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公開番号
2025114792
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-05
出願番号
2025080264,2023556604
出願日
2025-05-13,2022-10-26
発明の名称
位相差測定装置およびこれを備える電気設備
出願人
国立大学法人京都大学
,
日新電機株式会社
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
G01N
24/08 20060101AFI20250729BHJP(測定;試験)
要約
【課題】複数の物理場の間の位相差を高感度に測定する。
【解決手段】位相差測定装置(10)は、交流信号により生じる第1物理場または第2物理場との相互作用により変化する量子センサ素子(1)の電子スピン状態を操作するための電磁波を、量子センサ素子(1)に繰り返し照射する電磁波照射部(2)と、第1物理場または第2物理場と相互作用した後の複数の電子スピン状態を取得し、取得した複数の電子スピン状態に基づいて、複数の物理場の間の位相差を測定する位相差測定部(3)と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
交流信号により生じる第1物理場または第2物理場との相互作用により変化する量子センサ素子の電子スピン状態を操作するための電磁波を、前記量子センサ素子に繰り返し照射する電磁波照射部と、
前記第1物理場または前記第2物理場と相互作用した後の複数の前記電子スピン状態を取得し、取得した複数の前記電子スピン状態に基づいて、複数の物理場の間の位相差を測定する位相差測定部と、
を備える、位相差測定装置。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記位相差測定部は、
前記第1物理場と相互作用した後の複数の前記電子スピン状態に基づいて、前記第1物理場の位相を算出する第1物理場位相算出部と、
前記第2物理場と相互作用した後の複数の前記電子スピン状態に基づいて、前記第2物理場の位相を算出する第2物理場位相算出部と、
を含み、
算出した前記第1物理場の位相と前記第2物理場の位相とに基づいて前記位相差を測定する、請求項1に記載の位相差測定装置。
【請求項3】
前記第1物理場位相算出部は、前記第1物理場と相互作用した後の複数の前記電子スピン状態に対応する時系列の複数のデータをフィットすることにより、前記第1物理場の位相を算出し、
前記第2物理場位相算出部は、前記第2物理場と相互作用した後の複数の前記電子スピン状態に対応する時系列の複数のデータをフィットすることにより、前記第2物理場の位相を算出する、請求項2に記載の位相差測定装置。
【請求項4】
前記電磁波照射部は、前記電子スピン状態の自由誘導減衰(FID)信号を観測するパルスシーケンスであり、複数のπ/2パルスを含むパルスシーケンスにて、前記電磁波を前記量子センサ素子に繰り返し照射する、請求項1に記載の位相差測定装置。
【請求項5】
前記電磁波照射部は、前記電子スピン状態のスピンエコー信号を観測するパルスシーケンスであり、複数のπ/2パルスと前記複数のπ/2パルス間のπパルスとを含むパルスシーケンスにて、前記電磁波を前記量子センサ素子に繰り返し照射し、
前記第1物理場位相算出部および前記第2物理場位相算出部のそれぞれは、前記交流信号の曲率に対応する前記時系列の複数のデータをフィットする、請求項3に記載の位相差測定装置。
【請求項6】
前記位相差測定部は、
前記第1物理場または前記第2物理場と相互作用した後の前記電子スピン状態の位相情報を読み出すための光を、前記量子センサ素子に照射する光照射部と、
前記光の照射によって前記量子センサ素子に生じる変化を検出する変化検出部と、
前記検出された変化から前記電子スピン状態の位相情報を読み出し、読み出した前記電子スピン状態の位相情報に基づいて、前記第1物理場の位相と前記第2物理場の位相との前記位相差を測定するデータ処理部と、
をさらに含む、請求項1に記載の位相差測定装置。
【請求項7】
前記電子スピン状態を初期化した際の蛍光強度をトリガーとして、動作タイミング用のパルス信号を前記電磁波照射部および前記光照射部に出力し、測定周期のずれを補正するパルスパターン生成器をさらに備える、請求項6に記載の位相差測定装置。
【請求項8】
動作タイミング用の前記パルス信号が、複数の前記位相差測定装置の間で直列に接続されている、請求項7に記載の位相差測定装置。
【請求項9】
前記交流信号は、電気設備を通じて流される交流信号である、請求項1に記載の位相差測定装置。
【請求項10】
交流信号により生じる第1物理場または第2物理場との相互作用により変化する量子センサ素子の電子スピン状態を操作するための電磁波を、前記量子センサ素子に繰り返し照射するステップと、
前記第1物理場または前記第2物理場と相互作用した後の複数の前記電子スピン状態を取得し、取得した複数の前記電子スピン状態に基づいて、前記第1物理場の位相と前記第2物理場の位相との位相差を測定するステップと、
を含む、位相差測定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子センサを用いる技術に関し、より詳細には、量子センサを用いた磁場および電場の位相差測定装置、方法、および位相差測定装置を備える電気設備に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
電力系統において交流が電線路を通じて供給されると、電線路には無効電力が流れる。無効電力が増大すると電力の損失が増大するため、電力系統には力率を調整する装置が接続されており、電力系統の安定性の向上や電力変動の抑制に大きな効果を発揮している。例えば特許文献1には、配電線の無効電力を調整するシステムが開示されている。
【0003】
力率を調整する装置は調相設備と呼ばれている。調相設備には、電力用コンデンサ、分路リアクトル、同期調相機、および静止形無効電力補償装置(SVC: Static VAR Compensator)等がある。調相設備を用いて電力系統の力率を調整し力率を改善するにあたり、電力系統に流れる無効電力が測定される。無効電力は、電圧の実効値と、電流の実効値と、電圧および電流の位相差とを用いて表される。
【0004】
電線路には大電流や高電圧が流れている。例えば超高圧変電所では、十数万ボルトの高電圧が送電線を流れており、配電用の変電所では、数千ボルトから数万ボルトの高電圧が配電線を流れている。電線路を流れる大電流や高電圧を計測するために、変電所には、調相設備に加えて変流器や変圧器等の変成器が設置されている。これまでは、電線路を流れる交流について、送電線や配電線に接続されている絶縁系ではない変成器において(または変成器の周辺の回路において)、電圧の位相と電流の位相とをそれぞれ測定することにより、電圧の位相と電流の位相との間の位相差が測定されている。調相設備は、測定された位相差に基づいて電力系統の力率を調整している。
【0005】
また近年では、磁場を測定するセンサ素子の材料として、ダイヤモンドが注目されている。ダイヤモンドの結晶構造において、窒素-空孔中心と呼ばれる複合欠陥が見られることがある。この窒素-空孔中心は、結晶格子の炭素原子の位置に置き換わる形で入った窒素原子と、その窒素原子の隣接位置に存在する(炭素原子が抜けている)空孔との対からなるもので、NV中心(Nitrogen Vacancy center)とも呼ばれている。ダイヤモンドの結晶構造には、NV中心以外にも、珪素-空孔中心(Silicon Vacancy center)と呼ばれる複合欠陥や、ゲルマニウム-空孔中心(Germanium Vacancy center)と呼ばれる複合欠陥が見られることがあり、NV中心を含むこれら複合欠陥は、色中心と呼ばれている。
【0006】
NV中心は、空孔に電子が捕獲された状態(負電荷状態、以下「NV
-
」と呼ぶ)においては、電子スピンと呼ばれる磁気的な性質を示す。このNV
-
は、電子が捕獲されていない状態(中性状態、以下「NV
0
」と呼ぶ)に比べて、長い横緩和時間(デコヒーレンス時間、以下「T
2
」と呼ぶ)を示す。つまり、NV
-
の電子スピン状態は、外部磁場の縦方向(以下、「量子化軸」と呼ぶ)に揃えた電子スピンの磁化を横方向に傾けた後、個々のスピンの歳差運動が原因となり個々の向きがずれていって、全体としての横磁化が消失するまでの時間が長い。また、NV
-
は、室温(約300K)下であっても長いT
2
値を示す。
【0007】
NV
-
の電子スピン状態は外部の磁場に反応して変化し、この電子スピン状態の測定も室温下で可能であるため、NV中心を含むダイヤモンドは、磁場センサ素子の材料として利用できる。
【0008】
例えば特許文献2には、ダイヤモンド中の電子スピンによる磁気共鳴により、交流磁場を測定する方法が開示されている。スピンには、スピンエコー法に基づくパルスシーケンスが与えられている。
【0009】
例えば特許文献3には、ダイヤモンド中の電子スピンに対する光検出磁気共鳴(Optically Detected Magnetic Resonance: ODMR)法により、交流磁場を測定する方法が開示されている。NV中心はレーザ光により励起され、NV中心から放出される蛍光強度の変化を測定することにより、スピン状態に関する磁気共鳴信号(位相情報)が検出される。
【0010】
磁場センサ素子として利用されているセンサには、ダイヤモンドの色中心を用いたセンサ以外にも、例えば炭化ケイ素(SiC)中の色中心を用いたセンサや、光ポンピング磁力計(optically pumped atomic magnetometer, OPM)、超伝導量子干渉計(superconducting quantum interference device, SQUID)等の種々の種類が存在する。これらダイヤモンドの色中心、炭化ケイ素の色中心、光ポンピング磁力計、および超伝導量子干渉計は、量子効果を利用して物理量を計測していることから、量子センサと呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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