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公開番号
2025112807
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-01
出願番号
2024007285
出願日
2024-01-22
発明の名称
浸炭製品の硬さ予測装置及び方法
出願人
川崎重工業株式会社
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
C23C
8/20 20060101AFI20250725BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】浸炭製品の試作品の製作及び評価を繰り返すことなく、浸炭製品の硬さを予測する技術を提供する。
【解決手段】浸炭製品の硬さ予測装置は、演算器を備える。演算器は、製品及び製品の中間体の外形形状の情報を含む形状データを取得し、中間体であるワークへの浸炭焼入れを含む熱処理の条件の情報を含む熱処理条件データを取得し、形状データ及び熱処理条件データを説明変数とし、熱処理後のワークの硬さの情報を含む硬さデータを目的変数とし、説明変数から目的変数を予測するように機械学習した予測モデルを用いて、形状データ及び熱処理条件データから硬さデータを予測し、予測された硬さデータを出力するように構成されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
浸炭焼入れで表面を硬化させた製品の硬さを予測する浸炭製品の硬さ予測装置であって、
演算器を備え、
前記演算器が、
前記製品及び前記製品の中間体の外形形状の情報を含む形状データを取得し、
前記中間体であるワークへの前記浸炭焼入れを含む熱処理の条件の情報を含む熱処理条件データを取得し、
前記形状データ及び前記熱処理条件データを説明変数とし、前記熱処理後の前記ワークの硬さの情報を含む硬さデータを目的変数とし、前記説明変数から前記目的変数を予測するように機械学習した予測モデルを用いて、前記形状データ及び前記熱処理条件データから前記硬さデータを予測し、
予測された前記硬さデータを出力するように構成されている、
浸炭製品の硬さ予測装置。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記熱処理条件データは、浸炭のカーボンポテンシャル値、前記浸炭の処理温度、及び、前記浸炭の処理時間を含む、
請求項1に記載の浸炭製品の硬さ予測装置。
【請求項3】
前記製品は歯車であって、前記形状データは、前記歯車のモジュール、前記歯車の圧力角、及び、前記中間体の歯先幅を含む、
請求項1に記載の浸炭製品の硬さ予測装置。
【請求項4】
前記形状データは、前記中間体の歯底すみ肉部曲率半径を更に含む、
請求項3に記載の浸炭製品の硬さ予測装置。
【請求項5】
前記硬さデータは、前記製品の所定の評価点又は前記評価点と対応する前記ワーク上の点の断面硬度分布を含む、
請求項1に記載の浸炭製品の硬さ予測装置。
【請求項6】
前記硬さデータは、前記製品の所定の評価点の表面硬さを含む、
請求項1に記載の浸炭製品の硬さ予測装置。
【請求項7】
前記演算器は、
前記熱処理後の前記ワークに対する仕上げ加工の際の取り代の情報を含む仕上げ加工データを取得し、
前記硬さデータに基づいて、前記熱処理後の前記ワークの硬さ分布を予測し
前記仕上げ加工データ及び予測された前記硬さ分布に基づいて、前記仕上げ加工の前記取り代を予測し、
予測された前記取り代に基づいて前記仕上げ加工の難易度の指標となる製造性を算出し、
算出した前記製造性を出力するように構成されている、
請求項1に記載の浸炭製品の硬さ予測装置。
【請求項8】
浸炭焼入れで表面を硬化させた製品の硬さをコンピュータで予測する方法であって、
前記製品及び前記製品の中間体の外形形状の情報を含む形状データを取得すること、
前記中間体であるワークへの前記浸炭焼入れを含む熱処理の条件の情報を含む熱処理条件データを取得すること、
前記形状データ及び前記熱処理条件データを説明変数とし、前記熱処理後の前記ワークの硬さの情報を含む硬さデータを目的変数とし、前記説明変数から前記目的変数を予測するように機械学習した予測モデルを用いて、前記形状データ及び前記熱処理条件データから前記硬さデータを予測すること、及び、
予測された前記硬さデータを出力すること、を含む、
浸炭製品の硬さ予測方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、浸炭焼入れで表面を硬化させた浸炭製品の表面の硬さを予測する技術に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
浸炭焼入れは、鋼材に対し炭素を表面から浸入させ拡散させたのち焼入れを行う熱処理である。浸炭焼入れが行われた製品は、表面の硬い層による耐摩耗性と、内部の柔軟な組織による靭性とを併せ持つ。このような特長から、従来、機械部品である歯車などの高負荷がかかる製品に対し、表面の硬化によって耐摩耗性を向上させる目的で浸炭焼入れが行われている。例えば、特許文献1では、0.15-0.25質量%の炭素を含む鋼材からなり、浸炭焼入れによって表層が硬化された浸炭歯車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平9-118954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
浸炭製品の開発段階において、製品が要求された表面硬さや内部硬さ分布を満たすか否かの正確な評価が求められる。しかし、歯車のように表面形状が複雑な部材に対し浸炭焼入れを行うと、浸炭深さや浸入炭素量が不均一となることがある。更に、浸炭製品のなかには、部位によって要求される表面硬さが異なるものがある。従って、設計図から製品の表面硬さや有効硬化層深さを正確に評価することが難しい。そのうえ、浸炭焼入れを含む熱処理後のワークに対し切削や研磨などの機械加工により仕上げ加工が行われるが、熱処理時の変形挙動や内部の硬さ度合いによって仕上げ加工時の取り代が変化し、仕上げ加工の難易度(以下では、製造性と称する)が変わる。製造性は設計では十分に考慮されていない。このような理由から、従来、表面形状が複雑な浸炭製品の開発段階では、製品に要求される品質を満たし且つ製造性を考慮した設計と製造条件の組み合わせを得るために、設計と試作品の製作及び評価とが何度も繰り返される。このことが、製品開発に莫大な時間がかかる要因の一つとなっている。
【0005】
本開示は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、浸炭製品の試作品の製作及び評価を繰り返すことなく、浸炭製品の硬さを予測する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る浸炭製品の硬さ予測装置は、浸炭焼入れで表面を硬化させた製品の硬さを予測する浸炭製品の硬さ予測装置であって、
演算器を備え、
前記演算器が、
前記製品及び前記製品の中間体の外形形状の情報を含む形状データを取得し、
前記中間体であるワークへの前記浸炭焼入れを含む熱処理の条件の情報を含む熱処理条件データを取得し、
前記形状データ及び前記熱処理条件データを説明変数とし、前記熱処理後の前記ワークの硬さの情報を含む硬さデータを目的変数とし、前記説明変数から前記目的変数を予測するように機械学習した予測モデルを用いて、前記形状データ及び前記熱処理条件データから前記硬さデータを予測し、
予測された前記硬さデータを出力するように構成されているものである。
【0007】
また、本開示の一態様に係る浸炭製品の硬さ予測方法は、浸炭焼入れで表面を硬化させた製品の硬さをコンピュータで予測する方法であって、
前記製品及び前記製品の中間体の外形形状の情報を含む形状データを取得すること、
前記中間体であるワークへの前記浸炭焼入れを含む熱処理の条件の情報を含む熱処理条件データを取得すること、
前記形状データ及び前記熱処理条件データを説明変数とし、前記熱処理後の前記ワークの硬さの情報を含む硬さデータを目的変数とし、前記説明変数から前記目的変数を予測するように機械学習した予測モデルを用いて、前記形状データ及び前記熱処理条件データから前記硬さデータを予測すること、及び、
予測された前記硬さデータを出力すること、を含むものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、浸炭製品の試作品の製作及び評価を繰り返すことなく、浸炭製品の表面の硬さを予測する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、歯車の製造方法を説明する図である。
図2は、硬さ予測装置のハードウェア概略構成を示す図である。
図3は、硬さ予測装置の機能ブロック図である。
図4は、歯車の形状データを説明する図である。
図5は、断面硬度分布の一例を示す図表である。
図6は、表示出力されたレポートデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して本開示の実施の形態を説明する。本実施形態では、本開示に係る硬さ予測技術は、浸炭製品の一例である歯車に適用される。ここで、浸炭製品は浸炭焼入れで表面を硬化させた製品を意味する。但し、本開示に係る硬さ予測技術は、歯車に限定されず、浸炭焼入れで表面を硬化させた重機部品や機械部品などに広く適用できる。
(【0011】以降は省略されています)
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