TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025098410
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214517
出願日2023-12-20
発明の名称トナー用結着樹脂
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類G03G 9/087 20060101AFI20250625BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】耐ホットオフセット性、現像効率、及びカブリ発生の抑制に優れる電子写真用トナーに用いられるトナー用結着樹脂、該トナー用結着樹脂を含有する電子写真用トナー、及び該電子写真用トナーの製造方法を提供する。
【解決手段】非晶性ポリエステル系樹脂(A)を含有するトナー用結着樹脂であって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)が2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーンと、を含む原料成分の反応物であるシリコーン変性ポリエステル系樹脂であって、前記カルボン酸成分が、アルケニルコハク酸を7モル%以上含有し、前記変性シリコーンは、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、及びカルビノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性シリコーンであって、前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)の軟化点が70℃以上120℃以下である、トナー用結着樹脂。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非晶性ポリエステル系樹脂(A)を含有するトナー用結着樹脂であって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)が2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーンと、を含む原料成分の反応物であるシリコーン変性ポリエステル系樹脂であって、
前記カルボン酸成分が、アルケニルコハク酸を7モル%以上含有し、
前記変性シリコーンは、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、及びカルビノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性シリコーンであって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)の軟化点が70℃以上120℃以下である、
トナー用結着樹脂。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記変性シリコーンは、前記官能基の少なくとも1つを側鎖に有するシリコーンである、請求項1に記載のトナー用結着樹脂。
【請求項3】
前記変性シリコーンは、少なくともアミノ基を前記官能基として有する、請求項1又は2に記載のトナー用結着樹脂。
【請求項4】
前記アルケニルコハク酸のアルケニル基の炭素数が6以上24以下である、請求項1~3のいずれかに記載のトナー用結着樹脂。
【請求項5】
前記アルケニルコハク酸のアルケニル基が分岐構造を有する、請求項1~4のいずれかに記載のトナー用結着樹脂。
【請求項6】
非晶性ポリエステル系樹脂(A)の含有量が40質量%以上80質量%以下である、請求項1~5のいずれかに記載のトナー用結着樹脂。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のトナー用結着樹脂を含有する、電子写真用トナー。
【請求項8】
請求項1~6のいずれかに記載のトナー用結着樹脂を溶融混練して溶融混練物を得る工程と、該溶融混練物を粉砕分級してトナー母粒子を得る工程を含む、電子写真用トナーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナーに用いられるトナー用結着樹脂、該トナー用結着樹脂を含有する電子写真用トナー、及び該電子写真用トナーの製造方法等に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応したトナーの開発が求められている。
例えば、特許文献1には、トナー粒子を含む電子写真用トナーであって、前記トナー粒子は、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と、2価以上のカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分と、ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はエポキシ基を、片末端又は両末端に有する変性シリコーンとの反応物である樹脂(A)(但し、前記変性シリコーンが、ヒドロキシ基を片末端又は両末端に有する場合は、前記樹脂(A)の数平均分子量は1,000以上10,000以下である。)を結着樹脂として含み、前記トナー粒子の体積中位粒径(D
50
)が6.5μm以下であり、定着装置にベルト定着方式又はフリーベルトニップ定着方式を用いた電子写真装置に用いられる、電子写真用トナーについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-067909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のトナーは、低温定着性、及び耐ホットオフセット性に優れるものの、現像効率及びカブリの発生に改善の余地があった。
本発明は、耐ホットオフセット性、現像効率、及びカブリ発生の抑制に優れる電子写真用トナーに用いられるトナー用結着樹脂、該トナー用結着樹脂を含有する電子写真用トナー、及び該電子写真用トナーの製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の〔1〕~〔3〕に関する。
〔1〕非晶性ポリエステル系樹脂(A)を含有するトナー用結着樹脂であって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)が2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーンと、を含む原料成分の反応物であるシリコーン変性ポリエステル系樹脂であって、
前記カルボン酸成分が、アルケニルコハク酸を7モル%以上含有し、
前記変性シリコーンは、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、及びカルビノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性シリコーンであって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)の軟化点が70℃以上120℃以下である、
トナー用結着樹脂。
〔2〕〔1〕に記載のトナー用結着樹脂を含有する、電子写真用トナー。
〔3〕〔1〕に記載のトナー用結着樹脂を溶融混練して溶融混練物を得る工程と、該溶融混練物を粉砕分級してトナー母粒子を得る工程を含む、電子写真用トナーの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、耐ホットオフセット性、現像効率、及びカブリ発生の抑制に優れる電子写真用トナーに用いられるトナー用結着樹脂、該トナー用結着樹脂を含有する電子写真用トナー、及び該電子写真用トナーの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[トナー用結着樹脂]
本発明の一実施形態に係るトナー用結着樹脂は、2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーンと、を含む原料成分の反応物であるシリコーン変性ポリエステル系樹脂である非晶性ポリエステル系樹脂(A)(以下、単に「樹脂(A)」ともいう)を含有し、前記カルボン酸成分が、アルケニルコハク酸を7モル%以上含有し、前記変性シリコーンは、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、及びカルビノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性シリコーンであり、前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)の軟化点が70℃以上120℃以下である。
以上の構成によれば、耐ホットオフセット性、現像効率、及びカブリ発生の抑制に優れる電子写真用トナーを与えるトナー用結着樹脂を提供することができる。
【0008】
本発明の効果が得られる理由は定かではないが、次のように考えられる。
電子写真用トナーの結着樹脂に低極性の変性シリコーンを導入し、トナーの表面張力を小さくすることで、トナーの耐ホットオフセット性の向上が行われている。しかしながら、高極性のポリエステル樹脂又はこれらの原料モノマーであるアルコール成分及びカルボン酸成分に対し、低極性の変性シリコーンは分散性が低く、結着樹脂にシリコーンユニットを導入する際に未反応の変性シリコーンが多く残存してしまう。その結果、結着樹脂中の未反応の変性シリコーンがトナー表面に局在化することでトナー母粒子の凝集を起こし、その結果、流動性が低下し、現像効率が悪化し、かつカブリが発生するという課題があった。
本発明のトナー用結着樹脂が含む非晶性ポリエステル系樹脂(A)は、アルケニルコハク酸を特定量含有する2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーンと、を含む原料成分の反応物であるシリコーン変性ポリエステル系樹脂であり、アルケニルコハク酸が反応時の変性シリコーンの分散性を高めることで未反応の変性シリコーンの含有量を低減すると考えられる。そのため、トナーの流動性を高めることで、変性シリコーンの結着樹脂への導入によってもたらされる耐ホットオフセット性に加え、現像効率及びカブリ発生の抑制に優れる電子写真用トナーを提供できるものと考えられる。
【0009】
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計(DSC)による吸熱の最大ピーク温度との比、すなわち、「軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃)」で定義される結晶性指数によって表される。
「結晶性樹脂」とは、結晶性指数が0.6以上1.4以下である樹脂をいう。
「非晶性樹脂」は、示差走査熱量計(DSC)による吸熱ピークが観測されないか、又は、吸熱ピークが観測される場合には、結晶性指数が0.6未満又は1.4超である樹脂をいう。
吸熱の最大ピーク温度とは、実施例に記載の測定方法の条件下で観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度のことを指す。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。
「ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物」とは、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンにアルキレンオキシドを付加した構造全体を意味する。
「カルボン酸成分」とは、カルボン酸のみならず、それらの無水物及びそれらの炭素数1以上3以下のアルキルエステル等も含まれる。すなわち、本明細書中では、単にカルボン酸の名称のみを記載している場合、そのカルボン酸の無水物及び炭素数1以上3以下のアルキルエステル等も含めて記載されているものとする。
「体積中位粒径(D
50
)」とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径である。
【0010】
〔非晶性ポリエステル系樹脂(A)〕
非晶性ポリエステル系樹脂(A)は、2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーンと、を含む原料成分の反応物であるシリコーン変性ポリエステル系樹脂である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

花王株式会社
容器
18日前
花王株式会社
容器
1か月前
花王株式会社
飲料
1か月前
花王株式会社
飲料
4日前
花王株式会社
飲料
1か月前
花王株式会社
容器
11日前
花王株式会社
温熱具
1か月前
花王株式会社
研磨液
27日前
花王株式会社
研磨液
27日前
花王株式会社
吹付工法
1か月前
花王株式会社
製造装置
25日前
花王株式会社
酸性飲料
1か月前
花王株式会社
アイマスク
今日
花王株式会社
物品保持具
1か月前
花王株式会社
皮膚化粧料
1か月前
花王株式会社
香料組成物
1か月前
花王株式会社
空洞充填材
25日前
花王株式会社
皮膚化粧料
26日前
花王株式会社
吸収性物品
4日前
花王株式会社
カプセル剤
4日前
花王株式会社
発泡剤組成物
11日前
花王株式会社
洗浄剤組成物
1か月前
花王株式会社
皮膚洗浄方法
25日前
花王株式会社
マッサージ具
1か月前
花王株式会社
洗浄剤組成物
11日前
花王株式会社
洗浄剤組成物
11日前
花王株式会社
洗浄剤組成物
11日前
花王株式会社
パッドカバー
4日前
花王株式会社
多層型化粧料
1か月前
花王株式会社
口腔用組成物
1か月前
花王株式会社
電界紡糸用溶液
14日前
花王株式会社
岩盤の掘削方法
11日前
花王株式会社
水系顔料分散体
11日前
花王株式会社
口腔ケアセット
1か月前
花王株式会社
炭酸発泡組成物
11日前
花王株式会社
基板の洗浄方法
1か月前
続きを見る