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公開番号2025112426
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2024006632
出願日2024-01-19
発明の名称PCCT装置とその制御方法
出願人富士フイルム株式会社
代理人ポレール弁理士法人
主分類A61B 6/03 20060101AFI20250725BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】基底物質以外の物質のスペクトルを測定することなく、負の厚さの基底物質を透過したスペクトルを得ることが可能なPCCT装置とその制御方法を提供する。
【解決手段】被検体にX線を照射するX線源と前記被検体を透過したX線を複数のエネルギービン毎に検出する光子計数型検出器を前記被検体の周囲で回転させるスキャナと、前記光子計数型検出器の出力に基づいて算出される投影データを用いて断層画像を生成する画像生成部を備えるPCCT装置であって、材質と厚さが既知である第一基底物質と第二基底物質とを有する複数の較正用ファントムのそれぞれを透過するX線光子数に基づいて、較正データマップを作成するマップ作成部と、前記X線光子数を外挿処理することによって、前記較正データマップを負領域に拡張した拡張データマップを作成する拡張部と、前記拡張データマップに基づいて物質弁別を行う物質弁別部をさらに備えることを特徴とする。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
被検体にX線を照射するX線源と前記被検体を透過したX線を複数のエネルギービン毎に検出する光子計数型検出器を前記被検体の周囲で回転させるスキャナと、前記光子計数型検出器の出力に基づいて算出される投影データを用いて断層画像を生成する画像生成部を備えるPCCT装置であって、
材質と厚さが既知である第一基底物質と第二基底物質とを有する複数の較正用ファントムのそれぞれを透過するX線光子数に基づいて、較正データマップを作成するマップ作成部と、
前記X線光子数を外挿処理することによって、前記較正データマップを負領域に拡張した拡張データマップを作成する拡張部と、
前記拡張データマップに基づいて物質弁別を行う物質弁別部をさらに備えることを特徴とするPCCT装置。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
請求項1に記載のPCCT装置であって、
前記拡張部は、前記第一基底物質と前記第二基底物質の少なくとも一方の厚さがゼロとなる近傍において、より細かく厚さを変えながら前記拡張データマップを作成することを特徴とするPCCT装置。
【請求項3】
請求項1に記載のPCCT装置であって、
前記物質弁別部は、前記負領域において非線形補間を行うことを特徴とするPCCT装置。
【請求項4】
請求項3に記載のPCCT装置であって、
前記物質弁別部は、前記非線形補間に高次関数を用い、前記拡張データマップの非線形性が強いほど前記高次関数の次数を高めることを特徴とするPCCT装置。
【請求項5】
被検体にX線を照射するX線源と前記被検体を透過したX線を複数のエネルギービン毎に検出する光子計数型検出器を前記被検体の周囲で回転させるスキャナと、前記光子計数型検出器の出力に基づいて算出される投影データを用いて断層画像を生成する画像生成部を備えるPCCT装置の制御方法であって、
材質と厚さが既知である第一基底物質と第二基底物質とを有する複数の較正用ファントムのそれぞれを透過するX線光子数に基づいて、較正データマップを作成するマップ作成ステップと、
前記X線光子数を外挿処理することによって、前記較正データマップを負領域に拡張した拡張データマップを作成する拡張ステップと、
前記拡張データマップに基づいて物質弁別を行う物質弁別ステップを備えることを特徴とする制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光子計数型検出器を備えるX線CT装置であるPCCT(Photon Counting Computed Tomography)装置に係り、特に光子計数型検出器の較正に用いられる較正データの拡張処理に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
X線CT装置は、被検体にX線を照射するX線源と被検体を透過したX線を検出するX線検出器とを被検体の周囲で回転させることで得られる多方向からの投影データを用いて、被検体の断層画像を生成する。生成された断層画像は、被検体の画像診断に用いられる医用画像として使用される。
【0003】
X線検出器として光子計数型検出器を用いるPCCT装置では、X線光子数をエネルギー毎に計数できるので、複数のエネルギービンのそれぞれにおいて取得される投影値を用いて、被検体内の物質を弁別できる。なお物質が弁別された断層画像を得るには、組成と厚さが既知の物質である複数の基底物質を用いて、物質弁別のための較正データを予め取得しておく必要がある。
【0004】
特許文献1には、組成と厚さが既知の基底物質の組み合わせを透過したX線光子のエネルギースペクトルである較正スペクトルと、サンプルを透過したスペクトルとを比較することで、サンプルの中の基底物質の厚さを推定することが開示される。すなわち厚さの異なる基底物質の組み合わせ毎に測定される複数の較正スペクトルの中からサンプルのスペクトルに最も類似するものを検索し、検索された較正スペクトルに対応する基底物質の厚さがサンプルの中の基底物質の厚さとして推定される。また較正スペクトルを補間することで較正スペクトルの数を制限することが開示される。さらに基底物質の実効原子番号の範囲外にある実効原子番号を有するサンプルの厚さを推定するために、基底物質以外の物質のスペクトルを測定することで負の厚さの基底物質を透過したスペクトルを得ることが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許出願公開2016/0363442号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1では、負の厚さの基底物質を透過したスペクトルを得るために、基底物質以外の物質のスペクトルを測定する必要がある。
【0007】
そこで本発明の目的は、基底物質以外の物質のスペクトルを測定することなく、負の厚さの基底物質を透過したスペクトルを得ることが可能なPCCT装置とその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、被検体にX線を照射するX線源と前記被検体を透過したX線を複数のエネルギービン毎に検出する光子計数型検出器を前記被検体の周囲で回転させるスキャナと、前記光子計数型検出器の出力に基づいて算出される投影データを用いて断層画像を生成する画像生成部を備えるPCCT装置であって、材質と厚さが既知である第一基底物質と第二基底物質とを有する複数の較正用ファントムのそれぞれを透過するX線光子数に基づいて、較正データマップを作成するマップ作成部と、前記X線光子数を外挿処理することによって、前記較正データマップを負領域に拡張した拡張データマップを作成する拡張部と、前記拡張データマップに基づいて物質弁別を行う物質弁別部をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、被検体にX線を照射するX線源と前記被検体を透過したX線を複数のエネルギービン毎に検出する光子計数型検出器を前記被検体の周囲で回転させるスキャナと、前記光子計数型検出器の出力に基づいて算出される投影データを用いて断層画像を生成する画像生成部を備えるPCCT装置の制御方法であって、材質と厚さが既知である第一基底物質と第二基底物質とを有する複数の較正用ファントムのそれぞれを透過するX線光子数に基づいて、較正データマップを作成するマップ作成ステップと、前記X線光子数を外挿処理することによって、前記較正データマップを負領域に拡張した拡張データマップを作成する拡張ステップと、前記拡張データマップに基づいて物質弁別を行う物質弁別ステップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、基底物質以外の物質のスペクトルを測定することなく、負の厚さの基底物質を透過したスペクトルを得ることが可能なPCCT装置とその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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