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公開番号2025126585
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-29
出願番号2024022892
出願日2024-02-19
発明の名称デュアルインバータシステム
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人快友国際特許事務所
主分類H02M 7/493 20070101AFI20250822BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】本明細書は、デュアルインバータシステムにおいて、上SW素子と下SW素子に負荷を分散させる技術を提供する。
【解決手段】本明細書が開示するデュアルインバータシステムは、モータのステータコイルの一端に接続されている第1インバータと他端に接続されている第2インバータを備える。コントローラは、第2インバータをバッテリから切り離し、第1インバータだけでモータを駆動するシングルモードを実行可能である。コントローラは、シングルモードでモータを駆動する際、第2インバータの全ての上SW素子をオンし、全ての下SW素子をオフする上短絡回路と、第2インバータの全ての下SW素子をオンし、全ての上SW素子をオフする下短絡回路の一方を選択する。コントローラは、第2インバータの上SW素子と下SW素子の負荷を比較し、上SW素子の負荷が小さければ上短絡回路を選択し、下SW素子の負荷が小さければ下短絡回路を選択する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
複数のステータコイルを備えているモータと、
直流端がバッテリに接続されており、複数の交流端のそれぞれが前記ステータコイルのそれぞれの一端に接続されている第１インバータと、
直流端が前記バッテリに接続されており、複数の交流端のそれぞれが前記ステータコイルの他端に接続されている第２インバータと、
前記第２インバータの直流端と前記バッテリの間に接続されている連結スイッチと、
前記連結スイッチを閉じて前記第１インバータと前記第２インバータで前記モータを駆動するデュアルモードと、前記連結スイッチを開いて前記第１インバータだけで前記モータを駆動するシングルモードを実行可能なコントローラと、を備えており、
前記コントローラは、
前記シングルモードで前記モータを駆動する際、前記第２インバータの全ての上スイッチング素子をオンし、全ての下スイッチング素子をオフする上短絡回路と、前記第２インバータの全ての下スイッチング素子をオンし、全ての上スイッチング素子をオフする下短絡回路の一方を選択し、
前記第２インバータの上スイッチング素子の負荷が下スイッチング素子の負荷よりも小さい場合は前記上短絡回路を選択し、
前記第２インバータの上スイッチング素子の負荷が下スイッチング素子の負荷よりも大きい場合は前記下短絡回路を選択する、
デュアルインバータシステム。
続きを表示（約 100 文字）【請求項２】
前記コントローラは、前記上スイッチング素子と前記下スイッチング素子の温度、駆動時間、駆動回数の少なくとも１つに基づいて前記負荷を特定する、請求項１に記載のデュアルインバータシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本明細書が開示する技術は、２個のインバータと、１個のオープン巻線型のモータを備えるデュアルインバータシステムに関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１に、デュアルインバータシステムの一例が開示されている。デュアルインバータシステムでは、モータのステータコイルの一端に第１インバータの交流端が接続され、ステータコイルの他端に第２インバータの交流端が接続される。第１インバータと第２インバータのスイッチング素子を同期させてオンオフすると、１個のインバータでモータを駆動する場合と比較して２倍の電流をモータに流すことができる。すなわち、モータで高トルクが得られる。高トルクが必要でない場合は、複数のステータコイルの他端を相互に接続して中性点を作り、第１インバータだけでモータを駆動する。特許文献１のデュアルインバータシステムでは、第１インバータのみでモータを駆動する場合、第２インバータの全ての上スイッチング素子をオンに保持する、あるいは、第２インバータの全ての下スイッチング素子をオンに保持することで、中性点を作る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１８－０１４８２９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１のデュアルインバータシステムでは、第２インバータで中性点を作る場合、上スイッチング素子ばかり使っていると、あるいは、下スイッチング素子ばかり使っていると、上スイッチング素子と下スイッチング素子の累積負荷のバランスに偏りが生じる。本明細書は、デュアルインバータシステムにおいて、第２インバータで中性点を作る際に、上スイッチング素子と下スイッチング素子に負荷を均等に分散させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本明細書が開示するデュアルインバータシステムは、第１インバータ、第２インバータ、モータ、連結スイッチ、コントローラを備える。第１インバータの直流端はバッテリに接続されており、複数の交流端のそれぞれはモータの複数のステータコイルのそれぞれの一端に接続されている。第２インバータの複数の交流端のそれぞれは、複数のステータコイルのそれぞれの他端に接続されている。連結スイッチは、第２インバータの直流端をバッテリに接続したり、第２インバータの直流端をバッテリから切り離したりする。コントローラは、連結スイッチを閉じて第１インバータと第２インバータでモータを駆動するデュアルモードと、連結スイッチを開いて第１インバータだけでモータを駆動するシングルモードを実行可能である。
【０００６】
よく知られているように、インバータは、上スイッチング素子と下スイッチング素子が直列に接続されている複数の直列回路を備える。複数の直列回路は、インバータの直流端の正極と負極の間に並列に接続されている。それぞれの直列回路の中点は、インバータの複数の交流端のそれぞれに接続されている。コントローラは、シングルモードでモータを駆動する際、第２インバータの全ての上スイッチング素子をオンし、全ての下スイッチング素子をオフする上短絡回路と、第２インバータの全ての下スイッチング素子をオンし、全ての上スイッチング素子をオフする下短絡回路の一方を選択する。コントローラは、第２インバータの上スイッチング素子の負荷が下スイッチング素子の負荷よりも小さい場合は上短絡回路を選択し、第２インバータの上スイッチング素子の負荷が下スイッチング素子の負荷よりも大きい場合は下短絡回路を選択する。本明細書が開示するデュアルインバータシステムでは、シングルモードでモータを駆動する際、負荷の小さいスイッチング素子をオンして中性点を作る。それゆえ、上スイッチング素子と下スイッチング素子に負荷が均等に分散する。
【０００７】
コントローラは、スイッチング素子の負荷は、スイッチング素子の温度、駆動時間、駆動回数の少なくとも１つに基づいて特定するればよい。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
実施例のデュアルインバータシステムの回路図である。
上短絡回路を選択したときの電流の流れを示す回路図である。
下短絡回路を選択したときの電流の流れを示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
図面を参照して実施例のデュアルインバータシステム２を説明する。以下、説明の便宜上、「デュアルインバータシステム」を「ＤＩシステム」と略記する場合がある。図１に、ＤＩシステム２の回路図を示す。ＤＩシステム２は、バッテリ３、第１インバータ１０、第２インバータ２０、モータ３０、連結スイッチ４０ｐ、４０ｎ、コントローラ５０を備える。ＤＩシステム２は、例えば電気自動車に搭載され、モータ３０が車軸を駆動する。
【００１０】
第１インバータ１０は、直流端（正極１０ｐと負極１０ｎ）と、交流端１０ｕ、１０ｖ、１０ｗを備える。直流端がバッテリ３に接続されており、交流端がモータ３０に接続されている。
（【００１１】以降は省略されています）

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