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公開番号2025110921
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2024004954
出願日2024-01-17
発明の名称ペプチドの製造方法、化合物、及びペプチド合成試薬
出願人富士フイルム株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C07K 1/06 20060101AFI20250723BHJP(有機化学)
要約【課題】アスパルチミド/グルタルイミド形成を十分に抑制できるペプチドの製造方法、高いアスパルチミド/グルタルイミド形成抑制効果を示す新規な化合物、及びアスパルチミド/グルタルイミドの形成を十分に抑制できるペプチド合成試薬を提供すること。
【解決手段】下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物と、アミノ酸又はペプチドのアミノ末端とを反応させる工程を含む、ペプチドの製造方法。
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nは1又は2であり、R1、R2及びR3は独立に、芳香環を含まない置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基であり、R1、R2及びR3の少なくとも一つは分岐構造を有し、R1、R2及びR3の2つの基は環を形成してもよく、R4はアミノ基の保護基を示す。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物と、アミノ酸又はペプチドのアミノ末端とを反応させる工程を含む、ペプチドの製造方法。
JPEG
2025110921000015.jpg
50
170
式(1)及び式(2)中、nは1又は2であり、R

、R

及びR

はそれぞれ独立に、芳香環を含まない置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基であり、R

、R

及びR

のうちの少なくとも一つは分岐構造を有し、R

、R

及びR

のうちの2つの基は環を形成してもよく、R

はアミノ基の保護基を示す。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記式(1)又は式(2)で表される化合物が、N末端保護アミノ酸又はN末端保護ペプチドであり、
前記式(1)又は式(2)で表される化合物をC末端保護アミノ酸又はC末端保護ペプチドと縮合させるペプチド鎖延長工程、及び、
前記ペプチド鎖延長工程で得られたN末端保護C末端保護ペプチドを沈殿させる沈殿工程、
を更に含む、請求項1に記載のペプチドの製造方法。
【請求項3】
前記沈殿工程の後に、
得られたN末端保護C末端保護ペプチドのN末端を脱保護する工程、
得られたC末端保護ペプチドのN末端に、N末端保護アミノ酸又はN末端保護ペプチドを縮合させる工程、及び、
得られたN末端保護C末端保護ペプチドを沈殿させる工程
をこの順で1回以上更に含む、請求項2に記載のペプチドの製造方法。
【請求項4】
C末端保護基を脱保護するC末端脱保護工程を更に含み、脱保護は10体積%以下のトリフルオロ酢酸溶液を用いて行われる、請求項2に記載のペプチドの製造方法。
【請求項5】
前記C末端保護アミノ酸又はC末端保護ペプチドのC末端保護基は、炭素数12以上の脂肪族炭化水素基を有する、請求項2に記載のペプチドの製造方法。
【請求項6】
芳香環を含まない置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基が、-O-を含んでもよい脂肪族炭化水素基である、請求項1から5の何れか一項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項7】
芳香環を含まない置換基が、環式脂肪族炭化水素基、環中に-O-を含む環式脂肪族炭化水素基、又はアルコキシ基である、請求項1から5の何れか一項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項8】
芳香環を含まない置換基が、シクロヘキシル、テトラヒドラピラニル、又は炭素数1~6のアルコキシである、請求項1から5の何れか一項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項9】


が9-フルオレニルメチルオキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルである、請求項1から5の何れか一項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項10】


、R

及びR

の少なくとも1つは、芳香環を含まない置換基を有してもよい、分岐構造を有するブチル基である、請求項1から5の何れか一項に記載のペプチドの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ペプチドの製造方法、化合物、及びペプチド合成試薬に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
ペプチドの製造方法としては、固相法、液相法などがある。液相法は、反応性が良好で、縮合反応の後に抽出洗浄、単離等により中間体ペプチドの精製ができる。
ペプチドの製造において、アスパラギン酸やグルタミン酸と他のアミノ酸の組み合わせ(Asp/Glu-X)は、分子内脱水反応によりアスパルチミド/グルタルイミドを形成することが知られている。アスパラギン酸/グルタミン酸を含有するペプチドを合成する際、それら残基が脱水されたペプチドが不純物として混在することにより、精製が煩雑になることや、又は目的物が得られなくなることが報告されている。例えば、非特許文献1には、アスパラギン酸を含有するペプチドの合成においてアスパルチミドを形成することにより、所望のペプチドの収量が低下することが報告されている。
【0003】
特許文献1には、鎖状の側鎖保護基を有するアスパラギン酸/グルタミン酸誘導体が、アスパルチミド/グルタルイミドの形成を抑制できることが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
RSC Chem.Biol.,2023,4,292-299
【特許文献】
【0005】
欧州特許EP2886531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の方法ではアスパルチミド/グルタルイミドの形成抑制効果が不十分であることが分かっている。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、アスパルチミド/グルタルイミド形成を十分に抑制できるペプチドの製造方法を提供することである。
また、本開示の他の一実施形態が解決しようとする課題は、高いアスパルチミド/グルタルイミド形成抑制効果を示す新規な化合物を提供することである。
また、本開示の更に他の一実施形態が解決しようとする課題は、アスパルチミド/グルタルイミドの形成を十分に抑制できるペプチド合成試薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、アスパラギン酸側鎖の保護基に分岐構造を導入することで、高いアスパルチミド/グルタルイミド形成抑制効果が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。本開示によれば、以下の態様が提供される。
【0008】
<1> 下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物と、アミノ酸又はペプチドのアミノ末端とを反応させる工程を含む、ペプチドの製造方法。
JPEG
2025110921000001.jpg
50
170
式(1)及び式(2)中、nは1又は2であり、R

、R

及びR

はそれぞれ独立に、芳香環を含まない置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基であり、R

、R

及びR

のうちの少なくとも一つは分岐構造を有し、R

、R

及びR

のうちの2つの基は環を形成してもよく、R

はアミノ基の保護基を示す。
<2> 上記式(1)又は式(2)で表される化合物が、N末端保護アミノ酸又はN末端保護ペプチドであり、
上記式(1)又は式(2)で表される化合物をC末端保護アミノ酸又はC末端保護ペプチドと縮合させるペプチド鎖延長工程、及び、
上記ペプチド鎖延長工程で得られたN末端保護C末端保護ペプチドを沈殿させる沈殿工程、
を更に含む、<1>に記載のペプチドの製造方法。
<3> 上記沈殿工程の後に、
得られたN末端保護C末端保護ペプチドのN末端を脱保護する工程、
得られたC末端保護ペプチドのN末端に、N末端保護アミノ酸又はN末端保護ペプチドを縮合させる工程、及び、
得られたN末端保護C末端保護ペプチドを沈殿させる工程
をこの順で1回以上更に含む、<2>に記載のペプチドの製造方法。
<4> C末端保護基を脱保護するC末端脱保護工程を更に含み、脱保護は10体積%以下のトリフルオロ酢酸溶液を用いて行われる、<2>に記載のペプチドの製造方法。
<5> 上記C末端保護アミノ酸又はC末端保護ペプチドのC末端保護基は、炭素数12以上の脂肪族炭化水素基を有する、<2>~<4>の何れか一に記載のペプチドの製造方法。
<6> 芳香環を含まない置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基が、-O-を含んでもよい脂肪族炭化水素基である、<1>から<5>の何れか一に記載のペプチドの製造方法。
<7> 芳香環を含まない置換基が、環式脂肪族炭化水素基、環中に-O-を含む環式脂肪族炭化水素基、又はアルコキシ基である、<1>から<6>の何れか一に記載のペプチドの製造方法。
<8> 芳香環を含まない置換基が、シクロヘキシル、テトラヒドラピラニル、又は炭素数1~6のアルコキシである、<1>から<7>の何れか一に記載のペプチドの製造方法。
<9> R

が9-フルオレニルメチルオキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルである、<1>から<8>の何れか一に記載のペプチドの製造方法。
<10> R

、R

及びR

の少なくとも1つは、芳香環を含まない置換基を有してもよい、分岐構造を有するブチル基である、<1>から<9>の何れか一に記載のペプチドの製造方法。
<11> nが1である、<1>から<10>の何れか一に記載のペプチドの製造方法。
<12> 下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物:
JPEG
2025110921000002.jpg
52
170
式(1)及び式(2)中、nは1又は2であり、R

、R

及びR

はそれぞれ独立に、芳香環を含まない置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基であり、R

、R

及びR

のうちの少なくとも一つは分岐構造を有し、R

、R

及びR

のうちの2つの基は環を形成してもよく、R

はアミノ基の保護基を示す。
<13> 芳香環を含まない置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基が、-O-を含んでもよい脂肪族炭化水素基である、<12>に記載の化合物。
<14> 芳香環を含まない置換基が、環式脂肪族炭化水素基、環中に-O-を含む環式脂肪族炭化水素基、又はアルコキシ基である、<12>又は<13>に記載の化合物。
<15> 芳香環を含まない置換基が、シクロヘキシル、テトラヒドラピラニル、又は炭素数1~6のアルコキシである、<12>から<14>の何れか一に記載の化合物。
<16> R

【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、アスパルチミド/グルタルイミド形成を十分に抑制できるペプチドの製造方法を提供することができる。
また、本発明の他の一実施形態によれば、高いアスパルチミド/グルタルイミド形成抑制効果を示す新規な化合物を提供することができる。
また、本発明の更に他の一実施形態によれば、アスパルチミド/グルタルイミドの形成を十分に抑制できるペプチド合成試薬を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではない。
本明細書において、特に断らない限り、各用語は次の意味を有する。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(【0011】以降は省略されています)

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