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公開番号2025076001
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023187583
出願日2023-11-01
発明の名称環境配慮型コンクリート
出願人戸田建設株式会社,西松建設株式会社
代理人個人
主分類C04B 28/08 20060101AFI20250508BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】結合材の大部分を高炉スラグ微粉末に置き換えることでセメントの使用量を極力低減するとともに、軽質炭酸カルシウムを添加することでカーボンリサイクルを図り、CO2排出量を大幅に低減する。
【解決手段】水、結合材、軽質炭酸カルシウム及び骨材を含む環境配慮型コンクリートであって、前記結合材はセメントと高炉スラグ微粉末とから構成し、前記結合材の合計重量に対する前記高炉スラグ微粉末の重量比である置換率を、90±5%とし、水粉体比を35%以下、水を単位量175kg/m3以上、セメントを単位量43kg/m3以下配合し、前記軽質炭酸カルシウムの単位量を150~250kg/m3とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水、結合材、軽質炭酸カルシウム及び骨材を含む環境配慮型コンクリートであって、
前記結合材はセメントと高炉スラグ微粉末とから構成され、前記結合材の合計重量に対する前記高炉スラグ微粉末の重量比である置換率が、90±5%であり、
水の単位量Wに対する前記セメント、高炉スラグ微粉末及び軽質炭酸カルシウムの各単位量を合計した粉体の単位量Pの比である水粉体比(W/P)が35%以下であり、
水の単位量が175kg/m

以上であり、
前記セメントの単位量が43kg/m

以下であり、
前記軽質炭酸カルシウムの単位量が150~250kg/m

であることを特徴とする環境配慮型コンクリート。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
化学混和剤として減水率12%以上の減水剤を単位量5~15kg/m

添加している請求項1記載の環境配慮型コンクリート。
【請求項3】
混和剤として凝結遅延剤を単位量1~3kg/m

添加している請求項1記載の環境配慮型コンクリート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、結合材の大部分を高炉スラグ微粉末に置き換えることでセメントの使用量を極力低減するとともに、軽質炭酸カルシウムを添加することでカーボンリサイクルを図った環境配慮型コンクリートに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、建設業界においては、主要材料としてコンクリートが広く使用されており、日本国内におけるコンクリートの年間総出荷量は7445万m

(2022年)となっている。コンクリートの製造により排出されるCO

量は1m

当り270kg程度であるから、年間約2000万トンもの膨大な量のCO

がコンクリート製造により排出されていることになる。
【0003】
近年、高炉での銑鉄の製造過程で副産される高炉スラグ微粉末をセメントの代替材料として積極的に活用した環境配慮型のコンクリートの検討が進められている(例えば、下記特許文献1)。高炉スラグ微粉末のCO

排出原単位は26.5kg-CO

/tと、ポルトランドセメントの788.6kg-CO

/tと比較して1/30程度であるため、下記特許文献1に記載されるように70質量%のの高炉スラグ微粉末と30質量%の普通ポルトランドセメントとから構成される結合材を用いたコンクリートでは、普通ポルトランドセメント100質量%の結合材を用いたコンクリートと比べて、製造時のCO

排出量を約68%削減できることとなる。
【0004】
さらに最近では、生コン工場やコンクリートプレキャスト製品工場等で発生するコンクリートスラッジと燃焼排気ガス中のCO

とを反応させることにより生成した軽質炭酸カルシウムを、CCU(Carbon Capture and Utilization:CO

回収・貯留)材料として利用することが検討されている(例えば、下記特許文献2、3参照)。このようにCO

を固定化した軽質炭酸カルシウムをコンクリートに添加することで、コンクリート内部にCO

が固定されるため、この材料を大量に利用することによりカーボンリサイクルを図ることができ、カーボンニュートラルの実現に向けて大きく前進することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-114176号公報
特開2023-127648号公報
特開2023-96668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2、3に開示される技術では、セメントを高炉スラグ微粉末に置き換えてセメントの使用量を低減するとともに、軽質炭酸カルシウムを添加することでカーボンリサイクルを図っているが、セメントの使用量が未だ多く、更に低減して、CO

の排出量を低減する必要があるとともに、軽質炭酸カルシウムの配合量を更に増加し、カーボンリサイクルを増進する必要がある。
【0007】
そこで本発明の主たる課題は、結合材の大部分を高炉スラグ微粉末に置き換えることでセメントの使用量を極力低減するとともに、軽質炭酸カルシウムを添加することでカーボンリサイクルを図り、CO

排出量を大幅に低減した環境配慮型コンクリートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、水、結合材、軽質炭酸カルシウム及び骨材を含む環境配慮型コンクリートであって、
前記結合材はセメントと高炉スラグ微粉末とから構成され、前記結合材の合計重量に対する前記高炉スラグ微粉末の重量比である置換率が、90±5%であり、
水の単位量Wに対する前記セメント、高炉スラグ微粉末及び軽質炭酸カルシウムの各単位量を合計した粉体の単位量Pの比である水粉体比(W/P)が35%以下であり、
水の単位量が175kg/m

以上であり、
前記セメントの単位量が43kg/m

以下であり、
前記軽質炭酸カルシウムの単位量が150~250kg/m

であることを特徴とする環境配慮型コンクリートが提供される。
【0009】
上記請求項1記載の発明では、結合材の90±5%を高炉スラグ微粉末に置き換えることで、製造過程でCO

を多量に排出するセメントの使用量を極力低減している。このとき、セメントの使用量を低減しても水和反応による凝結・硬化が可能なように、水と粉体(セメント、高炉スラグ微粉末及び軽質炭酸カルシウム)との重量比である水粉体比を35%以下とし、かつ水の単位量を175kg/m

以上、セメントの単位量を43kg/m

以下とすることにより、水と粉体との構成比をそれぞれ規定している。
【0010】
また、軽質炭酸カルシウムの配合量を単位量150~250kg/m

とすることによって、後述のように、コンクリート製造時のCO

排出量から、軽質炭酸カルシウムに吸収・固定化されたCO

量を引いた値が0以下となり、本発明に係る環境配慮型コンクリートを使用することによって実質的にCO

排出量が0以下となるため、カーボンネガティブコンクリートの実用によるカーボンニュートラルが実現できるようになる。なお、上記範囲内の添加量であれば軽質炭酸カルシウムを多量に添加した配合においても、通常のコンクリートと同等以上の強度が発現でき、十分な強度が得られることが後述の試験結果から確認できている。
(【0011】以降は省略されています)

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