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公開番号2025158434
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-17
出願番号2024060958
出願日2024-04-04
発明の名称概日リズム周期延長剤を含む組成物、及びその利用
出願人国立大学法人徳島大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類A61K 45/00 20060101AFI20251009BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、又は免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強に用いるための組成物の提供。
【解決手段】概日リズム周期延長剤を含む、
がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、及び免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強からなる群より選択される少なくとも1種に用いるための組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
概日リズム周期延長剤を含む、
がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、及び免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強からなる群より選択される少なくとも1種に用いるための組成物。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
概日リズム周期延長剤が、
PER、及びCRYからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の安定化剤、及び/若しくは発現促進剤、並びに/又は
BMAL1、及びCLOCKからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の機能抑制剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて用いるための、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
概日リズム周期延長剤及び免疫チェックポイント阻害剤を含む、がんの治療及び/又は予防用組成物又はキット。
【請求項5】
前記がんが、固形がんである、請求項4に記載の組成物又はキット。
【請求項6】
線維細胞におけるPER、及びCRYからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の発現、並びに/又は
BMAL1、及びCLOCKからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の機能を指標とする、
がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、及び免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強からなる群より選択される少なくとも1種に用いるための有効成分のスクリーニング方法。
【請求項7】
線維細胞におけるPER、及びCRYからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の発現、並びに/又は
BMAL1、及びCLOCKからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の機能を指標とする、
免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて用いるための有効成分のスクリーニング方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、概日リズム周期延長剤を含む組成物、及びその応用技術等に関する。詳細には、概日リズム周期延長剤を含む、がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、及び免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強からなる群より選択される少なくとも1種に用いるための組成物等に関する。さらに本開示は、概日リズム周期延長剤及び免疫チェックポイント阻害剤を含むがんの治療及び/又は予防用組成物又はキット、がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、及び免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強からなる群より選択される少なくとも1種に用いるための有効成分のスクリーニング方法、並びに免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて用いるための有効成分のスクリーニング方法等に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
免疫チェックポイント阻害薬を始めとする免疫療法は、現在の進行がん治療の中心を担っている。その一方で、免疫療法の耐性化に至る原因として、αSMA陽性がん関連線維芽細胞を中心としたがん間質によりT細胞等の免疫細胞浸潤が阻害される(つまり、免疫細胞ががん間質に留まる)、免疫排除(Immune exclusion)が課題となっている。
【0003】
線維細胞(fibrocyte)は単球系の血球細胞でありながら、高いコラーゲン産出能等、線維芽細胞様の性質も有する特徴的な細胞であり、一部の線維芽細胞の前駆体としても報告されている。
【0004】
これまでに本発明者らは、マウス腫瘍からCD45及びCD34陽性細胞として線維細胞を回収し、当該細胞において、collagen1a1(COL1A1)が高発現していることを確認している(非特許文献1)。
さらに当該腫瘍由来線維細胞を、CD8

T細胞を共培養すると、T細胞の増殖が促進され、その作用は抗PD-L1抗体により増強されることを確認している(非特許文献1)。一方、当該腫瘍由来線維細胞をTGF-βで刺激すると、myofibroblast様への形態変化が見られ、かつαSMA(α-smooth muscle actin)遺伝子の発現が増加し、がん関連線維芽細胞(Cancer associated fibroblast:CAF)へ分化することも確認している(非特許文献1)。
つまり線維細胞は、腫瘍内抗原提示細胞として、免疫チェックポイント阻害薬による治療効果を促進する免疫細胞としての側面を有する一方で、がん幹細胞様性質の獲得誘導、及び腫瘍血管新生の促進等に寄与する等(非特許文献2及び3)、腫瘍促進性を有するCAF前駆体としての側面も有することが分かってきている。
【0005】
一方、時計遺伝子は概日リズム(サーカディアンリズム)を形成する遺伝子群として同定されており、主要な転写因子であるBMAL1及びCLOCK、並びにPER及びCRYによる転写抑制によるフィードバックループで概日リズムを形成している。この時計遺伝子を標的とした治療薬が主に代謝性疾患や精神疾患に対してこれまでに数多く創薬されている(非特許文献4)。がん進展においても近年概日リズムの重要性が注目されているが、そのメカニズム解明や治療応用に向けた展開は十分に行われていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Cell Rep.2023 Mar 28;42(3):112162.
Cancer Letters 421(2018)17-27.
Nat Commun 2015 Dec 4:6:8792.
Science.2012 Aug 31;337(6098):1094-7.
Nucleic Acids Res. 2016 Jun 20;44(11):5010-21.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、又は免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強に用いるための組成物を提供することを課題とする。また、がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、若しくは免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強に用いるための、又は免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて用いるための有効成分のスクリーニング方法を提供することも課題の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、線維細胞をCRY安定化剤(概日リズム周期延長剤)であるKL001で処理すると、Acta2(αSMA)遺伝子の発現が抑制され、線維細胞のαSMA陽性がん関連線維芽細胞への分化が抑制されることを見出し、さらに改良を重ねた。
【0009】
本開示は、例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
概日リズム周期延長剤を含む、
がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、及び免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強からなる群より選択される少なくとも1種に用いるための組成物。
項2.
概日リズム周期延長剤が、
PER、及びCRYからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の安定化剤、及び/若しくは発現促進剤、並びに/又は
BMAL1、及びCLOCKからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の機能抑制剤を含む、項1に記載の組成物。
項3.
免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて用いるための、項1又は2に記載の組成物。
項4.
概日リズム周期延長剤及び免疫チェックポイント阻害剤を含む、がんの治療及び/又は予防用組成物又はキット。
項5.
前記がんが、固形がんである、項4に記載の組成物又はキット。
項6.
線維細胞におけるPER、及びCRYからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の発現、並びに/又は
BMAL1、及びCLOCKからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の機能を指標とする、
がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、及び免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強からなる群より選択される少なくとも1種に用いるための有効成分のスクリーニング方法。
項7.
線維細胞におけるPER、及びCRYからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の発現、並びに/又は
BMAL1、及びCLOCKからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の機能を指標とする、
免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて用いるための有効成分のスクリーニング方法。
【発明の効果】
【0010】
がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、又は免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強効果が発揮される。また、がん微小環境改善、免疫排除抑制、線維細胞の分化抑制、T細胞の腫瘍組織への浸潤促進、若しくは免疫チェックポイント阻害剤の抗がん効果増強に用いるための、又は免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて用いるための有効成分のスクリーニング方法が提供される。さらには、概日リズム周期延長剤と免疫チェックポイント阻害剤とを組み合わせて用いることによって、優れた抗がん効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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