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公開番号
2025101124
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-07
出願番号
2023217740
出願日
2023-12-25
発明の名称
溶媒抽出装置及びイオンの分離方法
出願人
日本イットリウム株式会社
代理人
弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類
B01D
11/04 20060101AFI20250630BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】有機相と水相との分相性能に優れ、設置容積及び面積を効果的に低減でき、有機相の露出面積が抑制された溶媒抽出装置を提供する。
【解決手段】溶媒抽出装置10は、水相3と、有機相4とが混合されてなる混合液5が導入され、水相3と有機相4とに分離される正立状態のカラム12と、当該カラムに混合液5を導入する液導入部14とを有し、カラム12の有機相排出口48Aと水相排出口47Aの間の高低差Lの二乗の値に対する該カラムの横断面積Cの比率(C/L
2
)が1.0未満であり、且つ液導入部14の液導入位置Xcが、有機相排出口と水相排出口との間の鉛直方向の中央位置Xrよりも、下側に位置するようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水相と、有機相とが混合されてなる混合液が導入され、当該混合液が前記水相と前記有機相とに分離される正立状態のカラムと、当該カラムに前記混合液を導入する液導入部とを有し、
前記カラムは、前記混合液から分離された前記水相と前記有機相とがそれぞれ排出される水相排出口と有機相排出口とを有し、当該水相排出口と当該有機相排出口との間の高低差Lの二乗の値に対する該カラムの横断面積Cの比率(C/L
2
)が1.0未満であり、且つ、
前記カラムは、前記液導入部の液導入位置が、前記の水相排出口と有機相排出口との間の鉛直方向の中央位置よりも下側である、溶媒抽出装置。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
鉛直方向における前記液導入位置から前記水相排出口までの長さDが、前記高低差Lの0.25以上0.5未満である、請求項1の溶媒抽出装置。
【請求項3】
前記液導入位置から前記有機相排出口までの長さUの二乗の値に対するカラム横断面積Cの比率(C/U
2
)が3.0未満である、請求項1又は2記載の溶媒抽出装置。
【請求項4】
前記混合液を前記カラムに導入した状態において、水相と有機相との界面が前記液導入位置よりも下側に位置するように構成されている、請求項1又は2に記載の溶媒抽出装置。
【請求項5】
前記カラム内の前記有機相の線速度が50cm/分以下であるように構成されている、請求項1又は2記載の溶媒抽出装置。
【請求項6】
前記カラムにおける、少なくとも液導入位置よりも上側に、流体介在物が設けられている、請求項1又は2記載の溶媒抽出装置。
【請求項7】
水相と、有機相とが混合されてなる混合液が導入され、当該混合液が前記水相と前記有機相とに分離される正立状態のカラムと、当該カラムに前記混合液を導入する液導入部とを有する溶媒抽出装置を用いて2種以上のイオンから少なくとも1種を分離する方法であって、
前記水相が分離対象である2種以上のイオンを含み、
前記有機相が、前記2種以上のイオンのうち少なくとも1種と錯形成可能な抽出剤を含み、
前記溶媒抽出装置において、
前記カラムは、前記混合液から分離された前記水相と前記有機相とがそれぞれ排出される水相排出口と有機相排出口とを有し、当該水相排出口と当該有機相排出口との間の高低差Lの二乗の値に対する該カラムの横断面積Cの比率(C/L
2
)が1.0未満であり、且つ、
前記カラムは、前記液導入部の液導入位置が、前記の水相排出口と有機相排出口との間の鉛直方向の中央位置よりも下側である、イオンの分離方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離カラムを有する溶媒抽出装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
溶媒抽出法は、分離対象の金属元素を含む水溶液からなる水相と、特定の金属元素を抽出する金属抽出剤及びそれを希釈するための有機溶媒からなる有機相を接触させることで、金属元素を金属抽出剤に抽出させることで分離する方法である。従来、有機相と水相とを用いて複数の元素の分離を図る溶媒抽出装置として、様々な方式の装置が提案されている。
【0003】
特許文献1では、パルスカラムと呼ばれる縦型多段方式の分離カラムを用いる溶媒抽出装置が提案されている。本方式では、1本の分離カラム中に目皿板が複数枚配置されており、この構成が有機相と水相との接触効率を向上させる。本方式の分離カラムでは、該カラムの下方から有機相が導入されるとともに、該カラムの上方から水相が導入される。当該分離カラムでは、カラム中で有機相と水相とが接触した後、カラムの下方から水相が回収され、カラムの上方から有機相が回収される。
また特許文献2に記載されるように、エマルションフローと呼ばれる技術が知られている。この技術では、分離カラムの下方から有機相を、分離カラムの上方から水相をそれぞれ微小液滴とした状態で導入し、該分離カラム中で両者を接触させる。この方式でも分離カラムは、有機相と水相との接触後、有機相はカラムの上端へ、水相はカラムの下端に移動するように構成されている。
【0004】
特許文献1のような溶媒抽出装置では分離カラム中の目皿板によって有機相と水相とを接触させ、同じカラム中で有機相と水相を分離させるため、有機相と水相との分相の効率は高いものとはいいがたい。特に金属イオン同士を分離する場合には、分離性能を高めるために時間をかけて有機相と水相の分相を行う必要があるため、分相の時間効率が低くなってしまう。
特許文献2の方式も、特許文献1と同様に混合槽と分離槽が一体化しており同じ容器内で水相と有機相と混合及び分相の両方を行う。混合と分相との両方を十分に行うことが難しく、水相と有機相の接触が不十分だったり、静置時間不足による両液の分離不足が生じたり、静置した液が再び別相と接触するなどする事態が生じやすく、安定した分離性能が得られにくい欠点がある。
【0005】
特許文献3及び非特許文献1には、水相と有機相とを混合させる混合槽(ミキサー部)と、その後の比重差により水相と有機相とを分離する分離槽(セトラー部)からなるミキサーセトラー(MS)が記載されている。特許文献3及び非特許文献1に示すように、従来のMSの装置は、一般的に、水相と有機相とを混合する混合槽から排出された混合液を、比重差に基づき、横に広い静置槽で時間をかけて分離させる方式である。本方法によれば、水相と有機相との分相が良好であり、排出部で水相と、有機相とを効率的に回収する。このミキサーセトラー(MS)の抽出単位を複数並列し、多段階で連続抽出処理することで、2種以上の元素を精密に分離精製することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平06-160587号公報
特開2020-203267号公報
特開2022-147876号公報
【非特許文献】
【0007】
「希土類の科学」足立吟也編著(化学同人 1999)p.196
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した通り、特許文献3及び非特許文献1に記載の溶媒抽出装置では元素の分離性能を高めるため、横に広い静置槽で有機相と水相とを時間をかけて分相させる。このため有機相と水相とを分相させるための静置槽の大容積が必要となり、設置面積が必要となる。また、分相中の水相及び有機相を常に静置槽中に滞留させる必要があり、分相の効率が低い。また有機相の露出面積が大きくなるため、有機相の揮発が発生しコスト高になる。
【0009】
本発明の課題は、有機相と水相との分相性能に優れ、設置容積及び面積を効果的に低減でき、有機相の露出面積が抑制された溶媒抽出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、所定条件を満たす形状のカラムを用い、水相と有機相の混合液を当該カラムの所定の位置に導入することで、前記の課題を解決しうることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)
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