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公開番号2025133244
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024031071
出願日2024-03-01
発明の名称炭酸カルシウムの製造方法および炭酸カルシウム
出願人白石工業株式会社
代理人弁理士法人グローバル・アイピー東京
主分類C01F 11/18 20060101AFI20250904BHJP(無機化学)
要約【課題】アラゴナイト含有率が高く、粒子のサイズの小さい炭酸カルシウムを効率的に製造する方法および炭酸カルシウムを提供する。
【解決手段】濃度10-23質量%の水酸化カルシウム水分散体を用意し、水酸化カルシウム水分散体中に存在する水酸化カルシウムの固形分質量に対して5.0質量部以上のストロンチウム化合物を添加して、ストロンチウム化合物を含む水酸化カルシウム水分散体を得、ストロンチウム化合物を含む水酸化カルシウム水分散体に、濃度5-24質量%の炭酸ナトリウム水溶液を添加して、炭酸カルシウムを得る、炭酸カルシウムの製造方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
濃度10-23質量%の水酸化カルシウム水分散体を用意し、
水酸化カルシウム水分散体中に存在する水酸化カルシウムの固形分質量に対して5.0質量部以上のストロンチウム化合物を添加して、ストロンチウム化合物を含む水酸化カルシウム水分散体を得、
ストロンチウム化合物を含む水酸化カルシウム水分散体に、濃度5-24質量%の炭酸ナトリウム水溶液を添加して、炭酸カルシウムを得る、炭酸カルシウムの製造方法。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
ストロンチウム化合物が、塩化ストロンチウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、およびこれらの2以上の混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
製造される炭酸カルシウムが、アラゴナイト系炭酸カルシウムを主成分として含む、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
アラゴナイト系炭酸カルシウムの含有率が99質量%以上である、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
製造される炭酸カルシウムのBET比表面積が、10-20m

/gである、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
一次粒子のBET比表面積が10-20m

/gであり、アスペクト比が10-20であり、アラゴナイト系炭酸カルシウムの含有率が99質量%以上である、炭酸カルシウム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸カルシウムを製造する方法および炭酸カルシウムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
炭酸カルシウム(CaCO

)は、各種工業製品の基材や填料として用いられるほか農業や食品の分野でも広く利用されている。炭酸カルシウムの合成方法として、種々の方法が知られており、目的とする炭酸カルシウムに応じて方法を選択することができる。
【0003】
炭酸カルシウムには主な結晶多形として、カルサイト、アラゴナイト、バテライトがある。これらのうちアラゴナイトは、針状の粒子であり、他の結晶多形よりも密度や屈折率が高いことが知られている。そこで、アラゴナイトの持つ光学的異方性や物理的特性を活かして新たな用途の展開が期待されている。ところが、アラゴナイトは準安定相であり、長期保管時に相転移してカルサイトに転換されてしまうことがある。特にアラゴナイトにカルサイトが含まれている場合、アラゴナイトからカルサイトへの相転移は加速される。
【0004】
一方、合成された炭酸カルシウムは、無機充填剤として、紙、ゴム、シーリング材料、プラスチック等に適用されている。炭酸カルシウムは、たとえば、紙に充填することで、紙の白色度や不透明度を向上させたり、ゴムに添加することで、ゴムの力学的強度や耐摩耗性を改善したりすることができる。また炭酸カルシウムをシーリング材料に添加することで、シーリング材料の粘度やチキソ性(チクソ性)を調整することができ、炭酸カルシウムをプラスチックに添加すると、プラスチックの力学的強度の向上や熱特性の調整を行うことができる。このように、炭酸カルシウムの各種用途に応じた所望の粒子径やBET比表面積、ならびに所望の結晶形を有するものを作り分ける試みが多数行われ、特にアラゴナイトを製造する方法も提案されている。
【0005】
特許文献1には、アラゴナイト系炭酸カルシウムを生成させることを特徴とする炭酸カルシウムの製造方法が開示されている。特許文献1に開示される方法は、濃度8-40重量%、温度15-60℃の水酸化カルシウム水懸濁液に炭酸ガス(二酸化炭素)を導入して炭酸化反応を行う、いわゆる炭酸ガス法による炭酸カルシウムの製造方法であり、結晶核形成剤を存在させて反応を行うことを提案する。
また本発明者らは、苛性化法を利用してアラゴナイト含有率の非常に高い炭酸カルシウムを製造する方法を提案した(特許文献2)。当該方法では、一次粒子のBET比表面積が15m

/g以下の比較的大きな粒子を作ることができる。しかしながらBET比表面積が15m

/g以上の小さい粒子を作ることは難しかった。一般的に炭酸カルシウムの粒子のサイズは、合成時の温度と相関することが知られており、温度を低くして合成すると粒子は小さくなる傾向がある。ところが、低い温度で合成すると、アラゴナイト含有率も低下するおそれがある。このように、高いアラゴナイト含有率と、小さい粒子サイズとを併せ持つ炭酸カルシウムを製造する方法の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭59-223225号公報
特願2022-162355
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、高いアラゴナイト含有率と、小さい粒子サイズとを有する炭酸カルシウムを製造する新規な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、濃度10-23質量%の水酸化カルシウム水分散体を用意し、
水酸化カルシウム水分散体中に存在する水酸化カルシウムの固形分質量に対して5.0質量部以上のストロンチウム化合物を添加して、ストロンチウム化合物を含む水酸化カルシウム水分散体を得、
ストロンチウム化合物を含む水酸化カルシウム水分散体に、濃度5-24質量%の炭酸ナトリウム水溶液を添加して、炭酸カルシウムを得る、炭酸カルシウムの製造方法である。
【0009】
ここでストロンチウム化合物が、塩化ストロンチウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、およびこれらの2以上の混合物からなる群より選択されることが好ましい。
製造される炭酸カルシウムが、アラゴナイト系炭酸カルシウムを主成分として含むことが好ましい。
アラゴナイト系炭酸カルシウムの含有率が99質量%以上であることが好ましい。
製造される炭酸カルシウムのBET比表面積が、10.0-20.0m

/gであることが好ましい。
【0010】
本発明は、一次粒子のBET比表面積が10.0-20.0m

/gであり、アスペクト比が10-20であり、アラゴナイト系炭酸カルシウムの含有率が99質量%以上である、炭酸カルシウムである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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