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公開番号2025100456
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2024221646
出願日2024-12-18
発明の名称高炉の操業方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C21B 5/00 20060101AFI20250626BHJP(鉄冶金)
要約【課題】還元材比をさらに低減することが可能な高炉の操業方法を提供する。
【解決手段】
本発明の要旨は以下である。水素系還元ガスを高炉に吹き込み、炉頂排ガスからCO2ガス及びH2Oガスを分離除去して改質炉頂循環ガスを生成し、前記改質炉頂循環ガスを高炉に吹込む高炉の操業方法において、還元材比の目標値に基づいて前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値と、前記炉頂排ガスのCO2分離率の目標値とを決定する決定工程と、前記決定工程で決定した前記炉頂排ガスのCO2分離率の目標値に基づいて、前記炉頂排ガスから前記CO2ガス及び前記H2Oガスを分離除去する分離工程と、前記決定工程で決定した前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値に基づいて前記改質炉頂循環ガスを昇温し、前記高炉に吹込む吹込み工程と、を備えることを特徴とする、高炉の操業方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水素系還元ガスを高炉に吹き込み、
炉頂排ガスからCO

ガス及びH

Oガスを分離除去して改質炉頂循環ガスを生成し、 前記改質炉頂循環ガスを高炉に吹込む高炉の操業方法において、
還元材比の目標値に基づいて前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値と、前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値とを決定する決定工程と、
前記決定工程で決定した前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値に基づいて、前記炉頂排ガスから前記CO

ガス及び前記H

Oガスを分離除去する分離工程と、
前記決定工程で決定した前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値に基づいて前記改質炉頂循環ガスを昇温し、前記高炉に吹込む吹込み工程と、を備えることを特徴とする、高炉の操業方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記水素系還元ガスを通常羽口から前記高炉に吹き込み、
前記改質炉頂循環ガスをシャフト部羽口から前記高炉に吹き込むことを特徴とする、請求項1に記載の高炉の操業方法。
【請求項3】
前記決定工程において、
前記還元材比の推測値と、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値との関係1を前記炉頂排ガスのCO

分離率の推測値毎に作成し、
作成した前記関係1と、前記還元材比の目標値とに基づいて、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値及び前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値の組み合わせを決定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の高炉の操業方法。
【請求項4】
前記決定工程において、
前記還元材比の推測値と、前記炉頂排ガスのCO

分離率の推測値との関係2を前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値毎に作成し、
作成した前記関係2と、前記還元材比の目標値とに基づいて、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値及び前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値の組み合わせを決定することを特徴とする、請求項1又は2に高炉の操業方法。
【請求項5】
前記決定工程において、
炉頂温度の推測値と、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値との関係3を前記炉頂排ガスのCO

分離率の推測値毎に作成し、
作成した前記関係1及び3と、前記還元材比の目標値及び炉頂温度の目標値とに基づいて、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値及び前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値を決定することを特徴とする、請求項3に記載の高炉の操業方法。
【請求項6】
前記決定工程において、
炉頂温度の推測値と、前記炉頂排ガスのCO

分離率の推測値との関係4を前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値毎に作成し、
作成した前記関係2及び4と、前記還元材比の目標値及び炉頂温度の目標値とに基づいて、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値及び前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値を決定することを特徴とする、請求項4に記載の高炉の操業方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉の操業方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
鉄鋼業においては、高炉法が銑鉄製造工程の主流を担っている。高炉法においては、高炉の炉頂から高炉用鉄系原料(酸化鉄を含む原料。主として、焼結鉱。以下、単に「鉄系原料」とも称する)及びコークスを高炉内に交互かつ層状に装入する一方で、高炉下部の羽口から熱風を高炉内に吹き込む。熱風は、熱風とともに吹き込まれる微粉炭、及び、高炉内のコークスと反応することで、高温の還元ガス(ここでは主としてCOガス)を発生させる。すなわち、熱風は、コークス及び微粉炭をガス化させる。還元ガスは、高炉内を上昇し、鉄系原料を加熱しながら還元する。鉄系原料は、高炉内を降下する一方で、還元ガスにより加熱及び還元される。その後、鉄系原料は溶融し、コークスによってさらに還元されながら高炉内を滴下する。鉄系原料は、最終的には炭素を5質量%弱含む溶銑(銑鉄)として炉床部に溜められる。炉床部の溶銑は、出銑口から取り出され、次の製鋼プロセスに供される。したがって、高炉法では、コークス及び微粉炭等の炭材を還元材として使用する。
【0003】
ところで、近年、地球温暖化防止が叫ばれ、温室効果ガスの一つである二酸化炭素(CO

ガス)の排出量削減が社会問題になっている。上述したように、高炉法では、還元材として炭材を使用するので、大量のCO

ガスを発生する。したがって、鉄鋼業はCO

ガス排出量において主要な産業のひとつとなっており、その社会的要請に応えねばならない。具体的には、高炉操業での更なる還元材比(溶銑1トンあたりの還元材使用量)の削減が急務となっている。
【0004】
還元材比を低減させるための技術として、例えば特許文献1~5に開示されているように、炉頂排ガスを改質した改質炉頂循環ガスを高炉のシャフト部羽口から高炉に吹き込む技術が提案されている。改質炉頂循環ガスには、未反応の還元ガスが含まれているので、当該技術によれば、還元材比の低減が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5708029号公報
特許第4661890号公報
国際公開第2010/137748号
国際公開第2015/105107号
特開2015-129325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1~5に開示されている技術では、還元材比を十分に低減することができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、還元材比をさらに低減することが可能な高炉の操業方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、改質炉頂循環ガスをシャフト部羽口から高炉に吹込む技術について詳細に検討したところ、還元材比と改質炉頂循環ガスの吹込み温度及びCO

分離率との間に相関があることを見出した。本発明は、当該知見に基づいてなされたものである。
【0008】
本発明の要旨は以下である。
(1)
水素系還元ガスを高炉に吹き込み、
炉頂排ガスからCO

ガス及びH

Oガスを分離除去して改質炉頂循環ガスを生成し、 前記改質炉頂循環ガスを高炉に吹込む高炉の操業方法において、
還元材比の目標値に基づいて前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値と、前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値とを決定する決定工程と、
前記決定工程で決定した前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値に基づいて、前記炉頂排ガスから前記CO

ガス及び前記H

Oガスを分離除去する分離工程と、
前記決定工程で決定した前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値に基づいて前記改質炉頂循環ガスを昇温し、前記高炉に吹込む吹込み工程と、を備えることを特徴とする、高炉の操業方法。
(2)
前記水素系還元ガスを通常羽口から前記高炉に吹き込み、
前記改質炉頂循環ガスをシャフト部羽口から前記高炉に吹き込むことを特徴とする、(1)に記載の高炉の操業方法。
(3)
前記決定工程において、
前記還元材比の推測値と、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値との関係1を前記炉頂排ガスのCO

分離率の推測値毎に作成し、
作成した前記関係1と、前記還元材比の目標値とに基づいて、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値及び前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値の組み合わせを決定することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の高炉の操業方法。
(4)
前記決定工程において、
前記還元材比の推測値と、前記炉頂排ガスのCO

分離率の推測値との関係2を前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値毎に作成し、
作成した前記関係2と、前記還元材比の目標値とに基づいて、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値及び前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値の組み合わせを決定することを特徴とする、(1)又は(2)に高炉の操業方法。
(5)
前記決定工程において、
炉頂温度の推測値と、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値との関係3を前記炉頂排ガスのCO

分離率の推測値毎に作成し、
作成した前記関係1及び3と、前記還元材比の目標値及び炉頂温度の目標値とに基づいて、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値及び前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値を決定することを特徴とする、(3)に記載の高炉の操業方法。
(6)
前記決定工程において、
炉頂温度の推測値と、前記炉頂排ガスのCO

分離率の推測値との関係4を前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値毎に作成し、
作成した前記関係2及び4と、前記還元材比の目標値及び炉頂温度の目標値とに基づいて、前記改質炉頂循環ガスの吹込み温度の目標値及び前記炉頂排ガスのCO

分離率の目標値を決定することを特徴とする、(4)に記載の高炉の操業方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、還元材比をさらに低減することが可能な高炉の操業方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態で使用される高炉システムの全体構成を示すフロー図である。
シャフト部羽口高さ位置と還元材比の推測値との関係を改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値毎に示すグラフである。
シャフト部羽口高さ位置と炭素削減効果との関係を改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値毎に示すグラフである。
改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値と還元材比の推測値との関係を炉頂排ガスのCO

分離率の推測値毎に示すグラフである。
改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値と炭素削減効果との関係を炉頂排ガスのCO

分離率の推測値毎に示すグラフである。
炉頂排ガスのCO

分離率の推測値と還元材比の推測値との関係を改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値毎に示すグラフである。
炉頂排ガスのCO

分離率の推測値と炭素削減効果との関係を改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値毎に示すグラフである。
改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値と炉頂排ガス温度(炉頂温度)の推測値との関係を炉頂排ガスのCO

分離率の推測値毎に示すグラフである。
炉頂排ガスのCO

分離率の推測値と炉頂排ガス温度(炉頂温度)の推測値との関係を改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値毎に示すグラフである。
シャフト部羽口高さ位置と炉頂排ガス温度(炉頂温度)の推測値との関係を改質炉頂循環ガスの吹込み温度の推測値毎に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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