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公開番号
2025057126
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-09
出願番号
2023166801
出願日
2023-09-28
発明の名称
ウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法
出願人
公立大学法人大阪
,
株式会社超微細科学研究所
代理人
個人
,
個人
主分類
G01N
31/00 20060101AFI20250402BHJP(測定;試験)
要約
【課題】ウルトラファインバブル水中のウルトラファインバブル内の酸素量を算出する。
【解決手段】試料水に、アルカリ溶液、ポリリン酸塩溶液、及びマンガン塩溶液、を加えて、Mn(II)の沈殿を抑制しつつ、Mn(II)をMn(IV)に酸化するMn(II)酸化工程と、Mn(II)酸化工程を経た試料水に強酸溶液を加えて酸化反応を停止させ、Mn(II)酸化工程により形成されたMn(IV)をMn(III)に還元するMn(IV)還元工程と、Mn(IV)還元工程を経た試料水のMn(III)が吸収する光の波長の吸光度を測定し、試料水の酸素濃度である第1酸素濃度を算出する第1酸素濃度測定工程と、第1測定工程に供した試料水と同じ試料水を蛍光式DO計で測定して第2酸素濃度を算出する第2酸素濃度測定工程とを備え、第1酸素濃度から第2酸素濃度を差し引いて、試料水中のウルトラファインバブル内の酸素量を算出する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
試料水中のウルトラファインバブルに含まれる酸素濃度を測定するウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法であって、
試料水に、アルカリ溶液、ポリリン酸塩溶液、及びマンガン塩溶液、からなる3種の試薬を加えて、Mn(II)の沈殿を抑制しつつ、Mn(II)をMn(IV)に酸化するMn(II)酸化工程と、
前記Mn(II)酸化工程を経た試料水に強酸溶液を加えて酸化反応を停止させ、前記Mn(II)酸化工程により形成されたMn(IV)をMn(III)に還元するMn(IV)還元工程と、
前記Mn(IV)還元工程を経た試料水においてMn(III)が吸収する波長の光の吸光度を測定し、当該吸光度から、試料水の酸素濃度である第1酸素濃度を算出する第1酸素濃度測定工程と、
前記第1測定工程に供した試料水と同じ試料水の溶存酸素のみからなる第2酸素濃度を測定する第2酸素濃度測定工程と、
前記第1酸素濃度から前記第2酸素濃度を差し引いて、試料水中のウルトラファインバブル内の酸素量を算出することを特徴とするウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法。
続きを表示(約 890 文字)
【請求項2】
前記第1酸素濃度測定工程で吸光度を測定する光の波長は、512nm以上522nm以下、513nm以上521nm以下、514nm以上520nm以下、515nm以上519nm以下、516nm以上518nm以下、又は517nmである請求項1に記載のウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法。
【請求項3】
前記アルカリ溶液として、NaOH溶液を用いる請求項1に記載のウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法。
【請求項4】
前記ポリリン酸塩溶液として、(NaPO
3
)
6
溶液を用いる請求項1に記載のウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法。
【請求項5】
前記マンガン塩溶液として、MnSO
4
溶液を用いる請求項1に記載のウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法。
【請求項6】
前記強酸溶液として、H
2
SO
4
溶液を用いる請求項1に記載のウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法。
【請求項7】
前記アルカリ溶液、 前記ポリリン酸塩溶液、前記マンガン塩溶液として、それぞれNaOH溶液、(NaPO
3
)
6
溶液、MnSO
4
溶液を用い、この順で試料水に投入する請求項1に記載のウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法。
【請求項8】
前記試料水を収容した試料水シリンジと、窒素を流送する窒素流送管を三方管で連通した状態で、前記三方管に窒素を流送する窒素流送工程と、
前記試料水シリンジと前記試薬シリンジを連通すべく前記三方弁を切り替えて前記試薬を前記いずれかの試薬を前記試料水シリンジに投入する請求項1に記載のウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法。
【請求項9】
第2酸素濃度測定工程で、蛍光DO計を用いて第2酸素濃度を測定する請求項1に記載のウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、水中に含まれる酸素の濃度を測定する方法に関し、特に、紫外・可視分光法を用いた酸素濃度測定方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
一般に、水中の酸素濃度を測定する方法として、隔膜電極法、蛍光法、及びウインクラー法の3つの方法が知られている。このうち、隔膜電極法、蛍光法は、測定方法が簡易な点で用いられ、ウインクラー法は、高精度の測定ができる点で、広く用いられている。
【0003】
このウインクラー法は、下式(1)から(4)に示すように、試料水に硫酸マンガンと水酸化ナトリウムを加えて生じるMn(IV)O(OH)
2
の褐色沈殿を、ヨウ化物イオンI
-
と酸を加えてMn
2+
に溶解し、溶存酸素量に応じて遊離するヨウ素イオンI
3
-
を、チオ硫酸ナトリウムS
2
0
3
2-
で滴定して、要したチオ硫酸ナトリウムの量から溶存酸素量を算出するものである。
2Mn(II)+O
2
+4OH
-
→2Mn(IV)O(OH)
2
・・・(1)
Mn(IV)O(OH)
2
↓+2I
-
+4H
+
→Mn(II)+I
2
+3H
2
O・・・(2)
I
2
+I
-
→I
3
-
・・・(3)
I
3
-
+2S
2
0
3
2-
→S
4
0
6
2-
+3I
-
・・・(4)
【0004】
ところが、このウインクラー法は、測定精度が高い一方で、試薬数が多いという問題や、滴定工程に時間がかかるという問題、干渉物質(interferences)や試料体積の変化により測定精度に影響が出るという問題がある。
【0005】
そこで、本発明者らは、非特許文献1において、ウインクラー法と同様の測定精度を有しながら、ウインクラー法が持つこれらの問題点を解消した溶存酸素濃度測定方法を開示している。
【0006】
非特許文献1の溶存酸素濃度測定方法は、下式(5)から(7)に示すように、試料水にNaOH、(NaPO
3
)
6
、及びMnS0
4
を添加して、(NaPO
3
)
6
によるコアセルベーションにより、Mn(II)を沈殿させることなくMn(IV)に酸化し、これにH
2
SO
4
を加えて、Mn(IV)をMn(III)に還元して、このMn(III)のピンク色による波長517nmの吸光度を、紫外可視分光光度計で測定するものである。
(NaPO
3
)
6
Mn(II) → Mn(II)coacervation ・・・(5)
(NaPO
3
)
6
(1/2)0
2
+2OH
-
+Mn(II)coacervation→
Mn(IV)O(OH)
2
[complexs form]~Mn(IV)complex
・・・(6)
H
+
Mn(IV)complex+Mn(II)coacervation→2Mn(III)coacervation
・・・(7)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Optimization of Procedure for Determining Dissolved Oxygen in Surface Water and Seawater Exploiting the UV-vis Absorption of Mn(III) Species;Tu Dang,Yasuaki Maeda,Yusuke Fujii,Norimichi Takenaka
Concentration determination of oxygen nanobubbles in electrolyzed water Kenji Kikuchi, Aoi Iokaa, Takeo Okua, Yoshinori Tanaka , Yasuhiro Saihara, Zempachi Ogumi
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方で、水中に溶存する酸素と、ウルトラファインバブルに含まれる酸素の両方が存在する場合、上述した従来の3つの溶存酸素濃度測定方法では、水中の溶存酸素のみを測定しているのか、ウルトラファインバブルに含まれる酸素も合わせて測定しているのかが不明であった。
例えば、非特許文献1では、UV-vis法がウインクラー法と同様の測定精度を有するとする一方で、UV-vis法で水中の溶存酸素とウルトラファインバブル内の酸素の両方を合わせた濃度が測定できる旨の記載が有る。すると、ウインクラー法においても、水中の溶存酸素とウルトラファインバブル内の酸素の両方を合わせた濃度が測定できると考えられるが、非特許文献2には、ウインクラー法では水中の溶存酸素しか測定されないと記載されている。
そこで、本発明者らは、ウインクラー法、蛍光式DO計、及び特許文献1の測定方法(以下「UV-vis法」という)により測定した酸素濃度が、ウルトラファインバブルに含まれる酸素まで含むのか調査したところ、ウインクラー法や蛍光式DO計による測定値にはウルトラファインバブル内の酸素が含まれないのに対し、UV-vis法による測定値には、ウルトラファインバブル内の酸素まで含まれることが明らかとなり、両者の測定値の差により、ウルトラファインバブル内に存する酸素量を求められることを見出した。
すなわち、本発明は、水中のウルトラファインバブルに含まれる酸素濃度の算出方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた発明は、試料水中のウルトラファインバブルに含まれる酸素濃度を測定するウルトラファインバブル内酸素濃度測定方法であって、試料水に、アルカリ溶液、ポリリン酸塩溶液、及びマンガン塩溶液、からなる3種の試薬を加えて、Mn(II)の沈殿を抑制しつつ、Mn(II)をMn(IV)に酸化するMn(II)酸化工程と、前記Mn(II)酸化工程を経た試料水に強酸溶液を加えて酸化反応を停止させ、前記Mn(II)酸化工程により形成されたMn(IV)をMn(III)に還元するMn(IV)還元工程と、前記Mn(IV)還元工程を経た試料水においてMn(III)が吸収する波長の光の吸光度を測定し、当該吸光度から、試料水の酸素濃度である第1酸素濃度を算出する第1酸素濃度測定工程と、前記第1測定工程に供した試料水と同じ試料水の溶存酸素のみからなる第2酸素濃度を測定する第2酸素濃度測定工程と、前記第1酸素濃度から前記第2酸素濃度を差し引いて、試料水中のウルトラファインバブル内の酸素量を算出することを特徴とする。
尚、ここで、「溶存酸素」とは試料水中に溶け込んだ酸素のみをいい、マイクロバブルやウルトラファインバブル等のファインバブル内の酸素は含まないものとする。
【0010】
第1酸素濃度は、UV-vis法により測定した酸素濃度であり、上述したように、ウルトラファインバブル(以下「UFBO2」ともいう)水からなる試料水の水中に溶け込んだ溶存酸素と、ウルトラファインバブル内に含まれた酸素の両方を含む。これに対し、例えば、ウインクラー法や蛍光式DO計では、試料水中の水に含まれる溶存酸素のみが測定されるため、このように、溶存酸素のみの酸素濃度を第2酸素濃度とし、第1酸素濃度から第2酸素濃度を減じることで、試料水のウルトラファインバブル内に含まれる酸素濃度を算出することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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