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公開番号2025121058
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-19
出願番号2024016235
出願日2024-02-06
発明の名称非磁性構造部材用Ni基合金
出願人日本冶金工業株式会社
代理人弁理士法人むつきパートナーズ
主分類C22C 19/05 20060101AFI20250812BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】 高い耐食性及とともに低い透磁率とを有し、かつこれら特性を構造部材としての機械加工に対しても安定して有する非磁性構造部材用のNi基合金の提供。
【解決手段】 所定の成分組成を有するNi基合金であり、かつ、成分組成は、以下の式(1)~(4)を満たす。
[C%]≦0.23×([Nb%]+[V%])+0.008 (1)
[C%]≦‐0.092×([Nb%]+[V%])+0.022 (2)
[N%]≦0.85×[Ti%]+0.013 (3)
[N%]≦‐0.73×[Ti%]+0.041 (4)
【選択図】 なし

特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、
C :0.001~0.015%、
Si:0.01~0.10%、
Mn:0.10~1.5%、
P :0.020%以下、
S :0.0001~0.0015%、
Cr:14.0~23.0%、
Mo:12.0~17.5%、
Cu:0.03~3.5%、
Al:0.005~0.200%、
Ti:0.001~0.035%、
Fe:2.5~7.2%、
Co:0.05~1.20%、
W :1.80~3.80%、
N :0.001~0.022%、
V及びNbのいずれか1種、又は2種を
V :0.01~0.12%、
Nb:0.01~0.12%の範囲、かつ、
(Nb+V)≦0.12%、
Mg:0.0266%以下、
B :0.0059%以下、
Sn:0.052%以下、
Ca:0.0029%以下、
O :0.0040%以下、
残部Ni及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、かつ、前記成分組成は、以下の式(1)~(4)
[C%]≦0.23×([Nb%]+[V%])+0.008 (1)
[C%]≦-0.092×([Nb%]+[V%])+0.022 (2)
[N%]≦0.85×[Ti%]+0.013 (3)
[N%]≦-0.73×[Ti%]+0.041 (4)
を満たすことを特徴とする非磁性構造部材用Ni基合金。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記成分組成において、
Ca:0.0001~0.0025%、
であることを特徴とする請求項1記載の非磁性構造部材用Ni基合金。
【請求項3】
前記成分組成において、
Mg:0.0005~0.0250%、
であることを特徴とする請求項2記載の非磁性構造部材用Ni基合金。
【請求項4】
前記成分組成において、
Mg:0.0005~0.0250%、
であることを特徴とする請求項1記載の非磁性構造部材用Ni基合金。
【請求項5】
前記成分組成において、
B :0.0050%以下 、
Sn:0.050%以下、
O :0.0035%以下
であることを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つに記載の非磁性構造部材用Ni基合金。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、非磁性の構造部材用Ni基合金に関し、特に、腐食性環境における使用に好適な非磁性構造部材用Ni基合金に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
電気・電子機器の正確な動作を確保すべく、これらを設置するための設備部材等には非磁性の構造部材が用いられている。また、海洋上や沿岸部、化学プラントなどの腐食性環境下では、耐食性を兼ね備えることも要求され、Ni系合金からなる非磁性構造部材が使用される。かかる耐食性合金としては、CrやMoを多く含むハステロイ(登録商標)22やハステロイ(登録商標)276といったNi系合金が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、Crを添加することで耐食性を高めつつ、時効処理して析出物を析出させ高い硬さを得られる非磁性Ni基合金が開示されている。典型的には、重量%で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:30~45%、およびAl:1.5~5.0%をNi中に含む成分組成を有し、冷間又は温間で塑性加工処理した後に時効処理して、1.05以下の透磁率とともに高い耐食性と硬さとを兼ね備えた合金を得られるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-274443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、電気・電子機器の高性能化が進む中で、上記したような腐食性環境下で用いられる構造部材用のNi基合金では、耐食性を犠牲とすることなく、一層の非磁性化が求められる。これと同時に、耐食性や磁性といった特性を、溶接加工といった構造部材としての各種機械加工を与えても維持できる安定性も求められる。
【0006】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高い耐食性とともに低い透磁率とを有し、かつこれら特性を構造部材としての機械加工に対しても安定して有する非磁性構造部材用のNi基合金を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による非磁性構造部材用Ni基合金は、質量%で、C:0.001~0.015%、Si:0.01~0.10%、Mn:0.10~1.5%、P:0.020%以下、S:0.0001~0.0015%、Cr:14.0~23.0%、Mo:12.0~17.5%、Cu:0.03~3.5%、Al:0.005~0.200%、Ti:0.001~0.035%、Fe:2.5~7.2%、Co:0.05~1.20%、W:1.80~3.80%、N:0.001~0.022%、V及びNbのいずれか1種、又は2種をV:0.01~0.12%、Nb:0.01~0.12%の範囲、かつ、(Nb+V)≦0.12%、Mg:0.0266%以下、B :0.0059%以下、Sn:0.052%以下、Ca:0.0029%以下、O : 0.0040%以下、残部Ni及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、かつ、前記成分組成は、以下の式(1)~(4)
[C%]≦0.23×([Nb%]+[V%])+0.008 (1)
[C%]≦-0.092×([Nb%]+[V%])+0.022 (2)
[N%]≦0.85×[Ti%]+0.013 (3)
[N%]≦-0.73×[Ti%]+0.041 (4)
を満たすことを特徴とする。
【0008】
かかる特徴によれば、非磁性構造部材用のNi基合金として、高い耐食性とともに低い透磁率とを有し、かつこれら特性を構造部材としての機械加工に対しても安定して有するのである。
【0009】
上記した発明において、前記成分組成において、Ca:0.0001~0.0025%であることを特徴としてもよい。また、前記成分組成において、Mg:0.0005~0.0250%であることを特徴としてもよい。また、前記成分組成において、B :0.0050%以下 、Sn:0.050%以下、O :0.0035%以下であることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、より加工性に優れた非磁性構造部材用のNi基合金とし得るのである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
予備試験に用いた合金の成分の範囲を示す表である。
鏡面研磨試験による研磨性及び耐食性について、[Nb%]+[V%]と[C%]で整理した結果を示す散布図である。
鏡面研磨試験による研磨性について、[Ti%]及び[N%]で整理した結果を示す散布図である。
鏡面研磨試験における研磨のセット数と、Cu、Co、Wの含有量との関係を示すグラフである。
製造試験に用いた実施例の成分組成の一覧表である。
製造試験に用いた比較例の成分組成の一覧表である。
実施例及び比較例の製造試験の結果を示す一覧表である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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