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公開番号2025068607
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-28
出願番号2024178521
出願日2024-10-11
発明の名称ケタール型リリーサブルポリオキシエチレン誘導体、その製造方法およびケタール型リリーサブルポリオキシエチレン結合体
出願人日油株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 65/32 20060101AFI20250421BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】生体機能性分子をプロドラッグ化し、生理的条件下で徐々に生体機能性分子を放出するケタール構造を有するポリオキシエチレン誘導体を提供する。
【解決手段】例えば式(1)で表され、生理的条件下で開裂する、ケタール型リリーサブルポリオキシエチレン誘導体。
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(B1は水素原子または-C(R1)(R2)OC(O)E1であり、R1、R2は、炭素数1~10の炭化水素基またはHであり、E1は脱離基であり、P1は、末端水酸基を有するポリオキシエチレン誘導体から末端水酸基を除いた残基であり、wは1~8の整数である。)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記の式(1)、式(2)、式(3)または式(4)で表され、生理的条件下で開裂することを特徴とする、ケタール型リリーサブルポリオキシエチレン誘導体。
TIFF
2025068607000060.tif
62
150
TIFF
2025068607000061.tif
61
152
TIFF
2025068607000062.tif
62
150
TIFF
2025068607000063.tif
58
142
(式(1)、式(2)、式(3)および式(4)中、


は水素原子または-C(R

)(R

)OC(O)E

であり、


は脱離基であり、


は、末端水酸基を有するポリオキシエチレン誘導体から前記末端水酸基を除いた残基であり、
wは1~8の整数であり、


、R

、R

、R

、R

およびR
12
は,それぞれ独立して、炭素数1~10の炭化水素基または水素原子であり、

6
は置換されていてもよい炭素数1~24の炭化水素基であり、

7
、R
8
、R
9
、R
10
およびR
11
は、それぞれ独立して、電子求引性置換基、電子供与性置換基または水素原子であり、
mは0または1である。)
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
mが0であり、R

およびR

が水素原子であり、R

、R

、R

およびR
12
がそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であることを特徴とする、請求項1に記載のケタール型リリーサブルポリオキシエチレン誘導体。
【請求項3】
請求項1または2に記載のケタール型リリーサブルポリオキシエチレン誘導体を製造する方法であって、
ポリオキシエチレン誘導体とヒドロキシ基を有する芳香族ケトン誘導体とをカップリングさせることによって、下記式(5)または式(6)で表されるカップリング生成物を得るカップリング工程、
前記カップリング工程後に、酸性条件下で、下記式(5)または下記式(6)で表される前記カップリング生成物を、1価のアルコールと反応させることで、下記式(7)または下記式(8)で表されるジアルキルケタール構造体を得るジアルキルケタール化工程、
前記ジアルキルケタール化工程後に、酸性条件下で、下記式(7)または下記式(8)で表される前記ジアルキルケタール構造体を、2位にヒドロキシメチル基を有し、かつ4位または6位に置換基(-CH=CB



C(R

)(R

)-OH(B

、m、R

、R

は前述のとおりである)を有するフェノールと反応させることで、ケタール構造体を得るケタール化工程、および
前記ケタール化工程後に、4位または6位の前記置換基の末端に脱離基構造(-OC(O)E

)を導入する脱離基構造導入工程
を備えることを特徴とする、ケタール型リリーサブルポリオキシエチレン誘導体の製造方法。
TIFF
2025068607000064.tif
53
123
TIFF
2025068607000065.tif
52
123
(式(5)および式(6)中、


、w、R

、R

、R

、R

、R
10
およびR
11
は前述したとおりである)
TIFF
2025068607000066.tif
48
123
TIFF
2025068607000067.tif
47
123
(式(7)および式(8)中、

13
およびR
14
は炭素数1~10のアルキル基であり、


、w、R

、R

、R

、R

、R
10
およびR
11
は前述したとおりである)
【請求項4】
前記ケタール化工程と、前記脱離基構造導入工程との間に、
前記式(7)および前記式(8)で表される前記ジアルキルケタール構造体のP

中の保護基で保護されたアミノ基の脱保護工程、および
前記脱保護工程後に脱保護されたアミノ基に生体機能性分子と反応可能な官能基を導入する工程
を備えていることを特徴とする、請求項3に記載のケタール型リリーサブルポリオキシエチレン誘導体の製造方法。
【請求項5】
下記式(9)、下記(10)、下記式(11)または下記式(12)で表され、生理的条件下で開裂することを特徴とする、ケタール型リリーサブルポリオキシエチレン結合体。
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2025068607000068.tif
58
147
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2025068607000069.tif
62
151
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2025068607000070.tif
55
144
TIFF
2025068607000071.tif
57
149
(式(9)、式(10)、式(11)および式(12)中、


は水素原子または-C(R

)(R

)OC(O)NHD

であり、


は、生体機能性分子に含まれるアミノ基から、カーバメート結合を構成するアミノ基を除いた残基であり、


は、末端水酸基を有するポリオキシエチレン誘導体から前記末端水酸基を除いた残基、または末端水酸基を有するポリオキシエチレン誘導体から前記末端水酸基を除いた残基と生体機能性分子の結合体であり、
wは1~8の整数であり、


、R

、R

、R

、R

およびR
12
は、それぞれ独立して、炭素数1~10の炭化水素基または水素原子であり、

6
は置換されていてもよい炭素数1~24の炭化水素基であり、


、R

、R

、R
10
およびR
11
は、それぞれ独立して、電子求引性置換基、電子供与性置換基または水素原子であり、
mは0または1である。)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ケタール型リリーサブルポリオキシエチレン誘導体、その製造方法および生体機能性分子との結合体であるケタール型リリーサブルポリオキシエチレン結合体に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ホルモンやサイトカイン、酵素などの生体機能性分子などを用いた医薬品は、通常生体内へ投与されると腎臓における糸球体濾過や肝臓や脾臓などにおけるマクロファージによる取り込みによって、生体内から速やかに排出されてしまう。そのため血中半減期が短く、十分な薬理効果を得ることが困難であることが多い。この問題を解決するため、生体機能性分子にポリオキシエチレン(PEG)などの水溶性ポリマーによって化学修飾する試みが行われている。その結果、分子量の増大や水和層の形成などにより生体機能性分子などの血中半減期を延長することが可能となる。また、これらの修飾により、生体機能性分子などの毒性や抗原性の低下、凝集性の改善などの効果が得られることも良く知られている。
【0003】
しかしながら、PEGなどの水溶性ポリマーで化学修飾された生体機能性分子は、当該水溶性ポリマーによる水和層の形成や活性部位の立体的な遮蔽効果により、ターゲットとする生体内因性分子や受容体などとの相互作用が低下し、生体機能性分子本来の薬理作用の低下や、体内・細胞内動態の変化など好ましくない影響を与える場合があることが知られている。
【0004】
上記のような課題に対するアプローチとして、生体機能性分子に一時的結合を介して水溶性ポリマーを化学修飾し、生体内でこの一時的結合を開裂させて化学修飾されていない生体機能性分子を放出させる方法、すなわちプロドラッグ化の方法が用いられる。
【0005】
近年、水溶性ポリマーで修飾された生体機能性分子について、プロドラッグ化の方法を用いて生体機能性分子本来の薬理作用の低下や、体内・細胞内動態の変化を抑制可能な技術として、例えば特許文献1、2に記載の技術が知られている。これら特許文献1、2には、生体機能性分子であるヒト成長ホルモン(hGH)やインターロイキン2(IL-2)を非酵素依存的で生理的条件下、すなわち中性条件下、において適度な速度で分解するリンカーを介してPEGで修飾したPEG化hGHならびにPEG化IL-2がそれぞれの血中半減期を延長しつつ、リンカーの分解に伴い、生体機能性分子が放出されることでPEG化による薬理作用の低下を改善できることが報告されている。このことから、生体機能性分子の血中半減期を延長しつつ、かつ、生理的条件下において非酵素依存的に生体機能性分子を適度な速度で放出し、薬理作用を発現させるプロドラッグ化技術は重要である。
【0006】
特許文献3では、PEGで化学修飾された生体機能性分子が非酵素依存的に一時結合を開裂し、化学修飾されていない生体機能性分子を放出する化合物が報告されている。
具体的には、酸性条件下で加水分解されるアセタール構造を有するリンカーの加水分解をトリガーとして1,4-または1,6-ベンジル脱離により一時結合であるカーバメート結合を開裂し、化学修飾されていない生体機能性分子を放出することが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2018-150311号公報
特開2022-000043号公報
特開2018-172648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献3の実施例では、非酵素依存的に生体機能性分子を放出可能であり、酸性条件下で生体機能性分子を放出可能な具体的構造が例示されている。しかし、生理的条件下、すなわちpH7.4付近の中性条件下で、非酵素依存的に生体機能性分子を適度な速度で放出し、薬理作用を発現させるプロドラッグ化技術は記載されていない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、生体機能性分子をプロドラッグ化し、生理的条件下で徐々に生体機能性分子を放出することを特徴としたケタール構造を有するポリオキシエチレン誘導体およびその安定的な製造方法ならびにケタール型リリーサブルポリオキシエチレン結合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、生体機能性分子をプロドラッグ化し、生理的条件下で徐々にケタールを加水分解させることでベンジル脱離を誘発し、生体機能性分子を放出することを特徴としたケタール構造を有するポリオキシエチレン誘導体およびその安定的な製造方法ならびにケタール型リリーサブルポリオキシエチレン結合体を見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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