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公開番号2025129052
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-03
出願番号2025025646
出願日2025-02-20
発明の名称油化組成物、油化組成物の製造方法、ケミカルリサイクル方法、再生化学原料の製造方法、重合体の製造方法、および成形体の製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 29/04 20060101AFI20250827BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】含窒素化合物、含塩素化合物の含有割合が低い油化組成物を提供する。
【解決手段】エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む樹脂組成物の水添熱分解物を含有する油化組成物であって、前記油化組成物に含まれる酸素原子の割合が、油化組成物に対して1質量%以下である油化組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む樹脂組成物の水添熱分解物を含有する油化組成物であって、前記油化組成物に含まれる酸素原子の割合が、油化組成物に対して1質量%以下である油化組成物。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記油化組成物に含まれる窒素原子の割合が、油化組成物に対して0.3質量%以下である、請求項1に記載の油化組成物。
【請求項3】
前記油化組成物に含まれる塩素原子の割合が、油化組成物に対して1ppm以下である、請求項1または2に記載の油化組成物。
【請求項4】
前記水添熱分解物の水素添加率が70%以上である、請求項1または2に記載の油化組成物。
【請求項5】
エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む樹脂組成物の水添熱分解物を含有する油化組成物の製造方法であって、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む樹脂組成物を熱分解して、熱分解物を得る工程と、前記熱分解物に水添反応を行い、水添熱分解物を得る工程とを備える、油化組成物の製造方法。
【請求項6】
前記熱分解の温度が240℃~800℃である、請求項5に記載の油化組成物の製造方法。
【請求項7】
前記熱分解物を得る工程の後に、蒸留工程を備える、請求項5に記載の油化組成物の製造方法。
【請求項8】
前記蒸留工程において、圧力100mmHg~760mmHgであり、70℃~250℃で蒸留を行う、請求項7に記載の油化組成物の製造方法。
【請求項9】
前記油化組成物に含まれる酸素原子の割合が、油化組成物に対して1質量%以下である、請求項5~8のいずれか一項に記載の油化組成物の製造方法。
【請求項10】
前記油化組成物に含まれる塩素原子の割合が、油化組成物に対して1ppm以下である、請求項5~8のいずれか一項に記載の油化組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油化組成物、油化組成物の製造方法、ケミカルリサイクル方法、再生化学原料の製造方法、重合体の製造方法、および成形体の製造方法に関し、更に詳しくは油化組成物中に含まれる含窒素化合物、含塩素化合物等の不純物の含有割合が低減された油化組成物、油化組成物の製造方法、ケミカルリサイクル方法、再生化学原料の製造方法、重合体の製造方法、および成形体の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
エチレン-ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH樹脂」と称することがある)は、透明性、酸素等のガスバリア性、保香性、耐溶剤性、耐油性、機械強度等に優れており、フィルム、シート、ボトル等に成形され、食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等の各種包装材料として広く用いられている。
【0003】
近年、資源の有効利用という点から、EVOH樹脂を含む使用済みの廃プラスチックを、リサイクルすることが求められている。前記廃プラスチックのリサイクルとしては、サーマルリサイクル、ケミカルリサイクル、マテリアルリサイクルが知られており、なかでもサーマルリサイクルが大半を占めている。しかし、前記サーマルリサイクルは、焼却の際に発生する熱エネルギーを回収、利用するものであるため、より環境負荷が低減できるリサイクルが求められている。
【0004】
前記ケミカルリサイクルは、前記サーマルリサイクルや廃プラスチックを再製品化するマテリアルリサイクルとは異なり、高分子状態のプラスチックを低分子状態(炭化水素)に戻し再利用する方法であり、環境負荷がより低減できるリサイクルとして期待されている。そして、プラスチックによく使われるポリオレフィンの多くは、ケミカルリサイクルによってナフサ原料(油化組成物)として回収することができるようになってきている。
【0005】
例えば、特許文献1には、オレフィン系プラスチックと特定量のEVOH樹脂を含むプラスチック廃棄物を熱分解し、生成した熱分解成分を接触分解させ、分解油あるいは分解ガスを回収するプラスチックの化学的再利用方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平5-345894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、特許文献1に開示されているようなEVOH樹脂を含むプラスチック廃棄物を熱分解により油化組成物とした場合、得たい炭化水素だけでなく、高分子状態のプラスチックが低分子化した含窒素化合物、含塩素化合物等の不純物も混入することを見出した。この含窒素化合物、含塩素化合物等の不純物は、油化組成物をナフサクラッキング処理(分解)する際に機器の腐食や分解阻害を引き起こすことがある。したがって、含窒素化合物、含塩素化合物等の不純物の含有割合が低い油化組成物が求められていると考えている。
【0008】
そこで、本発明は、含窒素化合物、含塩素化合物の含有割合が低い油化組成物、及び油化組成物の製造方法、ケミカルリサイクル方法、再生化学原料の製造方法、重合体の製造方法、成形体の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
しかるに、本発明者らはかかる事情に鑑み、EVOH樹脂を含む樹脂組成物を水添熱分解物とすることにより、前記課題が解決できることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
[1] EVOH樹脂を含む樹脂組成物の水添熱分解物を含有する油化組成物であって、前記油化組成物に含まれる酸素原子の割合が、油化組成物に対して1質量%以下である油化組成物。
[2] 前記油化組成物に含まれる窒素原子の割合が、油化組成物に対して0.3質量%以下である、[1]に記載の油化組成物。
[3] 前記油化組成物に含まれる塩素原子の割合が、油化組成物に対して1ppm以下である、[1]または[2]に記載の油化組成物。
[4] 前記水添熱分解物の水素添加率が70%以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の油化組成物。
[5] EVOH樹脂を含む樹脂組成物の水添熱分解物を含有する油化組成物の製造方法であって、EVOH樹脂を含む樹脂組成物を熱分解して、熱分解物を得る工程と、前記熱分解物に水添反応を行い、水添熱分解物を得る工程とを備える、油化組成物の製造方法。
[6] 前記熱分解の温度が240℃~800℃である、[5]に記載の油化組成物の製造方法。
[7] 前記熱分解物を得る工程の後に、蒸留工程を備える、[5]または[6]に記載の油化組成物の製造方法。
[8] 前記蒸留工程において、圧力100mmHg~760mmHgであり、70℃~250℃で蒸留を行う、[7]に記載の油化組成物の製造方法。
[9] 前記油化組成物に含まれる酸素原子の割合が、油化組成物に対して1質量%以下である、[5]~[8]のいずれかに記載の油化組成物の製造方法。
[10] 前記油化組成物に含まれる塩素原子の割合が、油化組成物に対して1ppm以下である、[5]~[9]のいずれかに記載の油化組成物の製造方法。
[11] 前記水添熱分解物の水素添加率が70%以上である、[5]~[10]のいずれかに記載の油化組成物の製造方法。
[12] [5]~[11]のいずれかに記載の油化組成物の製造方法を用いた、ケミカルリサイクル方法。
[13] [5]~[11]のいずれかに記載の油化組成物の製造方法により得られた油化組成物を含むナフサをナフサクラッキング処理して再生化学原料を得る、再生化学原料の製造方法。
[14] 前記再生化学原料がエチレンおよび/またはプロピレンである、[13]に記載の再生化学原料の製造方法。
[15] [13]または[14]に記載の再生化学原料の製造方法により得られた再生化学原料を含む単量体組成物を重合して重合体を得る、重合体の製造方法。
[16] [15]に記載の重合体の製造方法により得られた重合体を含む樹脂組成物を成形して成形体を得る、成形体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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