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公開番号2025097166
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-30
出願番号2023213298
出願日2023-12-18
発明の名称乾式摩擦材及びその製造方法並びに乾式摩擦材用組成物及びその製造方法
出願人株式会社アイシン
代理人個人,個人,個人
主分類C08J 5/14 20060101AFI20250623BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】従来に比べて簡便に製造できる乾式摩擦材及びその製造方法並びに乾式摩擦材用組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】乾式摩擦材1は、マトリックス材11と分散材12とを含み、マトリックス材11は、加硫ゴムを含み、分散材12は、耐熱補強繊維121、及び、摩擦調整材を含み、耐熱補強繊維121が一定方向に配向されている。本乾式摩擦材用組成物は、未加硫ゴムと耐熱補強繊維と摩擦調整材との混錬物を押し出してなる。本乾式摩擦材用組成物の製造方法は、未加硫ゴムと耐熱補強繊維と摩擦調整材との混錬物を押し出す押出工程を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
マトリックス材と分散材とを含んだ乾式摩擦材であり、
前記マトリックス材は、加硫ゴムを含み、
前記分散材は、耐熱補強繊維、及び、摩擦調整材を含み、
前記耐熱補強繊維が一定方向に配向されていることを特徴とする乾式摩擦材。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
円形又は弧形をなした外縁を有し、
前記配向は、前記外縁に対して並行な配向である請求項1に記載の乾式摩擦材。
【請求項3】
前記加硫ゴム100質量部に対して、前記耐熱補強繊維は50質量部以上300質量部以下である請求項1又は2に記載の乾式摩擦材。
【請求項4】
前記耐熱補強繊維の平均繊維長が1~3mmである請求項3に記載の乾式摩擦材。
【請求項5】
前記耐熱補強繊維の平均繊維径が15μm以下である請求項4に記載の乾式摩擦材。
【請求項6】
請求項1に記載の乾式摩擦材を得るための乾式摩擦材用組成物であって、
前記加硫ゴムとなる未加硫ゴムと、前記耐熱補強繊維と、前記摩擦調整材と、の混錬物を押し出してなることを特徴とする乾式摩擦材用組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の乾式摩擦材用組成物を加硫してなることを特徴とする乾式摩擦材。
【請求項8】
請求項1に記載の乾式摩擦材を得るための乾式摩擦材用組成物の製造方法であって、
前記加硫ゴムとなる未加硫ゴムと、前記耐熱補強繊維と、前記摩擦調整材と、の混錬物を押し出す押出工程を備えることを特徴とする乾式摩擦材用組成物の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の製造方法で得た乾式摩擦材用組成物から乾式摩擦材を得るための乾式摩擦材の製造方法であって、
前記乾式摩擦材用組成物を加硫する加硫工程、を備えることを特徴とする乾式摩擦材の製造方法。
【請求項10】
前記 加硫ゴム100質量部に対して、前記耐熱補強繊維は50質量部以上300質量部以下である請求項9に記載の乾式摩擦材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、乾式摩擦材及びその製造方法並びに乾式摩擦材用組成物及びその製造方法に関する。更に詳しくは、マトリックス材と分散材とを含んだ乾式摩擦材及びその製造方法並びに乾式摩擦材用組成物及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、乾式摩擦材は、複雑な方法によって製造される。例えば、(1)熱硬化性樹脂の溶液又は熱硬化性樹脂が分散された分散液等の樹脂液を調合する樹脂液調合工程、(2)樹脂液をガラスロービング(ガラス繊維束)に含浸させる樹脂液含浸工程、(3)ガラスロービングに含浸された樹脂液を乾燥させる樹脂液乾燥工程、(4)ラテックス、加硫剤、添加剤等を含んだ配合ゴムを調製するゴム練り工程、(5)樹脂含浸されたガラスロービングを配合ゴムで被覆する被覆工程、(6)配合ゴムが被覆されたガラスロービングを所定の大きさに巻き取りリング状にする巻取工程、(7)巻き取ったガラスロービングを成形に入れして熱成形する熱成形工程、(8)熱成形された成形物の熱硬化性樹脂を硬化させる熱処理工程、(9)得られた素成形物を研磨する研磨工程、(10)研磨された成形物に必要な穿孔を行う穿孔工程、という工程を備えた製法が採用される(下記特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000-037797号公報
特開2014-214772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この乾式摩擦材に関して、その概形は、円環形状が多用されるが、この点、湿式摩擦材も円環形状が多用される。しかしながら、乾式摩擦材と湿式摩擦材とでは、その製法が大きく異なる。例えば、湿式摩擦材は、所定の摩擦性能を発揮する摩擦基材セグメントを、予め円環形状に整形されたプレートの表面に貼り付けて製造できる。対して、乾式摩擦材は、上述の通り、ロービング材を円環形状に配置したうえ、熱圧成形を行い、更に、研磨等の整形を経て円環形状を得る。このように湿式摩擦材では、原型プレートを利用するのに対し、乾式摩擦材では、原型プレートを利用せず、概形をロービング材から整形する点において複雑な製造過程を要しているといえる。これは、乾式摩擦材に要求される性能を、セグメントの貼り付け等によって得ることが困難であることに起因すると考えられる。このため、乾式摩擦材に要求される性能を充足しながら、より簡便に製造できる乾式摩擦材及びその製造方法並びに乾式摩擦材用組成物及びその製造方法が求められる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、従来に比べて、簡便に製造できる乾式摩擦材及びその製造方法並びに乾式摩擦材用組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上述の通り、より簡便な製法を目的として、ロービング材(ガラスロービングを用いた乾式摩擦材用材料)の利用を、モールド材(型成形できる乾式摩擦材用材料)へ置き換える検討を行った。その結果、従来の乾式摩擦材では、ロービングの存在が成形精度を向上させていること、及び、耐衝撃強度を向上させていることを知見した。他方、モールド材を実現するには、ロービングに代えて、補強繊維として短繊維の配合が可能と考えられ、その際、より多い量の補強繊維の配合が成形精度の向上及び耐衝撃強度の向上に寄与すると考えられた。しかしながら、モールド材を得るには、種々の他原料との混合を行う必要があり、配合する補強繊維の量が多くなるほどに、他成分(摩擦調整剤、硬化性樹脂、可塑剤等)との配合バランスを維持することが困難になることが分かってきた。そこで、本発明者は、補強繊維の寄与度を配合量以外の性質で向上させる必要があると考え、その性質の1つとして、補強繊維の配向性に着眼した。そして、無作為に配置された補強繊維が各性能に対する補強繊維の寄与度を低下させていることを見出し、乾式摩擦材内における補強繊維の配向を積極的に整えることができれば、要求性能を充足する乾式摩擦材が得られると考え、補強繊維の積極的な配向を実現する手法を検討した。そして、この手法を見出したことにより、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕マトリックス材と分散材とを含んだ乾式摩擦材であり、
前記マトリックス材は、加硫ゴムを含み、
前記分散材は、耐熱補強繊維、及び、摩擦調整材を含み、
前記耐熱補強繊維が一定方向に配向されていることを特徴とする乾式摩擦材。
〔2〕円形又は弧形をなした外縁を有し、
前記配向は、前記外縁に対して並行な配向である上記〔1〕に記載の乾式摩擦材。
〔3〕前記加硫ゴム100質量部に対して、前記耐熱補強繊維は50質量部以上300質量部以下である上記〔1〕又は〔2〕に記載の乾式摩擦材。
〔4〕前記耐熱補強繊維の平均繊維長が1~3mmである上記〔1〕乃至〔3〕のうちのいずれかに記載の乾式摩擦材。
〔5〕前記耐熱補強繊維の平均繊維径が15μm以下である上記〔1〕乃至〔4〕のうちのいずれかに記載の乾式摩擦材。
〔6〕上記〔1〕乃至〔5〕のうちのいずれかに記載の乾式摩擦材を得るための乾式摩擦材用組成物であって、
前記加硫ゴムとなる未加硫ゴムと、前記耐熱補強繊維と、前記摩擦調整材と、の混錬物を押し出してなることを特徴とする乾式摩擦材用組成物。
〔7〕上記〔6〕に記載の乾式摩擦材用組成物を加硫してなることを特徴とする乾式摩擦材。
〔8〕上記〔1〕乃至〔5〕のうちのいずれかに記載の乾式摩擦材を得るための乾式摩擦材用組成物の製造方法であって、
前記加硫ゴムとなる未加硫ゴムと、前記耐熱補強繊維と、前記摩擦調整材と、の混錬物を押し出す押出工程を備えることを特徴とする乾式摩擦材用組成物の製造方法。
〔9〕上記〔8〕に記載の製造方法で得た乾式摩擦材用組成物から乾式摩擦材を得るための乾式摩擦材の製造方法であって、
前記乾式摩擦材用組成物を加硫する加硫工程、を備えることを特徴とする乾式摩擦材の製造方法。
〔10〕前記未加硫ゴム100質量部に対して、前記耐熱補強繊維が50質量部以上300質量部以下である上記〔9〕に記載の乾式摩擦材の製造方法。
〔11〕前記耐熱補強繊維の平均繊維長が1~3mmである上記〔9〕又は〔10〕に記載の乾式摩擦材の製造方法。
〔12〕前記耐熱補強繊維の平均繊維径が15μm以下である上記〔9〕乃至〔11〕のうちのいずれかに記載の乾式摩擦材の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の乾式摩擦材によれば、従来に比べて簡便に製造できる。
本発明の乾式摩擦材の製造方法によれば、従来に比べて簡便に優れた性能を有する乾式摩擦材を製造できる。
本発明の乾式摩擦材用組成物によれば、従来に比べて簡便に乾式摩擦材を製造できる。
本発明の乾式摩擦材用組成物の製造方法によれば、上記乾式摩擦材用組成物を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の乾式摩擦材の一例を説明する模式図である。
本発明の乾式摩擦材の他例を説明する模式図である。
本発明の乾式摩擦材の更に他例を説明する模式図である。
実施例に係る耐熱補強繊維の含有量と各変化率との相関を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を、図を参照しながら説明する。ここで示す事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要で、ある程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
(【0011】以降は省略されています)

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