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公開番号2025133730
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2025032150
出願日2025-02-28
発明の名称タンパク質間相互作用を可視化する方法
出願人国立大学法人大阪大学
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類G01N 33/536 20060101AFI20250904BHJP(測定;試験)
要約【課題】タンパク質間相互作用を可逆的に、簡便な操作でイメージングできる、タンパク質間相互作用を可視化する方法の提供を目的とする。
【解決手段】タンパク質間相互作用を可視化する方法であって、タンパク質の標識用タグとして、匂い分子結合タンパク質(OBP)、プローブとして、OBPに特異的に結合する蛍光化合物を用いて新しいタイプのタンパク質相互作用を可視化する方法。プローブは、下記式(I)の化合物またはその塩である、方法。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
タンパク質間相互作用を可視化する方法であって、
前記方法は、
(1)任意にN-カドヘリンを介して標識用タグが結合されたタンパク質(B)に、前記標識用タグと結合する部位およびOBP(Odorant binding protein)またはOBP変異体と結合する部位を有するプローブを適用して前記タンパク質(B)の標識用タグと前記プローブの前記標識用タグと結合する部位とを共有結合させる工程、
(2)工程(1)で得られた前記標識用タグと結合する部位と前記標識用タグの結合を介して前記プローブが結合された前記タンパク質(B)へ、任意にN-カドヘリンを介してOBPまたはOBP変異体が結合されたタンパク質(A)を適用して、前記タンパク質(A)と前記タンパク質(B)とが相互作用した場合、前記タンパク質(A)のOBPまたはOBP変異体と、前記タンパク質(B)の前記プローブの前記OBPまたはOBP変異体と結合する部位とが解離定数0.1~100μMの強度で結合して、蛍光を発する工程、
(3)前記蛍光を検出することにより、前記タンパク質(A)と前記タンパク質(B)の相互作用を可視化する工程を含み、
前記標識用タグは、HaloTag、SNAP-Tagまたはストレプトアビジンであり、
前記プローブは、下記式(I)の化合物またはその塩である、方法。
JPEG
2025133730000055.jpg
26
159
式中、R
1
は、以下の式(i)、式(ii)または式(iii)で表され、
JPEG
2025133730000056.jpg
34
159
(なお、式中、*は結合位置を表す)
Rは、-NR
a

b
、-CH
2
COOHまたは
JPEG
2025133730000057.jpg
11
159
であり(R
a
およびR
b
は、互いに独立して炭素数1~6のアルキル基である)、
Yは、OまたはSであり、

1
は、-(CH
2

m
-またはCOOR
c
で置換された-(CH
2

m
-であり(R
c
は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基または-O-C(=O)-CH
3
で置換された炭素数1~6のアルキル基であり、mは、1~8の整数である)

2
は、-CO-NH-または-NH-CO-であり、

3
は、-X-(CH
2
CH
2
O)
L
-(CH
2

T
-であり(Xは結合手または-CH
2
O-であり、Lは1~10の整数であり、Tは1~4の整数である。)、

4
は、以下の式(xi)、式(xii)または式(xiii)で表される(nは、1~12の整数である。*は結合位置を表す。)。
JPEG
2025133730000058.jpg
75
159
続きを表示(約 3,200 文字)【請求項2】
式(I)の化合物またはその塩を含む、請求項1の方法に用いるための組成物。
JPEG
2025133730000059.jpg
25
159
式中、R
1
は、以下の式(i)、式(ii)または式(iii)で表され、
JPEG
2025133730000060.jpg
36
159
(なお、式中、*は結合位置を表す)
Rは、-NR
a

b
、-CH
2
COOHまたは
JPEG
2025133730000061.jpg
12
159
であり(R
a
およびR
b
は、互いに独立して炭素数1~6のアルキル基である)、
Yは、OまたはSであり、

1
は、-(CH
2

m
-またはCOOR
c
で置換された-(CH
2

m
-であり(R
c
は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基または-O-C(=O)-CH
3
で置換された炭素数1~6のアルキル基であり、mは、1~8の整数である)

2
は、-CO-NH-または-NH-CO-であり、

3
は、-X-(CH
2
CH
2
O)
L
-(CH
2

T
-であり(Xは結合手または-CH
2
O-であり、Lは1~10の整数であり、Tは1~4の整数である。)、

4
は、以下の式(xi)、式(xii)または式(xiii)で表される(nは、1~12の整数である。*は結合位置を表す。)。
JPEG
2025133730000062.jpg
75
159
【請求項3】
前記標識用タグが、HaloTagであり、前記プローブが、Z
4
が式(xi)で表される式(I)の化合物である請求項2に記載の組成物と、プラスミドまたはベクターとを含むタンパク質間相互作用を可視化する方法用キットであって、
前記プラスミドまたはベクターは、OBP(Odorant binding protein)もしくはOBP変異体が結合されたタンパク質を発現させるためのプラスミド又はベクターであり、
前記プラスミドまたはベクターは、
1)前記タンパク質を発現させるための塩基配列、および
2-1)配列表の配列番号6、配列番号17または配列番号18で表される塩基配列、2-2)配列表の配列番号20で表される塩基配列において、第1番目から第45番目の塩基が欠失した塩基配列であって、前記OBPまたはOBP変異体は、前記式(I)の化合物またはその塩と解離定数0.1~100μMの強度で結合する塩基配列であるか、または
2-3)上記1)または2)の塩基配列のいずれかの塩基配列の1~数個の塩基が欠失、置換、又は付加された塩基配列であって、前記OBPまたはOBP変異体は、前記式(I)の化合物またはその塩と解離定数0.1~100μMの強度で結合する塩基配列
を含むプラスミドまたはベクターであるキット。
JPEG
2025133730000063.jpg
26
159
式中、R
1
は、以下の式(i)、式(ii)または式(iii)で表され、
JPEG
2025133730000064.jpg
35
159
(なお、式中、*は結合位置を表す)
Rは、-NR
a

b
、-CH
2
COOHまたは
JPEG
2025133730000065.jpg
10
159
であり(R
a
およびR
b
は、互いに独立して炭素数1~6のアルキル基である)、
Yは、OまたはSであり、

1
は、-(CH
2

m
-またはCOOR
c
で置換された-(CH
2

m
-であり(R
c
は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基または-O-C(=O)-CH
3
で置換された炭素数1~6のアルキル基であり、mは、1~8の整数である)

2
は、-CO-NH-または-NH-CO-であり、

3
は、-X-(CH
2
CH
2
O)
L
-(CH
2

T
-であり(Xは結合手または-CH
2
O-であり、Lは1~10の整数であり、Tは1~4の整数である。)、

4
は、以下の式(xi)、式(xii)または式(xiii)で表される(nは、1~12の整数である。*は結合位置を表す。)。
JPEG
2025133730000066.jpg
75
159
【請求項4】
式(I)の化合物またはその塩。
JPEG
2025133730000067.jpg
26
159
式中、R
1
は、以下の式(i)、式(ii)または式(iii)で表され、
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2025133730000068.jpg
35
159
(なお、式中、*は結合位置を表す)
Rは、-NR
a

b
、-CH
2
COOHまたは
JPEG
2025133730000069.jpg
11
159
であり(R
a
およびR
b
は、互いに独立して炭素数1~6のアルキル基である)、
Yは、OまたはSであり、

1
は、-(CH
2

m
-またはCOOR
c
で置換された-(CH
2

m
-であり(R
c
は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基または-O-C(=O)-CH
3
で置換された炭素数1~6のアルキル基であり、mは、1~8の整数である)

2
は、-CO-NH-または-NH-CO-であり、

3
は、-X-(CH
2
CH
2
O)
L
-(CH
2

T
-であり(Xは結合手または-CH
2
O-であり、Lは1~10の整数であり、Tは1~4の整数である。)、

4
は、以下の式(xi)、式(xii)または式(xiii)で表される(nは、1~12の整数である。*は結合位置を表す。)。
JPEG
2025133730000070.jpg
75
159

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質間相互作用を可視化する方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
タンパク質間相互作用は細胞内のシグナル伝達、タンパク質の合成、分解、あるいは細胞間相互作用において重要な役割を果たしている。そのため、タンパク質間相互作用を解析する手法が開発されてきた。そのような手法として、免疫沈降法、プルダウンアッセイなどの生化学的手法は古くから行われてきた。しかし、これらの手法は、原理として破砕された細胞を使っているため、生きた状態でタンパク質間相互作用の時空間的な変化を調べることができない。
【0003】
一方で、光イメージングをベースとした解析法は生きた細胞内で時空間的な分布の変化を蛍光や化学発光のシグナルとして検出するため、動態解析に有用なツールである。タンパク質間相互作用をイメージングする方法として、FRET(Forster resonance energy transfer)法とBiFC(Bimolecular fluorescence complementation)方が知られている。FRET法は相互作用する二つのタンパク質にFRETのドナー、アクセプターとなる蛍光タンパク質を融合発現し、相互作用による距離の変化を蛍光シグナル比として検出する(非特許文献1)。しかしながら、FRET法では、蛍光シグナルの検出波長間の漏れ込み、発現量の差に由来して擬陽性が出やすく、結果の解釈が困難である。
【0004】
BiFC法は相互作用することで2つに割った蛍光タンパク質(発光タンパク質)の再構成が起こり、発光する仕組みを利用したものである(非特許文献2)。しかしながら、BiFC法において、再構成は非可逆的に起こるため、原則として解離の過程を見ることができないこと、また自発的な再構成によって本来の相互作用への影響が生じるという問題点がある。加えて、BiFC法においても、蛍光(発光)タンパク質の発現量を適切にコントロールするための煩雑な最適化作業が必要となる。
【0005】
したがって、タンパク質間相互作用を可逆的に、簡便な操作でイメージングできる手法が望まれていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
S.M. Fernandez & R.D. Berlin, Nature 1976, 264, 411., N.P. Mahajan et al. Nat. Biotechnol. 1998, 16, 547.
T. Ozawa et al. Anal. Chem. 2000, 72, 5151., T. Ozawa et al. Anal. Chem. 2001, 73, 2516., A.G. Tebo & A. Gautier, Nat. Commun. 2019, 10, 2822.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、タンパク質間相互作用を可逆的に、簡便な操作でイメージングできる、タンパク質間相互作用を可視化する方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記タンパク質の標識用タグとして、匂い分子結合タンパク質(Odorant binding protein,OBP)及びその変異体を、開発している(特願2023-34762)。また、プローブとして、OBPに特異的に結合する化合物を開発した。これらのプローブは、水溶液中では蛍光を発光しないが、標識用タグと結合することにより強度の強い蛍光を発する。また、この蛍光は標識用タグであるOBPと結合後、水溶液中で高い光安定性を示す。さらに、このプローブと標識用タグの結合は、解離定数がμM前後であり、結合および解離の速度が速い。
【0009】
また、標識用タグとして、対象とするタンパク質と融合させることで、そのタンパク質の細胞内解析や生化学的解析に利用できるHaloTagタンパク質(登録商標、プロメガ社)(G.V. Los et al. ACS Chem. Biol. 2008, 3, 373.)が知られている。このHaloTagタンパク質は、ロドコッカス・ロドクラウスのハロアルカンデヒドロゲナーゼをコードするDhaA遺伝子に由来する、297アミノ酸残基からなるタンパク質タグである。このHaloTagは、外因的に添加される合成リガンド(基質)と共有結合を触媒する自己標識化タンパク質タグとして知られており、蛍光色素等で標識されたクロロアルカン基質を含むリンカーをリガンドに利用して、不可逆的に結合させることができる。さらに標識用タグとしては、SNAP-Tagまたはストレプトアビジンが公知である。
【0010】
本発明者らは、前記OBPまたはOBP変異体と、前記標識用タグの両者を利用した、新しいタイプのタンパク質相互作用を可視化する方法を完成した。
(【0011】以降は省略されています)

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