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公開番号2025151834
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024053433
出願日2024-03-28
発明の名称玉軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16C 33/41 20060101AFI20251002BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】遠心力に伴う保持器の変形を抑制する。
【解決手段】環状の基部11と、基部11の軸方向一方側に突出する複数の保持部12を有し、複数の保持部12の間に周方向に沿って形成される複数のポケット20を備えた冠型保持器であり、基部11は、保持器の軸方向の中心線とポケット20の底p0を通る軸方向断面において、ポケット20の底p0から軸方向他方側に向かって所定の距離の位置にある基部基準線Eに対して、基部基準線Eよりも軸方向他方側に突出し且つ周方向全周に連続する質量付加部15を備えている玉軸受用保持器とした。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
環状の基部(11)と、前記基部(11)の軸方向一方側に突出する複数の保持部(12)を有し、前記複数の保持部(12)の間に周方向に沿って形成される複数のポケット(20)を備えた冠型保持器であり、
前記基部(11)は、保持器の軸方向の中心線と前記ポケット(20)の底(p0)を通る軸方向断面において、前記ポケット(20)の底(p0)から軸方向他方側に向かって所定の距離の位置にある基部基準線(E)に対して、前記基部基準線(E)よりも軸方向他方側に突出し且つ周方向全周に連続する質量付加部(15)を備えている玉軸受用保持器。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記基部基準線(E)は、前記基部(11)の前記ポケット(20)側とは反対側の基部端面(13)である請求項1に記載の玉軸受用保持器。
【請求項3】
前記軸方向断面における前記質量付加部(15)の重心(G

)は、前記ポケット(20)の中心(a0)を通り且つ前記軸方向の中心線に平行な中立線(e)よりも内径側に位置している請求項1に記載の玉軸受用保持器。
【請求項4】
前記保持部(12)の外径に軸方向一方側に向かうにつれて前記保持部(12)の内径側に近づく傾斜面(23)を備えている請求項1に記載の玉軸受用保持器。
【請求項5】
前記質量付加部(15)の内径に軸方向一方側へ向かうにつれて前記基部(11)の内径面(17)に近づくとともに前記基部(11)の内径面(17)に接続される潤滑油用の第一案内傾斜面(16)を備えている請求項1に記載の玉軸受用保持器。
【請求項6】
前記質量付加部(15)の外径に軸方向一方側へ向かうにつれて前記基部(11)の外径面に近づく第二案内傾斜面(15c)を備えている請求項1に記載の玉軸受用保持器。
【請求項7】
内方部材(3)及び外方部材(4)と、前記内方部材(3)及び前記外方部材(4)との間に配置される玉(5)と、前記玉(5)を保持する保持器(10)と、を備えた玉軸受において、請求項1~6のいずれか一つに記載の保持器を具備した玉軸受。
【請求項8】
前記所定の距離は、前記玉(5)の直径Dwの0.2倍で規定される必要肉厚(L

)である請求項7に記載の玉軸受。
【請求項9】
周方向に隣り合う前記ポケット(20)の中心(a0)間の距離を、前記玉(5)の直径Dw以上とした請求項7に記載の玉軸受。
【請求項10】
請求項7に記載の玉軸受を用い、電動輸送機器用の駆動モータ、減速機又は増速機が備える回転軸を前記玉軸受で支持している軸受装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、高速回転に適用できる玉軸受に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、自動車、産業機械、鉄道・航空宇宙の他、あらゆる産業分野において、電動機を備えた装置には多数の軸受が用いられている。これらの機器類に用いられる軸受は、一般的な機器類で軸支持に使用される軸受と比べて、高速条件で使用されることが一般的である。また、近年は電動自動車において、電費・走行性能向上の手段として、電動機の出力密度を高めるため、回転速度を高めて小型・軽量化する動向がある。特に、駆動モータ、変速機、増減速機等を一体化させた「e-Axle」と呼ばれる駆動ユニットでは、モータの回転軸を支持する軸受は、一般的な機器類の軸受よりも高回転で使用される場合が多い。
【0003】
ところで、転動体として玉(ボール)を用いる玉軸受では、玉を保持するための保持器として、冠型保持器が用いられる場合がある。冠型保持器は、環状の基部と、その基部の円周方向に沿って複数のポケットを備えた構成となっている。ポケットは、基部に対して保持器の軸方向一方側に並列して設けられる。各ポケットは、保持器の半径方向に貫通し且つ軸方向一方側に開口するとともに、各ポケットの開口の円周方向両側に一対の爪部を備えて玉を保持する形態となっている。
【0004】
冠型保持器を用いた玉軸受の場合、軸受の回転の高速化とともに遠心力で爪部が外径側へ変形することで、玉の抱え込みが発生する懸念がある。抱え込みが発生すると玉と保持器との強接触による回転抵抗の増大、異常発熱をもたらし、高速運転を阻害することがあるため、保持器の変形抑止は解決すべき課題となっている。
【0005】
このため、例えば、特許文献1では、軸受用冠型保持器の円環部(基部)の背面へセラミックコーティングを施すことで剛性を高め、保持器の変形を抑制している。また、特許文献2では、外輪の内周に周方向の溝を設けることで、高速回転時における保持器の爪部と外輪との接触を回避できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023-30439号公報
特開2023-89646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、玉軸受の樹脂製冠型保持器では、高速回転時における爪部の外径側への変形の抑制(課題1)は、解決すべき課題となっている。
【0008】
また、高速回転時には時間あたりの玉の通過数が上昇するので、通油抵抗が増すことで通油性が低下する。このため、高速回転時の潤滑の確保(課題2)が課題となっている。
【0009】
さらに、モータ用軸受等において、抵抗軽減を目的として玉の配置数を減らした仕様においては、周方向に隣接する玉同士の間の遅れ進みの差が大きくなる(玉同士の間のピッチが大きくなる)傾向がある。このため、保持器への周方向への圧縮及び引張の負荷が増すことから、保持器の周方向の環剛性と強度の向上(課題3)が課題となる。
【0010】
これに対して、特許文献1では、保持器の円環部の背面にセラミックをコーティングすることで、保持器の剛性を向上できるとしているが、以下の課題がある。
(1)粘弾性材である樹脂にコーティングしたセラミックは、欠損・はく離し易く、母材(樹脂)との熱膨張係数の差による伸縮繰り返しにも追随し難く、部分的にはく離し脱落する懸念がある。
(2)硬いセラミックの脱落片が転がり接触部に侵入し噛み込むと、円滑な転動を阻害し、さらには軸受や機械装置を摩耗・損傷させ、機能を失陥させる恐れがある。
(3)製造には特別な設備・工程が必要となるため、コスト上昇は避けられない。
(4)処理温度によっては母材の変形により寸法保証が難しい。
(5)コーティングのバインダーやコーティングの厚さによっては、十分な剛性を確保することは難しい。
(【0011】以降は省略されています)

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