸漬し、前記液剤に浸漬された前記容器を振盪する工程である、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
工程(ii)で第二の開口部から漏出する第一の組成物の漏出率が、工程(ii)で充填した第一の組成物に対して0質量%以上10質量%以下であり、工程(iv)で第二の開口部から漏出する第一の組成物の漏出率が、工程(iii)後の第一の組成物に対して20質量%以上である、請求項2に記載の製造方法。
【請求項5】
工程(iv)の振盪速度が、10rpm以上1000rpm以下である、請求項2に記載の製造方法。
【請求項6】
工程(iv)の振盪速度が、80rpm以上200rpm以下である、請求項2に記載の製造方法。
【請求項7】
工程(iii)が、工程(ii)で容器に充填された第一の組成物に、せん断を加えながら第二の組成物を注入する工程である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記容器の第二の開口部の数が、3個以上である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記容器の第二の開口部の数が、8個以上である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
前記容器が、第二の開口部が少なくとも側壁に設けられたものであり、側壁に設けられた第二の開口部1つあたりの容器周方向の開口幅が0.5mm以上10mm以下である、請求項1に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元構造体の製造方法に関する。より詳細には、三次元構造体の製造方法、当該製造方法で得られた三次元構造体、及び三次元構造体の製造方法に使用するための容器に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
3Dプリンティングは、3Dモデルデータを元に三次元構造体を立体造形することをいい、この技術を利用して三次元細胞パターン等を製造する3Dバイオプリンティングが、再生医療の分野で注目されている。
生体組織や臓器として用いるためには、三次元細胞パターンが、実際の生体組織や臓器と同様に複雑且つ柔軟であることが必要であり、このようなパターンを作製するために、容器に充填された応力印加時(描画時)に液体的となり描画後無応力となったときには固体的となる支持体(ビンガム塑性挙動を示す支持体)にせん断を加えて3Dバイオプリンティングは行われる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
WO2018/187595号パンフレット
WO2018/187780号パンフレット
WO2016/090286号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして、形成された三次元構造体を上記支持体から回収する手法として、過剰量の有機溶媒に浸漬させ静置すること又は支持体の電解質濃度を大きくすることで、支持体であるゲルの網目構造を破壊するような手法が知られているが(特許文献2~3)、三次元構造体の回収まで長時間を要する、三次元構造体にダメージを与える場合がある等という問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、三次元構造体の形成から回収までを簡便に行える新たな手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一方、本出願人は、特定のN-ビニルアミド系モノマーに由来する構造単位を有するポリマーと水系媒体を含有するものが、3Dプリンティング支持体用又は三次元細胞培養支持体用組成物として有用ということを見出し、先に特許出願したが(PCT/JP2023/024928)、この技術を見出す過程で、回転型粘度計を用いて測定温度23℃、せん断速度0.1sec
-1
の条件で測定したときの粘度Xと、回転型粘度計を用いて測定温度23℃、せん断速度100sec
-1
の条件で測定したときの粘度Yとの比(X/Y)が10以上の支持体用組成物が、塑性流体様の粘度特性を有するとともに、振盪した場合に大幅に低粘度化しやすいことがわかった。
また、支持体用組成物の充填に用いられる容器の性能としては、堅牢性や耐久性、支持体に対する耐性といったサポート性能やその安定性が重視されることが一般的であり、底部や側壁への開口等といった支持体用組成物充填容器への物理的な加工はほとんど着目されていなかった。
【0006】
そのような状況の下、本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、上端が第一の開口部となっており、底部及び側壁のいずれか一方又は両方に第二の開口部が少なくとも1つ設けられている容器の第二の開口部に接するまで上記比(X/Y)が10以上の支持体用組成物を充填しても、意外にも降伏応力により第二の開口部から組成物が漏出しにくく、これをサポートバスとして三次元構造体の製造を実施でき、しかも、三次元構造体形成完了後には、振盪に代表される簡便な操作を実施すれば第二の開口部から支持体が漏出していき、三次元構造体を回収できるということを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、本発明は、以下の<1>~<18>を提供するものである。
<1> 以下の工程(i)~(iii)を備える、三次元構造体の製造方法(以下、本発明の三次元構造体製造方法又は本発明の製造方法とも称する)。
(i)上端が第一の開口部となっており、底部及び側壁のいずれか一方又は両方に第二の開口部が少なくとも1つ設けられている容器を準備する工程
(ii)回転型粘度計を用いて測定温度23℃、せん断速度0.1sec
-1
の条件で測定したときの粘度Xと、回転型粘度計を用いて測定温度23℃、せん断速度100sec
-1
の条件で測定したときの粘度Yとの比(X/Y)が10以上である第一の組成物を、少なくとも第一の組成物が容器内側から第二の開口部に接するまで前記容器に充填する工程
(iii)工程(ii)で容器に充填された第一の組成物に第二の組成物を注入する工程
【0008】
<2> 以下の工程(iv)を更に備える、<1>に記載の製造方法。
(iv)工程(iii)で形成された三次元構造体と第一の組成物とを含む前記容器を振盪する工程
<3> 工程(iv)が、前記容器を、第一の組成物を溶解する液剤中に少なくとも前記液剤が容器外側から第二の開口部に接するまで浸漬し、前記液剤に浸漬された前記容器を振盪する工程である、<2>に記載の製造方法。
<4> 工程(ii)で第二の開口部から漏出する第一の組成物の漏出率が、工程(ii)で充填した第一の組成物に対して0質量%以上10質量%以下であり、工程(iv)で第二の開口部から漏出する第一の組成物の漏出率が、工程(iii)後の第一の組成物に対して20質量%以上である、<2>又は<3>に記載の製造方法。
<5> 工程(iv)の振盪速度が、10rpm以上1000rpm以下である、<2>~<4>のいずれかに記載の製造方法。
【0009】
<6> 工程(iv)の振盪速度が、80rpm以上200rpm以下である、<2>~<4>のいずれかに記載の製造方法。
<7> 工程(iii)が、工程(ii)で容器に充填された第一の組成物に、せん断を加えながら第二の組成物を注入する工程である、<1>~<6>のいずれかに記載の製造方法。
<8> 前記容器の第二の開口部の数が、3個以上である、<1>~<7>のいずれかに記載の製造方法。
<9> 前記容器の第二の開口部の数が、8個以上である、<1>~<8>のいずれかに記載の製造方法。
【0010】
<10> 前記容器が、第二の開口部が少なくとも側壁に設けられたものであり、側壁に設けられた第二の開口部1つあたりの容器周方向の開口幅が0.5mm以上10mm以下である、<1>~<9>のいずれかに記載の製造方法。
<11> 前記容器が、第二の開口部が少なくとも側壁に設けられたものであり、側壁に設けられた第二の開口部1つあたりの容器周方向の開口幅が3.5mm以上4.5mm以下である、<1>~<10>のいずれかに記載の製造方法。
<12> 第二の開口部1つあたりの開口面積が、15mm

以上300mm

以下である、<1>~<11>のいずれかに記載の製造方法。
<13> 工程(ii)が、第二の開口部1つあたりの第二の開口部と第一の組成物とが接する面積が15mm

以上300mm

以下となるように充填するものである、<1>~<12>のいずれかに記載の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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