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公開番号2025156017
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025041088
出願日2025-03-14
発明の名称ミネラル含有中性蛋白質飲料
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23L 2/66 20060101AFI20251002BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】ミネラル含有中性蛋白質飲料において、高い蛋白質の含有量であっても、飲料中のミネラルと蛋白質との凝集を抑制することで、沈殿が抑制された、製造適性や風味が良好なミネラル含有中性蛋白質飲料を提供することを課題とする。
【解決手段】特定の要件を満たす、特性の異なる2種以上の蛋白質素材を組み合わせてミネラル含有中性蛋白質飲料に配合すると、高い蛋白質の含有量であっても、飲料中の沈殿が抑制され、また製造適性や風味が良好となることを見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ミネラルを含む中性蛋白質飲料であって、
下記(ア)及び(イ)の要件を満たす粉末状植物性蛋白質素材Aと、下記(a)の要件を満たす粉末状植物性蛋白質素材Bとを含む、pH5.7~8である、ミネラル含有中性蛋白質飲料。
(ア)該粉末状植物性蛋白質素材Aの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%を超え15%以下
(イ)該粉末状植物性蛋白質素材Aの0.1質量%水分散液(蛋白質換算)を、分光光度計により610nMで測定した時の濁度をY軸、加水分解度をX軸にプロットした時に、下記式を満たす。
Y≦aX(但し、傾きaが0.045である)
(a)該粉末状植物性蛋白質素材Bの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%以下
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
該粉末状植物性蛋白質素材Aと該粉末状植物性蛋白質素材Bの混合比率が、5:95~95:5である、請求項1に記載のミネラル含有中性蛋白質飲料。
【請求項3】
該ミネラル含有中性蛋白質飲料100g中のミネラル含量が10~100mgである、請求項1又は2に記載のミネラル含有中性蛋白質飲料。
【請求項4】
ミネラルを含む中性蛋白質飲料の製造方法であって、下記(P)~(S)の工程を含む、ミネラル含有中性蛋白質飲料の製造方法。
(P)下記(ア)及び(イ)の要件を満たす粉末状植物性蛋白質素材Aを用意する工程、
(P)下記(a)の要件を満たす粉末状植物性蛋白質素材Bを用意する工程、
(Q)該粉末状植物性蛋白質素材Aと該粉末状植物性蛋白質素材B、ミネラル及び水混合し、混合液を得る工程、
(R)該混合液をpH5.7~8に調整する工程、
(S)pHを調整した該混合液を均質化し、加熱殺菌する工程、
(ア)該粉末状植物性蛋白質素材Aの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%を超え15%以下
(イ)該粉末状植物性蛋白質素材Aの0.1質量%水分散液(蛋白質換算)を、分光光度計により610nmで測定した時の濁度をY軸、加水分解度をX軸にプロットした時に、下記式を満たす。
Y≦aX(但し、傾きaが0.045である)
(a)該粉末状植物性蛋白質素材Bの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%以下
【請求項5】
下記(ア)及び(イ)の要件を満たす粉末状植物性蛋白質素材Aと、下記(a)の要件満たす粉末状植物性蛋白質素材Bとを原料として併用することを特徴とする、ミネラル含有中性蛋白質飲料の沈殿を抑制する方法。
(ア)該粉末状植物性蛋白質素材Aの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%を超え15%以下
(イ)該粉末状植物性蛋白質素材Aの0.1質量%水分散液(蛋白質換算)を、分光光度計により610nmで測定した時の濁度をY軸、加水分解度をX軸にプロットした時に、下記式を満たす。
Y≦aX(但し、傾きaが0.045である)
(a)該粉末状植物性蛋白質素材Bの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%以下

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ミネラル含有中性蛋白質飲料に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年の健康や美容への意識の高まり等により、蛋白質を強化した飲料の開発が注目されて久しい。また、生体内で蛋白質、脂質、炭水化物と同様に必須の微量成分であるミネラルも不足しがちな成分であり、ミネラルを強化した飲料も開発されている。蛋白質を配合した飲料の開発において、沈殿の発生が問題となることがある。飲料中に沈殿が発生すると、商品価値が著しく低下するため、沈殿の発生を抑制する技術が必要である。沈殿の発生には、蛋白質が加熱により凝集したものが知られている。そして、カルシウム等を始めとする2価陽イオンを有するミネラルが蛋白質と共存し、加熱されると、ミネラルと蛋白質との凝集も発生する。
【0003】
ミネラルと蛋白質との凝集の発生を抑制する技術が開示されている。特許文献1では、カルシウムの存在下での凝集に対する耐性を高めるために、蛋白質によって運ばれる20%のリジン残基がグリコシル化されている遊離二価カチオンの豊富な液体食品製品の製造が開示されている。特許文献2では、大豆乳化組成物から蛋白質を供給しており、蛋白質を乾物中20質量%以上含み、かつ蛋白質に対する脂質量が100質量%以上である大豆乳化組成物を蛋白質として0.1~6質量%含むこと、蛋白質含量の3質量倍以上の糖及び0.3質量倍以上のアルカリ金属塩を含むこと、pHが6.5以下であること、並びに、該pH値における蛋白質の溶解度が50質量%以上であること、を特徴とする大豆蛋白質含有液状飲食品、が開示されている。 特許文献3には、大豆蛋白分解物を使用した液状流動食が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2008-523803号公報
特許第6565260号公報
特開平10-210951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、蛋白質とカルシウムとの凝集性が減少することが示されているものの、実際の飲料での検討例はなく、どれほどの効果が得られるのか不明である。特許文献2では、酸性の飲食品での効果が示されているが、中性飲料においてミネラルとの凝集が発生するかどうかは示されていなかった。特許文献3では、動物性蛋白質素材と植物性蛋白質素材の両方が必要である上、植物性蛋白質素材の具体的な実施例は開示されていなかった。そのため、どのような植物性蛋白質素材が凝集抑制に寄与しているのか不明である。
【0006】
また、蛋白質はその配合量が多くなるにつれて、その蛋白質を含む溶液の粘度が高くなる傾向にある。該溶液の粘度が高いと、飲料の製造適性が著しく低下することから、蛋白質を含む飲料を製造する上では、粘度にも注意を払わなければならない。
【0007】
よって本発明は、ミネラル含有中性蛋白質飲料において、高い蛋白質の含有量であっても、飲料中のミネラルと蛋白質との凝集を抑制することで、沈殿が抑制された、製造適性や風味が良好なミネラル含有中性蛋白質飲料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定の要件を満たす、特性の異なる2種以上の蛋白質素材を組み合わせてミネラル含有中性蛋白質飲料に配合すると、高い蛋白質の含有量であっても、飲料中の沈殿が抑制され、また製造適性や風味が良好となることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、
[1]ミネラルを含む中性蛋白質飲料であって、
下記(ア)及び(イ)の要件を満たす粉末状植物性蛋白質素材Aと、下記(a)の要件を満たす粉末状植物性蛋白質素材Bとを含む、pH5.7~8である、ミネラル含有中性蛋白質飲料、
(ア)該粉末状植物性蛋白質素材Aの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%を超え15%以下、
(イ)該粉末状植物性蛋白質素材Aの0.1質量%水分散液(蛋白質換算)を、分光光度計により610nmで測定した時の濁度をY軸、加水分解度をX軸にプロットした時に、下記式を満たす、
Y≦aX(但し、傾きaが0.045である)
(a)該粉末状植物性蛋白質素材Bの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%以下、
[2]該粉末状植物性蛋白質素材Aと該粉末状植物性蛋白質素材Bの混合比率が、5:95~95:5である、[1]に記載のミネラル含有中性蛋白質飲料、
[3]該ミネラル含有中性蛋白質飲料100g中のミネラル含量が10~100mgである、[1]又は[2]に記載のミネラル含有中性蛋白質飲料、
[4]ミネラルを含む中性蛋白質飲料の製造方法であって、下記(P)~(T)の工程を含む、ミネラル含有中性蛋白質飲料の製造方法、
(P)下記(ア)及び(イ)の要件を満たす粉末状植物性蛋白質素材Aを用意する工程、
(Q)下記(a)の要件を満たす粉末状植物性蛋白質素材Bを用意する工程、
(R)該粉末状植物性蛋白質素材Aと該粉末状植物性蛋白質素材B、ミネラル及び水を混合し、混合液を得る工程、
(S)該混合液をpH5.7~8に調整する工程、
(T)pHを調整した該混合液を均質化し、加熱殺菌する工程、
(ア)該粉末状植物性蛋白質素材Aの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%を超え15%以下、
(イ)該粉末状植物性蛋白質素材Aの0.1質量%水分散液(蛋白質換算)を、分光光度計により610nmで測定した時の濁度をY軸、加水分解度をX軸にプロットした時に、下記式を満たす、
Y≦aX(但し、傾きaが0.045である)
(a)該粉末状植物性蛋白質素材Bの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%以下、
[5]下記(ア)及び(イ)の要件を満たす粉末状植物性蛋白質素材Aと、下記(a)の要件を満たす粉末状植物性蛋白質素材Bとを原料として併用することを特徴とする、ミネラル含有中性蛋白質飲料の沈殿を抑制する方法、
(ア)該粉末状植物性蛋白質素材Aの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%を超え15%以下、
(イ)該粉末状植物性蛋白質素材Aの0.1質量%水分散液(蛋白質換算)を、分光光度計により610nmで測定した時の濁度をY軸、加水分解度をX軸にプロットした時に、下記式を満たす、
Y≦aX(但し、傾きaが0.045である)
(a)該粉末状植物性蛋白質素材Bの加水分解度が0.22M TCA可溶率として4.5%以下、
に関するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ミネラルと蛋白質との凝集が抑制された中性蛋白質飲料を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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