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公開番号
2025102479
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-08
出願番号
2023219943
出願日
2023-12-26
発明の名称
立毛布帛およびその製造方法
出願人
クラレトレーディング株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
D03D
27/00 20060101AFI20250701BHJP(織成)
要約
【課題】用いる製造機械および/またはその設定条件に拘束されることなく、布帛の対象とする範囲全体において均一に、2段階以上の異なる立毛長を有する立毛布帛を提供すること。
【解決手段】地組織部と、前記地組織部に拘束されて立設する複数のカットパイル糸から構成される立毛部とを含む立毛布帛であって、
前記立毛部は、少なくとも部分的に解舒された一のカバリング糸に由来して同一根元から立設してなる立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸を複数含んで構成され、前記立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸のうち、少なくとも立毛長の最も長いカットパイル糸が仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸であり、前記同一根元から立設する2種以上のカットパイル糸のうち最も長いカットパイル糸の立毛長と最も短いカットパイル糸の立毛長との比が1.10~1.90である、立毛布帛。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
地組織部と、前記地組織部に拘束されて立設する複数のカットパイル糸から構成される立毛部とを含む立毛布帛であって、
前記立毛部は、少なくとも部分的に解舒された一のカバリング糸に由来して同一根元から立設してなる立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸を複数含んで構成され、前記立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸のうち、少なくとも立毛長の最も長いカットパイル糸が仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸であり、前記同一根元から立設する2種以上のカットパイル糸のうち最も長いカットパイル糸の立毛長と最も短いカットパイル糸の立毛長との比が1.10~1.90である、立毛布帛。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
立毛部を構成する全てのカットパイル糸の破断強度は2g/dtex以上である、請求項1に記載の立毛布帛。
【請求項3】
立毛部を構成する全てのカットパイル糸は仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸である、請求項1に記載の立毛布帛。
【請求項4】
地組織部は、芯糸とその周囲に巻付けられた1以上の巻付糸とを含んでなる未解舒のカバリング糸を含んでなり、立毛部において一のカバリング糸に由来する同一根元から立毛長の異なる2種のカットパイル糸が立設してなる、請求項1に記載の立毛布帛。
【請求項5】
未解舒のカバリング糸はダブルカバリング糸であり、立毛部を構成する2種のカットパイル糸は、解舒された前記ダブルカバリング糸の外側巻付糸、および、内側巻付糸でカバリングされた芯糸である、請求項4に記載の立毛布帛。
【請求項6】
同一根元から立設する2種のカットパイルのうち、立毛長の長いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の外側巻付糸であり、立毛長の短いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の内側巻付糸でカバリングされた芯糸である、請求項5に記載の立毛布帛。
【請求項7】
地組織部は、芯糸とその周囲に巻付けられた2以上の巻付糸とを含んでなる未解舒のカバリング糸を含み、立毛部において一のカバリング糸に由来する同一根元から立毛長の異なる3種のカットパイル糸が立設してなる、請求項1に記載の立毛布帛。
【請求項8】
未解舒のカバリング糸はダブルカバリング糸であり、立毛部を構成する3種のカットパイル糸は、解舒された前記ダブルカバリング糸の外側巻付糸、内側巻付糸および芯糸である、請求項7に記載の立毛布帛。
【請求項9】
未解舒のダブルカバリング糸において、内側の巻付糸と外側の巻付糸が互いに逆方向に巻付けられている、請求項8に記載の立毛布帛。
【請求項10】
同一根元から立設する3種のカットパイルのうち、立毛長の最も長いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の外側巻付糸であり、立毛長の最も短いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の芯糸である、請求項8に記載の立毛布帛。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、立毛布帛、特に、解舒されたカバリング糸に由来する立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸を含んで構成される立毛布帛、および、その製造方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、立毛布帛は、清掃用の払拭用品、衣服、敷物などの様々な用途において幅広く利用されている。立毛布帛は、その用途に応じて種々の繊維から、例えば、シンカーパイル編機、二重ビロード織機、タフト機などの織編機を用いて製造できる。このような機械を用いて製造される立毛布帛のパイルの立毛長は、一般に、用いる機械に備わる部品(例えばシンカー、ルーパーなど)およびこれら機械において設定される条件によって決まる(例えば、特許文献1および2)。
【0003】
一方、近年、立毛布帛の機能性や意匠性の向上等の観点から、製造機械における条件に拘束されることなく、異なる立毛長を有する布帛を得るための手段が望まれており、様々な方法が提案されている。例えば、特許文献3には、少なくとも1種が無撚である糸条をオーバーフィードして得たカバリング糸をパイル糸に用いてタフティングしてカットパイルとした後、開繊処理を施して2種以上の糸条で糸長差を出すことを特徴とする2段カットパイル製品が開示されている。また、特許文献4~6には、熱や溶剤に対する繊維の収縮差を利用して、立毛長に差を設ける方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-53068号公報
特開2003-306851号公報
特開2003-268652号公報
特開2003-138454号公報
特開昭62-104943号公報
特開平10-168704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製造機械またはその設定条件によってパイルの立毛長を制御する従来の方法においては、異なる立毛長が要求されるたびに機械やその条件設定を変更する必要がある。特に、長い立毛長を有する布帛の製造には特殊な機械が必要になるため、機械およびその設定によらず、容易に複数の異なる立毛長を有する布帛を製造する手段が望まれている。
【0006】
機械の設定によらず異なる立毛長を有する布帛を製造する方法として、上記特許文献3に開示されるカットパイル製品においては、カバリング糸を構成する無撚糸の糸条から短繊維を掻き出し、毛先を伸ばすことにより2段の高低差を出している。しかし、このような方法においては、開繊処理時に相当量の短繊維が脱落することによって、高密度の立毛部を形成することが困難である。また、立毛長を所望の長さに制御し難く、立毛長のばらつきが大きくなるため、風合いや外観が劣るといった問題がある。さらに、上記特許文献4~6に開示されるように熱や溶剤に対する繊維の収縮差を利用して糸長差を設ける場合も、機械の設定条件により決まる最大の高さを超える立毛長は得られない。また、立毛長を所望の長さに制御することも難しく、立毛長にムラが生じやすい。
【0007】
本発明は、用いる製造機械および/またはその設定条件に拘束されることなく、布帛の対象とする範囲全体において均一に、所望する2段階以上の異なる立毛長を有する立毛布帛を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決するために詳細に検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1]地組織部と、前記地組織部に拘束されて立設する複数のカットパイル糸から構成される立毛部とを含む立毛布帛であって、
前記立毛部は、少なくとも部分的に解舒された一のカバリング糸に由来して同一根元から立設してなる立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸を複数含んで構成され、前記立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸のうち、少なくとも立毛長の最も長いカットパイル糸が仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸であり、前記同一根元から立設する2種以上のカットパイル糸のうち最も長いカットパイル糸の立毛長と最も短いカットパイル糸の立毛長との比が1.10~1.90である、立毛布帛。
[2]立毛部を構成する全てのカットパイル糸の破断強度は2g/dtex以上である、前記[1]に記載の立毛布帛。
[3]立毛部を構成する全てのカットパイル糸は仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸である、前記[1]または[2]に記載の立毛布帛。
[4]地組織部は、芯糸とその周囲に巻付けられた1以上の巻付糸とを含んでなる未解舒のカバリング糸を含んでなり、立毛部において一のカバリング糸に由来する同一根元から立毛長の異なる2種のカットパイル糸が立設してなる、前記[1]~[3]のいずれかに記載の立毛布帛。
[5]未解舒のカバリング糸はダブルカバリング糸であり、立毛部を構成する2種のカットパイル糸は、解舒された前記ダブルカバリング糸の外側巻付糸、および、内側巻付糸でカバリングされた芯糸である、前記[4]に記載の立毛布帛。
[6]同一根元から立設する2種のカットパイルのうち、立毛長の長いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の外側巻付糸であり、立毛長の短いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の内側巻付糸でカバリングされた芯糸である、前記[4]または[5]に記載の立毛布帛。
[7]地組織部は、芯糸とその周囲に巻付けられた2以上の巻付糸とを含んでなる未解舒のカバリング糸を含み、立毛部において一のカバリング糸に由来する同一根元から立毛長の異なる3種のカットパイル糸が立設してなる、前記[1]~[3]のいずれかに記載の立毛布帛。
[8]未解舒のカバリング糸はダブルカバリング糸であり、立毛部を構成する3種のカットパイル糸は、解舒された前記ダブルカバリング糸の外側巻付糸、内側巻付糸および芯糸である、前記[7]に記載の立毛布帛。
[9]未解舒のダブルカバリング糸において、内側の巻付糸と外側の巻付糸が互いに逆方向に巻付けられている、前記[8]に記載の立毛布帛。
[10]同一根元から立設する3種のカットパイルのうち、立毛長の最も長いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の外側巻付糸であり、立毛長の最も短いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の芯糸である、前記[7]~[9]のいずれかに記載の立毛布帛。
[11]寝具用布帛、払拭用布帛または衣服用布帛である、前記[1]~[10]のいずれかに記載の立毛布帛。
[12]前記[1]~[11]のいずれかに記載の立毛布帛を製造する方法であって、
芯糸と、その周囲に巻付けられた1以上の巻付糸とを含んでなるカバリング糸を準備する工程、
前記カバリング糸を基布に植え込み、前記カバリング糸から構成される立毛部を含むカットパイル布帛を作製する工程、および、
前記カットパイル布帛の立毛部を構成するカバリング糸を解舒して、立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸を含んで構成される立毛部を作製する工程
を含み、
カバリング糸を解舒する工程において解舒される巻付糸が仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸である、方法。
[13]カバリング糸がシングルカバリング糸またはダブルカバリング糸である、前記[12]に記載の方法。
[14]カバリング糸がダブルカバリング糸であり、カバリング糸を解舒する工程において、ダブルカバリング糸の外側巻付糸および内側巻付糸の両方を解舒する、前記[12]に記載の方法。
[15]カバリング糸がダブルカバリング糸であり、カバリング糸を解舒する工程において、ダブルカバリング糸の外側巻付糸のみを解舒する、前記[12]に記載の方法。
[16]カバリング糸がダブルカバリング糸であり、内側巻付糸および外側巻付糸が共にトルクを有し、芯糸に各巻付糸が自身のトルクと逆方向に巻付けられている、前記[12]または[14]に記載の方法。
[17]カバリング糸がダブルカバリング糸であり、内側巻付糸および外側巻付糸が共にトルクを有し、芯糸に内側巻付糸が自身のトルクと同じ方向に巻付けられており、外側巻付糸が自身のトルクと逆方向に巻付けられている、前記[15]に記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、用いる製造機械および/またはその設定条件に拘束されることなく、布帛の対象とする範囲全体において均一に、2段階以上の異なる立毛長を有する立毛布帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の立毛布帛の構成を説明するための概略模式図である。
図2は、本発明の一実施態様の立毛布帛を緯糸断面方向から見た概略図である。
図3は、ダブルカバリング糸の構造を説明するための模式図である。
図4は、ダブルカバリング糸における芯糸、内側巻付糸および外側巻付糸の糸長関係を示す模式図である。
図5は、本発明の一実施態様の立毛布帛を構成するカットパイルの構成を緯糸断面方向から説明する模式図である。
図6は、本発明の一実施態様の立毛布帛を構成するカットパイルの構成を緯糸断面方向から説明する模式図である。
図7は、立毛布帛を構成するカットパイル長の測定方法を説明するための図である。
図8は、立毛布帛を構成するカットパイル長の測定方法を説明するための図である。
式(1)および式(2)を説明するための、芯糸と巻付糸の配置を示す模式図である。
本発明のカバリング糸の直径およびカバリング糸の巻付糸のらせん角度を求めるための、本発明の一実施形態のカバリング糸の拡大写真である。
本発明のカバリング糸の巻付糸のらせん角度の求め方を説明するための模式図である。
本発明において使用できるカバリング糸の製造装置の一例を示す概略模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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