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公開番号2025092159
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2023207869
出願日2023-12-08
発明の名称多者間量子鍵配送システムおよび方法
出願人日本電信電話株式会社,国立大学法人大阪大学
代理人弁理士法人谷・阿部特許事務所
主分類H04L 9/12 20060101AFI20250612BHJP(電気通信技術)
要約【課題】本開示は、多光子量子もつれ状態を用いることなく、一度の信号送受信で3者以上の多者に共通の秘密鍵を配送するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】位相変調された超微弱コヒーレントパルス列を複数の受信ノードに同報送信する送信ノードと、送信ノードとスター型トポロジー状に接続される複数の受信ノードと、を含み、受信ノードは、送信されたコヒーレントパルス列を分岐し、遅延時間がコヒーレントパルス列の間隔に等しく、伝送位相差が0である干渉計と、干渉計から出力される光子を検出する第1の光子検出器及び第2の光子検出器と、上記光子検出器において検出された光子に係る情報を、他の受信ノードと共有する第2の制御部と、を備え、送信ノード及び受信ノードは、受信ノードが測定した隣接パルス間位相差のうちの、各受信ノードが共通して測定した位相差から、秘密鍵ビットを生成するシステムを提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
多者間量子鍵配送システムであって、
平均光子数が1光子/パルス未満であり、かつ隣接するパルス間の位相差が0またはπのいずれかである超微弱コヒーレントパルス列を第1の制御部により複数の受信ノードに同報送信する送信ノードと、
前記送信ノードとスター型トポロジー状に接続され、送信された前記コヒーレントパルス列を受信する前記複数の受信ノードと、を含み、
前記受信ノードは、
送信された前記コヒーレントパルス列を分岐し、遅延時間が前記コヒーレントパルス列の間隔に等しく、伝送位相差が0である干渉計と、
前記干渉計から出力される光子を検出する第1の光子検出器及び第2の光子検出器と、
前記第1の光子検出器及び第2の光子検出器において検出された光子に係る情報を、当該光子を検出した前記第1の光子検出器及び第2の光子検出器のいずれかに対応付けて記録し、他の受信ノードと共有する第2の制御部と、を備え、
前記送信ノード及び前記受信ノードは、前記受信ノードが測定した隣接パルス間位相差のうちの、各受信ノードが共通して測定した位相差から、秘密鍵ビットを生成する
ことを特徴とする多者間量子鍵配送システム。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記干渉計は、マッハツェンダー干渉計であり、入力された前記コヒーレントパルス列を分岐する分岐器と、前記分岐器によって分岐された前記コヒーレントパルス列のうちの非遅延パルス列と、当該非遅延パルス列に対して遅延を有する遅延パルス列とを結合して干渉させる結合器と、を備え、前記第1の光子検出器及び第2の光子検出器は、前記結合器において干渉した前記非遅延パルス列と前記遅延パルス列との位相差に応じた前記光子を検出する、請求項1に記載の多者間量子鍵配送システム。
【請求項3】
前記送信ノードは、前記コヒーレントパルス列を生成する光を出射するレーザ光源を含む、請求項1または2に記載の多者間量子鍵配送システム。
【請求項4】
多者間量子鍵を配送する方法であって、
送信ノードが、平均光子数が1光子/パルス未満であり、かつ隣接するパルス間の位相差が0またはπのいずれかである超微弱コヒーレントパルス列を生成するステップと、
前記送信ノードが、生成された前記コヒーレントパルス列を複数の受信ノードに同報送信するステップと、
干渉計で分岐され、重ね合わせされた前記コヒーレントパルス列を検出するステップと、
前記複数の受信ノードが、検出された前記コヒーレントパルス列の位相差に基づいて、ビットを生成するステップと、
検出された前記コヒーレントパルス列を全ノードに知らせるステップと、
他の受信ノードと同じパルスから生成したビットを残し、不一致のビットは廃棄する、ビットを選別するステップと、
前記送信ノードが、検出された前記コヒーレントパルス列の位相差に基づいて、ビットを生成するステップと、
を含む方法。
【請求項5】
前記送信ノードがビットを生成する前記ステップは、前記複数の受信ノードがビットを生成する前記ステップと同時に、または前に行われる、請求項4に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、暗号システムに関し、具体的には、3以上の複数ノードに秘密鍵を配送する多者間量子鍵配送システムに関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
暗号通信を行う2者に通信データを暗号化・復号化するための共通秘密鍵を安全に供給するシステムとして、量子暗号または量子鍵配送(Quantum Key Distribution:QKD)の研究開発が進められている。さらに、この拡張版として、3者以上の多者に共通秘密鍵を供給する多者間QKDの研究も進められている。
【0003】
2者間QKDを多者間に拡張する直接的な手法は、ひとつのセンターノードが他の端末ノードと2者間QKDにより秘密鍵を個別に共有し、センターノードが、その秘密鍵を用いて共通の秘密鍵を端末ノードに暗号化して送信する方法である。
【0004】
しかしながらこの方法では、第一段階として2者間QKDを行うことになり、最終的に共通秘密鍵を得る手順が煩雑である。そこで、量子もつれと呼ばれる特殊な量子状態を用いて、一度の信号送受信で多数ノードが共通秘密鍵を得る多者間QKDの研究が進められている。非特許文献1には、量子もつれを用いて多者間QKDを実施する技術について記載されている。以下に、一般的な量子鍵配送システムおよび量子もつれ状態を用いて共通秘密鍵配送システムについて簡単に説明する。
【0005】
量子もつれ状態とは、特殊な相関特性を備えた複数の量子(例えば光子)からなる量子状態である。代表的なものとして、量子力学的表記により次の式1で表される2光子状態が挙げられる。
【0006】
JPEG
2025092159000002.jpg
13
83
【0007】
式1において、|H>は横直線偏波である1光子状態、|V>は縦直線偏波である1光子状態、を表し、添え字の{1,2}はそれぞれ{光子1、光子2}であることを示す。また、|H>
1
|H>
2
は2つの光子がともに横直線偏波、|V>
1
|V>
2
は2つの光子がとも縦直線偏波、であることを表す。
【0008】
式1で表される状態は、|H>
1
|H>
2
と|V>
1
|V>
2
の量子力学的重ね合わせ状態となっており、観測前は|H>
1
|H>
2
と|V>
1
|V>
2
のいずれであるか不定であるが、観測するとどちらかの状態として観測される、という性質を備えている。
【0009】
式1で表されているのは2光子の量子もつれ状態であるが、この拡張版として、次の式2で表されるような、N光子量子もつれ状態が考えられる。
【0010】
JPEG
2025092159000003.jpg
12
112
(【0011】以降は省略されています)

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