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公開番号2025114961
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009224
出願日2024-01-25
発明の名称微粒子分離装置、及び微粒子分離方法
出願人国立大学法人電気通信大学
代理人個人,個人
主分類B01J 19/12 20060101AFI20250730BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】高効率かつ高精度に微粒子を分離する微粒子分離技術を提供する。
【解決手段】微粒子分離装置は、第1粒子と第2粒子を含む第1流体を導入する第1チャネルと、粒子を含まない第2流体を導入する第2チャネルと、前記第1チャネルと前記第2チャネルを合流させて前記第1流体と前記第2流体を層流として導入する第3チャネルと、前記第3チャネルにレーザ光を照射するレーザ光源と、前記レーザ光の照射位置よりも下流側に設けられて前記第1粒子を含む第3流体を取り出す第1出力ポートと、前記照射位置よりも下流側に設けられて、前記第1粒子よりも散乱断面積の大きい前記第2粒子を含む第4流体を取り出す第2出力ポートと、を備える。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
第1粒子と第2粒子を含む第1流体を導入する第1チャネルと、
粒子を含まない第2流体を導入する第2チャネルと、
前記第1チャネルと前記第2チャネルを合流させて前記第1流体と前記第2流体を層流として導入する第3チャネルと、
前記第3チャネルにレーザ光を照射するレーザ光源と、
前記レーザ光の照射位置よりも下流側に設けられて前記第1粒子を含む第3流体を取り出す第1出力ポートと、
前記照射位置よりも下流側に設けられて、前記第1粒子よりも散乱断面積の大きい前記第2粒子を含む第4流体を取り出す第2出力ポートと、
を備える微粒子分離装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第2チャネルの流路の断面積は前記第1チャネルの流路の断面積よりも大きい、
請求項1に記載の微粒子分離装置。
【請求項3】
前記照射位置で、前記第1粒子と前記第2粒子を含む前記第1流体は前記第3チャネルの壁面に沿って流れ、前記第2流体は前記第3チャネルの中央部を流れる、
請求項1に記載の微粒子分離装置。
【請求項4】
前記レーザ光の照射により、前記第2粒子は前記第3チャネルの前記壁面の近傍から前記中央部に移動する、
請求項3に記載の微粒子分離装置。
【請求項5】
前記照射位置で、前記第2流体の流速は前記第1流体の流速よりも大きく、
前記第3チャネルの前記中央部に移動した前記第2粒子は、前記第1粒子よりも早く前記第2出力ポートに運ばれる、
請求項4に記載の微粒子分離装置。
【請求項6】
前記レーザ光源と前記第3チャネルの間に配置される集光レンズ、
をさらに有し、
前記集光レンズは前記レーザ光をシート状の光に変換して前記第3チャネルの側面に集光する、
請求項1に記載の微粒子分離装置。
【請求項7】
前記集光レンズはシリンドリカルレンズである、
請求項6に記載の微粒子分離装置。
【請求項8】
第1粒子と第2粒子を含む第1流体を第1チャネルで導入し、
粒子を含まない第2流体を第2チャネルで導入し、
前記第1チャネルと前記第2チャネルを合流させた第3チャネルに前記第1流体と前記第2流体を層流として導入し、
前記第3チャネルにレーザ光を照射し、
前記レーザ光の照射位置の下流側の第1出力ポートで前記第1粒子を含む第3流体を取り出し、
前記照射位置の下流側の第2出力ポートで、前記第1粒子よりも散乱断面積の大きい前記第2粒子を含む第4流体を取り出す、
微粒子分離方法。
【請求項9】
前記第2チャネルで前記第2流体を前記第1流体よりも多い流量の前記第2流体を導入する、
請求項8に記載の微粒子分離方法。
【請求項10】
前記照射位置で、前記第1粒子と前記第2粒子を含む前記第1流体は前記第3チャネルの壁面に沿って流れ、前記第2流体は前記第3チャネルの中央部を流れる、
請求項8に記載の微粒子分離方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子分離装置、及び微粒子分離方法に関し、特に、マイクロチャネル内に形成される流体速度の空間分布を利用した微粒子分離技術に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年のナノテクノロジーの発展によって、様々な材質の微粒子が開発されている。電子、光学をはじめ、医学、生体工学まで、様々な分野で、マイクロメートルからナノメートルスケールの微粒子材料が利用され、その重要性は極めて高い。微粒子の分離に、通常は遠心分離法やメンブレンフィルターによる濾過などが用いられてきた。これらの微粒子分離法は、基本的に粒子の比重あるいは粒子のサイズの違いのみによって振るい分けが可能である。一方、量子ドットや金属ナノ粒子、ナノカーボン材料などのナノスケールの微粒子材料では、同じ素材で比重や粒子のサイズに顕著な差異がなくても、電気特性、光学特性が様々に変化して現れる。このようなナノ粒子の分離・抽出法として、光放射圧(「光圧」とも呼ばれている)を用いる方法が期待されている。
【0003】
微粒子を分散した液体をマイクロチャネルに導入し、外部からレーザ光を照射して、液体に乗って移動する微粒子に光圧を印加する方法や(たとえば、非特許文献1参照)、レーザ光で形成した光格子に微粒子を含む液体を通して微粒子を分離する方法(たとえば、非特許文献2参照)などが提案されている。レーザ光の波長や光強度分布を適切に選択することで、比重やサイズに顕著な差異がない微粒子に対しても、電気特性や光学特性の差異に基づいて粒子を分離することが可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
H. Kotari, and M. Motosuke, "Simple applications of microparticle transportation by tender optical scattering force", Microfluid nanofluid, 18:549-558 (2015)
M. P. MacDonald, G.C. Spalding, K. Dholakia, "Microfluidic sorting in an optical lattice," Nature, 426, 421-424 (2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光圧は、ピコニュートンからフェムトニュートンのレベルであり、非常に微弱である。微粒子のサイズが小さくなるにしたがって、光圧は劇的に低下する。マイクロメートルからナノメートルのスケールの微粒子を精度よく効果的に分離抽出するためには、レーザ光の照射時間を長くする必要があるが、照射時間とチャネル内の液体の流速との兼ね合いを考慮しなければならない。マイクロチャネル内の微粒子の流速を速くすると、微粒子はチャネル内に拡散してレーザ光の照射領域を瞬時に通過してしまう。微粒子の流速を遅くすると、レーザ光に照射される時間は長くなるが、分離に時間がかかる。レーザ光の照射時間と微粒子の速度はトレードオフの関係となり、これまで高効率かつ高精度の光圧分離は実現されてこなかった。
【0006】
本発明は、高効率かつ高精度に微粒子を分離する微粒子分離技術を提供することをひとつの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
微粒子分離装置は、
第1粒子と第2粒子を含む第1流体を導入する第1チャネルと、
粒子を含まない第2流体を導入する第2チャネルと、
前記第1チャネルと前記第2チャネルを合流させて前記第1流体と前記第2流体を層流として導入する第3チャネルと、
前記第3チャネルにレーザ光を照射するレーザ光源と、
前記レーザ光の照射位置よりも下流側に設けられて前記第1粒子を含む第3流体を取り出す第1出力ポートと、
前記照射位置よりも下流側に設けられて、前記第1粒子よりも散乱断面積の大きい前記第2粒子を含む第4流体を取り出す第2出力ポートと、
を有する。
【発明の効果】
【0008】
高効率かつ高精度に微粒子を分離する微粒子分離技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態の微粒子分離装置の模式図である。
実施形態の微粒子分離の原理を示す上面図である。
光散乱力による粒子分離を示す顕微鏡像である。
マイクロチャネル内の流速分布を示す図である。
マイクロチャネルによる微粒子分離の2次元モデル図である。
図5のB-B'断面での粒子分布と流速の勾配を示す模式図である。
図5のC-C'断面での粒子分布を示す模式図である。
第3チャネル入り口での2次元モデルのシミュレーション結果を示す図である。
レーザ光の照射時間と粒子の移動距離の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態では、マイクロチャネル中の層流の速度勾配と、レーザ光照射による光散乱力(すなわち光圧)とを利用して、微粒子を効率的に分離する。マイクロチャネル内の流体速度の空間分布は、パラボリックまたは二次関数的になる。流路の中央で最も流速が大きくなる一方で、マイクロチャネルの壁面に沿った領域での流速は極めて小さく、理想的には壁面境界で流速は0m/sになる。そこで、分離対象の微粒子を、マイクロチャネルの壁面に沿った層流に乗せて、壁面の近傍に停滞させる。レーザ光の照射により微粒子に光圧を印加して、散乱断面積の大きい粒子をチャネル中央の速い流れに乗せる。レーザ光の照射時間やパワーは、マイクロチャネル内の支配的な流速を考慮することなく、分離対象の微粒子の光学的性質に応じて適切に設定され得る。
(【0011】以降は省略されています)

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