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公開番号
2025089951
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-16
出願番号
2023204946
出願日
2023-12-04
発明の名称
触媒的加水素分解によるエポキシ樹脂のケミカルリサイクル法
出願人
国立大学法人 東京大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
,
個人
主分類
B01J
23/89 20060101AFI20250609BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【解決課題】
回収・再利用が可能な不均一系触媒により、温和な条件下でエポキシ樹脂の加水素分解反応を行い、エポキシ樹脂からフェノール類を選択的に回収できる技術を開発すること。
【解決手段】
金属酸化物担体、前記担体に担持された、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選択される少なくとも1種の第1の金属、及び、前記担体に担持された、白金族元素から選択される第2の金属を含有する触媒であって、
エポキシ樹脂の水素化分解に用いられ、当該エポキシ樹脂は硬化されていてもよい、該触媒。
特許請求の範囲
【請求項1】
金属酸化物担体、
前記担体に担持された、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選択される少なくとも1種の第1の金属、及び
前記担体に担持された、白金族元素から選択される第2の金属
を含有する触媒であって、
エポキシ樹脂の水素化分解に用いられ、当該エポキシ樹脂は硬化されていてもよい、該触媒。
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
前記第2の金属が、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム又はルテニウムから選択される、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記第1の金属が、ニッケルである、請求項1に記載の触媒。
【請求項4】
前記金属酸化物担体が、酸化アルミニウム(Al
2
O
3
)、酸化チタン(TiO
2
)、酸化ジルコニウム(ZrO
2
)、酸化セリウム(CeO
2
)である、請求項1に記載の触媒。
【請求項5】
前記金属酸化物担体が、酸化セリウム(CeO
2
)である、請求項4に記載の触媒。
【請求項6】
前記第1の金属の担持量が0.01~0.50mmol/gである、請求項1に記載の触媒。
【請求項7】
前記第2の金属の担持量が0.01~0.5mmol/gである、請求項1に記載の触媒。
【請求項8】
第2の金属/第1の金属のモル比が0.01~100である、請求項1に記載の触媒。
【請求項9】
請求項1~8に記載の触媒を、エポキシ樹脂の水素化分解に用いる方法。
【請求項10】
金属酸化物担体、
前記担体に担持された、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選択される少なくとも1種の第1の金属、及び
前記担体に担持された、白金族元素から選択される第2の金属
を含有する触媒を用いて、
硬化されていてもよいエポキシ樹脂を水素化分解することにより、フェノール類を調製する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂の加水素分解に用いられる新規の触媒、及び当該触媒を用いたエポキシ樹脂を加水素分解する方法に関わる。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来のエポキシ樹脂の分解法として、高温(>250℃)あるいは高圧(>10気圧)条件下での熱分解や、塩基を利用した比較的温和な条件下での加溶媒分解などが主として研究されている。
しかしながら、エポキシ樹脂分解の主な目的は複合材を構成している炭素繊維、ガラス繊維などの回収にあるために、エポキシ樹脂からフェノール類を選択的に回収する技術を開発する必要があるが、このような技術は未だ確立されていない。
【0003】
最近、均一系触媒を用いたtransfer hydrogenationによるエポキシ樹脂の分解反応が報告された(非特許文献1)。また、本発明者らの研究室では、均一系Ni触媒を用いたエ
ポキシ樹脂の加水素分解反応を開発した (非特許文献2)。
しかしながら、これらのエポキシ樹脂の分解法においては、均一系触媒を用いていることから触媒の回収再利用が困難である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Nature 2023, 617, 730-737
ChemRxiv 2023 (preprint) 10.26434/chemrxiv-2023-dz9v9-v2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、回収・再利用が可能な不均一系触媒により、温和な条件下でエポキシ樹脂の加水素分解反応(水素化分解)を行い、エポキシ樹脂からフェノール類を選択的に回収できる技術を開発することを目的とする。
また、かかる技術により、複合材を構成している炭素繊維、ガラス繊維などを回収することも可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として鋭意検討した結果、特定の3d遷移金属と白金族元素から選択される金属を金属酸化物担体に担持させた不均一系触媒により、エポキシ樹脂を有効に水素化分解できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は以下の構成を有するものである。
[1]金属酸化物担体、
前記担体に担持された、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選択される少なくとも1種の第1の金属、及び
前記担体に担持された、白金族元素から選択される第2の金属
を含有する触媒であって、
エポキシ樹脂の水素化分解に用いられ、当該エポキシ樹脂は硬化されていてもよい、該触媒。
[2]前記第2の金属が、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム又はルテニウムから選択される、[1]に記載の触媒。
[3]前記第1の金属が、ニッケルである、[1]又は[2]に記載の触媒。
[4]前記金属酸化物担体が、酸化アルミニウム(Al
2
O
3
)、酸化チタン(TiO
2
)、酸化ジルコニウム(ZrO
2
)、酸化セリウム(CeO
2
)である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の触媒。
[5]前記金属酸化物担体が、酸化セリウム(CeO
2
)である、[4]に記載の触媒。
[6]前記第1の金属の担持量が0.01~0.50mmol/gである、[1]~[5]のいずれか1項に記載の触媒。
[7]前記第2の金属の担持量が0.01~0.5mmol/gである、[1]~[6]のいずれか1項に記載の触媒。
[8]第2の金属/第1の金属のモル比が0.01~100である、[1]~[7]のいずれか1項に記載の触媒。
[9][1]~[8]のいずれか1項に記載の触媒を、エポキシ樹脂の水素化分解に用いる方法。
[10]金属酸化物担体、
前記担体に担持された、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選択される少なくとも1種の第1の金属、及び
前記担体に担持された、白金族元素から選択される第2の金属
を含有する触媒
を用いて、
硬化されていてもよいエポキシ樹脂を水素化分解することにより、フェノール類を調製する方法。
[11]前記フェノール類が、以下の化合物1~3のいずれか1以上である、[10]に記載の方法。
TIFF
2025089951000001.tif
29
158
[12]フェノール類として化合物1、及び/又は、化合物2と3のいずれか1以上を得ることができる、[10]又は[11]に記載の方法。
[13]硬化されていてもよいエポキシ樹脂と、繊維を含む複合材に、
金属酸化物担体、
前記担体に担持された、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選択される少なくとも1種の第1の金属、及び
前記担体に担持された、白金族元素から選択される第2の金属
を含有する触媒
を用いて、前記エポキシ樹脂を水素化分解することにより、複合材から繊維を回収する方法。
[14]前記繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、シリカ繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維及びスラッグ繊維からなる群から選択される1種以上の繊維である、[13]に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の触媒を用いることにより、常圧水素を用いて、比較的低温(150~200℃程度)でエポキシ樹脂を水素化分解することができ、フェノール類を高い収率で回収することができる。
本発明の触媒は、不均一系触媒であることから回収・再利用が可能である。
また、本発明の触媒を用いることにより、エポキシ樹脂(その一部又はすべてが硬化されていてもよい)及び繊維を含む複合材を水素化分解することができ、これにより、複合材に含まれる繊維か回収することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例3(触媒の再使用実験)の結果を示す。
実施例6(回路板(ガラス繊維複合材)の分解)の反応スキームと結果を示す。
実施例7(炭素繊維複合材の分解)の反応スキームと結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明について詳述するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。尚、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
(【0011】以降は省略されています)
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