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公開番号2025093817
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2023209712
出願日2023-12-12
発明の名称ICカードおよびその製造方法
出願人大日本印刷株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G06K 19/077 20060101AFI20250617BHJP(計算;計数)
要約【課題】カード基体の層構成の設計自由度を確保しICモジュールとの良好な接着力が安定的に得られるICカード及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ICカードは、凹部9を備えたカード基体2と、基板72の一方の面に形成された外部接続端子71及び他方の面に配置されたICチップを内包するモールド部74bを備えたICモジュール70と、を備える。凹部9は、外部接続端子71を収納する表面から第1の深さを有する第1凹部91と、モールド部74bを収納するための第2の深さを有する第2凹部92とから構成される。カード基体2は、第1基材(インナー層41)と、第1基材よりも遠い側の第2基材(コア層51)と、を備える。第1凹部91の底面は、第1基材と対向する側の第2基材の表面の一部で形成され、第1基材及び第2基材の間であって、カード基体2の平面視で凹部9の外周の少なくとも一部を含む領域に融着阻害層60が形成されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
外部機器との接触通信が可能なICカードであって、
凹部を備えたカード基体と、
ICモジュールであって、基板、前記基板の一方の面に形成された外部接続端子、および前記基板の他方の面に配置された、ICチップを内包するモールド部、を備えたICモジュールと、を備え、
前記凹部は、前記外部接続端子を収納するための、前記カード基体の表面から第1の深さを有する第1凹部と、前記モールド部を収納するための、前記第1の深さよりも深い第2の深さを有する第2凹部と、から少なくとも構成され、
前記カード基体は、第1基材と、前記第1基材よりも前記表面から遠い側の第2基材と、を備え、
前記第1凹部の底面は前記第1基材と対向する側の前記第2基材の表面の一部で形成され、
前記第1基材および前記第2基材の間であって、前記カード基体の平面視で前記凹部の外周の少なくとも一部を含む領域に融着阻害層が形成されている、ICカード。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記融着阻害層は、前記カード基体の平面視で前記凹部の外周の全域を含む領域に形成されている、請求項1に記載のICカード。
【請求項3】
前記融着阻害層は、前記第2基材と対向する側の前記第1基材の表面にOPニスにて形成されている、請求項1に記載のICカード。
【請求項4】
前記第1凹部は、前記カード基体が切削加工により前記第1の深さよりも浅い第3の深さまで切削された後、前記第1凹部の形成される領域に対応する、前記第1基材の第1部分と、前記第2基材と対向する側の前記第1部分の表面に形成された融着阻害層の第2部分とが前記第2基材から剥離して形成されたものである、請求項1に記載のICカード。
【請求項5】
デュアルインターフェースICカードである、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のICカード。
【請求項6】
第1基材と、第2基材と、ICモジュールであって、基板、前記基板の一方の面に形成された外部接続端子、および前記基板の他方の面に配置された、ICチップを内包するモールド部、を備えたICモジュールと、を準備する工程と、
前記第1基材の一方の面に融着阻害層を形成する工程と、
前記融着阻害層が前記第1基材および前記第2基材に挟まれるように、少なくとも前記第1基材および前記第2基材を積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体をカードサイズのカード基体に打ち抜く工程と、
前記カード基体の表面から近い側に前記第1基材が配置され、前記表面から遠い側に前記第2基材が配置されるようにして、前記カード基体の表面から第1の深さを有する第1凹部と、前記モールド部を収納するための、前記第1の深さよりも深い第2の深さを有する第2凹部と、から少なくとも構成される凹部を切削加工にて形成する工程と、
前記凹部に、前記ICモジュールを埋設、固定する工程と、を備え、
前記カード基体を切削加工により前記第1の深さよりも浅い第3の深さまで切削した後、前記第1凹部の形成される領域に対応する、前記第1基材の第1部分と、前記第2基材と対向する側の前記第1部分の表面に形成された融着阻害層の第2部分とを前記第2基材から剥離することによって前記第1凹部を形成する、ICカードの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器との接触通信が可能なICカードに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ICカードとして、カード表面の外部接続端子を通じて電気信号の入出力を行う接触式ICカードや、アンテナを介して電磁誘導等により電気信号の入出力を行う非接触式ICカードが用いられている。また、これらに加えて、カードが備える単一のICチップにより、接触式ICカードの機能と非接触式ICカードの機能とのいずれも実現できる接触式および非接触式共用ICカード、すなわちデュアルインターフェースICカードも用いられている。
【0003】
ところで、接触式ICカードの製造は以下のようにして行われる。例えば、特許文献1に記載されるように、カード基材の所定の位置にミリング加工により第1の凹部と、第2の凹部と、側面に曲線状の凸部を少なくとも一つ有する第3の凹部とからなる凹部を形成する。次に、ICモジュールのモールド樹脂部側の周辺の基板外周部にホットメルト接着シートを仮止めし、ICモジュールの基板周辺部にホットメルト接着シートが仮止めされたICモジュールを作製する。さらに、カード基材の第1の凹部とICモジュールのモールド樹脂部側の周辺の基板外周部のホットメルト接着シートとが対向するように配置し、ICモジュールの外部接続端子側より加圧、加熱することにより、ICモジュールをカード基材の凹部に固定、実装する。ただし、通常は第3の凹部は形成されないことが多い。
【0004】
ここで、ICモジュールを埋設するための凹部は、通常、外部接続端子を収納するためのカード基体の表面から第1の深さを有する第1凹部と、ICチップを内包するモールド部を収納するための第1の深さよりも深い第2の深さを有する第2凹部と、から少なくとも構成される。ICモジュールとカード基体との接着は、主として第1凹部にて両者の間にシート状または液状の接着層を設けることにより行う。ところで、カード基体は通常、複数の同一または異なる樹脂材料の基材が積層されて構成される。しかし、第1凹部の底面の深さ付近に異なる材料の基材の界面が配置される場合、第1凹部の深さや各基材の厚さのばらつき、熱収縮等によって、異なる材料の基材同士の界面のカード基体の厚さ方向の位置が変動し得る。このため、第1凹部の底面に上層側の基材が露出する場合と、下層側の基材が露出する場合とが生じ得る。
【0005】
カード基体の設計は、ICカードの材料コスト、曲げ強度、耐熱性、加工適性等を考慮して各層の基材構成が決められる。もし、良好に接着層との接着が得られる基材とそうではない基材とを積層する場合、前者の基材を確実に第1凹部の底面に露出させることが必要となる。しかしこの場合、上述したような異なる材料の基材同士の界面のカード基体の厚さ方向の位置の変動を考慮して、所望の基材が厚さ方向のある範囲に存在するように各基材の厚さや配置を決めなければならない。その結果、カード基体を構成する材料や層構成の選択枝が制限され、カード基体の設計の自由度が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-86914公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、接触式ICカード等のカード基体が材質の異なる複数の基材の積層により構成される場合に、カード基体の層構成の設計自由度を確保しつつ、ICモジュールとの良好な接着力が安定的に得られるICカードおよびICカードの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施の形態による、外部機器との接触通信が可能なICカードの第1の構成は、凹部を備えたカード基体と、ICモジュールであって、基板、前記基板の一方の面に形成された外部接続端子、および前記基板の他方の面に配置された、ICチップを内包するモールド部、を備えたICモジュールと、を備え、前記凹部は、前記外部接続端子を収納するための、前記カード基体の表面から第1の深さを有する第1凹部と、前記モールド部を収納するための、前記第1の深さよりも深い第2の深さを有する第2凹部と、から少なくとも構成され、前記カード基体は、第1基材と、前記第1基材よりも前記表面から遠い側の第2基材と、を備え、前記第1凹部の底面は前記第1基材と対向する側の前記第2基材の表面の一部で形成され、前記第1基材および前記第2基材の間であって、前記カード基体の平面視で前記凹部の外周の少なくとも一部を含む領域に融着阻害層が形成されている。
【0009】
また、本実施の別の形態による外部機器との接触通信が可能なICカードの第2の構成は、上記第1の構成において、前記融着阻害層は、前記カード基体の平面視で前記凹部の外周の全域を含む領域に形成されてもよい。
【0010】
また、本実施の別の形態による外部機器との接触通信が可能なICカードの第3の構成は、上記第1の構成または第2の構成において、前記融着阻害層は、前記第2基材と対向する側の前記第1基材の表面にOPニスにて形成されてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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