TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025107445
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-17
出願番号2025080795,2023526826
出願日2025-05-13,2021-06-11
発明の名称潤滑剤の組み合わせ、粉末混合物、粉末混合物用原料の組み合わせ及び焼結体の製造方法
出願人株式会社レゾナック
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C10M 105/68 20060101AFI20250710BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】成形体の抜き出し性を向上させることができ、さらに外観不良が抑制された焼結体を製造可能な潤滑剤の組み合わせ、前記潤滑剤の組み合わせを含む粉末混合物及び粉末混合物用原料の組み合わせ、並びに粉末混合物又は粉末混合物用原料の組み合わせを用いた焼結体の製造方法を提供する。
【解決手段】融点が60℃~85℃である潤滑剤Aと、金属石鹸系潤滑剤Bと、を含み、JIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、粒子径が63μm以下である粒子の割合が潤滑剤の組み合わせの全量に対して88質量%以上である潤滑剤の組み合わせ。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
融点が60℃~85℃である潤滑剤Aと、
金属石鹸系潤滑剤Bと、を含み、
JIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、粒子径が63μm以下である粒子の割合が潤滑剤の組み合わせの全量に対して88質量%以上である潤滑剤の組み合わせ。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記潤滑剤Aは、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、N-オレイルオレイン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-オレイル-ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸、及びN-オレイルパルミトアミドからなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項1に記載の潤滑剤の組み合わせ。
【請求項3】
前記金属石鹸系潤滑剤Bは、炭素数12~22である脂肪酸と、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛及びストロンチウムからなる群より選択される少なくとも一つの金属との金属塩を含む請求項1又は請求項2に記載の潤滑剤の組み合わせ。
【請求項4】
目開き150μmのJIS標準篩で篩い分けしたときに前記篩を通過しない粒子の割合は、潤滑剤の全量に対して、5質量%以下である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の潤滑剤の組み合わせ。
【請求項5】
脂肪酸ビスアミドである潤滑剤Cをさらに含む請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の潤滑剤の組み合わせ。
【請求項6】
前記潤滑剤Cの融点は、140℃以上150℃未満である請求項5に記載の潤滑剤の組み合わせ。
【請求項7】
前記潤滑剤Cは、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミド、m-キシリレンビスステアリン酸アミド及びN,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドからなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項5に記載の潤滑剤の組み合わせ。
【請求項8】
原料粉末と、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の潤滑剤の組み合わせと、を含む粉末混合物。
【請求項9】
原料粉末と、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の潤滑剤の組み合わせと、を含む粉末混合物用原料の組み合わせ。
【請求項10】
請求項8に記載の粉末混合物又は請求項9に記載の粉末混合物用原料の組み合わせから得られる粉末混合物を焼結することによって焼結体を製造する焼結体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、潤滑剤の組み合わせ、粉末混合物、粉末混合物用原料の組み合わせ及び焼結体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
通常、潤滑剤は潤滑のために使用され、例えば、互いに接する固体同士の摩擦を軽減するために用いられる。潤滑剤としては、液体の潤滑油、半固形のグリース、固体の潤滑剤等が挙げられ、例えば、粉末冶金法では、粉末状である固体の潤滑剤(粉末状の潤滑剤)が用いられる。
【0003】
粉末冶金法のうち、特に金型成形法においては、金型壁面と圧粉体との摩擦を軽減するため、通常、粉末状の潤滑剤を原料粉末に混入させた粉末混合物を用いる。粉末混合物は、主原料粉末である鉄基粉末に、例えば、銅粉末、黒鉛粉末、切削性改善用粉末等の副原料粉末と潤滑剤の粉末とを混合したものである。
【0004】
粉末混合物が粉末状の潤滑剤を含むことにより、粉末混合物における流動性、圧密性等の粉末特性が改善され、圧縮成形した圧粉体を金型から抜き出し易くなる。潤滑剤の粉末としては、例えば、ステアリン酸及びその金属塩等の金属石鹸系潤滑剤、有機系潤滑剤(ワックス系潤滑剤)及び脂肪酸アミド系潤滑剤が挙げられる(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0005】
潤滑剤は、金属粉末との混合性、粉末混合物としたときの粉末特性、圧縮成形後の圧粉体の抜き出し性、圧粉体を焼結する際の潤滑剤の散逸性等を勘案して選択される。中でも、比較的優れた潤滑特性及びコストの点から、ステアリン酸亜鉛が潤滑剤として広く用いられている。このような潤滑剤は、粉末混合物に予め混入させて用いるのが一般的である。なお、潤滑剤を金型壁面に塗布して用いる方法もあるが、特殊な装置が必要となるため、焼結体の製造コストが割高となる。
【0006】
しかしながら、ステアリン酸亜鉛に代表される金属石鹸系潤滑剤は、圧粉体を焼結する際に製品表面、排気ダクト等を汚染するという問題があり、有機系潤滑剤(ワックス系潤滑剤)への置き換えが望まれている。有機系潤滑剤としては、特許文献1及び2に記載された潤滑剤のほか、長鎖アルキル基を有するアミド系化合物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平4-136104号公報
特開平11-193404号公報
特表2008-513602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
潤滑剤が添加された粉末混合物を金型を用いて圧縮成形した際に、成形体を金型から抜き出しやすくなること、すなわち、成形体の抜き出し性に優れることが望ましい。成形体を焼結してなる焼結体についてもその表面に凹凸が形成されることで外観不良が発生しやすいため、外観不良が抑制可能であることが望ましい。
【0009】
本開示は、成形体の抜き出し性を向上させることができ、さらに外観不良が抑制された焼結体を製造可能な潤滑剤の組み合わせ、前記潤滑剤の組み合わせを含む粉末混合物及び粉末混合物用原料の組み合わせ、並びに粉末混合物又は粉末混合物用原料の組み合わせを用いた焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 融点が60℃~85℃である潤滑剤Aと、
金属石鹸系潤滑剤Bと、を含み、
JIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、粒子径が63μm以下である粒子の割合が潤滑剤の組み合わせの全量に対して88質量%以上である潤滑剤の組み合わせ。
<2> 前記潤滑剤Aは、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、N-オレイルオレイン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-オレイル-ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸、及びN-オレイルパルミトアミドからなる群より選択される少なくとも1つを含む<1>に記載の潤滑剤の組み合わせ。
<3> 前記金属石鹸系潤滑剤Bは、炭素数12~22である脂肪酸と、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛及びストロンチウムからなる群より選択される少なくとも一つの金属との金属塩を含む<1>又は<2>に記載の潤滑剤の組み合わせ。
<4> 目開き150μmのJIS標準篩で篩い分けしたときに前記篩を通過しない粒子の割合は、潤滑剤の全量に対して、5質量%以下である<1>~<3>のいずれか1つに記載の潤滑剤の組み合わせ。
<5> 脂肪酸ビスアミドである潤滑剤Cをさらに含む<1>~<4>のいずれか1つに記載の潤滑剤の組み合わせ。
<6> 前記潤滑剤Cの融点は、140℃以上150℃未満である<5>に記載の潤滑剤の組み合わせ。
<7> 前記潤滑剤Cは、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミド、m-キシリレンビスステアリン酸アミド及びN,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドからなる群より選択される少なくとも1つを含む<5>に記載の潤滑剤の組み合わせ。
<8> 原料粉末と、<1>~<7>のいずれか1つに記載の潤滑剤の組み合わせと、を含む粉末混合物。
<9> 原料粉末と、<1>~<7>のいずれか1つに記載の潤滑剤の組み合わせと、を含む粉末混合物用原料の組み合わせ。
<10> <8>に記載の粉末混合物又は<9>に記載の粉末混合物用原料の組み合わせから得られる粉末混合物を焼結することによって焼結体を製造する焼結体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

阪本薬品工業株式会社
水系潤滑剤
今日
三菱重工業株式会社
炭化炉
1か月前
三菱重工業株式会社
炉設備
今日
三菱重工業株式会社
炭化炉
24日前
新日本理化株式会社
潤滑油
10日前
日本製鉄株式会社
処理装置、処理方法、およびプログラム
9日前
三菱重工業株式会社
炭化炉及びその制御方法
7日前
日本製鉄株式会社
処理装置、処理方法、およびプログラム
9日前
ENEOS株式会社
潤滑油組成物
1か月前
株式会社ZEエナジー
炭化装置および処理方法
9日前
エスティーティー株式会社
潤滑塗膜用組成物及び潤滑塗膜
21日前
カナデビア株式会社
ガス化装置
8日前
株式会社ネオス
金属加工油剤、金属加工液、使用方法及び析出抑制方法
14日前
三菱ケミカル株式会社
潤滑油添加剤、潤滑油、及び潤滑油添加剤の製造方法
22日前
日油株式会社
樹脂用摺動性向上剤およびこれを用いた樹脂組成物
16日前
日本特殊陶業株式会社
濃度測定装置、反応装置および濃度測定方法
15日前
株式会社エムエスケイ
乾留熱分解油化システム、及び乾留熱分解油化方法
29日前
株式会社環境経営総合研究所
下水汚泥等の高含水率物質の燃料化システム
7日前
ディーエル ケミカル カンパニー リミテッド
潤滑油粘度指数改善剤及びそれを含む潤滑油組成物
22日前
三菱重工業株式会社
バイオマスガス化炉、液体燃料製造設備、及びバイオマスガス化炉の運転方法
7日前
三菱ケミカル株式会社
潤滑油添加剤、重合体、粘度指数向上剤、潤滑油及び潤滑油添加剤の製造方法
22日前
古河電気工業株式会社
有用炭化水素の製造方法および有用炭化水素の製造装置
14日前
サンライズソリューション株式会社
芳香族成分を多く含む油の燃焼性改善方法、及び内燃機関燃料の製造方法
22日前
インスティテュート・フォー・アドバンスド・エンジニアリング
熱分解原料及び生産品イメージ情報を用いた制御装置及び方法
29日前
シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
改良された改質プロセス
23日前
ENEOS株式会社
グリース組成物及びこのグリース組成物を用いた摺動部分の潤滑方法
7日前
ENEOS株式会社
冷凍機油、冷凍機用作動流体組成物、潤滑方法及び冷凍機油の製造方法
21日前
シェブロン・オロナイト・テクノロジー・ビー.ブイ.
船舶用ディーゼルシリンダー潤滑油組成物
1か月前
アフトン・ケミカル・コーポレーション
潤滑剤用のケイ素含有化合物
23日前
コッパーズ デラウェア インコーポレイテッド
ピッチ収率を増加するための熱処理プロセス及びシステム
14日前
インフィニューム インターナショナル リミテッド
Ford6.7Lエンジン試験にてロバストなバルブトレイン摩耗保護を提供する潤滑剤組成
14日前
シータ ホールディングス ピーティーワイ リミテッド
炭素質材料を処理する方法およびそのための装置
14日前
株式会社レゾナック
潤滑剤の組み合わせ、粉末混合物、粉末混合物用原料の組み合わせ及び焼結体の製造方法
今日
シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ
グリース組成物
8日前
インフィニウム テクノロジー,エルエルシー
空気から二酸化炭素を回収して二酸化炭素を燃料及び化学物質へと直接変換するための方法
2日前
キヤノン株式会社
管理装置、制御方法、及びプログラム
17日前
続きを見る