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公開番号2025115350
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024126011
出願日2024-08-01
発明の名称ポリアリレート樹脂とポリエステル樹脂とを含有する樹脂組成物
出願人ユニチカ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 67/03 20060101AFI20250730BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】樹脂組成物自体の色調が十分に良好であり、溶融成形時の熱劣化による着色を十分に抑制できる、ポリアリレート樹脂とポリエステル樹脂とを含有する樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】芳香族ジカルボン酸成分および二価フェノール成分をモノマー成分として含有するポリアリレート樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とを含有し、前記ポリアリレート樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)の質量比率(A/B)が99/1~1/99であり、ギ酸塩の含有量が0.1~2.0ppmである、樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
芳香族ジカルボン酸成分および二価フェノール成分をモノマー成分として含有するポリアリレート樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とを含有し、
前記ポリアリレート樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)の質量比率(A/B)が99/1~1/99であり、
ギ酸塩の含有量が0.1~2.0ppmである、樹脂組成物。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記ギ酸塩がギ酸ナトリウムである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記樹脂組成物が-1.0~0.5の色差a値を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記樹脂組成物を射出成形により成形した厚み3mmの成形品プレートが22以下のYI値を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記ギ酸塩の含有量は0.1~0.8ppmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリエステル樹脂(B)は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、またはこれらの混合物であり、
前記共重合ポリエステルはジカルボン酸成分およびグリコール成分から構成され、
前記ジカルボン酸成分は、芳香族ジカルボン酸、飽和脂肪族ジカルボン酸、不飽和脂肪族ジカルボン酸、および脂環式ジカルボン酸からなる群から選択される1種以上であり、
前記グリコール成分は、脂肪族グリコール、脂環族グリコール、エーテル結合含有グリコール、2,2-ビス[4-(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンのアルキレンオキシド付加体、およびビス[4-(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンのアルキレンオキシド付加体からなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
芳香族ジカルボン酸成分および二価フェノール成分を重合させる際に、ギ酸塩の含有量0.4~1.5質量%の亜ジチオン酸塩を前記二価フェノール成分に対して0.05~4.0質量%で添加してポリアリレート樹脂(A)を製造し、
そのあと、さらにポリエステル樹脂(B)を混合する、樹脂組成物の製造方法。
【請求項8】
前記亜ジチオン酸塩がギ酸ソーダ法により製造された亜ジチオン酸ナトリウムである、請求項7に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項9】
請求項1~6いずれかに記載の樹脂組成物を製造する、請求項7に記載の樹脂組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアリレート樹脂とポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
芳香族ジカルボン酸成分と二価フェノール成分とからなるポリアリレート樹脂は、非晶性であり、透明でかつ優れた耐熱性を有する樹脂である。前記ポリアリレート樹脂にポリエステル樹脂を配合した樹脂組成物は、透明性を維持したまま耐薬品性や成形性に優れていることから、電気・電子分野を中心に光電センサレンズやカメラ鏡筒などで広く使用されている。
【0003】
しかし、ポリアリレート樹脂は、その優れた耐熱性のため、汎用ポリマーと比較して溶融成形加工温度は高温になることが多く、溶融時に熱劣化し、着色しやすい性質を有している。また、成形品を高温下で長時間使用すると黄変する傾向もある。そのため、ポリアリレート樹脂とポリエステル樹脂とを含有する樹脂組成物についても、使用される光電センサレンズなど、色調が要求されかつ経時での色調変化が望ましくない用途には使用が制限される場合があった。
【0004】
上記のような問題を解決するために、溶融成形時または溶融混錬時に染顔料や酸化防止剤などの改質剤を添加する方法が種々検討されている。例えば、特許文献1では、ポリカーボネート樹脂に染顔料と含イオウカルボン酸エステル類を溶融混錬する方法が提案されている。また例えば、特許文献2では、ポリアリレート樹脂にフェノール系化合物、リン系化合物、およびラクトン系化合物を溶融混錬する方法が提案されている。しかし、これらの方法はあくまで溶融混錬時に添加する添加剤による改質であるため、使用する添加剤の種類数や使用量の削減などの観点からも、ポリアリレート樹脂そのものの色調や熱変色性を改善することが求められている。
【0005】
ポリアリレート樹脂そのものの色調や熱変色性を改善するには、原料からポリアリレート樹脂を製造する段階での工夫が必要である。ポリアリレート樹脂の重合方法としては、溶融重合法、溶液重合法、界面重合法が知られている。特に界面重合法は、高い耐熱性を有するポリマーであっても、室温に近い温度で高重合度まで反応が進行するため、得られる樹脂は色調に優れたものとなり、ポリアリレート樹脂の本来持つ特徴である透明性や耐熱性を十分に活かすために、好適である。
【0006】
また、特許文献3にあるように、界面重合法に限定されるわけではないが、ハイドロサルファイトナトリウムなどの還元剤を重合工程中に添加することは、モノマーである二価フェノール系化合物の変色、さらには得られるポリアリレート樹脂の着色を防止するために、効果的である。
【0007】
一方、特許文献4では、重合工程中に添加する還元剤として、ハイドロサルファイトナトリウムを使用することにより、色調および耐熱性に優れた芳香族ポリカーボネートを製造する技術が開示されている。
【0008】
また、特許文献5では、ポリカーボネートの製造に使用するハイドロサルファイトナトリウム中に含まれるギ酸ナトリウムを0.3重量%以下とすることにより、色相に優れたポリカーボネートを製造する技術が開示されている。特に特許文献5には、ポリカーボネートの製造に使用するハイドロサルファイトナトリウム中に含まれるギ酸ナトリウムが0.3重量%より多いと、加熱時の樹脂の色相の悪化を引き起こすことが提唱されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平4-120164号公報
特開2002-265766号公報
特公平1-18939号公報
特開平7-233253号公報
特開2009-096937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の技術では、以下の問題が生じることがあった。
十分に色調に優れたポリアリレート樹脂を得ることができず、ポリエステル樹脂を混合した樹脂組成物において、溶融成形時の熱劣化による着色を十分に抑制できない。
(【0011】以降は省略されています)

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