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公開番号2025111141
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2024005360
出願日2024-01-17
発明の名称ジャッキアップ装置、ジャッキアップ方法および既設基礎の改修方法
出願人清水建設株式会社,間瀬建設株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類E02D 27/48 20060101AFI20250723BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】束柱のようなジャッキアップ対象物のずり落ちや損傷を防止することができるジャッキアップ装置、ジャッキアップ方法および既設基礎の改修方法を提供する。
【解決手段】ジャッキアップ対象物14を挟んで水平方向に対向して配置された一対の掴み部材26と、一対の前記掴み部材26を互いに近づける方向に締め付けるねじ式締結部材28と、一対の前記掴み部材26を上昇させるジャッキ30とを備え、前記ねじ式締結部材28は、所定の締付力で締め付けられており、前記締付力は、前記ジャッキアップ対象物14が前記掴み部材26からずり落ちることを防ぐとともに、前記掴み部材26が前記ジャッキアップ対象物14にめり込むことによる損傷を防ぐ締付力に設定されているようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
柱状のジャッキアップ対象物をジャッキアップするための装置であって、
前記ジャッキアップ対象物を挟んで水平方向に対向して配置された一対の掴み部材と、前記掴み部材の水平方向の両側においてそれぞれ水平方向に挿通配置され、一対の前記掴み部材を互いに近づける方向に締め付けるねじ式締結部材と、一対の前記掴み部材を上昇させることにより前記ジャッキアップ対象物をジャッキアップするジャッキとを備え、
前記ねじ式締結部材は、前記ジャッキアップ対象物と前記掴み部材の接触面積と、前記ジャッキアップ対象物のめり込み耐力に基づいて設定された締付力で締め付けられており、
前記締付力は、ジャッキアップ中の前記ジャッキアップ対象物が前記掴み部材からずり落ちることを防ぐとともに、前記掴み部材が前記ジャッキアップ対象物にめり込むことによる損傷を防ぐ締付力に設定されていることを特徴とするジャッキアップ装置。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記ジャッキアップ対象物と前記掴み部材の間に緩衝部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のジャッキアップ装置。
【請求項3】
柱状のジャッキアップ対象物をジャッキアップするための方法であって、
前記ジャッキアップ対象物を挟んで水平方向に一対の掴み部材を対向して配置するステップと、前記掴み部材の水平方向の両側においてねじ式締結部材をそれぞれ水平方向に挿通配置した後、一対の前記掴み部材を互いに近づける方向に前記ねじ式締結部材を締め付けるステップと、一対の前記掴み部材をジャッキで上昇させることにより前記ジャッキアップ対象物をジャッキアップするステップとを有し、
前記ねじ式締結部材は、前記ジャッキアップ対象物と前記掴み部材の接触面積と、前記ジャッキアップ対象物のめり込み耐力に基づいて設定された締付力で締め付けられるものであり、
前記締付力は、ジャッキアップ中の前記ジャッキアップ対象物が前記掴み部材からずり落ちることを防ぐとともに、前記掴み部材が前記ジャッキアップ対象物にめり込むことによる損傷を防ぐ締付力に設定されていることを特徴とするジャッキアップ方法。
【請求項4】
前記ジャッキアップ対象物と前記掴み部材の間に緩衝部材を設けた後、前記ねじ式締結部材を締め付けることを特徴とする請求項3に記載のジャッキアップ方法。
【請求項5】
既設基礎を改修する方法であって、
請求項3または4に記載のジャッキアップ方法を用いて、前記ジャッキアップ対象物である既設柱をジャッキアップした後、前記既設柱の下方の既設基礎を改修することを特徴とする既設基礎の改修方法。
【請求項6】
前記既設柱をジャッキアップした後、前記既設柱の直下に保護部材を挿入し、前記保護部材と前記掴み部材とを固定することを特徴とする請求項5に記載の既設基礎の改修方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、既設木造建物の基礎を改修する際に、基礎上の柱をジャッキアップするのに好適なジャッキアップ装置、ジャッキアップ方法および既設基礎の改修方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、神社仏閣などの木造建物において、束柱を支持する束石が不等沈下した場合に、沈下した束石を修復する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この特許文献1に示される方法は、束柱に柱掴み金具を介して水平支持枠を取り付け、この水平支持枠をジャッキにより所要量押し上げて束柱を束石から浮かせてから、束石を修復する。柱掴み金具は、束柱を両側から挟むC形鋼やH形鋼などからなる一対の両挟み部材と、両挟み部材と直交する位置で束柱を挟んだ状態で両挟み部材の両端部間に介装され、両挟み部材を締め付けて束柱の所定位置に固定する締付用ボルト、ナットとからなる。この柱掴み金具を上下2段に取り付け、その間に水平支持枠を挟み付けた状態で水平に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5097761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来の特許文献1の方法では、要するに、束柱に摩擦接合した柱掴み金具を介して束柱をジャッキアップする。摩擦接合の摩擦力は、柱掴み金具の剛性や、柱掴み金具を束柱に締め付けるボルトの締付力に大きく影響を受ける。例えば、ボルト締付力が過小な場合や、ジャッキアップ後に想定外の事象が起きた場合には、摩擦接合部分で滑りが生じて束柱がずり落ちるおそれがある。逆に、ボルト締付力が過大な場合には、柱掴み金具がめり込んで束柱を傷めてしまうおそれがある。
【0006】
また、ジャッキアップする際に束柱に入力される荷重は建物の規模などによって決まるが、上記の従来の特許文献1の方法では、場合によっては荷重を支えられない可能性がある。また、耐力以上の荷重が加わるなどして摩擦接合部分に急激な滑りが生じた場合には、作業安全性が損なわれるおそれがある。
【0007】
また、既設柱を一定期間ジャッキアップする場合、柱掴み金具の摩擦接合部分でクリープを生じる可能性があるため、長時間荷重が作用した場合のクリープ性状を確認することが望ましい。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、束柱のようなジャッキアップ対象物のずり落ちや損傷を防止することができるジャッキアップ装置、ジャッキアップ方法および既設基礎の改修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るジャッキアップ装置は、柱状のジャッキアップ対象物をジャッキアップするための装置であって、前記ジャッキアップ対象物を挟んで水平方向に対向して配置された一対の掴み部材と、前記掴み部材の水平方向の両側においてそれぞれ水平方向に挿通配置され、一対の前記掴み部材を互いに近づける方向に締め付けるねじ式締結部材と、一対の前記掴み部材を上昇させることにより前記ジャッキアップ対象物をジャッキアップするジャッキとを備え、前記ねじ式締結部材は、前記ジャッキアップ対象物と前記掴み部材の接触面積と、前記ジャッキアップ対象物のめり込み耐力に基づいて設定された締付力で締め付けられており、前記締付力は、ジャッキアップ中の前記ジャッキアップ対象物が前記掴み部材からずり落ちることを防ぐとともに、前記掴み部材が前記ジャッキアップ対象物にめり込むことによる損傷を防ぐ締付力に設定されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る他のジャッキアップ装置は、上述した発明において、前記ジャッキアップ対象物と前記掴み部材の間に緩衝部材が設けられていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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