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公開番号2025093747
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2023209579
出願日2023-12-12
発明の名称位相特性測定器、それを備えた信号発生装置および信号解析装置、ならびに位相特性測定方法
出願人アンリツ株式会社
代理人弁理士法人有我国際特許事務所
主分類G01R 23/173 20060101AFI20250617BHJP(測定;試験)
要約【課題】高速なトリガ動作を要しない電圧計や検波器を用いることにより、位相測定に用いる装置の大規模化を回避し比較的安価に位相測定を実現可能な位相特性測定器等を提供する。
【解決手段】角周波数ω123の3波(但しω2132=Δω)を合波した第1の3トーン信号と、そのうちの1トーンの位相を変化させた第2の3トーン信号との2パターンの3トーン信号をそれぞれ受けて検波する第1の検波器11と、第1の検波器から出力される信号のうち3トーン信号の隣接する波の角周波数差Δωのビート成分のみを通過させるBPF12と、BPF12を通過したビート成分のパワーを検出する第2の検波器13と、第2の検波器から出力された信号の電圧を測定する電圧計14と、測定された電圧値に基づいて位相を計算する位相計算器15とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)により表される3波e

,e

,e

を合波した第1の3トーン信号および下記式(2)により表される3波e′

,e′

,e′

を合波した第2の3トーン信号をそれぞれ受けて検波する第1の検波器(11)と、
前記第1の検波器から出力される信号のうち、前記第1および前記第2の3トーン信号各々の周波数が隣接する波の間の角周波数差Δωの周波数成分を通過し、前記角周波数差Δωの2倍の周波数成分と直流成分とを遮断するバンドパスフィルタ(12)と、
前記バンドパスフィルタを通過した信号を検波する第2の検波器(13)と、
前記第2の検波器から出力された信号の電圧を測定する電圧計(14)と、
下記式(3)により表される位相φ

″を計算する位相計算器(15)と、
を備えた位相特性測定器。
TIFF
2025093747000028.tif
10
164
(但し、ω

は角周波数、φ

は位相、tは時間を表し、ω

-ω

=ω

-ω

=Δωである。)
TIFF
2025093747000029.tif
23
164
TIFF
2025093747000030.tif
37
164
(但し、E
beat
は前記第1の検波器が前記第1の3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表し、E′
beat
は前記第1の検波器が前記第2の3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表す。)
続きを表示(約 7,100 文字)【請求項2】
下記式(4)により表される3波e

,e

,e

を合波した3トーン信号を受けて検波する第1の検波器(11)と、
前記第1の検波器から出力される信号のうち、前記3トーン信号の周波数が隣接する波の間の角周波数差Δωの周波数成分を通過し、前記角周波数差Δωの2倍の周波数成分と直流成分とを遮断するバンドパスフィルタ(12)と、
前記バンドパスフィルタを通過した信号を検波する第2の検波器(13)と、
前記第2の検波器から出力された信号の電圧を測定する電圧計(14)と、
下記式(5)により表される位相φ

″を計算する位相計算器(15)と、
を備えた位相特性測定器。
TIFF
2025093747000031.tif
25
164
(但し、a

,a

,a

は振幅、ω

,ω

,ω

は角周波数、φ

,φ

,φ

,ψは位相、tは時間を表し、ψ=0,π/2,πであり、ω

-ω

=ω

-ω

=Δωである。)
TIFF
2025093747000032.tif
16
164
(但し、E
beat
(0)は前記第1の検波器がψ=0のときの前記3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表し、E
beat
(π/2)は前記第1の検波器がψ=π/2のときの前記3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表し、E
beat
(π)は前記第1の検波器がψ=πのときの前記3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表す。)
【請求項3】
下記式(6)により表される3波e

,e

,e

を合波した3トーン信号を受けて検波する第1の検波器(11)と、
前記第1の検波器から出力される信号のうち、前記3トーン信号の周波数が隣接する波の間の角周波数差Δωの周波数成分を通過し、前記角周波数差Δωの2倍の周波数成分と直流成分とを遮断するバンドパスフィルタ(12)と、
前記バンドパスフィルタを通過した信号を検波する第2の検波器(13)と、
前記第2の検波器から出力された信号の電圧を測定する電圧計(14)と、
下記式(7)により表される位相φ

″を計算する位相計算器(15)と、
を備えた位相特性測定器。
TIFF
2025093747000033.tif
25
164
(但し、a

,a

,a

は振幅、ω

,ω

,ω

は角周波数、φ

,φ

,φ

,ψは位相、tは時間を表し、ψ=0,π/2,πであり、ω

-ω

=ω

-ω

=Δωである。)
TIFF
2025093747000034.tif
23
164
(但し、E
beat
(0)は前記第1の検波器がψ=0のときの前記3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表し、E
beat
(π/2)は前記第1の検波器がψ=π/2のときの前記3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表し、E
beat
(π)は前記第1の検波器がψ=πのときの前記3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表す。)
【請求項4】
高周波信号および3トーン信号を発生する高周波信号発生部(2)と、
前記高周波信号発生部から出力された信号を分岐し一方の信号を出力信号として出力するカプラ(3)と、
前記高周波信号発生部が前記3トーン信号を発生する時に、前記カプラにより分岐された他方の信号が入力され、入力された前記3トーン信号の位相を測定することで前記高周波信号発生部の位相特性を測定する、請求項1~3のいずれか一項に記載の位相特性測定器(1)と、
を備え、前記高周波信号発生部が前記高周波信号を発生する時に、前記位相特性測定器により測定された前記高周波信号発生部の前記位相特性に基づいて、前記高周波信号の位相特性が補正されることを特徴とする信号発生装置。
【請求項5】
基準信号および3トーン信号を発生する基準信号発生部(20)と、
前記基準信号発生部から出力された信号を分岐するカプラ(3)と、
前記基準信号発生部が前記3トーン信号を発生する時に、前記カプラにより分岐された一方の信号が入力され、入力された前記3トーン信号の位相を測定することで前記基準信号発生部の位相特性を測定する、請求項1~3のいずれか一項に記載の位相特性測定器(1)と、
前記カプラにより分岐された他方の信号と入力信号のどちらか一方の信号を選択するスイッチ(4)と、
前記スイッチにより選択された信号を解析する高周波信号解析部(5)と、
を備え、前記基準信号発生部が前記基準信号を発生し前記カプラにより分岐された他方の信号が前記スイッチにより選択された時に前記高周波信号解析部によって測定された前記基準信号の位相特性と、前記位相特性測定器によって測定された前記基準信号発生部の前記位相特性とから、前記高周波信号解析部の位相特性が算出され、前記入力信号が前記スイッチにより選択された時に、算出された前記高周波信号解析部の前記位相特性に基づいて、前記高周波信号解析部が前記入力信号を解析する際の位相特性が補正され、位相特性が補正された前記入力信号の信号解析が行われることを特徴とする信号解析装置。
【請求項6】
下記式(8)により表される3波e

,e

,e

を合波した第1の3トーン信号を発生する第1の3トーン信号発生ステップと、
前記第1の3トーン信号を検波する第1の検波ステップと、
前記第1の検波ステップにより得られた信号のうち、前記第1の3トーン信号の周波数が隣接する波の間の角周波数差Δωの周波数成分を通過し、前記角周波数差Δωの2倍の周波数成分と直流成分とを遮断する第1のバンドパスフィルタステップと、
前記第1のバンドパスフィルタステップにて通過した信号を検波する第2の検波ステップと、
前記第2の検波ステップにより得られた信号の電圧を測定する第1の電圧測定ステップと、
下記式(9)により表される3波e′

,e′

,e′

を合波した第2の3トーン信号を発生する第2の3トーン信号発生ステップと、
前記第2の3トーン信号を検波する第3の検波ステップと、
前記第3の検波ステップにより得られた信号のうち、前記第2の3トーン信号の周波数が隣接する波の間の角周波数差Δωの周波数成分を通過し、前記角周波数差Δωの2倍の周波数成分と直流成分とを遮断する第2のバンドパスフィルタステップと、
前記第2のバンドパスフィルタステップにて通過した信号を検波する第4の検波ステップと、
前記第4の検波ステップにより得られた信号の電圧を測定する第2の電圧測定ステップと、
前記第1の電圧測定ステップにて測定された電圧値と前記第2の電圧測定ステップにて測定された電圧値とから下記式(10)により表される位相φ

″を計算する位相計算ステップと、
を含む位相特性測定方法。
TIFF
2025093747000035.tif
10
164
(但し、ω

は角周波数、φ

は位相、tは時間を表し、ω

-ω

=ω

-ω

=Δωである。)
TIFF
2025093747000036.tif
25
164
TIFF
2025093747000037.tif
36
164
(但し、E
beat
は前記第1の電圧測定ステップにて測定された電圧値から得られる前記第1のバンドパスフィルタステップにて通過した信号のパワーに比例した値を表し、E′
beat
は前記第2の電圧測定ステップにて測定された電圧値から得られる前記第2のバンドパスフィルタステップにて通過した信号のパワーに比例した値を表す。)
【請求項7】
下記式(11)により表される3波e

,e

,e

を合波した3トーン信号を発生する3トーン信号発生ステップと、
前記3トーン信号を検波する第1の検波ステップと、
前記第1の検波ステップにより得られた信号のうち、前記3トーン信号の周波数が隣接する波の間の角周波数差Δωの周波数成分を通過し、前記角周波数差Δωの2倍の周波数成分と直流成分とを遮断するバンドパスフィルタステップと、
前記バンドパスフィルタステップにて通過した信号を検波する第2の検波ステップと、
前記第2の検波ステップにより得られた信号の電圧を測定する電圧測定ステップと、
下記式(11)の位相ψを0およびπ/2およびπに設定し、それぞれ前記3トーン信号発生ステップと前記第1の検波ステップと前記バンドパスフィルタステップと前記第2の検波ステップと前記電圧測定ステップとを実行して測定された各電圧値から下記式(12)により表される位相φ

″を計算する位相計算ステップと、
を含む位相特性測定方法。
TIFF
2025093747000038.tif
24
164
(但し、a

,a

,a

は振幅、ω

,ω

,ω

は角周波数、φ

,φ

,φ

,ψは位相、tは時間を表し、ψ=0,π/2,πであり、ω

-ω

=ω

-ω

=Δωである。)
TIFF
2025093747000039.tif
16
164
(但し、E
beat
(0)はψ=0のときに前記電圧測定ステップで測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタステップにて通過した信号のパワーに比例した値を表し、E
beat
(π/2)はψ=π/2のときに前記電圧測定ステップで測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタステップにて通過した信号のパワーに比例した値を表し、E
beat
(π)はψ=πのときに前記電圧測定ステップで測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタステップにて通過した信号のパワーに比例した値を表す。)
【請求項8】
下記式(13)により表される3波e

,e

,e

を合波した3トーン信号を発生する3トーン信号発生ステップと、
前記3トーン信号を検波する第1の検波ステップと、
前記第1の検波ステップにより得られた信号のうち、前記3トーン信号の周波数が隣接する波の間の角周波数差Δωの周波数成分を通過し、前記角周波数差Δωの2倍の周波数成分と直流成分とを遮断するバンドパスフィルタステップと、
前記バンドパスフィルタステップにて通過した信号を検波する第2の検波ステップと、
前記第2の検波ステップにより得られた信号の電圧を測定する電圧測定ステップと、
下記式(13)の位相ψを0およびπ/2およびπに設定し、それぞれ前記3トーン信号発生ステップと前記第1の検波ステップと前記バンドパスフィルタステップと前記第2の検波ステップと前記電圧測定ステップとを実行して測定された各電圧値から下記式(14)により表される位相φ

″を計算する位相計算ステップと、
を含む位相特性測定方法。
TIFF
2025093747000040.tif
25
164
(但し、a

,a

,a

は振幅、ω

,ω

,ω

は角周波数、φ

,φ

,φ

,ψは位相、tは時間を表し、ψ=0,π/2,πであり、ω

-ω

=ω

-ω

=Δωである。)
TIFF
2025093747000041.tif
23
164
(但し、E
beat
(0)はψ=0のときに前記電圧測定ステップで測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタステップにて通過した信号のパワーに比例した値を表し、E
beat
(π/2)はψ=π/2のときに前記電圧測定ステップで測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタステップにて通過した信号のパワーに比例した値を表し、E
beat
(π)はψ=πのときに前記電圧測定ステップで測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタステップにて通過した信号のパワーに比例した値を表す。)
【請求項9】
高周波信号発生部を用いて3トーン信号を発生する3トーン信号発生ステップと、
前記3トーン信号発生ステップにより発生した前記3トーン信号の位相を測定することで前記高周波信号発生部の位相特性を測定する、請求項6~8のいずれか一項に記載の位相特性測定方法と、
前記高周波信号発生部を用いて高周波信号を発生し出力信号として出力する高周波信号発生ステップと、
を含み、前記位相特性測定方法により測定された前記高周波信号発生部の前記位相特性に基づいて前記高周波信号の位相特性を補正することを特徴とする信号発生方法。
【請求項10】
基準信号発生部を用いて3トーン信号を発生する3トーン信号発生ステップと、
前記3トーン信号発生ステップにより発生した前記3トーン信号の位相特性を測定することで前記基準信号発生部の位相特性を測定する、請求項6~8のいずれか一項に記載の位相特性測定方法と、
前記基準信号発生部を用いて基準信号を発生する基準信号発生ステップと、
高周波信号解析部を用いて前記基準信号の位相特性を測定する基準信号解析ステップと、
前記高周波信号解析部を用いて入力信号を解析する高周波信号解析ステップと、
を含み、前記位相特性測定方法により測定された前記基準信号発生部の前記位相特性と、前記基準信号解析ステップにより測定された前記基準信号の前記位相特性とから、前記高周波信号解析部の位相特性を算出し、算出された前記高周波信号解析部の前記位相特性に基づいて、前記高周波信号解析ステップにより前記入力信号の解析を行う際の位相特性を補正し、位相特性が補正された前記入力信号の信号解析を行うことを特徴とする信号解析方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、位相特性測定器、それを備えた信号発生装置および信号解析装置、ならびに位相特性測定方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
無線通信の伝送速度を向上させるために、従来よりもキャリア周波数が高いミリ波帯やサブミリ波帯やテラヘルツ波帯において広帯域の変調信号を使用する通信方式が検討されている。以下、ミリ波帯やサブミリ波帯やテラヘルツ波帯などを含めて高周波帯と記し、高周波帯の信号を総称して高周波信号と記す。
【0003】
一般に、周波数が高く広帯域になると、高周波帯の信号発生器や高周波帯の信号測定器の周波数変換部(アップコンバータまたはダウンコンバータ)の位相の周波数特性が無視できなくなるため、周波数変換部の位相特性を校正することが重要となる。また、周波数利用効率の高い多値直交振幅変調方式では、小さな位相誤差が伝送特性の劣化をもたらすため、正確に位相特性を校正することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5572590号公報
特許第6839226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の従来技術は、包絡線検波器(単に検波器とよぶ)にミリ波などの高周波帯の2つのトーン信号を入力し、トーン間のうなり(ビート)を検波器で測定しトーン間位相差を検出して、位相の周波数特性(単に位相特性とよぶ)を測定する技術である。しかし、この手法ではトーン信号間のビートの初期位相を求める必要がある。初期位相を求めるためには検波器出力信号の時間波形を取得するアナログデジタルコンバータ(ADC)にトリガをかけ、トーン信号発生器と同期をとらなければならない。このような高速なトリガ動作を行うため、高コストな部品などが必要になるという課題があった。
【0006】
上記の課題を解決するためには、ミリ波などの高周波帯の3つのトーン信号の時間波形を取得し、位相特性を算出する手法がある。3つのトーン信号を用いることにより、ADCのトリガが無く初期位相が不明の場合でも位相特性を測定することが可能となる。3トーン信号による測定として、電気光学サンプリング法(例えば、特許文献2参照)やミリ波などの高周波信号をダウンコンバートする方法が挙げられる。特に、電気光学サンプリング法を用いると非常に高い周波数の位相特性を正確に求めることができる。しかし一方で、フェムト秒レーザーなどの光学系が必要であり、装置が大規模になってしまう問題があった。ダウンコンバートする方法では、ミリ波などの高周波帯のローカル信号が必要となり、装置が大規模になってしまう問題があった。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、位相測定に用いる装置の大規模化を回避し比較的安価に位相測定を実現可能な位相特性測定器、それを備えた信号発生装置および信号解析装置、ならびに位相特性測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る位相特性測定器は、上記目的達成のため、下記式(1)により表される3波e

,e

,e

を合波した第1の3トーン信号および下記式(2)により表される3波e′

,e′

,e′

を合波した第2の3トーン信号をそれぞれ受けて検波する第1の検波器(11)と、前記第1の検波器から出力される信号のうち、前記第1および前記第2の3トーン信号各々の周波数が隣接する波の間の角周波数差Δωの周波数成分を通過し、前記角周波数差Δωの2倍の周波数成分と直流成分とを遮断するバンドパスフィルタ(12)と、前記バンドパスフィルタを通過した信号を検波する第2の検波器(13)と、前記第2の検波器から出力された信号の電圧を測定する電圧計(14)と、下記式(3)により表される位相φ

″を計算する位相計算器(15)と、を備えたことを特徴とする。
TIFF
2025093747000002.tif
10
164
(但し、ω

は角周波数、φ

は位相、tは時間を表し、ω

-ω

=ω

-ω

=Δωである。)
TIFF
2025093747000003.tif
24
164
TIFF
2025093747000004.tif
37
164
(但し、E
beat
は前記第1の検波器が前記第1の3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表し、E′
beat
は前記第1の検波器が前記第2の3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表す。)
【0009】
この構成により、上記式(1)により表される第1の3トーン信号と、そのうちの1トーンの位相を変化させた、上記式(2)により表される第2の3トーン信号との2パターンの3トーン信号について、角周波数Δωのビート成分のパワーを第2の検波器で測定することにより、上記式(3)により表される3トーンの位相関係(2階微分値)を算出することができる。これにより、高速なトリガ動作を要しない電圧計や検波器を用いることにより、装置の大規模化を回避し比較的安価に位相測定を実現可能な位相特性測定器を提供することができる。
【0010】
また、本発明に係る位相特性測定器は、上記目的達成のため、下記式(4)により表される3波e

,e

,e

を合波した3トーン信号を受けて検波する第1の検波器(11)と、前記第1の検波器から出力される信号のうち、前記3トーン信号の周波数が隣接する波の間の角周波数差Δωの周波数成分を通過し、前記角周波数差Δωの2倍の周波数成分と直流成分とを遮断するバンドパスフィルタ(12)と、前記バンドパスフィルタを通過した信号を検波する第2の検波器(13)と、前記第2の検波器から出力された信号の電圧を測定する電圧計(14)と、下記式(5)により表される位相φ

″を計算する位相計算器(15)と、を備えたことを特徴とする。
TIFF
2025093747000005.tif
24
164
(但し、a

,a

,a

は振幅、ω

,ω

,ω

は角周波数、φ

,φ

,φ

,ψは位相、tは時間を表し、ψ=0,π/2,πであり、ω

-ω

=ω

-ω

=Δωである。)
TIFF
2025093747000006.tif
14
164
(但し、E
beat
(0)は前記第1の検波器がψ=0のときの前記3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表し、E
beat
(π/2)は前記第1の検波器がψ=π/2のときの前記3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表し、E
beat
(π)は前記第1の検波器がψ=πのときの前記3トーン信号を受けた時に前記電圧計で測定された電圧値から得られる前記バンドパスフィルタを通過した信号のパワーに比例した値を表す。)
(【0011】以降は省略されています)

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