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公開番号
2025110718
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-29
出願番号
2024004709
出願日
2024-01-16
発明の名称
微生物捕集試薬、微生物捕集キット、微生物捕集方法、および微生物捕集装置
出願人
株式会社日立製作所
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C12Q
1/24 20060101AFI20250722BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】遠心操作不要で血液中にわずかに存在する微生物を特異的かつ高い効率で捕獲・濃縮が可能であり、常温で長期保管できる微生物捕集試薬、微生物捕集キット、およびそれらを用いた微生物の捕集手順を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、本開示は、磁性粒子101の表面にジメチルアミノ基103による微生物結合部が修飾されている、微生物捕集試薬100を提案する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
磁性粒子の表面に、ジメチルアミノ基による微生物結合部が修飾された、微生物捕集試薬。
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
請求項1において、
前記磁性粒子の粒径は、10nm以上であり、かつ、捕集対象とする微生物のサイズよりも小さい、微生物捕集試薬。
【請求項3】
請求項1において、
さらに、前記ジメチルアミノ基以外の基による微生物結合部が表面に修飾された磁性粒子を含む、微生物捕集試薬。
【請求項4】
請求項3において、
前記ジメチルアミノ基以外の基は、エチルピリジニウムブロミドのエチル基である、微生物捕集試薬。
【請求項5】
請求項1に記載の微生物捕集試薬と、
対象とする検体のイオン強度を低下させるための希釈液と、
を含む、微生物捕集キット。
【請求項6】
請求項5において、
前記希釈液は、濃度が154mM未満の塩化ナトリウム水溶液である、微生物捕集キット。
【請求項7】
請求項5において、
前記微生物捕集試薬が、さらに、前記ジメチルアミノ基以外の基による微生物結合部が表面に修飾された磁性粒子を含む、微生物捕集キット。
【請求項8】
請求項7において、
前記ジメチルアミノ基以外の基は、エチルピリジニウムブロミドのエチル基である、微生物捕集キット。
【請求項9】
請求項1に記載の微生物捕集試薬を用いて検体中に含まれる微生物を捕集する微生物捕集方法であって、
前記検体に前記微生物捕集試薬を添加することと、
前記微生物捕集試薬と前記検体中に含まれる微生物を結合させることと、
前記微生物捕集試薬と前記微生物の結合物を回収することと、
を含む、微生物捕集方法。
【請求項10】
請求項9において、さらに、
所定の希釈液を加えることにより、前記検体のイオン強度を低下させることを含む、微生物捕集方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、微生物捕集試薬、微生物捕集キット、微生物捕集方法、および微生物捕集装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
感染症検査では、適切な治療の開始を早めるとともに、二次感染を防ぐため迅速な病原体検出が求められる。特に、敗血症に代表される血流感染症は、わずかな菌が血流に存在するだけで、しばしばショック症状を呈し、重症化する。重症敗血症の場合、抗菌薬による治療が遅れると生存率が1時間で7.6%低下するとの報告がある(A.Kumar et.al,Crit Care Med 2006)。したがって、血流感染症が疑われる場合は、可能な限り速やかに、できれば1時間以内に抗菌薬による治療を開始することが望ましいとされる。この点、原因となる菌は多岐に渡り、それぞれ効果のある抗菌薬が異なることから、複数の菌を同時に検査し、迅速に適切な抗菌薬を投与することがのぞましい。
【0003】
しかし、血流感染症患者の血液中に含まれる菌は、少ないケースでは1CFU(Colony forming unit)/mL程度であり、そのままでは検出することが困難である。現在では10mL程度を採血し、一晩以上血液培養をすることによって10
6
倍以上に菌を増やしてから検査を実施している。検査の結果が出るまでは、可能性のある菌すべてをカバー可能な、広域抗菌薬や複数抗菌薬のカクテルを投与することで対処する。一方、こうした抗菌薬の投与によって、抗菌薬が効かない薬剤耐性菌を増加させることが問題視されている。また、広域抗菌薬よりも、その病原菌に適合した狭域抗菌薬の方が、治療効果が高いことが多い。
【0004】
PCR(Polymerase Chain Reaction)法は、菌の遺伝子を1時間で10
8
倍程度に増幅可能で、従来の血液培養に基づく検査と比べ迅速に菌を検出できる。PCR法を用いることで、早い段階で、広域抗菌薬から、より狭いスペクトラムを持つ抗菌薬に切り替えることが可能となる。これにより、より高い治療効果が得られるとともに、耐性菌の出現を抑制できるため、血流感染症の治療にとって有望な技術である。
【0005】
しかし、採血した10mL程度の血液中で直接PCRを行う場合、血液中に大量に含まれるヘモグロビンやタンパク質がPCRを阻害するとともに、必要な試薬量が膨大になることから現実的ではない。そこで、あらかじめ血中の菌を濃縮・精製し、菌の遺伝子を抽出したうえでPCR反応に供することが一般的である。こうした濃縮・精製は、従来専門的なスキルをもつ検査技師がマニュアルで行ってきた。しかし、人手や予算の限られる病院の検査室においては、極力人手を介さず、自動的に検査結果が得られることがのぞましく、また、1検体当たりの検査コストを極力抑える必要がある。さらに、限られたスペースに多種多様な検査機器を配置する必要があることから、装置当たりの専有面積を極力小さくすることが望ましい。
【0006】
例えば、特許文献1は、全自動敗血症検査装置において、血液中に最も多く含まれる赤血球を溶解剤で破壊したのち、遠心分離によって対象とする菌を濃縮、ペレットとして得る手順について開示する。特許文献1によれば、得られた菌ペレットから菌の核酸を抽出して増幅し、菌の核酸に特異的に結合する磁性粒子(磁気ビーズ)の凝集状態を磁気共鳴により検出することで、血流感染症患者の血液中に存在する菌の種類を迅速に同定できるとされている。
【0007】
また、特許文献2は、レクチンなどの微生物結合ドメインを有する分子を表面に修飾した磁性粒子(磁気ビーズ)を用いて患者の全血中に存在する菌を捕捉し、磁石で磁性粒子を回収したのち、Tris緩衝食塩水で血液成分を除去し、ELISA法により菌を検出・定量する技術を開示する。特許文献2によれば、遠心機などの大掛かり機構なく菌を濃縮可能であるため、装置のサイズを小さくする上で有利であるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
米国特許出願公開第2017/0233798号明細書
特表2014-523914号公報
【非特許文献】
【0009】
Sayed、 S.M. et al. (2021) Naphthalimide-based multifunctional AIEgens Selective、 fast、 and wash-free fluorescence tracking and identification of Gram-positive bacteria. Analytica Chimica Acta. 1146. 41-52.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示される検査装置においては、遠心分離をするためのローター機構を搭載する必要があり、装置サイズが増大してしまうという課題がある。また、血液中に含まれ、菌と類似の形状を持つ細胞を分離することが困難である。例えば、血小板は大きさが2μm程度で、菌(1μm弱~数μm程度)と大きさが近い。また、血小板は1mL中に15億~45億個ほど含まれており、1CFU/mLの濃度の菌より圧倒的に数が多い。以上から、遠心分離で菌のみを選択的に分離することは困難である。
(【0011】以降は省略されています)
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