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公開番号2025092463
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2024210921
出願日2024-12-04
発明の名称応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置と定量評価方法
出願人中国海洋大学
代理人個人
主分類G01N 17/02 20060101AFI20250612BHJP(測定;試験)
要約【解決手段】本発明は応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置と定量評価方法に関し、本発明は材料の失効(破損)解析分野に属し、テストサンプルに応力を加える付勢機構と、テストサンプルに電気化学的腐食試験を行う腐食機構と、テストサンプルに摩耗を施す摩耗機構とを含む。
【効果】本発明の摩耗、応力、腐食の複合作用試験装置は、摩耗、応力、腐食の複合作用試験プロセスを確立でき、より実際の使用条件に近い環境下で各種金属材料及び金属基複合材料の使用挙動を研究でき、多要因の複合作用下での重要な挙動データを取得し、摩耗、腐食、摩耗腐食の相互作用、応力摩耗の相互作用、応力腐食の相互作用を定量的に分析し、摩耗、応力、腐食の複合作用下での重要な環境因子と材料の損傷メカニズムを明らかにし、材料の使用挙動評価方法の構築に基礎を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
テストサンプルに応力を加える付勢機構と、
テストサンプルに電気化学的腐食試験を行う腐食機構と、
テストサンプルに摩耗を施す摩耗機構と、
を含み、
付勢機構はバネの変形によってテストサンプルに応力を加え、
腐食機構は腐食チャンバーを含み、開口部からの電解液の追加と摩耗機構が備える摩擦部品の往復運動を行うように腐食チャンバーの上部は前記開口部になり、
前記の摩耗機構は、摩擦摩耗試験機によりテストサンプルに摩耗を施すことを特徴とする応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置。
続きを表示(約 3,700 文字)【請求項2】
前記付勢機構は、支持フレーム、ネジ、付勢ボルト、付勢ナット及び矩形圧縮バネを含み、
前記ネジにおけるテストサンプルに接続される端部及び前記付勢ボルトにおけるテストサンプルに接続される端部には、それぞれ予備溝が設けられ、テストサンプルの両端には預置の円形の穴があり、テストサンプルの両端はネジの予備溝内と付勢ボルトの予備溝内にそれぞれ挿入され、ピンで連結され、
矩形圧縮バネは支持フレームと付勢ナットの間に配置され、異なる応力の付勢に応じて仕様の異なる矩形圧縮バネを選択し、付勢ナットを締め付けることで矩形圧縮バネを変形させることを特徴とする請求項1に記載の応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置。
【請求項3】
前記支持フレームには六角形の穴が設けられ、ボルトの外形と付勢ナットの外形はいずれも六角形に加工され、
取り付けの際に、ネジと付勢ボルトは六角形の穴を通り、ネジの端部及び付勢ボルトの端部に対するテストサンプル両端の固定接続を実現することを特徴とする請求項2に記載の応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置。
【請求項4】
化学腐食試験の過程では、試験する表面以外のテストサンプル表面に対して絶縁処理してゴム栓で密封し、腐食チャンバーの両側には貫通穴が設けられ、貫通穴にはゴム栓が配置され、テストサンプルの両端はゴム栓を通過し、テストサンプルとゴム栓の縁はシーリング剤で密封され、
前記腐食チャンバーの側壁には、参照電極と対電極が挿入される予備孔が設けられ、腐食チャンバーの両端にかかる摩耗荷重を軽減するように前記腐食チャンバーの底部にはスペーサーが設けられ、
スペーサーは非導電性材料であり、且つプラスチックであることを特徴とする請求項3に記載の応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置。
【請求項5】
前記摩擦摩耗試験機は研削ボールとクランプ機構を含み、研削ボールとクランプ機構は研削ボール、スプリングコレット及びスリーブを含み、研削ボールはスプリングコレット内に取り付けられ、スリーブを締め付けることで研削ボールの固定を実現し、研削ボールはテストサンプルと接触し、サーボモーターによって左右に往復運動を行い、テストサンプルの摩耗を実現することを特徴とする請求項4に記載の応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置。
【請求項6】
対照実験のセットアップを完成するように試験装置の数は複数であり、且つ三つであることを特徴とする請求項5に記載の応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置。
【請求項7】
作業プロセスは以下の通りであり、
加工済みのテストサンプルの両端を絶縁テープで巻いて絶縁して、次に腐食チャンバー内に取り付け、取り付ける前にテストサンプルの下にスペーサーを置き、ゴム栓で両端を密封して電解質の漏れを避け、腐食チャンバー側壁の予備孔に参照電極と対電極を挿入し、次に、ネジ及び付勢ボルトを支持フレームに固定し、テストサンプルの両端をそれぞれネジの予備溝内と付勢ボルトの予備溝内に挿入し、矩形圧縮バネ、付勢ナットを順次に付勢ボルトに固定し、ピンを取り付け、ピンをネジとテストサンプルの預置の円形の穴に挿入し、円形の穴の直径はピンの円筒部分の直径と一致し、
三組の試験装置は作業原理が全て同じであり、三組を設定する目的は対照実験を行うためであり、
対照実験を順次に行い、参照電極と対電極は三組の試験装置の腐食チャンバー内に順次取り付けられ、配合した腐食液を腐食チャンバー内に注入し、摩耗試験機で摩耗荷重と摩耗頻度を設定し、研削ボールを摩耗試験機によって下方に移動してテストサンプルと接触して、下方向の荷重を加え、研削ボールとテストサンプルの間で相対的な往復摺動を行い、摩耗を実現し、これにより、テストサンプルは付勢ボルトによる応力作用、腐食チャンバー内の環境媒体による腐食作用、及び研削ボールの往復摺動による摩耗作用を受け、応力・摩耗・腐食の複合作用下で損傷が発生することを特徴とする請求項6に記載の応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置。
【請求項8】
腐食摩耗モデルを用いて、腐食摩耗時の材料の総損失率T
W+C
、腐食のない摩耗速度W

、摩耗のない腐食速度C

、腐食が摩耗速度に及ぼす影響ΔW

、摩耗が腐食速度に及ぼす影響ΔC

を計算するステップ(1)と、
応力・摩耗・腐食の複合作用下での材料の総損失率T
S+W+C
、応力が摩耗腐食に及ぼす影響ΔT

、応力が腐食に及ぼす影響ΔC

、応力が摩耗に及ぼす影響ΔW

を計算するステップ(2)と、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置の定量評価方法。
【請求項9】
ステップ(1)で摩耗・腐食の相互作用は以下の式を用い、
TIFF
2025092463000018.tif
7
56
TIFF
2025092463000019.tif
7
42
TIFF
2025092463000020.tif
9
36
TIFF
2025092463000021.tif
11
26
TIFF
2025092463000022.tif
10
63
TIFF
2025092463000023.tif
7
57
式中、V
W+C
は腐食摩耗時の表面摩耗体積(mm

)であり、V

は純粋な摩耗時の表面摩耗体積(mm

)であり、Aは腐食液におけるテストサンプルの露出面積(mm

)であり、tは複合作用時間(h)、K

は定数3.27×10
-3
mm・g・(μA・cm・yr)
-1
であり、i

は腐食時のみの腐食電流(μA・cm

)であり、i
W+C
は腐食摩耗時の腐食電流(μA・cm

)であり、EWはテストサンプルの等価質量であり、ρはテストサンプルの密度(g・cm
-3
)であり、
ΔC

>0であれば、摩耗が腐食に加速作用を持つことを示し、ΔC

<0であれば、摩耗が腐食に抑制作用を持つことを示し、ΔW

>0であれば、腐食が摩耗に加速作用を持つことを示し、ΔW

<0であれば、腐食が摩耗に抑制作用を持つことを示すことを特徴とする請求項8に記載の応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置の定量評価方法。
【請求項10】
ステップ(2)で摩耗・腐食の相互作用は以下の式を用い、
TIFF
2025092463000024.tif
5
30
式中、
TIFF
2025092463000025.tif
10
56
TIFF
2025092463000026.tif
9
49
TIFF
2025092463000027.tif
10
97
応力が腐食摩耗に及ぼす影響ΔT

は、さらに応力が腐食に及ぼす影響ΔC
S、
と応力が摩耗に及ぼす影響ΔW

に分けられ、
TIFF
2025092463000028.tif
9
89
TIFF
2025092463000029.tif
10
34
式中、V
S+W+C
は応力・腐食・摩耗の複合作用下での表面摩耗体積(mm

)であり、i
S+W+C
は応力・腐食・摩耗の複合作用下での腐食電流(μA・cm

)であり、
ΔC

>0であれば、応力が腐食に加速作用を持つことを示し、ΔC

<0であれば、応力が腐食に抑制作用を持つことを示し、ΔW

>0であれば、応力が摩耗に加速作用を持つことを示し、ΔW

<0であれば、応力が摩耗に抑制作用を持つことを示す請求項9に記載の応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置の定量評価方法。

発明の詳細な説明【関連出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は、2023年12月08日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第2023116810807号の利益および優先権を主張するものであり、その開示内容は、参照によりその全体が本出願の一部として本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 2,500 文字)【技術分野】
【0002】
本発明は材料の失効(破損)解析分野に属し、具体的には、応力‐摩耗‐腐食の複合環境を実現する試験装置及び定量評価方法に関し、応力・摩耗・腐食の複合環境下における金属材料の損傷挙動の試験を実現するだけでなく、金属材料の損傷に及ぼすさまざまな環境因子の役割を定量的に分析することもできる。
【背景技術】
【0003】
海洋工学装備が海水環境で使用される際、その主要な可動部品(例えば、深海潜水器の浮力調節システム、海水油圧伝達システム、潜水艦の?軸及びその滑動支持軸受、水中作業用マニピュレーターなど)は、海水環境による腐食問題にさらされるだけでなく、摩耗荷重や静的引張荷重の影響も受けるため、応力・腐食・摩耗の相互作用による多要素の複合損傷が生じる。現在、海洋工学装備用金属材料の性能に関する研究は、摩耗、腐食、疲労、応力腐食割れ、腐食摩耗などの単一または二つの環境相互作用メカニズムにのみ焦点を当てており、応力・摩耗・腐食の多要素複合環境下での金属材料の使用挙動に関する試験装置や評価手段は不足している。
【0004】
中国特許公開番号CN103926146A(特許文献1)では、小テストサンプルの定荷重応力腐食評価方法及び装置が公開されており、当該評価方法と装置を用いて、標準テストサンプルに加工できない薄肉管や小型部品の応力腐食割れ抵抗特性を測定し、試験結果に基づいて部品材料の適用性を得ることができ、薄肉管や小型部品の材料選定と適用性評価を行うことができる。中国特許公開番号CN107478528A(特許文献2)では、腐食摩耗に使用できる試験方法が公開されており、主に摩耗や腐食の作業条件が存在する動的腐食摩耗寿命試験に対して、腐食摩耗の使用条件をシミュレートした試験方法を提案し、これは、動的腐食摩耗における電気化学的腐食摩耗の測定に使用でき、摩耗過程における腐食の定量的研究を有効に説明する。以上から、材料が単一または二つの環境要因の相互作用下での性能評価には、現在多くの試験手段があり、摩耗試験、腐食試験、疲労試験、応力腐食Cリング試験または低速引張試験、腐食摩耗試験などが含まれ、一部の評価手段は公開特許や国家標準が既に存在している。
【0005】
近年、中国特許公開番号CN110940605A(特許文献3)では、伝熱管の摩耗、応力、腐食の複合作用を検証する試験装置及び伝熱管の使用挙動を評価する方法が公開され、摩耗・応力・腐食の複合作用による試験プロセスを確立でき、実際の使用条件により近い環境下で伝熱管の使用挙動を研究し、多要素複合作用下での重要な挙動データを取得し、摩耗・応力・腐食の複合作用下での伝熱管の失効(破損)メカニズムを明らかにし、伝熱管の使用挙動評価方法の構築に基礎を提供する。しかし、当該試験装置と評価手段では、摩擦係数、電流、電位など、耐摩耗性や耐腐食性の評価に関連するパラメータを同期にモニタリングすることができず、多要素複合環境における重要な環境因子を定量的に測定できない。したがって、応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置及び環境因子を定量的に評価する方法の発明が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
中国特許公開番号CN103926146A
中国特許公開番号CN107478528A
中国特許公開番号CN110940605A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既存の技術の不足に対して、本発明は応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置及び定量評価方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を採用する。
応力・摩耗・腐食の複合環境を実現する試験装置であって、テストサンプルに応力を加える付勢機構と、テストサンプルに電気化学的腐食試験を行う腐食機構と、テストサンプルに摩耗を施す摩耗機構を含み、付勢機構はバネの変形によってテストサンプルに応力を加え、腐食機構は腐食チャンバーを含み、腐食チャンバーの上部は開口部であり、第一に、開口部から電解液を追加しやすくするためであり、電解液中のCl?濃度やpH値を配合して腐食環境を変更することができ、第二に、摩耗機構の摩擦部品が往復運動を行いやすくするためであり、前記の摩耗機構は、摩擦摩耗試験機によりテストサンプルに摩耗を施し、摩擦摩耗試験機によって異なる摩耗荷重及び摩耗頻度を加えることができる。材料は任意の金属材料または金属基複合材料とすることができる。
【0009】
好ましくは、前記付勢機構は、支持フレーム、ネジ、付勢ボルト、付勢ナット及び矩形圧縮バネを含み、前記ネジにおけるテストサンプルに接続される端部及び付勢ボルトにおけるテストサンプルに接続される端部には、それぞれ予備溝が設けられ、テストサンプルの両端には預置の円形の穴があり、テストサンプルの両端はネジの予備溝内と付勢ボルトの予備溝内にそれぞれ挿入され、ピンで連結され、
矩形圧縮バネは支持フレームと付勢ナットの間に配置され、異なる応力の付勢に応じて仕様の異なる矩形圧縮バネを選択し、付勢ナットを締め付けることで矩形圧縮バネを変形させる。付勢ナットの変位距離に基づいて変形量を測定し、フックの法則により負荷応力値を求めることができる。
【0010】
好ましくは、付勢過程でテストサンプルがねじれないようにするために、付勢ボルトと付勢ナットの外形は六角形に加工され、支持フレームには六角形の穴が設けられ、取り付けの際にネジと付勢ボルトは、六角形の穴を通り、ネジの端部及び付勢ボルトの端部に対するテストサンプル両端の固定接続を実現する。
(【0011】以降は省略されています)

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