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公開番号2025115216
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009635
出願日2024-01-25
発明の名称ボイラ装置、及びその運転方法、並びに当該ボイラ装置を備えた発電システム
出願人株式会社エスイー
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類F23N 1/00 20060101AFI20250730BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】有機物燃料及び無機物燃料を混焼させる際に、無機物燃料の不要な発火を抑制して、混合燃料のより安全な燃焼制御を実現する。
【解決手段】本開示による発電システム100,200は、燃焼室21と、有機物燃料F1を保持する燃料保持部11、及び、無機物燃料F2を保持する燃料保持部12を有する燃料供給部とを有するボイラ装置を備える。そして、燃料供給部は、有機物燃料F1及び無機物燃料F2が混合された混合燃料Fを、(1)混合から所定時間経過する前、(2)該混合燃料が所定温度に達する前、及び、(3)該混合燃料から生じる蒸気が所定量に達する前のうちの少なくとも1つの条件を満たすときに、燃焼室21へ供給するように、燃料保持部11からの有機物燃料F1の送出状態、及び、燃料保持部12からの無機物燃料F2の送出状態を調整する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
燃焼室と、有機物燃料を保持する第1保持部、及び。無機物燃料を保持する第2保持部を有する燃料供給部と、を備えるボイラ装置であって、
前記燃料供給部は、前記有機物燃料及び前記無機物燃料が混合された混合燃料の少なくとも一部を、(1)混合から所定時間経過する前、(2)該混合燃料が所定温度に達する前、及び、(3)該混合燃料から生じる蒸気が所定量に達する前のうちの少なくともいずれか1つの条件を満たすときに、前記燃焼室へ供給するように、前記第1保持部からの前記有機物燃料の送出状態、及び、前記第2保持部からの前記無機物燃料の送出状態を調整する、
ボイラ装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記所定時間、前記所定温度、及び前記蒸気の所定量のうちの少なくともいずれか1つは、前記有機物燃料及び前記無機物燃料の量、前記有機物燃料と前記無機物燃料との反応性、前記有機物燃料と前記無機物燃料との混合比率、前記混合燃料の前記燃焼室への供給速度、並びに、前記有機物燃料及び前記無機物燃料の性状のうちの少なくともいずれか1つのパラメータに基づいて決定される、請求項1に記載のボイラ装置。
【請求項3】
前記燃料供給部は、前記第1保持部及び前記第2保持部の一方と前記燃焼室とを接続する第1配管と、前記第1保持部及び前記第2保持部の他方と前記第1配管とを接続する第2配管とを有する、請求項1又は2に記載のボイラ装置。
【請求項4】
前記所定時間、前記所定温度、及び前記蒸気の所定量のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記第1配管及び前記第2配管の合流部と前記燃焼室との距離、及び/又は、前記混合燃料の前記燃焼室への供給速度が決定される、請求項3記載のボイラ装置。
【請求項5】
前記有機物燃料は、炭素又は炭化水素を含み、
前記無機物燃料は、炭素及び炭化水素を含まず、かつ、金属又は金属水素化物を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載のボイラ装置。
【請求項6】
前記第2保持部は、前記金属及び/又は前記金属水素化物の原料を、不活性ガスを含む雰囲気下に保持した状態で、前記無機物燃料へ加工する加工部を有する、
請求項5に記載のボイラ装置。
【請求項7】
前記無機物燃料が、リチウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、及びカルシウム、並びに、水素化リチウム、水素化ホウ素、水素化マグネシウム、水素化アルミニウム、及び水素化カルシウムからなる群より選択される少なくも1つを含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載のボイラ装置。
【請求項8】
燃焼室と、有機物燃料を保持する第1燃料保持部、及び、無機物燃料を保持する第2燃料保持部を有する燃料供給部と、を備えるボイラ装置の運転方法であって、
前記有機物燃料及び前記無機物燃料が混合された混合燃料の少なくとも一部を、(1)混合から所定時間経過する前、(2)該混合燃料が所定温度に達する前、及び、(3)該混合燃料から生じる蒸気が所定量に達する前のうちの少なくともいずれか1つの条件を満たすときに、前記燃焼室へ供給するように、前記第1保持部からの前記有機物燃料の送出状態、及び、前記第2保持部からの前記無機物燃料の送出状態を調整する、
ボイラ装置の運転方法。
【請求項9】
前記有機物燃料及び前記無機物燃料の量、前記有機物燃料と前記無機物燃料との反応性、前記有機物燃料と前記無機物燃料との混合比率、前記混合燃料の前記燃焼室への供給速度、並びに、前記有機物燃料及び前記無機物燃料の性状のうちの少なくともいずれか1つのパラメータに基づいて、前記所定時間、前記所定温度、及び前記蒸気の所定量のうちの少なくともいずれか1つを決定する、請求項8に記載のボイラ装置の運転方法。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載のボイラ装置と、
前記ボイラ装置により生成された蒸気により発電を行う発電機と、
を備える発電システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ボイラ装置、及びその運転方法、並びに当該ボイラ装置を備えた発電システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近時、地球温暖化の問題を受けて、火力発電所で排出される二酸化炭素等の温暖化効果ガスの排出量削減が急務となっている。このため、例えば特許文献1には、石炭等に加えてバイオマス燃料を燃焼させるボイラシステムの一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7371795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のボイラシステムは、特許文献1の図2に記載の如く、火炉112にミル252を介して接続されたバンカ250と、そのバンカ250に連結された燃料供給ユニット110を備えている。その燃料供給ユニット110は、バイオマス燃料が貯留されている第1燃料貯留部210、石炭が貯留されてる第2燃料貯留部212、及び、シリカ等の添加剤が貯留されてる添加剤貯留部214を有しており、それらが配管を介してバンカ250に接続されている。かかる構成により、バイオマス燃料、石炭、及び添加剤が、火炉112に供給される前にバンカにおいて一旦混合され、その混合物がミル252内で粉砕された後、火炉112へ送られて燃焼する。
【0005】
このとおり、上記従来のボイラシステムにおいては、異なる燃料がバンカにおいて一旦混合されてから、更にミルを経てから火炉に導入されるため、燃料の混合物が火炉に到達するまでに相当時間を要することとなる。ここで、上記従来のボイラシステムにおいて、異なる燃料として、水分を比較的多く含み得る有機物燃料(石炭、ウッドチップ、ウッドペレット、或いは、パーム椰子種殻等の植物由来の固体燃料等)と、主として金属を含むような無機物燃料を用いると仮定する。この場合、バンカ内で両燃料が接触する又は混合される部分(混合層)では、有機物燃料に含まれる(単に「付着」している場合を含む。本書において以下同様とする。)水分と無機物燃料の化学反応が生じて発熱する可能性がある。
【0006】
このような形態の発熱は、想定され得る有機物燃料の発酵による発熱とは異なり、無機物燃料の酸化による発熱であることから、有機物燃料中の水分が残存している限り、その酸化発熱反応は継続する。その結果、バンカ内の温度上昇を招いてしまい、場合によっては発火に至ることも想起される。また、無機物燃料が酸化され易い金属を含む場合、有機物燃料の燃焼で生じた二酸化炭素や一酸化炭素といった分子中に共有結合している酸素を奪うことによっても燃焼が続くため、外部からの酸素(例えば空気中の酸素ガス)の供給を遮断したとしても、バンカ内の消火が困難な状況となり得る。
【0007】
そこで、本開示は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、有機物燃料及び無機物燃料を混焼させる際に、無機物燃料の不要な発火を抑制して、混合燃料のより安全な燃焼制御を実現することが可能なボイラ装置、及びその運転方法、並びに当該ボイラ装置を備えた発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成を採用する。
【0009】
〔1〕本開示によるボイラ装置の一例は、燃焼室と、有機物燃料を保持する第1保持部、及び、無機物燃料を保持する第2保持部を有する燃料供給部とを備える。そして、燃料供給部は、有機物燃料及び無機物燃料が混合された混合燃料の少なくとも一部(望ましくは、理想的には全部)を、(1)混合から所定時間経過する前、(2)混合燃料が所定温度に達する前、及び、(3)混合燃料から生じる蒸気が所定量に達する前のうちの少なくともいずれか1つの条件を満たすときに、燃焼室へ供給するように、第1保持部からの有機物燃料の送出状態、及び、第2保持部からの無機物燃料の送出状態を調整する。
【0010】
かかる構成では、有機物燃料と無機物燃料を燃焼させる際に、両者の確実な混焼が生起される前に、混合燃料の少なくとも一部(混焼前の混合層)が、接触又は混合された状態で長時間に亘って滞留することが抑止される。これにより、有機物燃料に含まれる水分と無機物燃料の反応に起因する意図しない発火及び燃焼が有効に防止される。
(【0011】以降は省略されています)

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