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公開番号2025146598
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024150072
出願日2024-08-30
発明の名称鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法及び解析装置
出願人清水建設株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類G06F 30/20 20200101AFI20250926BHJP(計算;計数)
要約【課題】鉄筋コンクリート遮蔽壁の鉄筋による遮蔽効果を簡易に評価することができる鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法及び解析装置を提供する。
【解決手段】面線源20から鉄筋コンクリート遮蔽壁10に照射される放射線エネルギー、鉄筋の鉄筋径、鉄筋の配筋ピッチの各要素のうち少なくとも1以上の要素を変数とし、放射線の3次元モンテカルロ輸送計算コードにより、鉄筋が配筋されないコンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量と、該コンクリート遮蔽壁に鉄筋が配筋された鉄筋コンクリート遮蔽壁10の放射線漏洩線量を求め、コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量に対する鉄筋コンクリート遮蔽壁10の放射線漏洩線量の減少率を求め、1以上の要素に対する鉄筋コンクリート遮蔽壁10の放射線漏洩線量の減少率の関係をもとに鉄筋による放射線漏洩線量の減少率を評価する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄筋コンクリート遮蔽壁に配筋される鉄筋の放射線漏洩線量の減少率を評価する鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法であって、
面線源から前記鉄筋コンクリート遮蔽壁に照射される放射線エネルギー、前記鉄筋の鉄筋径、前記鉄筋の配筋ピッチの各要素のうち少なくとも1以上の要素を変数とし、放射線の3次元モンテカルロ輸送計算コードにより、鉄筋が配筋されないコンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量と、該コンクリート遮蔽壁に鉄筋が配筋された前記鉄筋コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量を求め、前記コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量に対する前記鉄筋コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量の減少率を求め、前記1以上の要素に対する前記鉄筋コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量の減少率の関係をもとに鉄筋による放射線漏洩線量の減少率を評価することを特徴とする鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記配筋ピッチを定数とし、前記放射線エネルギー又は前記鉄筋径を変数とし、それぞれ前記鉄筋径又は前記放射線エネルギーをパラメータとして、前記放射線エネルギー又は前記鉄筋径に対する放射線漏洩線量の減少率の関係を求め、前記放射線エネルギーに対して所望の前記減少率を満足する前記鉄筋径を特定することを特徴とする請求項1に記載の鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法。
【請求項3】
鉄筋コンクリート遮蔽壁に配筋される鉄筋の放射線漏洩線量の減少率を評価する鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法であって、
点線源から前記鉄筋コンクリート遮蔽壁に照射される放射線エネルギー、前記鉄筋の鉄筋径、前記鉄筋の配筋ピッチ、前記鉄筋コンクリート遮蔽壁と前記点線源との距離、前記点線源の前記鉄筋コンクリート遮蔽壁への垂直投影位置の各要素のうち少なくとも1以上の要素を変数とし、放射線の3次元モンテカルロ輸送計算コードにより、鉄筋が配筋されないコンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量と、該コンクリート遮蔽壁に鉄筋が配筋された前記鉄筋コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量を求め、前記コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量に対する前記鉄筋コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量の減少率を求め、前記1以上の要素に対する前記鉄筋コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量の減少率の関係をもとに鉄筋による放射線漏洩線量の減少率を評価することを特徴とする鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法。
【請求項4】
前記点線源の前記鉄筋コンクリート遮蔽壁への垂直投影位置、前記放射線エネルギー、前記配筋ピッチを定数とし、前記鉄筋コンクリート遮蔽壁と前記点線源との距離を変数とし、前記鉄筋径をパラメータとして、前記距離に対する放射線漏洩線量の減少率の関係を求め、前記距離に対して所望の前記減少率を満足する前記鉄筋径を特定することを特徴とする請求項3に記載の鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法。
【請求項5】
前記点線源の前記鉄筋コンクリート遮蔽壁への垂直投影位置が鉄筋格子交点であることを特徴とする請求項4に記載の鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法。
【請求項6】
前記点線源の前記鉄筋コンクリート遮蔽壁への垂直投影位置が鉄筋格子交点以外の位置であり、前記鉄筋コンクリート遮蔽壁と前記点線源との距離が100cm以上である場合、前記点線源の前記鉄筋コンクリート遮蔽壁への垂直投影位置が鉄筋格子交点にある場合における前記距離に対する放射線漏洩線量の減少率の関係を用いて、前記距離に対して所望の前記減少率を満足する前記鉄筋径を特定することを特徴とする請求項5に記載の鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法。
【請求項7】
前記鉄筋コンクリート遮蔽壁と前記点線源との距離、前記点線源の前記鉄筋コンクリート遮蔽壁への垂直投影位置、及び、前記配筋ピッチを定数とし、前記放射線エネルギー又は前記鉄筋径を変数とし、それぞれ前記鉄筋径又は前記放射線エネルギーをパラメータとして、前記放射線エネルギー又は前記鉄筋径に対する放射線漏洩線量の減少率の関係を求め、前記放射線エネルギーに対して所望の前記減少率を満足する前記鉄筋径を特定することを特徴とする請求項3に記載の鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法。
【請求項8】
前記点線源の前記鉄筋コンクリート遮蔽壁への垂直投影位置を鉄筋格子交点とする場合、前記鉄筋コンクリート遮蔽壁の前面に配筋位置を表示することを特徴とする請求項3に記載の鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法。
【請求項9】
前記点線源の前記鉄筋コンクリート遮蔽壁への垂直投影位置を鉄筋格子交点とし、該鉄筋格子交点を通る鉄筋を他の鉄筋よりも太くする場合、該太くした鉄筋の配筋位置を前記鉄筋コンクリート遮蔽壁の前面に表示することを特徴とする請求項3に記載の鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法。
【請求項10】
前記鉄筋は、コンクリート遮蔽壁の放射線照射側の前面と放射線漏洩側の後面とに配筋されることを特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載の鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート遮蔽壁の鉄筋による遮蔽効果を簡易に評価することができる鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法及び解析装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
病院のリニアック室や放射線滅菌などの放射線使用施設では放射線を遮蔽するためにコンクリート壁を通常設ける(特許文献1参照)。このコンクリート壁の厚さや構造は、漏洩する実効線量(漏洩線量)が放射性同位元素等の規制に関する法律が規制する線量限度以下となるように、使用する放射線の種類、量、エネルギーを考慮して評価し、適正に設定する必要がある。
【0003】
ここで、X線とガンマ線の放射線利用施設の遮蔽壁はコンクリートで形成される。コンクリートは、鉄や鉛などに比べると単位厚さ当たりのX線とガンマ線に対する遮蔽性能は低いが、厚くすることで十分な遮蔽を行うことができる。コンクリートは鉄などよりも安価で施工性が高いため、厚くしてもコスト優位性が高い。一般的に遮蔽壁の厚さは数十cmから数mとなるため、鉄筋をダブル配筋(遮蔽壁の内側と外側の2層)とすることで鉄筋コンクリートのひび割れを抑制しかつ構造体耐力を大きくする。
【0004】
そして、このX線とガンマ線に対する遮蔽コンクリート壁の厚さは、放射性同位元素から生成する光子に対する実効線量透過率表、簡易計算式と放射線輸送計算法の3種類の方法で評価することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-151617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、鉄筋コンクリートの遮蔽壁は、壁の内側と外側の2層に鉄筋が存在する。そして、壁全体から見ると鉄筋の位置と格子形状は局所的であるため、均質な物質として扱うコンクリートに鉄筋の要素を適切に組み入れることは難しい。さらに、設計段階では、鉄筋が設置される正確な位置は確定できておらず、おおよその本数しかわからない。現場で実際に鉄筋が施工された後でのみ正確な位置は確定できる。また、遮蔽壁の厚さを決める遮蔽設計時には、鉄筋の正確な位置情報はないことになる。
【0007】
一般に、遮蔽壁の鉄筋は異形棒鋼が使用され、不純物元素としてMnとCなどが約2wt%含まれるが少量であるため鉄と見做すことができる。鉄は、X線とガンマ線に対してはコンクリートよりも遮蔽能が高く漏洩線量を少なくできる。したがって、鉄筋を遮蔽壁に組み入れて評価できればX線とガンマ線をより遮蔽できることになるが、簡便な組み入れ方法がなかったため、鉄筋を無視して漏洩線量を大きく見積ることで安全の評価がなされていた。
【0008】
一方、放射線輸送計算法の1つである3次元モンテカルロ輸送計算コードを使用すれば、格子形状の鉄筋を模擬することは可能であるが、数mから数十mの長さの遮蔽壁に格子形状の鉄筋を1本ずつモデル化して計算体系に組み込むことは現実的でなないため実施されていない。例えば長さ10mと高さ3mの遮蔽壁に0.2mピッチの格子形状の鉄筋を組み入れる場合、鉄筋は内側と外側の2層であるため縦鉄筋は50×2=100本、横鉄筋は15×2=30本をモデル化する必要がある。この遮蔽壁が側壁の4面と天井の1面の合計5面あれば約650本の鉄筋をモデル化することになって多大な労力が必要となるため、鉄筋による実際の遮蔽効果が不明なこともあり、鉄筋のモデル化は実施されていないのが実情である。なお、鉄筋のモデル化に際し、遮蔽壁の厚さを変更すれば対応する鉄筋位置も変更しなければならない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、鉄筋コンクリート遮蔽壁の鉄筋による遮蔽効果を簡易に評価することができる鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法及び解析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法は、面線源から鉄筋コンクリート遮蔽壁に配筋される鉄筋の放射線漏洩線量の減少率を評価する鉄筋の放射線漏洩線量減少率評価方法であって、前記鉄筋コンクリート遮蔽壁に照射される放射線エネルギー、前記鉄筋の鉄筋径、前記鉄筋の配筋ピッチの各要素のうち少なくとも1以上の要素を変数とし、放射線の3次元モンテカルロ輸送計算コードにより、鉄筋が配筋されないコンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量と、該コンクリート遮蔽壁に鉄筋が配筋された前記鉄筋コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量を求め、前記コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量に対する前記鉄筋コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量の減少率を求め、前記1以上の要素に対する前記鉄筋コンクリート遮蔽壁の放射線漏洩線量の減少率の関係をもとに鉄筋による放射線漏洩線量の減少率を評価することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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