TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025113317
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2025082087,2024524929
出願日2025-05-15,2023-05-31
発明の名称ヒアルロン酸誘導体、医薬組成物、及び医薬組成物の製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08B 37/08 20060101AFI20250725BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】薬効成分と製剤化した際のリンパ節内の免疫細胞への送達性及び該免疫細胞の活性化能に優れるヒアルロン酸誘導体、及び前記ヒアルロン酸誘導体を用いた医薬組成物及びその製造方法の提供
【解決手段】ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラムから、各分子量が2kDa、4kDa、8kDa、18kDa、40kDa、および150kDaであるポリアクリル酸を標準物質として作成した検量線に基づき算出されるヒアルロン酸誘導体の重量平均分子量が11万以上50万未満であり、前記ヒアルロン酸誘導体は複数分子が会合している、ヒアルロン酸誘導体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ステリル基が導入されたヒアルロン酸誘導体であって、
ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラムから、各分子量が2kDa、4kDa、8kDa、18kDa、40kDa、および150kDaであるポリアクリル酸を標準物質として作成した検量線に基づき算出されるヒアルロン酸誘導体の重量平均分子量が11万以上50万未満であり、
前記ヒアルロン酸誘導体は複数分子が会合している、ヒアルロン酸誘導体。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記ヒアルロン酸誘導体が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を1以上有する、請求項1に記載のヒアルロン酸誘導体。
TIFF
2025113317000026.tif
63
170
(式中、R

、R

、R

、及びR

は、それぞれ独立に、水素原子、C
1-6
アルキル、ホルミル及びC
1-6
アルキルカルボニルからなる群より選択され;
Zは、直接結合、又は2個以上30個以下の任意のアミノ酸残基からなるペプチドリンカーを表し;


は、以下の式:
-NR

-R、
-NR

-COO-R、
-NR

-CO-R、
-NR

-CO-NR

-R、
-COO-R、
-O-COO-R、
-S-R、
-CO-Y

-S-R、
-O-CO-Y

-S-R、
-NR

-CO-Y

-S-R、及び
-S-S-R、
で表される基からなる群より選択される基であり;


、R

及びR

は、それぞれ独立に、水素原子、C
1-20
アルキル、アミノC
2-20
アルキル及びヒドロキシC
2-20
アルキルからなる群より選択され、ここで当該基のアルキル部分は、-O-及び-NR

-からなる群より選択される基が挿入されていてもよく;


は、水素原子、C
1-12
アルキル、アミノC
2-12
アルキル及びヒドロキシC
2-12
アルキルからなる群より選択され、当該基のアルキル部分は-O-及び-NH-からなる群より選択される基が挿入されていてもよく;
Rは、ステリル基であり;
Yは、C
2-30
アルキレン、又は-(CH

CH

O)
【請求項3】
前記ステリル基がコレステリル基である、請求項1に記載のヒアルロン酸誘導体。
【請求項4】
前記ヒアルロン酸誘導体を構成する二糖の繰り返し単位に対する、ステリル基の導入率が、30%以上60%以下である、請求項1に記載のヒアルロン酸誘導体。
【請求項5】
前記ヒアルロン酸誘導体の重量平均分子量(絶対分子量)が4,000以上1,000,000以下である、請求項1に記載のヒアルロン酸誘導体。
【請求項6】
前記ヒアルロン酸誘導体の重量平均分子量(絶対分子量)が5,000以上25,000以下である、請求項5に記載のヒアルロン酸誘導体。
【請求項7】
請求項1に記載のヒアルロン酸誘導体と、薬効成分と、を含有する、医薬組成物。
【請求項8】
がん、感染症、及び免疫疾患からなる群より選ばれる1種以上の疾患の予防又は治療用である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記薬効成分として、がん抗原、感染症由来抗原、及び免疫疾患における自己抗原からなる群から選択される少なくとも一つを含み、且つ、アジュバントを更に含む、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記薬効成分として、がん抗原又は感染症由来抗原を含む、請求項9に記載の医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒアルロン酸誘導体、医薬組成物、及び医薬組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、タンパク質やペプチド、核酸を活性成分とする医薬品であるバイオ医薬品が実用化されており、その数は年々増え続けている。バイオ医薬品は、従来の低分子医薬では満たすことができなかった未充足医療ニーズを満たすことができる。しかしながら、消化管乃至粘膜等からは吸収されにくい上、体内では不安定で血中半減期が短いという課題がある。そのため、バイオ医薬品は注射による頻回投与が必要であり、患者と医療関係者いずれにとっても負担が大きい。そこで、薬理活性を損なうことなくバイオ医薬品をカプセル化して生体内で徐々に有効成分を放出することができる薬物基材(徐放性ドラッグデリバリーシステム基材)が求められている。
【0003】
このような背景から、特許文献1では、安全性に優れたヒアルロン酸誘導体からなる徐放性ドラッグデリバリーシステム基材が提案されている。このヒアルロン酸誘導体は、水溶液中で自発的に会合し、薬物、特にバイオ医薬品を、その生物活性を維持したまま効率よく封入することができ、生理食塩濃度下で凝集し(或いは、生理食塩濃度下でも分散し)、なおかつ血中滞留性が良好である。このヒアルロン酸誘導体は、特にバイオ医薬品を有効成分として使用する場合に、薬理活性を維持したまま多くの薬物を効率よく封入できる担体、及び血中滞留性に優れた血中徐放キャリア並びにターゲティングキャリアとして用いることができ、薬物を持続的に徐放できる局所(例えば、皮下等)徐放キャリアにもなり得るとされている。
【0004】
また、上記ヒアルロン酸誘導体を担体として用いたがんワクチンも報告されている(例えば、特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2010/053140号
国際公開第2020/158771号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2等で使用されているヒアルロン酸誘導体は、粒子サイズ分布がブロードであり、且つ、不均一なものであり、ヒアルロン酸誘導体の粒子サイズ分布とリンパ節内の免疫細胞への送達性や該免疫細胞の活性化能の関連性については具体的に検討がなされておらず、改良の余地がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、薬効成分と製剤化した際のリンパ節内の免疫細胞への送達性及び該免疫細胞の活性化能に優れるヒアルロン酸誘導体、及び前記ヒアルロン酸誘導体を用いた医薬組成物及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) ステリル基が導入されたヒアルロン酸誘導体であって、
ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラムから、以下に示す方法により算出される面積A1とA2の比A1/A2が0.90以上である、ヒアルロン酸誘導体。
(i)標準物質である50kDaのポリアクリル酸のクロマトグラム上の屈折率強度極大点KbからベースラインBへ引いた垂線と、前記ヒアルロン酸誘導体のクロマトグラムとの交点をUbとする;
(ii)前記ヒアルロン酸誘導体のクロマトグラムで前記Ubから終点までの曲線と、前記屈折率強度極大点Kbから前記ベースラインBへ引いた垂線と、ベースラインで囲まれた面積値をA2とし、前記ヒアルロン酸誘導体のクロマトグラムで始点から前記Ubまでの曲線と、前記屈折率強度極大点Kbから前記ベースラインBへ引いた垂線と、ベースラインで囲まれた面積値をA1とする。
(2) ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラムから、以下に示す方法により算出される距離DaとDbの比Da/Dbが0.00超1.20以下である、(1)に記載のヒアルロン酸誘導体。
(i)標準物質である150kDaのポリアクリル酸のクロマトグラム上の屈折率強度極大点KaからベースラインBへ垂線を引き、ベースラインとの交点をBa、前記屈折率強度極大点Kaと前記Baの間の長さをLaとする;
(ii)屈折率強度がLa/20となるクロマトグラム上の2点のうち、溶出時間が早いほうを点R1とし、溶出時間が遅いほうを点S1とする;
(iv)前記点R1と前記点S1を結んだ直線D1と、前記屈折率強度極大点KaからベースラインBへ引いた垂線との交点をTaとし、前記屈折率強度極大点KbからベースラインBへ引いた垂線と前記直線D1との交点をTbとする;
(v)前記点R1と前記Taの距離をDa、前記Taと前記Tbの距離をDbとする。
(3) 前記面積A1とA2の比A1/A2が1.70以上である、(1)又は(2)に記載のヒアルロン酸誘導体。
(4) ステリル基が導入されたヒアルロン酸誘導体であって、
ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラムから算出される、標準物質である50kDaのポリアクリル酸の屈折率強度極大点における保持時間Prに対する、ヒアルロン酸誘導体の屈折率強度極大点における保持時間Ptの比Pt/Prが0.5以上1.0未満である、ヒアルロン酸誘導体。
(5) ステリル基が導入されたヒアルロン酸誘導体であって、
ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラムから、各分子量が2kDa、4kDa、8kDa、18kDa、40kDa、および150kDaであるポリアクリル酸を標準物質として作成した検量線に基づき算出されるヒアルロン酸誘導体の重量平均分子量が11万以上50万未満である、ヒアルロン酸誘導体。
(6) 前記ヒアルロン酸誘導体が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を1以上有する、(1)~(5)のいずれか一つに記載のヒアルロン酸誘導体。
【0009】
TIFF
2025113317000001.tif
63
170
【0010】
(式中、R

、R

、R

、及びR

は、それぞれ独立に、水素原子、C
1-6
アルキル、ホルミル及びC
1-6
アルキルカルボニルからなる群より選択され;
Zは、直接結合、又は2個以上30個以下の任意のアミノ酸残基からなるペプチドリンカーを表し;


は、以下の式:
-NR

-R、
-NR

-COO-R、
-NR

-CO-R、
-NR

-CO-NR

-R、
-COO-R、
-O-COO-R、
-S-R、
-CO-Y

-S-R、
-O-CO-Y

-S-R、
-NR

-CO-Y

-S-R、及び
-S-S-R、
で表される基からなる群より選択される基であり;


、R

及びR

は、それぞれ独立に、水素原子、C
1-20
アルキル、アミノC
2-20
アルキル及びヒドロキシC
2-20
アルキルからなる群より選択され、ここで当該基のアルキル部分は、-O-及び-NR

-からなる群より選択される基が挿入されていてもよく;


は、水素原子、C
1-12
アルキル、アミノC
2-12
アルキル及びヒドロキシC
2-12
アルキルからなる群より選択され、当該基のアルキル部分は-O-及び-NH-からなる群より選択される基が挿入されていてもよく;
Rは、ステリル基であり;
Yは、C
2-30
アルキレン、又は-(CH

CH

O)

-CH

(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

旭化成株式会社
内装吸音材
2か月前
旭化成株式会社
樹脂組成物
9日前
旭化成株式会社
紫外線発光素子
24日前
旭化成株式会社
電解セル構造体
24日前
旭化成株式会社
通信機器用部品
1か月前
旭化成株式会社
包装体の殺菌方法
1か月前
旭化成株式会社
複合材料積層体。
1か月前
旭化成株式会社
紫外線照射システム
2日前
旭化成株式会社
水酸化物の製造方法
11日前
旭化成株式会社
深紫外線光源検査装置
4日前
旭化成株式会社
発光素子及び発光装置
25日前
旭化成株式会社
衝撃エネルギー吸収体
1か月前
旭化成株式会社
トリオキサンの製造方法
1か月前
旭化成株式会社
膜ろ過システムの運転方法
1か月前
旭化成株式会社
多孔質材及びその製造方法
1か月前
旭化成株式会社
軽質オレフィンの製造方法
2か月前
旭化成株式会社
ポリアセタール樹脂組成物
1か月前
旭化成株式会社
ゴムアウトソールを有する靴
1か月前
旭化成株式会社
成形体の製造方法及び成形体
2か月前
旭化成株式会社
分岐ポリオキシメチレン樹脂
11日前
旭化成株式会社
ゴムアウトソールを有する靴
1か月前
旭化成株式会社
ホルムアルデヒドの製造方法
2か月前
旭化成株式会社
近赤外線センサ向け樹脂窓部材
1か月前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物及び成形体
1か月前
旭化成株式会社
N-フェニルマレイミドの精製方法
2か月前
旭化成株式会社
メタクリル系樹脂組成物及び成形体
2か月前
旭化成株式会社
造粒装置、造粒方法、及びプログラム
1か月前
旭化成株式会社
延伸積層フィルム、袋及び生肉包装体
1か月前
旭化成株式会社
ゴム状重合体及びそれを含むゴム組成物
2か月前
旭ファイバーグラス株式会社
断熱箱体
5日前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物及びその製造方法
1か月前
旭化成株式会社
蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイス
1か月前
旭化成株式会社
蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイス
1か月前
旭化成株式会社
ポリオキシメチレン樹脂組成物および成形体
1か月前
旭化成株式会社
セルロースナノファイバーを含むゴム組成物
2か月前
旭化成株式会社
ポリオキシメチレン樹脂組成物および成形体
1か月前
続きを見る