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公開番号2025096540
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2025065886,2022059176
出願日2025-04-11,2021-06-04
発明の名称両面銅張積層板
出願人三井金属鉱業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H05K 1/03 20060101AFI20250619BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】キャパシタとして用いた場合に、高いキャパシタ容量を確保しながら、耐電圧性及び剥離強度において優れた特性を発揮可能な、キャパシタを形成するための両面銅張積層板を提供する。
【解決手段】樹脂フィルムの両面に、それぞれ接着層及び銅箔を順に備えており、樹脂フィルムは、25℃で硬化状態であり、銅箔はいずれも、接着層に接する側の面の、ISO25178に準拠して測定される最大山高さSpが0.05μm以上3.3μm以下である、両面銅張積層板。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
樹脂フィルムの両面に、それぞれ接着層及び銅箔を順に備えた両面銅張積層板であって、
前記樹脂フィルムは、25℃で硬化状態であり、
前記銅箔はいずれも、前記接着層に接する側の面の、ISO25178に準拠して測定される最大山高さSpが0.05μm以上3.3μm以下であり、かつ、ISO25178に準拠して測定されるクルトシスSkuが2.6以上4.0以下であり、
前記接着層及び前記樹脂フィルムの組合せは、硬化後の周波数1MHzにおける比誘電率が3.5以上30以下である、両面銅張積層板。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記接着層及び前記樹脂フィルムの組合せは、硬化後の周波数1MHzにおける比誘電率が3.5以上27以下である、請求項1に記載の両面銅張積層板。
【請求項3】
前記樹脂フィルムは、硬化後の周波数1MHzにおける比誘電率が2以上30以下である、請求項1又は2に記載の両面銅張積層板。
【請求項4】
前記接着層は、硬化後の周波数1MHzにおける比誘電率が2.5以上30以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の両面銅張積層板。
【請求項5】
前記樹脂フィルムの厚さが0.5μm以上30μm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の両面銅張積層板。
【請求項6】
前記樹脂フィルムが、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の両面銅張積層板。
【請求項7】
前記接着層が、熱可塑性の成分及び/又は熱硬化性の成分で構成される樹脂成分を含み、前記樹脂成分がエポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート樹脂、活性エステル樹脂、フェノール樹脂、及びジアミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の両面銅張積層板。
【請求項8】
前記接着層は、Ba、Ti、Sr、Pb、Zr、La、Ta、Ca及びBiからなる群から選択される少なくとも2種を含有する複合金属酸化物である誘電体フィラーをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の両面銅張積層板。
【請求項9】
前記複合金属酸化物が、BaTiO

、SrTiO

、Pb(Zr,Ti)O

、PbLaTiO

、PbLaZrO、及びSrBi

Ta



からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項8に記載の両面銅張積層板。
【請求項10】
IPC-TM650-2.4.6.Cに準拠して測定される、前記銅箔及び前記樹脂フィルム間の剥離強度が、0.5kgf/cm以上4.0kgf/cm以下である、請求項1~9のいずれか一項に記載の両面銅張積層板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、両面銅張積層板に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
プリント配線板は携帯用電子機器等の電子通信機器に広く用いられている。特に、近年の携帯用電子通信機器等の軽薄短小化及び高機能化に伴い、プリント配線板におけるノイズの低減等が課題となっている。ノイズ低減を可能にするにはキャパシタが重要となるが、高性能化を実現するために、キャパシタにはプリント配線板の内層に組み込まれる程の小型化及び薄型化が望まれる。そして、このようなキャパシタを形成するために、両面銅張積層板が用いられる。両面銅張積層板は、概して、誘電体層として機能する樹脂層の両面を銅箔で挟み込んだ構成となっており、キャパシタの高機能化にはより適切なこれら構成要素の選択が重要になる。
【0003】
例えば、特許文献1(特許第5048181号)には、電気回路を作成するためにパターン形成することができる受動電気物品が開示されている。この受動電気物品は、(a)2つの対向する主面を有する第1の自立基材と、(b)2つの対向する主面を有する第2の自立基材と、(c)ポリマーを含み、第1及び第2の基材の間で約0.5乃至約10μmの範囲の厚さを有する電気絶縁性層又は導電性層とを含む受動電気物品である。そして、これら層と接触する第1の基材の主面、及び層と接触する第2の基材の主面のRMS平均表面粗さが約10乃至約300nmの範囲であり、RMS平均を測定するために使用される基材面から上方又は下方の距離であるzのすべてが電気絶縁性層又は導電性層の厚さの半分を超えることはなく、受動電気物品の第1及び第2の基材を剥離角90°で分離するために必要な力が約3ポンド/インチ(約0.5kN/m)を超えることを特徴とする受動電気物品が開示されている。
【0004】
特許文献2(特許第4148501号)には、バインダー樹脂と誘電体フィラーとからなる誘電体フィラー含有樹脂組成物が開示されている。バインダー樹脂は、20~80重量部のエポキシ樹脂(硬化剤を含む)、20~80重量部の有機溶剤に可溶な芳香族ポリアミド樹脂ポリマー、及び必要に応じて適宜量添加する硬化促進剤からなる。誘電体フィラーは、BaTiO

、SrTiO

、Pb(Zr-Ti)O

、PbLaTiO

・PbLaZrO、SrBi

Ta



のいずれか1種以上からなり、平均粒径DIAが0.1~1.0μmであって、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50が0.2~2.0μmであり、かつ、重量累積粒径D50と画像解析により得られる平均粒径DIAとを用いてD50/DIAで表される凝集度の値が4.5以下である略球形の形状をしたペロブスカイト構造を持つ誘電体粉末である。
【0005】
特許文献3(特許第3770537号)には、両面の外層に導電体である銅箔層が配され、片面側の銅箔層と他面側の銅箔層と間に誘電体となる樹脂層が狭持された層構成を備える両面銅張積層板により形成される、多層プリント配線板の内層部に納められるキャパシタが開示されている。樹脂層は、その層構成が熱硬化性樹脂層/耐熱性フィルム層/熱硬化性樹脂層である三層の構造を備え、かつ、トータル厚さが25μm以下である。熱硬化性樹脂層はエポキシ系樹脂材で構成され、耐熱性フィルム層は、ヤング率が300kg/mm

以上、引張り強さ20kg/mm

以上、引張り伸び率5%以上の常態特性を備え、両面に位置する熱硬化性樹脂層を構成する熱硬化性樹脂の成形温度よりも高い軟化温度を持ち、かつ、IPC-TM-650のパラグラフ2.5.5.9に準拠した1MHzの測定条件における比誘電率が2.5以上の、厚さ0.5~12.5μmの耐熱性フィルムである樹脂材で構成された両面銅張積層板より形成されることを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5048181号
特許第4148501号
特許第3770537号
WO2015/033917A1
WO2003/096776A1
【発明の概要】
【0007】
しかし、上述のように、両面銅張積層板を構成する樹脂層や銅箔について検討されてはいるものの、更なる改善が望まれる。例えば、特許文献3に記載のように、耐熱性フィルム(樹脂フィルム)を誘電体層の中間に有する構成である場合、銅箔の表面に大きなコブ等があることで、このコブ等が樹脂フィルムに上下から接する樹脂層を貫くことがある。このような銅箔表面のコブ等がキャパシタを構成する銅箔双方の樹脂側表面に存在すると、両面銅張積層板の中間にある樹脂フィルムの絶縁性だけで耐電圧特性を満たす必要があり、要求される耐電圧のレベルによっては樹脂フィルムをより厚くせざるを得ない。しかし、樹脂フィルム部分はフィラーのような複合酸化物を含有せず、樹脂層よりも誘電特性が劣るものであるため、樹脂フィルムをより厚くするとキャパシタ容量が低下してしまう問題がある。すなわち、樹脂フィルムの厚さとキャパシタ容量(すなわち静電容量)とはトレードオフの関係にある。さらに、静電容量だけでなく、耐電圧性及び剥離強度(すなわち回路密着性)を確保することも望まれる。回路密着性確保の観点からは一般に(表面に大きなコブ等がある)高粗度な銅箔が望まれるが、上述した通り耐電圧の観点では望ましくない。これに加え、銅箔と樹脂層と樹脂フィルムの良好な貼り合わせ状態を実現する必要もあるため、各々の要求を満たす銅箔の表面形状の制御は容易ではなかった。
【0008】
本発明者らは、今般、両面銅張積層板の銅箔の表面性状を制御することにより、キャパシタとして用いた場合に、高いキャパシタ容量を確保しながら、耐電圧性及び剥離強度において優れた特性を発揮できるとの知見を得た。
【0009】
したがって、本発明の目的は、キャパシタとして用いた場合に、高いキャパシタ容量を確保しながら、耐電圧性及び剥離強度において優れた特性を発揮可能な両面銅張積層板を提供することにある。
【0010】
本発明の一態様によれば、樹脂フィルムの両面に、それぞれ接着層及び銅箔を順に備えた両面銅張積層板であって、
前記樹脂フィルムは、25℃で硬化状態であり、
前記銅箔はいずれも、前記接着層に接する側の面の、ISO25178に準拠して測定される最大山高さSpが0.05μm以上3.3μm以下である、両面銅張積層板が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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