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公開番号2025097566
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2023213809
出願日2023-12-19
発明の名称誤り率測定装置及び該装置を用いた自動位相調整方法
出願人アンリツ株式会社
代理人個人,個人
主分類H04L 7/00 20060101AFI20250624BHJP(電気通信技術)
要約【課題】被測定デバイスに入力するクロックの位相を位相マージンの中心に精度よく合わせる。
【解決手段】位相量算出部6bは、粗調整用位相可変器5aの位相量の増減制御によりクロックの位相を可変してエラー検出部6aによりエラーが検出された上限位置と下限位置との間の中心位置に対応する位相量を粗調整用の位相量として被調整デバイス2の構成要素ごとに算出し、微調整用位相可変器5bの位相量の増減制御によりクロックの位相を可変したときのエラー検出部6aによるエラー検出の有無に応じた位相量を微調整用の位相量として被調整デバイス2の構成要素ごとに算出する。位相量制御部6cは、クロックの位相が粗調整用の位相量となるように被調整デバイス2の構成要素ごとの粗調整用位相可変器5aの位相量を制御した後、クロックの位相が微調整用の位相量となるように微調整用位相可変器5bの位相量を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
誤り率測定装置の内部の被調整デバイス(2)の複数の構成要素ごとの位相調整を自動的に行うために、位相量が制御可能な位相可変器(5)を介して入力されるクロックのタイミングで制御部(6)からのデータを処理して被測定物に対して誤り率を測定するためのテスト信号を出力する前記被調整デバイス(2)を備えた誤り率測定装置(1)であって、
粗調整用位相可変器(5a)と、該粗調整用位相可変器よりも分解能の細かい微調整用位相可変器(5b)からなる前記位相可変器を前記被調整デバイスの構成要素に対応した数分だけ設け、
前記制御部は、
前記粗調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変した後、前記粗調整用位相可変器の位相量を増減制御したときの粗調整結果を基準として前記微調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変する位相量制御部(6c)と、
前記位相量制御部にて前記粗調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変したときに、前記被調整デバイスの構成要素ごとのエラーが入る上限位置と下限位置とを検出し、前記位相量制御部にて前記微調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変したときに、前記被調整デバイスの構成要素ごとのエラーが入る位置を検出するエラー検出部(6a)と、
前記粗調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変して前記エラー検出部によりエラーが検出された上限位置と下限位置との間の中心位置に対応する位相量を粗調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出し、前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときの前記エラー検出部によるエラー検出の有無に応じた位相量を微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出する位相量算出部(6b)とを備え、
前記クロックの位相が前記粗調整用の位相量となるように前記被調整デバイスの構成要素ごとの前記粗調整用位相可変器の位相量を制御した後、前記クロックの位相が前記微調整用の位相量となるように前記微調整用位相可変器の位相量を制御し、前記被調整デバイスの構成要素ごとの前記クロックの位相を自動調整することを特徴とする誤り率測定装置。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記位相量算出部(6b)は、前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときに、エラーが入る上限位置と下限位置とを前記エラー検出部が検出すると、前記エラーを検出した上限位置と下限位置との間の中心位置に対応する位相量を前記微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出することを特徴とする請求項1記載の誤り率測定装置。
【請求項3】
前記位相量算出部(6b)は、前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときに、前記エラー検出部がエラーを検出しなければ、前記粗調整用の位相量を前記微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出することを特徴とする請求項1記載の誤り率測定装置。
【請求項4】
前記位相量算出部(6b)は、前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときに、エラーが入る上限位置のみを前記エラー検出部が検出すると、前記エラーを検出した上限位置の値から位相マージンの半分の値を減算した値を前記微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出することを特徴とする請求項1記載の誤り率測定装置。
【請求項5】
前記位相量算出部(6b)は、前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときに、エラーが入る下限位置のみを前記エラー検出部が検出すると、前記エラーを検出した下限位置の値と位相マージンの半分の値とを加算した値を前記微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出することを特徴とする請求項1記載の誤り率測定装置。
【請求項6】
誤り率測定装置の内部の被調整デバイス(2)の複数の構成要素ごとの位相調整を自動的に行うために、位相量が制御可能な位相可変器(5)を介して入力されるクロックのタイミングで制御部(6)からのデータを処理して被測定物に対して誤り率を測定するためのテスト信号を出力する前記被調整デバイス(2)を備えた誤り率測定装置(1)を用いた自動位相調整方法であって、
粗調整用位相可変器と、該粗調整用位相可変器よりも分解能の細かい微調整用位相可変器からなる前記位相可変器を前記被調整デバイスの構成要素に対応した数分だけ設けるステップと、
前記粗調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変した後、前記粗調整用位相可変器の位相量を増減制御したときの粗調整結果を基準として前記微調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変するステップと、
前記粗調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変したときに、前記被調整デバイスの構成要素ごとのエラーが入る上限位置と下限位置とを検出し、前記微調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変したときに、前記被調整デバイスの構成要素ごとのエラーが入る位置を検出するステップと、
前記粗調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変して前記エラーが検出された上限位置と下限位置との間の中心位置に対応する位相量を粗調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出し、前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときの前記エラーの検出の有無に応じた位相量を微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出するステップと、
前記クロックの位相が前記粗調整用の位相量となるように前記被調整デバイスの構成要素ごとの前記粗調整用位相可変器の位相量を制御した後、前記クロックの位相が前記微調整用の位相量となるように前記微調整用位相可変器の位相量を制御し、前記被調整デバイスの構成要素ごとの前記クロックの位相を自動調整するステップとを含むことを特徴とする誤り率測定装置を用いた自動位相調整方法。
【請求項7】
前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときに、エラーが入る上限位置と下限位置とを検出すると、前記エラーを検出した上限位置と下限位置との間の中心位置に対応する位相量を前記微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出するステップを含むことを特徴とする請求項6記載の誤り率測定装置を用いた自動位相調整方法。
【請求項8】
前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときに、エラーを検出しなければ、前記粗調整用の位相量を前記微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出するステップを含むことを特徴とする請求項6記載の誤り率測定装置を用いた自動位相調整方法。
【請求項9】
前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときに、エラーが入る上限位置のみを検出すると、前記エラーを検出した上限位置の値から位相マージンの半分の値を減算した値を前記微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出するステップを含むことを特徴とする請求項6記載の誤り率測定装置を用いた自動位相調整方法。
【請求項10】
前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときに、エラーが入る下限位置のみを検出すると、前記エラーを検出した下限位置の値と位相マージンの半分の値とを加算した値を前記微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出するステップを含むことを特徴とする請求項6記載の誤り率測定装置を用いた自動位相調整方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、装置内蔵の例えばFPGA(field-programmable gate array) などの制御部から入力されるデータの同期を取るためのクロックの位相調整が必要な被調整デバイス(例えば波形整形ICなど)の自動位相調整が可能な誤り率測定装置及び該装置を用いた自動位相調整方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、データセンターやネットワークの通信量は増加の一途を辿っており、物理層で使用するデバイスの伝送速度や通信規格も高速・大容量化が進んでいる。これに伴い誤り率測定装置も高ビットレート、高変調レート化が要求される。たとえば、1レーン当たり32Gbit/sのNRZ信号を使用するPCI Express5.0や1レーン当たり53.125Gbaudの変調レートのPAM4信号を使う400Gイーサネット(登録商標)規格などが策定されている。
【0003】
ところで、誤り率測定装置内で使用するMUX(マルチプレクサ)、DEMUX(デマルチプレクサ)、D-FF(ディレイフリップフロップ)といった、データ入力とタイミング同期用のクロック入力を持ったICでは、データ入力に対するクロック入力の位相関係を許容範囲内すなわち位相マージン内にする必要がある。データとクロックの位相関係が位相マージンを逸脱してしまうと誤り率測定装置内でビットエラーが生じてしまい、ユーザが正確な誤り率(エラーレート)の測定ができなくなってしまうため、誤り率測定装置では位相可変器を搭載してクロックの位相を調整できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-175277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、誤り率測定装置を高速化するために、これらのICへ入力されるデータを高ビットレート化すると、その分位相マージンは狭くなっていくため、高精度でのクロック位相調整が要求されるという課題がある。
【0006】
また、これらのICに入力されるデータとクロックは、誤り率測定装置内のそれぞれ搭載部品が異なる別の経路を通ってくるため、温度による位相の変化量がそれぞれの経路毎に異なる。そのため、調整時から温度が変化するほどデータとクロックの位相関係がずれていってしまうという課題がある。位相関係が最適値からずれると、誤り率測定装置内でビットエラーが入りやすくなり、ジッタを印可できる余裕もなくなってしまう。
【0007】
さらに、デジタル制御の位相可変器(ディレイ可変IC)には最大位相可変量と設定分解能があり、一般的にこれらはトレードオフの関係になっている。誤り率測定装置内の位相関係を調整するために必要な位相可変量を満たすように位相可変器を選定すると、高ビットレートに対しては分解能が荒すぎて位相調整精度が不足する場合がある。たとえば、分解能12ps、8bitデジタル制御の位相可変器の場合、ジッタを含まない4Gbit/sの理想的な位相マージン250psに対しては21ポイントの位相設定を取り得るが、16Gbit/sの理想的な位相マージン62.5psに対しては6ポイントしか取れないため、設定分解能として不十分である。実際の波形ではジッタの影響で位相マージンはさらに狭くなるので、3、4ポイントしか取れなくなり、クロックの位相を位相マージンの中心に精度よく合わせるのは困難となる。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、被測定デバイスに入力するクロックの位相を位相マージンの中心に精度よく合わせることができる誤り率測定装置及び該装置を用いた自動位相調整方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された誤り率測定装置は、誤り率測定装置の内部の被調整デバイス2の複数の構成要素ごとの位相調整を自動的に行うために、位相量が制御可能な位相可変器5を介して入力されるクロックのタイミングで制御部6からのデータを処理して被測定物に対して誤り率を測定するためのテスト信号を出力する前記被調整デバイス2を備えた誤り率測定装置1であって、
粗調整用位相可変器5aと、該粗調整用位相可変器よりも分解能の細かい微調整用位相可変器5bからなる前記位相可変器を前記被調整デバイスの構成要素に対応した数分だけ設け、
前記制御部は、
前記粗調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変した後、前記粗調整用位相可変器の位相量を増減制御したときの粗調整結果を基準として前記微調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変する位相量制御部6cと、
前記位相量制御部にて前記粗調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変したときに、前記被調整デバイスの構成要素ごとのエラーが入る上限位置と下限位置とを検出し、前記位相量制御部にて前記微調整用位相可変器の位相量を前記被調整デバイスの構成要素ごとに増減制御して前記クロックの位相を可変したときに、前記被調整デバイスの構成要素ごとのエラーが入る位置を検出するエラー検出部6aと、
前記粗調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変して前記エラー検出部によりエラーが検出された上限位置と下限位置との間の中心位置に対応する位相量を粗調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出し、前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときの前記エラー検出部によるエラー検出の有無に応じた位相量を微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出する位相量算出部6bとを備え、
前記クロックの位相が前記粗調整用の位相量となるように前記被調整デバイスの構成要素ごとの前記粗調整用位相可変器の位相量を制御した後、前記クロックの位相が前記微調整用の位相量となるように前記微調整用位相可変器の位相量を制御し、前記被調整デバイスの構成要素ごとの前記クロックの位相を自動調整することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載された誤り率測定装置は、請求項1の誤り率測定装置において、
前記位相量算出部6bは、前記微調整用位相可変器の位相量の増減制御により前記クロックの位相を可変したときに、エラーが入る上限位置と下限位置とを前記エラー検出部が検出すると、前記エラーを検出した上限位置と下限位置との間の中心位置に対応する位相量を前記微調整用の位相量として前記被調整デバイスの構成要素ごとに算出することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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