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公開番号2025121133
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-19
出願番号2024016383
出願日2024-02-06
発明の名称転がり軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類F16C 33/38 20060101AFI20250812BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】高速ホワール現象の発生を防止可能な転がり軸受を低コストに実現する。
【解決手段】保持器5が、軸受運転時に外輪3の円環状案内面Saにより案内される円環状の被案内面Sbを有し、各ポケット6が、開口寸法Wが径方向に沿って一定の円形孔で構成された転がり軸受1において、ポケット6として大ポケット6Aと小ポケット6Bとを設ける。案内面Saと被案内面Sbとの間の径方向すきまGa2の設計値をδ、軸受運転時の径方向すきまGa2の大きさをδ0、中立状態にある保持器5の大ポケット6A及び小ポケット6Bとボール4との間にそれぞれ形成される周方向すきまGb1,Gb2の大きさをε1及びε2としたとき、ε201なる不等式、及び0mm<(δ-δ0)<0.5mmなる不等式が成立し、かつ、保持器可動領域10が、軸受運転時の径方向すきまGa2の大きさδ0を直径とする円を外接円とした非真円形状をなす。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
径方向に対向配置された状態で複数の転動体を介して相対回転する一対の軌道輪と、前記転動体を個別に収容した複数のポケットを周方向に間隔を空けて形成した円環状の保持器と、を備え、
前記一対の軌道輪のうちの一方が円環状の案内面を有すると共に、前記保持器が、前記案内面と径方向で対向する円環状の被案内面を有し、
各ポケットが、開口寸法が径方向に沿って一定の円形孔からなる転がり軸受において、
前記複数のポケットのうち少なくとも一つのポケットを大ポケットで構成すると共に、残りのポケットを前記大ポケットよりも開口寸法が小さい小ポケットで構成し、
前記案内面と前記被案内面との間に形成される径方向すきまの設計値をδとし、軸受運転時の前記径方向すきまの大きさをδ

とし、中立状態にある前記保持器の大ポケット形成面及び小ポケット形成面が前記転動体との間にそれぞれ形成する周方向すきまの大きさをε

及びε

としたとき、ε

<δ

<ε

なる不等式、及び0mm<(δ-δ

)<0.5mmなる不等式が成立し、かつ、
前記保持器が前記一対の軌道輪及び前記転動体と接触せずに存在可能な位置を二次元座標上に無数にプロットすることで得られる散布図の外縁部を繋ぐ線で囲まれた領域を保持器可動領域と定義したとき、この保持器可動領域が、軸受運転時の前記径方向すきまの大きさδ

を直径とする円を外接円とした非真円形状をなすことを特徴とする転がり軸受。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記保持器可動領域と前記外接円との接触部が、前記外接円の周方向に長さを持つ円弧状をなし、この円弧状接触部が、前記外接円の周方向に間隔を空けて複数設けられている請求項1に記載の転がり軸受。
【請求項3】
前記円弧状接触部が、前記外接円の周方向に3つ以上等間隔で設けられている請求項2に記載の転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
図9(a)に、転がり軸受100の概略横断面図を示す。同図に示す転がり軸受100は、径方向に対向配置された状態で複数の転動体(ここでは、ボール)103を介して中心軸回りに相対回転する一対の軌道輪(内輪101及び外輪102)と、複数の転動体103を周方向に間隔を空けて保持する環状の保持器104とを備える。保持器104は、転がり軸受に重力や回転力等が作用しない無負荷状態で、内輪101の外周面101a及び外輪102の内周面102aとの間にそれぞれ径方向すきま111,112を、また、開口寸法が径方向に沿って一定の円形の孔からなるポケット105に収容される転動体103との間に周方向すきま113を形成するように一対の軌道輪間に組み込まれている。上記の径方向すきま111,112は「案内すきま」とも称され、上記の周方向すきま113は「ポケットすきま」とも称される。
【0003】
転がり軸受は、保持器104の案内形式によって軌道輪案内型と転動体案内型とに大別することができ、軌道輪案内型は、さらに外輪案内型と内輪案内型とに大別することができる。外輪案内型は、広義には、上記2つの径方向すきま111,112のうち径方向すきま112の方が小さいタイプである。外輪案内型の軸受には、中立位置に位置する保持器104(無負荷状態の保持器104)のポケット形成面105aと転動体103との間に形成される周方向すきま113が径方向すきま112よりも大きいタイプと小さいタイプがあり、図9(a)(b)は前者を示し、図10(a)(b)は後者を示している。図示は省略するが、内輪案内型は、広義には、上記2つの径方向すきま111,112のうち、径方向すきま111の方が小さいタイプである。また、同様に図示は省略するが、転動体案内型は、ポケット105の開口寸法が径方向に沿って一定ではなく、ポケット形成面105aと転動体103の間に形成される径方向すきまが、2つの径方向すきま111、112よりも小さいタイプである。
【0004】
ところで、内輪101と外輪102が相対回転する転がり軸受100の作動時には、保持器104に高速ホワール現象とも称される異常な高速度での振れ回り(保持器自転周波数の数倍以上で振動する自励振動)が生じることがある。この高速ホワール現象は、転がり軸受100の内径[mm]と回転数[rpm]の積として求められるdn値がおよそ1,500,000以下(dn≦1,500,000)の場合でも発生するとされており、高速ホワール現象が発生すると、異音、振動、トルクの増大、トルク変動、発熱などを引き起こすおそれがある。高速ホワール現象は、例えば、軌道輪の案内面と保持器104の被案内面との接触により生じる摩擦力や、保持器104のポケット形成面105aと転動体103との接触により生じる摩擦力などを原因として発生すると言われている。
【0005】
軌道輪の案内面と保持器104の被案内面との接触で生じる摩擦力を原因とする高速ホワール現象の発生メカニズムを、図9(a)(b)に示す外輪案内型の転がり軸受100を例にとって説明する。この場合、軌道輪の案内面とは外輪102の内周面102aであり、保持器104の被案内面とは保持器104の外周面である。なお、図示は省略するが、内輪案内型の転がり軸受では、「軌道輪の案内面」=「内輪の外周面」、「保持器の被案内面」=「保持器の内周面」である。
【0006】
まず、図9(a)に示すように、保持器104が軸心Oに対して0時(12時)の方向に変位した際には、保持器104が外輪102の内周面102aに対して0時位置で接触する。このとき、内輪101が時計回りに回転しているとすると、保持器104にはこれを9時の方向に変位させる方向の摩擦力Fが作用する。この摩擦力Fを受けて変位した保持器104が外輪102の内周面102aに対して9時位置で接触すると、図9(b)に示すように、保持器104にはこれを6時の方向に変位させる摩擦力Fが生じる。そして、内輪101の回転が継続され、上記事象(保持器104の変位及び外輪102の内周面102aに対する接触)が繰り返されると、保持器104は、内輪101の回転方向とは反対の方向に高速で振れ回る。
【0007】
また、保持器104のポケット形成面105aと転動体103との接触で生じる摩擦力を原因とする高速ホワール現象の発生メカニズムを図10(a)(b)に基づいて説明する。図10(a)に示すように、保持器104が軸心Oに対して0時(12時)の方向に変位すると、3時と9時の位置に配置された転動体103はポケット形成面105aに対して6時位置で接触する。このとき、内輪101が時計回りに回転しているとすると、保持器104にはこれを3時の方向に変位させる摩擦力Fが生じる。この摩擦力Fを受けて保持器104が変位すると、図10(b)に示すように、0時及び6時の位置に配置された転動体103は、ポケット形成面105aに対して9時位置で接触する。これに伴い、保持器105を6時の方向に変位させる摩擦力Fが生じる。以降、かかる事象が繰り返されることにより、保持器104は内輪101の回転方向と同方向に高速で振れ回る。
【0008】
以上で言及したような保持器の高速ホワール現象に起因する異音・振動等の発生を防止するため、例えば下記の特許文献1に記載された転がり軸受においては、保持器に所定のアンバランス量を故意に与え、保持器を偏心状態(保持器の一部を軌道輪に常時接触させた状態)で回転させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2011-196513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載されている上記の技術手段を実現するには、まず、保持器を非点対称形状に形成する必要があることから、保持器を精度良く加工するのに手間が掛かる。また、転がり軸受に必要とされる耐久寿命を確保するには、保持器と軌道輪の常時接触部での摩耗を抑制する必要があることから、互いに接触する軌道輪と保持器の対向二面に精密研磨等の仕上げ加工を施し、上記二面を極めて精度良く仕上げる、などといった対策を講じる必要がある。そのため、特許文献1の技術手段を実現するには、コストが嵩むという課題がある。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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