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公開番号2025125978
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-28
出願番号2024022301
出願日2024-02-16
発明の名称オーステナイト系ステンレス鋼
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人ブライタス
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250821BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高価な合金元素を低減しつつも、耐水素脆化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】母材と酸化皮膜とを有し、母材の化学組成が、質量%で、C:0.080%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.00%以下、P:0.050%以下、S:0.020%以下、Cr:17.0~20.0%、Ni:8.0~13.0%、Al:0.300%以下、N:0.250%以下、任意元素、残部:Feおよび不純物であり、GDSによって測定される、酸化皮膜中のA値[=Cr+4Si+10Al+5(Nb+Ti)]の最大値が30以上であり、酸化皮膜の厚さが5nm以上である、オーステナイト系ステンレス鋼。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
母材と、前記母材の表面上に形成された酸化皮膜とを有するオーステナイト系ステンレス鋼であって、
前記母材の化学組成が、質量%で、
C:0.080%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:2.00%以下、
P:0.050%以下、
S:0.020%以下、
Cr:17.0~20.0%、
Ni:8.0~13.0%、
Al:0.300%以下、
N:0.250%以下、
Nb:0~0.20%、
Ti:0~0.20%、
Mo:0~1.00%、
Cu:0~1.0%、
Co:0~0.50%、
V:0~0.50%、
W:0~0.50%、
B:0~0.0050%、
Ca:0~0.0100%、
Mg:0~0.0100%、
Zr:0~0.50%、
Ga:0~0.050%、
Hf:0~0.10%、
REM:0~0.10%、
残部:Feおよび不純物であり、
グロー放電発光分光分析法を用いて、前記オーステナイト系ステンレス鋼の最表面から深さ方向において、O、Fe、Cr、Mn、Ni、Mo、Nb、Ti、Si、AlおよびNの濃度変化を測定し、Oを除いたその他の元素の総量が、質量%で100%となるように換算した場合に、
前記酸化皮膜での測定結果において、下記(i)式で算出されるA値の最大値が30以上であり、
前記酸化皮膜の厚さが5nm以上である、
オーステナイト系ステンレス鋼。
A値=Cr+4Si+10Al+5(Nb+Ti) ・・・(i)
但し、上記(i)式中の各元素記号は、グロー放電発光分光分析法において、各深さ位置において測定される各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記化学組成が、質量%で、
Nb:0.01~0.20%、
Ti:0.01~0.20%、
Mo:0.05~1.00%、
Cu:0.05~1.0%、
Co:0.01~0.50%、
V:0.05~0.50%、
W:0.05~0.50%、
B:0.0002~0.0050%、
Ca:0.0002~0.0100%、
Mg:0.0002~0.0100%、
Zr:0.01~0.50%、
Ga:0.001~0.050%、
Hf:0.01~0.10%、および
REM:0.01~0.10%、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料に代わる新たなエネルギー源として、水素ガスが注目されている。水素ガスは、CO

を排出しないクリーンなエネルギー源である。その一方、水素ガスは、例えば、素材を脆化させる水素脆化を引き起こすことがある。そこで、特許文献1には、耐水素ガス脆化性を向上させたオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-196842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼は、耐水素ガス脆化性を向上させるために、高価な合金元素を多く添加しているため、合金コストが高くなるという問題がある。一般的に、オーステナイト系ステンレス鋼において、高価な合金元素を低減しつつも、耐水素脆化性を向上させるのは難しい。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決し、高価な合金元素を低減しつつも、耐水素脆化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のオーステナイト系ステンレス鋼を要旨とする。
【0007】
(1)母材と、前記母材の表面上に形成された酸化皮膜とを有するオーステナイト系ステンレス鋼であって、
前記母材の化学組成が、質量%で、
C:0.080%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:2.00%以下、
P:0.050%以下、
S:0.020%以下、
Cr:17.0~20.0%、
Ni:8.0~13.0%、
Al:0.300%以下、
N:0.250%以下、
Nb:0~0.20%、
Ti:0~0.20%、
Mo:0~1.00%、
Cu:0~1.0%、
Co:0~0.50%、
V:0~0.50%、
W:0~0.50%、
B:0~0.0050%、
Ca:0~0.0100%、
Mg:0~0.0100%、
Zr:0~0.50%、
Ga:0~0.050%、
Hf:0~0.10%、
REM:0~0.10%、
残部:Feおよび不純物であり、
グロー放電発光分光分析法を用いて、前記オーステナイト系ステンレス鋼の最表面から深さ方向において、O、Fe、Cr、Mn、Ni、Mo、Nb、Ti、Si、AlおよびNの濃度変化を測定し、Oを除いたその他の元素の総量が、質量%で100%となるように換算した場合に、
前記酸化皮膜での測定結果において、下記(i)式で算出されるA値の最大値が30以上であり、
前記酸化皮膜の厚さが5nm以上である、
オーステナイト系ステンレス鋼。
A値=Cr+4Si+10Al+5(Nb+Ti) ・・・(i)
但し、上記(i)式中の各元素記号は、グロー放電発光分光分析法において、各深さ位置において測定される各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
【0008】
(2)前記化学組成が、質量%で、
Nb:0.01~0.20%、
Ti:0.01~0.20%、
Mo:0.05~1.00%、
Cu:0.05~1.0%、
Co:0.01~0.50%、
V:0.05~0.50%、
W:0.05~0.50%、
B:0.0002~0.0050%、
Ca:0.0002~0.0100%、
Mg:0.0002~0.0100%、
Zr:0.01~0.50%、
Ga:0.001~0.050%、
Hf:0.01~0.10%、および
REM:0.01~0.10%、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高価な合金元素を低減しつつも、耐水素ガス脆化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者らは、耐水素ガス脆化性を改善する方法について検討を行い、以下の知見を得た。
(【0011】以降は省略されています)

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