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公開番号2025101615
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2023218581
出願日2023-12-25
発明の名称河川の流速計測システム
出願人国立大学法人九州工業大学
代理人個人,個人,個人
主分類G01P 5/18 20060101AFI20250630BHJP(測定;試験)
要約【課題】時間をずらして河川を撮像した複数の画像を基に各画像の類似性を求め、河川の流速を導出する河川の流速計測システムを提供する。
【解決手段】撮像手段11が撮像した画像P及びその撮像後に撮像した画像Qを基に河川Rの流速を導出する流速演算手段12とを有する河川の流速計測システム10であって、流速演算手段12は、画像Pの一部であって河川Rを撮像した基画像片を、基画像片の各画素の画素値を基にベクトル化したベクトルαと、それぞれ画像Qの異なる一部であって河川Rを撮像した複数の候補画像片それぞれを、候補画像片の各画素の画素値を基にベクトル化したベクトルβとを基にした内積を用いて、各候補画像片の基画像片に対する類似性を求め、最も基画像片に類似すると判定した一の候補画像片を基画像片に対応する対応画像片として定め、基画像片に対する対応画像片の位置並びに画像P及びQの撮像時刻の差を基に河川の流速を算出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
河川を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した画像P及び該画像Pの撮像後に撮像した画像Qを基に前記河川の流速を導出する流速演算手段とを有する河川の流速計測システムであって、
前記流速演算手段は、前記画像Pの一部であって前記河川を撮像した基画像片を、該基画像片の各画素の画素値を基にベクトル化したベクトルαと、それぞれ前記画像Qの異なる一部であって前記河川を撮像した複数の候補画像片それぞれを、該候補画像片の各画素の画素値を基にベクトル化したベクトルβとを基にした内積を用いて、各前記候補画像片の前記基画像片に対する類似性を求め、最も前記基画像片に類似すると判定した一の前記候補画像片を前記基画像片に対応する対応画像片として定め、前記基画像片に対する前記対応画像片の位置並びに前記画像P及びQの撮像時刻の差を基に前記河川の流速を算出することを特徴とする河川の流速計測システム。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記流速演算手段は、過去の所定期間内に検出した前記対応画像片の位置を基にして新たな前記画像Q中で前記複数の候補画像片の選出元となる検索対象領域を定めることを特徴とする請求項1記載の河川の流速計測システム。
【請求項3】
前記流速演算手段は、前記撮像手段が前記画像Pの撮像前に撮像した複数の画像を対象に各画素について算出した該複数の画像の画素値の平均値を基にして、前記河川の流れを表さない静止物の影響を前記画像P及びQから取り除く除去フィルタを生成することを特徴とする請求項1又は2記載の河川の流速計測システム。
【請求項4】
前記流速演算手段は、予め定められた範囲の画素値を有する画素のみを対象にして、前記画像P及びQから前記河川の流速を導出することを特徴とする請求項1又は2記載の河川の流速計測システム。
【請求項5】
前記流速演算手段は、前記画像P及びQにおいて、予め定められた範囲の画素値を有する画素を、前記河川の水面に雨粒が落ちた場所をとらえた雨落下画素として検知し、該雨落下画素を中心とする所定の範囲を、前記河川の流速の導出に影響を与えない画素として扱うことを特徴とする請求項1又は2記載の河川の流速計測システム。
【請求項6】
前記流速演算手段は、前記基画像片の画素の画素値に対する前記候補画像片の画素の画素値の差の絶対値を前記候補画像片の各画素について算出し、算出した前記絶対値の総和を分母に、前記ベクトルαと前記ベクトルβの内積を分子にそれぞれ有する分数式によって、前記候補画像片の前記基画像片に対する類似性を求めることを特徴とする請求項1又は2記載の河川の流速計測システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、河川の撮像画像から河川の流速を導出する河川の流速計測システムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
河川のある地点での流速はその地点より上流の水位が上昇することによって増加する傾向がある。そのため、例えば、河川の流速は洪水等の河川の流量の増加に伴う災害を予測する指標として利用することができる。従来、河川の流速を計測する方法には、特許文献1に開示されているように、河川に流したナイロンの粒子等からなるトレーサを撮像した画像を基にトレーサを追跡して流速を計測するものや、特許文献2に記されているように、超音波測定装置を河川に設置して流速を計測するものがあった。これらに記載の方法では、トレーサや超音波測定装置が必要である。
【0003】
これに対し、河川を撮像した画像のみを利用して河川の流速を計測する方法があり、その具体例が、例えば特許文献3~5に開示されている。特許文献3には、カメラが撮像した画像を基に検出した水面高さの変化から流速を求める方法が、特許文献4には、事前に流速計により計測した河川の流速とその時に撮像した画像のパターンの対応関係を利用して、リアルタイムで撮像した画像から河川の流速を導出する方法がそれぞれ開示されている。また、特許文献5には、河川を撮像した画像を対象に差分法によって流速を求める方法が記載されている。
【0004】
特許文献3に記載の方法は水面高さの変化と流速の関係を事前に調べる必要があり、特許文献4に記載の方法は流速計と画像のパターンの関係を事前に調べる必要があった。よって、特許文献3及び4に記載の各方法は、事前調査に多くの時間を要する。この点、特許文献5に記載の方法は、撮像時間(時刻)を異にして河川を撮像した画像の比較から流速を計測するので、特許文献3及び4に記載の各方法と比較して事前調査の時間を短縮できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平4-240565号公報
特開2007-024715号公報
特開2008-058264号公報
特開2021-047156号公報
特開2007-212350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献5に開示の方法は、撮像範囲が異なる2枚の画像の差分を基にして流速を求めるものであり、2枚の画像それぞれの各画素が極めて高い同一性を有する場合とそうではない場合の判定は可能であるが、2枚の画像の類似性を検出することはできなかった。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、時間をずらして河川を撮像した複数の画像を基に各画像の類似性を求め、河川の流速を導出する河川の流速計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的に沿う本発明に係る河川の流速計測システムは、河川を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した画像P及び該画像Pの撮像後に撮像した画像Qを基に前記河川の流速を導出する流速演算手段とを有する河川の流速計測システムであって、前記流速演算手段は、前記画像Pの一部であって前記河川を撮像した基画像片を、該基画像片の各画素の画素値を基にベクトル化したベクトルαと、それぞれ前記画像Qの異なる一部であって前記河川を撮像した複数の候補画像片それぞれを、該候補画像片の各画素の画素値を基にベクトル化したベクトルβとを基にした内積を用いて、各前記候補画像片の前記基画像片に対する類似性を求め、最も前記基画像片に類似すると判定した一の前記候補画像片を前記基画像片に対応する対応画像片として定め、前記基画像片に対する前記対応画像片の位置並びに前記画像P及びQの撮像時刻の差を基に前記河川の流速を算出する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る河川の流速計測システムは、流速演算手段が、画像Pの一部であって河川を撮像した基画像片を、基画像片の各画素の画素値を基にベクトル化したベクトルαと、それぞれ画像Qの異なる一部であって河川を撮像した複数の候補画像片それぞれを、候補画像片の各画素の画素値を基にベクトル化したベクトルβとを基にした内積を用いて、各候補画像片の基画像片に対する類似性を求め、最も基画像片に類似すると判定した一の候補画像片を基画像片に対応する対応画像片として定め、基画像片に対する対応画像片の位置並びに画像P及びQの撮像時刻の差を基に河川の流速を算出するので、時間をずらして河川を撮像した複数の画像を基に各画像の類似性を求め、河川の流速を導出可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施の形態に係る河川の流速計測システムの説明図である。
画像P中の基画像片の説明図である。
(A)、(B)はそれぞれ、画像Qに対する対応画像片の検索の様子を示す説明図である。
(A)、(B)はそれぞれ、基画像片と候補画像片の比較の様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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