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公開番号2025133306
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024031180
出願日2024-03-01
発明の名称収音装置
出願人WHISMR合同会社
代理人
主分類H04R 5/027 20060101AFI20250904BHJP(電気通信技術)
要約【課題】頭部構造物を持たないバイノーラル収音装置であっても、正面方向音源の鼻部からの両耳への伝達特性を含む収音を可能とし、正面方向音像の質や音質を改善する収音装置を提供する。
【解決手段】収音システムは、左右両耳に置かれた第1のマイクロフォン部103と、両耳間中間部におかれた第2のマイクロフォン104と、第2のマイクロフォン104によって検出された正面方向音源からの鼻部に伝搬する音声信号に対し人間の鼻部から鼓膜に至る伝達特性を付加するフィルタ処理部111及びマイクロフォン部103からの左右のマイクロフォン出力信号とフィルタ処理部111の出力信号とを合成する合成処理部である加算部115を備えるデジタル信号処理部114を含む信号処理部110と、を有する。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
人間の左右耳介を模した耳介部を含む左右1対の耳介構造部と、上記左右耳介構造部を一定間隔で保持し連結する連結部と、上記左右耳介構造部に設置された左右一対のマイクロフォンとからなる収音システムであって、
正面方向音源から上記マイクロフォンの左右中間点に伝達する音声信号を検出する検出手段と、検出された音声信号に対し人間の鼻部から鼓膜に至る伝達特性を付加するフィルタ処理部と、フィルタ処理部の出力信号が、上記左右のマイクロフォン出力信号と合成される合成処理部とを設けた事を特徴とする収音システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記検出手段は、前記左右一対のマイクロフォンの左右中間点に設けられた第2のマイクロフォンであることを特徴とする請求項1記載の収音システム。
【請求項3】
前記検出手段は、前記左右一対のマイクロフォン出力信号から正面方向音源信号を抽出する正面音源抽出処理である事を特徴とする請求項1記載の収音システム。
【請求項4】
前記検出手段及び前記フィルタ処理部は、前記左右1対の耳介構造部間に脱着でき、高さが前記耳介部上下長より長く、装着時に正面方向先端部から上記耳介部内の耳孔位置までの距離が120mm以上200mm以下である半円柱状構造物である事を特徴とする請求項1記載の収音システム。
【請求項5】
前記検出手段は、正面方向音源から前記左右一対のマイクロフォンに至る第1の伝達特性であり、
前記フィルタ処理部は、上記第1の伝達特性と、リスナの正面方向音源からリスナの左右耳孔に至る第2の伝達特性の差分である事を特徴とする請求項1記載の収音システム。
【請求項6】
リスナの左右耳孔内に脱着できる外部マイクロフォン部と、テスト信号を外部スピーカに出力するスピーカ出力部と、上記外部スピーカから外部マイクロフォンまでの伝達特性を測定する測定手段とからなる測定部を設け、前期第2の伝達特性は、上記測定部により求める事を特徴とする請求項5記載の収音システム。
【請求項7】
前記人間の鼻部から鼓膜に至る伝達特性は、少なくとも鼻部から耳孔部までの顔表面の回折波による伝達特性を含む事を特徴とする請求項1~6記載の収音システム。
【請求項8】
前記人間の鼻部から鼓膜に至る伝達特性は、少なくとも人間の鼻孔部から、鼻腔、耳管、鼓室を経由して鼓膜に至る体内の伝達特性を含む事を特徴とする請求項1~6記載の収音システム。
【請求項9】
人間の左右耳孔内に挿入する左右一対の挿耳型マイクロフォンによる収音システムにおいて、
正面方向音源から上記左右耳孔中間点に伝達する音声信号を検出する検出手段と、検出された音声信号に対し人間の鼻部から鼓膜に至る伝達特性を付加するフィルタ処理部と、フィルタ処理部の出力信号が、上記左右のマイクロフォン出力信号と合成される合成処理部とを設けた事を特徴とする収音システム。
【請求項10】
人間の左右耳介を模した耳介部を含む左右1対の耳介構造部と、上記左右耳介構造部を保持し連結する連結部と、上記左右耳介構造部に設置された左右一対のマイクロフォンとからなる収音システムであって、
連結部は伸縮できる様にした事を特徴とする収音システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ステレオマイクロフォン収音装置に於いて、人間の左右耳介を模した耳介部を含む左右一対の耳介構造部を有し、耳介構造部にマイクロフォンを設置する事により、立体的音響を収音可能とするバイノーラル収音装置に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
バイノーラル収音装置は人間の左右の耳介構造を模したマイクロフォンによる収音システムで、収音されたステレオ音声を、ステレオヘッドホン等を用いて聴いた場合、一般的な2チャンネルマイクによるステレオ収音に比べ、実際にリスナがその場にいるような臨場感のある音を聴く事が可能なシステムである。
【0003】
従来の耳介部を有するバイノーラル収音装置は、形状に応じて大きく2種類に分けられる。第1の形状は図1に示す様に左右一対のマイクロフォン部12が設置される耳介部10を持つだけでなく、頭部11すなわち人間の鼻や顔など頭の構造まで有する、いわゆるダミーヘッドマイクロフォンとよばれるものである。この形状のマイクロフォンでは、図3に示す様に正面方向の音源Sからの音の伝搬は、音源Sから両耳El 、Erへの直接波の伝搬Hsl
1、
Hsr
1
だけでなく、音源Sから鼻部1に当たり、鼻や顔表面で回折して両耳に至る回折波による伝搬Hsdl
1
、Hsdr
1
も収音する事から、特に正面方向から高い精度での収音が可能となる。一方で頭部11を有する事から、形状として大きく、また実頭を模した形状の為、人によっては不気味さなどネガティブな感情を与える場合もあり、取り扱いが面倒であるという課題があった。
【0004】
次に図2に第2の形状を示す。第2の形状は、耳介部10を含む耳介部構造13のみを持ち、鼻や顔面に相当する頭部構造を持たず、左右の耳介構造部13は、棒形状や、直方体ケースなどによる連結部14で連結されるものである。この場合、連結部14を小さくすることで、軽量、小型化でき、収納性もよく取り扱いが簡易であるという利点がある。しかしながら、図4に示す様に、正面方向音源Sからの音の伝搬は音源Sから両耳介マイクロフォンへの直接波Hsl
2
、Hsr
2
が主体であり、両耳間中央に到達する音波Hcはほとんどがそのまま通過し、顔面などからの回折波Hsdl
2
、Hsdr
2
は相対的にレベルが小さいか、あるいは、頭部構造による回折の伝達特性とは全く異なる特性になる。この為、特に正面方向音源からの収音精度が劣り、正面方向音像がぼける、いわゆる音像定位の「中抜け」現象が起きるという問題があった。
【0005】
また、これらの従来例における、共通の課題として、特に正面方向音源の収音に関して、リスナが自分の耳で聴く場合と比べて、音像の定位位置、音像の質、さらには音色などが異なる事が知られている。この様なリスナが自分の耳で聴く音との違いは、複数の要因が関係する。例えば、第1の要因として収音するバイノーラル収音装置と、リスナの耳あるいは頭部の形状が異なる事があげられる。また、第2の要因として従来のバイノーラル収音装置の収音システムが、リスナが音を認識する全ての音響伝搬経路を網羅できていない事などがあげられる。
【0006】
前者のバイノーラル収音装置と、リスナの耳介部あるいは頭部の形状が異なる問題に関しては、リスナの耳孔内あるいは耳近傍にマイクロフォンを直接装着する方法がある。この方法によれば、音源から両耳までの伝達特性はリスナの特性がそのまま反映される事になるので、同じリスナがそのままヘッドホンを用い収音された音を聴く場合は、音像定位や音質再現性に優れ、リスナが実際にその場で聴いている音に近い収音を実現する事が出来る。しかし、この様にリスナ自身にマイクロフォンを装着する方法は、通常マイクロフォン位置が頭の動きに応じて動いてしまい、方向を固定した収音が困難である、リスナの動きに応じたノイズが混入し易いという問題がある。
【0007】
後者の、音源からリスナの両耳に至る音波の伝搬の経路は、必ずしも人間の外部、すなわち頭部や耳介の外側を通り鼓膜に至る経路だけではない。例えば、軟骨伝導と呼ばれる音の伝搬では、人間の耳介近傍の皮膚に対する音の振動が耳介近傍の軟骨に伝搬され、人体内を伝搬した後、外耳道壁から放射されて鼓膜に到達する事が知られている。また、鼻孔部は鼻腔、耳管、鼓室を通して鼓膜に繋がっており、鼻孔からの音波も知覚に関与している。この様に、人間が音を知覚する場合、人体内部を伝搬して知覚される音の伝搬経路がある。特に鼻孔からの音響入力信号は、正面方向音源からの音波が主体となり、正面方向の音源の再現性に大きく影響するものと考えられる。
近時、新型コロナウイルスの流行等マスクを装着する機会が増え、改めて人体内音波伝搬の影響が認識されつつある。すなわち、マスク装着時はマスク非装着時に比べ音の明瞭度や、音像定位感が損なわれる事が指摘され、鼻孔からの入力される音響信号の伝搬は、マスクによる鼻部形状の差異と合わせてその要因の一つと考えられる。
【0008】
しかしながら、従来バイノーラル収音システムでは、この様な人体内部の音響信号の伝搬は考慮されなかった。例えば図3に図1の従来例における音源Sからマイクロフォン部12までの音の伝搬経路を示したが、この例では、両耳での音圧Pl
1
Pr
1
は音源Sから両耳への直接波の伝達特性をHsl
1
Hsr
1
及び、音源Sから鼻部1に当たり、鼻や顔表面で回折して耳に至る回折波による伝達特性をHsdl
1
、Hsdr
1
とすると、これらの合成特性であり、実際に左右の耳介構造部に置かれたマイクロフォンで収音される音声信号は、
(数1)
Pl
1
= (Hsl
1
+Hsc
1
)×S ・・・(1)
(数2)
Pr
1
= (Hsr
1
+Hsc
1
)×S ・・・(2)
となる。この例では、正面方向音源Sからの音響信号は、頭部構造の、顔面部や鼻部1による回折成分を収音信号に含める事ができ、特に正面方向音源の収音では図2による従来例に比べて改善する。
しかしながら、この方法においても、音源から両耳に至る人体外側の音響信号の伝搬のみを収音するものであり、鼻孔部から入力される体内を通過し伝搬される音響信号の収音は無く、依然として正面方向の音源の再現性においては、十分とは言えなかった。
【0009】
更に、図4に図2の従来例における音源Sからマイクロフォンまでの音の伝搬経路では、正面方向音源Sからマイクロフォンへの伝達特性をHsl
2
、Hsr
2
とすると、鼻孔部から入力される体内を通過し伝搬される音響信号の収音だけでなく、連結部での回折波もほとんど収音できず、両耳マイクロフォンでの音圧Pl
2
Pr
2
は近似的に次式で表される。
(数3)
Pl
2
= (Hsl
2
)×S ・・・(3)
(数4)
Pr
2
= (Hsr
2
)×S ・・・(4)
すなわち、音源Sから両耳マイクロフォンの左右中間点に放射された音波Hcは両耳に置かれたマイクロフォンではほとんど収音されず、正面方向音源の中抜け現象など再現性の要因となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上述べたように、バイノーラル収音装置の形状において、耳介構造だけでなく、頭部構造まで模擬した形状のバイノーラル収音装置では、正面方向音源からの収音は、頭部による回折信号を含め収音できるが、頭部構造物を持つことで、形状が大きく、重量が増加するだけでなく、球状の形状の為、取り扱いが面倒であるという問題があった。また実頭に似た形状から、聴衆の中で使用する場合など不気味さなどネガティブな感情を与える場合があるという課題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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