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公開番号2025113200
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2025005181
出願日2025-01-15
発明の名称エアバッグ用織物およびエアバッグ用織物の製造方法ならびにエアバッグ
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D03D 1/02 20060101AFI20250725BHJP(織成)
要約【課題】フレア高さが低いエアバッグ用織物を提供することを目的とする。また、加工工程通過性に優れ、かつ皺を抑制できるエアバッグ用織物の製造方法を提供する。
【解決手段】地部および耳部を有し、耳部の経糸として増糸を含むエアバッグ用織物であって、前記増糸が繊度33dtex以下のモノフィラメントであり、前記増糸がそれぞれの耳部において4本以上含み、織物中央部における平均経糸クリンプ率Aと、織物端部から50mm位置における平均経糸クリンプ率Bとの比(B/A)が0.90以上1.10以下である、エアバッグ用織物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
地部および耳部を有し、耳部の経糸として増糸を含むエアバッグ用織物であって、前記増糸が繊度33dtex以下のモノフィラメントであり、前記増糸がそれぞれの耳部において4本以上含み、織物中央部における平均経糸クリンプ率Aと、織物端部から50mm位置における平均経糸クリンプ率Bとの比(B/A)が0.90以上1.10以下である、エアバッグ用織物。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
緯糸方向における20cm毎の経糸クリンプ率のCV値が3.0%以下である請求項1に記載のエアバッグ用織物。
【請求項3】
JIS L1096(1996)による20kPa差圧における通気度のCV値が10%以下である請求項1または2に記載のエアバッグ用織物。
【請求項4】
織物を構成するマルチフィラメントの総繊度が200~470dtexである請求項1または2に記載のエアバッグ用織物。
【請求項5】
織物のカバーファクターが2000~2500である請求項1または2に記載のエアバッグ用織物。
【請求項6】
製織工程において、33dtex以下のモノフィラメントからなる増糸を織物の端部に4本以上用い、耳部の張力に対する増糸の張力を1.20倍以上1.50倍以下に調整することを特徴とする請求項1または2に記載のエアバッグ用織物の製造方法。
【請求項7】
製織工程において、前記耳部の経糸張力を前記地部の経糸張力に対して0.80~1.20倍の範囲に調整する請求項6に記載のエアバッグ用織物の製造方法。
【請求項8】
請求項1または2に記載のエアバッグ用織物が縫製された、エアバッグ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ用織物およびエアバッグ用織物の製造方法ならびにエアバッグに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
自動車には、乗員の安全確保のためのエアバッグが装備されている。自動車の衝突事故等の際、衝撃がセンサーによって検知されると、高温、高圧のガスが発生し、このガスによってエアバッグは瞬間的に膨張し、衝突から乗員の顔面、頭部等を保護するものである。
【0003】
エアバッグは、一般に、150~600dtexの合成繊維フィラメント糸を用いた平織物に、耐熱性、難燃性、空気遮断性等の特性を向上させるためのシリコーン樹脂等を塗布した基布(コート基布)とし、この基布を裁断し、袋体に縫製して作られる。
【0004】
また、シリコーン樹脂等を付与せずに、合成繊維フィラメント糸を高密度に製織することにより布帛の通気量を小さくして使用される、いわゆるノンコート基布もある。
【0005】
ここで、エアバッグ用の織物は、自動車の衝突事故の際にエアバッグを瞬間的に膨張させ、衝突時等に乗員の顔面、頭部、膝等を保護するため、高強力かつ低通気性が要求されるものである。このため、エアバッグ用の織物は、通常の衣料用の織物に比較して、より高強力の糸を用い、かつ、より高密度の高密度織物である必要がある。
【0006】
また、主にノンコート基布が用いられる運転者保護用、助手席保護用エアバッグには、エアバッグの内圧を調整する通気孔(ベントホール)が具備され、内圧を適正に調整・維持するように意図されている。しかしながら、ノンコート基布の通気度にバラツキがある場合、該ベントホールにて所定の内圧に調整・維持できない懸念がある。そのため、エアバッグに用いる基布には、均一な通気度が求められている。
【0007】
一般に、この高密度織物を製織する際、たとえば、経糸および緯糸が470dtex、経糸および緯糸の織物密度が、経、緯共に1インチ(2.54cm)あたり55本の平織り組織の場合など、緯糸密度が高くなるほど、織り前の織口が筬の最前進位置よりも経糸の送出し側に移動する量が大きくなる。これによって、以下の(a)~(e)に記載するような不都合な点が発生しやすい。
【0008】
(a)筬打ち時に、織り前近傍の織物がバンピング現象を起こし、所望の緯糸密度の織物が得られにくくなる。
【0009】
(b)緯糸が打ち込まれた後、織り前の左右それぞれの端部でカッターにより緯糸が切断されるが、その際、切断された緯糸は把持されずフリーとなり、基布の両方の耳端部の緯糸クリンプが大きくなり、それにより逆に耳端部の経糸クリンプが小さくなる。そのため、両方の耳部の経糸張力が織物の地部と比較して低下する。これにより、経糸による緯糸の把持力が低下し、織り前の両耳部の織口が後退する。その結果、耳部の経糸が緩み、フレアが発生する。
【0010】
(c)織機回転数を高速化すると、耳端部の織口が後退する現象が、さらに顕著に表れる。基布耳部の経糸緩みにより、耳部と中央部との布長差が生じ、耳端部が波打ち状態になるフレア(「耳たぶり」とも言う)が発生する。エアバッグ用基布は、裁断、縫製されて袋体に作られるが、エアバッグ用基布を最大限有効利用するため、裁断パターンが設計され、通常、耳端部またはその近傍まで使用される。裁断品の端はほつれやすいため、耳端部近傍にフレアが発生していると裁断不良を生じやすい。その結果、位置ズレを起こし、エアバッグとしての所望の正確な形状が得られず、必要とされる機能も有しなくなる。
(【0011】以降は省略されています)

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