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公開番号2025118030
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024013085
出願日2024-01-31
発明の名称電車線の検査方法
出願人公益財団法人鉄道総合技術研究所,日本電設工業株式会社
代理人弁理士法人むつきパートナーズ
主分類G01B 11/24 20060101AFI20250805BHJP(測定;試験)
要約【課題】光切断法を用いた架空式剛体電車線の検査方法において、保守及び管理に必要な各種情報を安定的に得ることのできる方法を提供する。
【解決手段】架空式剛体電車線は、足部と頭部とを中央くびれ部で接続した断面ダンベル形状の導電鋼レールからなり、足部の上面を固定され頭部の下面を摺動面とする。これに光束を摺動面及び中央くびれ部から足部の外側方先端に向けて延びる基準面に照射し、光束を照射された摺動面及び基準面を一定間隔で光学撮影する。ここで、線路の伸びる方向に沿って得られたフレーム画像の複数からなる撮像データを画像解析する工程では、フレーム画像のそれぞれについて電車線に対応する画像を抽出する抽出工程と、フレーム画像の一連の輝度データからフレーム画像のそれぞれを補正する補正工程と、を含む。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
線路上を走行する車両上から電車線に長手方向と垂直に帯状の光束を照射しながら照射領域を光学撮影していく電車線の検査方法であって、
前記電車線は足部と頭部とを中央くびれ部で接続した断面ダンベル形状の導電鋼レールからなり前記足部の上面を固定され前記頭部の下面を摺動面とした架空式剛体電車線であり、
前記光束を前記摺動面及び前記中央くびれ部から前記足部の外側方先端に向けて延びる基準面に照射し、前記光束を照射された前記摺動面及び前記基準面を一定間隔で光学撮影して前記線路の伸びる方向に沿って得られたフレーム画像の複数からなる撮像データを画像解析する工程において、
前記フレーム画像のそれぞれについて前記電車線に対応する画像を抽出する抽出工程と、
前記フレーム画像の一連の輝度データから前記フレーム画像のそれぞれを補正する補正工程と、を含むことを特徴とする架空式剛体電車線の検査方法。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記補正工程は、前記一連の輝度データの変化から前記電車線の付属部品の長さ方向位置及び長さ方向幅を取得することを特徴とする請求項1記載の架空式剛体電車線の検査方法。
【請求項3】
前記補正工程は、前記長さ方向位置及び前記長さ方向幅を挟んだ両側位置に対応する前記フレーム画像からなる対画像を用いて、前記撮像データのフレーム毎に前記摺動面に対応する第1の直線輝線の両側部に、前記基準面に対応する第2の直線輝線を有するように画像補正を行うことを特徴とする請求項2記載の架空式剛体電車線の検査方法。
【請求項4】
前記長さ方向幅について予め閾値を定めておき、前記閾値よりも前記長さ方向幅が大きいときは前記対画像の外分点、小さいときは前記対画像の内分点、をそれぞれ用いて前記第2の直線輝線を補正することを特徴とする請求項3記載の架空式剛体電車線の検査方法。
【請求項5】
前記フレーム画像のそれぞれについて既知の前記電車線の断面形状と比較して、前記摺動面の摩耗量を測定することを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つに記載の架空式剛体電車線の検査方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、走行する車両上から電車線を動的に検査する検査方法に関し、特に、光切断法を用いた架空式剛体電車線の検査方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
線路上を走行する列車に電気エネルギを伝達するために線路上方に設置された架空式電車線を検査する方法として、線路上を走行する車両上から電車線に長手方向と垂直に帯状の光束を照射しながら照射領域を光学撮影していく光切断法が知られている。かかる動的検査方法によれば、線路に沿った方向の撮像データを画像解析し、電車線の保守及び管理に必要な各種情報を得ることができる。
【0003】
例えば、特許文献1では、固定具によって溝部を挟持されて軌道上に懸架されたトロリ線において、複数のレーザ光源を線路と垂直な方向となるように車両上に並べて配置させ、点灯させるべき1つのレーザ光源を選択してトロリ線を長手方向に撮像していく光切断法を用いたトロリ線の断面形状の測定方法を開示している。撮像データの画像解析においては、トロリ線の側部の溝部の位置とともに円弧領域を含む仮想円の中心位置を特定できて、トロリ線の断面形状を精度よく測定できるとしている。
【0004】
また、非特許文献1では、地下鉄やトンネル区間で採用されている架空式剛体電車線における光切断法による摺動面摩耗計測方法について述べている。架空式剛体電車線は、主に架台やイヤーでトロリ線を把持するπ形及びT形といった方式と、足部と頭部とを中央くびれ部で接続した断面をダンベル形状とした導電鋼レールを用いた方式と、の2種類に分類される。ここで、導電鋼レール方式は、円弧断面を有するトロリ線と違って、長方形断面である頭部の摩耗量が増えても摺動面の幅を変化させず、断面形状を測定できない。そこで、摺動面からレール上面までの残存高さを測定しこれを摩耗評価指標とすることを提案している。なお、トロリ線を用いた架空式剛体電車線においても同様に、摺動面からトロリ線把持部下面の最下点までの残存高さを測定し摩耗評価指標とすることも提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-179369号公報
【非特許文献】
【0006】
薄広歩、松村周、平良優介、山下主税、清水政利 著;「光切断法による剛体電車線摩耗計測手法」;電気学会研究会資料(Web) VT-22-010-019/TER-22-065-074 自動車研究会/交通・電気鉄道研究会 55-58頁 2022年09月27日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1では、寸法の既知である導電鋼レールの画像解析として、ICPアルゴリズムを用いた導電鋼レールの位置及び角度の補正後、摺動面及び基準面の直線検出を行って、導電鋼レール上面位置を推定し摺動面との距離を残存高さとしている。一方で、光束に沿って摺動面よりも後方に位置する基準面は、例えば、基準面の汚れによる光反射不足、導電鋼レールの支持点や接続金具が影となるなど、直線検出できない場合が生じる。そのため、保守及び管理に必要な各種情報を安定的に得るには不十分であった。
【0008】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、光切断法を用いた架空式剛体電車線の検査方法において、保守及び管理に必要な各種情報を安定的に得ることのできる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による架空式剛体電車線の検査方法は、線路上を走行する車両上から電車線に長手方向と垂直に帯状の光束を照射しながら照射領域を光学撮影していく電車線の検査方法であって、前記電車線は足部と頭部とを中央くびれ部で接続した断面ダンベル形状の導電鋼レールからなり前記足部の上面を固定され前記頭部の下面を摺動面とした架空式剛体電車線であり、前記光束を前記摺動面及び前記中央くびれ部から前記足部の外側方先端に向けて延びる基準面に照射し、前記光束を照射された前記摺動面及び前記基準面を一定間隔で光学撮影して前記線路の伸びる方向に沿って得られたフレーム画像の複数からなる撮像データを画像解析する工程において、前記フレーム画像のそれぞれについて前記電車線に対応する画像を抽出する抽出工程と、前記フレーム画像の一連の輝度データから前記フレーム画像のそれぞれを補正する補正工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
かかる特徴によれば、基準面を直接検出できない場合においても補正工程によって基準面を特定し得て、保守及び管理に必要な各種情報を安定的に得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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