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公開番号2025098786
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023215154
出願日2023-12-20
発明の名称粉末状セルロース
出願人日本製紙株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所,個人,個人
主分類C08B 15/00 20060101AFI20250625BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、樹脂組成物とした際に引張強さや曲げ強さが向上し、流動性も良好な粉末状セルロースを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、粒子径D50が10～100μmであり、アスペクト比が1.0～4.0である成形用樹脂材料用の粉末状セルロースであって、前記粉末状セルロースの下記式(1)で表される繊維長比が20%未満である、成形用樹脂材料用の粉末状セルロース。
(1):繊維長比=粉末状セルロースの平均繊維長÷原料パルプの平均繊維長×100
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
粒子径Ｄ５０が１０～１００μｍであり、アスペクト比が１．０～４．０である成形用樹脂材料用の粉末状セルロースであって、前記粉末状セルロースの下記式（１）で表される繊維長比が２０％未満である、成形用樹脂材料用の粉末状セルロース。
（１）：繊維長比＝粉末状セルロースの平均繊維長÷原料パルプの平均繊維長×１００
続きを表示（約 470 文字）【請求項２】
前記粉末状セルロースの繊維長が４０～１００μｍである、請求項１に記載の成形用樹脂材料用の粉末状セルロース。
【請求項３】
前記粉末状セルロースの粒子径Ｄ９０から粒子径Ｄ５０を引いた値（粒子径Ｄ９０－粒子径Ｄ５０）が３０～８０μｍである、請求項１に記載の成形用樹脂材料用の粉末状セルロース。
【請求項４】
前記粉末状セルロースに用いられる原料パルプにおいて、繊維幅が２０μｍより大きい繊維の割合が２０％以上である、請求項１に記載の成形用樹脂材料用の粉末状セルロース。
【請求項５】
前記粉末状セルロースに用いられる原料パルプが、針葉樹晒クラフトパルプ（ＮＢＫＰ）を含む、請求項１に記載の成形用樹脂材料用の粉末状セルロース。
【請求項６】
前記粉末状セルロースと熱可塑性樹脂とを含む、成形用樹脂材料。
【請求項７】
成形用樹脂材料を１００重量％とした際の前記粉末状セルロースの含有量が１０重量％以上である、請求項６に記載の成形用樹脂材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、粉末状セルロースに関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、粉末状セルロースは、ゴム、プラスチック等の樹脂材料の強化剤として用いられている（例えば、特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２２－０１２８７５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
粉末状セルロースを含む樹脂組成物の使用用途の一つとして、家電筐体や自動車の内装、外装部品などの外観部品に用いられている。外観部品に要求される特性として引張強さや曲げ強さ、衝撃強度などの機械的強度があり、部品成形時には樹脂の流動性が必要とされる。
しかしながら、一般的なセルロース繊維を含む樹脂組成物は、流動性が低いことが課題となっている。
【０００５】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、樹脂組成物とした際に引張強さや曲げ強さが向上し、流動性も良好な粉末状セルロースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、以下の〔１〕～〔７〕を提供する。
〔１〕粒子径Ｄ５０が１０～１００μｍであり、アスペクト比が１．０～４．０である成形用樹脂材料用の粉末状セルロースであって、前記粉末状セルロースの下記式（１）で表される繊維長比が２０％未満である、成形用樹脂材料用の粉末状セルロース。
（１）：繊維長比＝粉末状セルロースの平均繊維長÷原料パルプの平均繊維長×１００
〔２〕前記粉末状セルロースの繊維長が４０～１００μｍである、〔１〕に記載の成形用樹脂材料用の粉末状セルロース。
〔３〕前記粉末状セルロースの粒子径Ｄ９０から粒子径Ｄ５０を引いた値（粒子径Ｄ９０－粒子径Ｄ５０）が３０～８０μｍである、〔１〕に記載の成形用樹脂材料用の粉末状セルロース。
〔４〕前記粉末状セルロースに用いられる原料パルプにおいて、繊維幅が２０μｍより大きい繊維の割合が２０％以上である、請求項１に記載の成形用樹脂材料用の粉末状セルロース。
〔５〕前記粉末状セルロースに用いられる原料パルプが、針葉樹晒クラフトパルプ（ＮＢＫＰ）を含む、〔１〕に記載の成形用樹脂材料用の粉末状セルロース。
〔６〕前記粉末状セルロースと熱可塑性樹脂とを含む、成形用樹脂材料。
〔７〕成形用樹脂材料を１００重量％とした際の前記粉末状セルロースの含有量が１０重量％以上である、〔６〕に記載の成形用樹脂材料。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、樹脂組成物とした際に引張強さや曲げ強さが向上し、流動性も良好な粉末状セルロースを提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
〔１．粉末状セルロース〕
粉末状セルロースは、所定の平均粒子径、アスペクト比を有し、繊維長比が２０％未満である。
【０００９】
〔１．１．平均粒子径〕
〔粒子径分布〕
粉末状セルロースの粒子径分布は、体積蓄積分布の積算値が１０％、５０％、９０％となるときの粒子径分布（１０％径、５０％径、９０％径、それぞれ、Ｄ．１０、Ｄ．５０、Ｄ．９０）として表すことができる。本明細書において粒子径分布は、測定原理としてレーザー散乱法を用いて、湿式測定（超音波照射あり）にて得られる値である。なお、本明細書における平均粒子径とは、湿式測定（超音波照射あり）にて得られたＤ．５０の値を指す。
【００１０】
－湿式測定（超音波照射あり）－
本明細書において湿式条件（超音波照射あり）とは、試料に加水後超音波照射を行ってから粒子径を測定する条件を言う。湿式（超音波あり）の場合のＤ．１０、Ｄ．５０、Ｄ．９０の好ましい範囲は以下のとおりである。一般に粒子径が大きいほど、繊維同士の絡まりが高まる傾向にある。さらに、以下の範囲であることにより、樹脂、ゴム等に添加した際にそれらの特性を損なわずに適切に強度を向上させることができる
Ｄ．１０は、通常、３．０μｍ以上であり、好ましくは５．０μｍ以上であり、更に好ましくは１０．０μｍ以上である。上限は、通常、２０．０μｍ以下であり、好ましくは１７．０以下であり、より好ましくは１５．０μｍ以下である。
Ｄ．５０は、通常、１０．０μｍ以上であり、好ましくは２０．０μｍ以上であり、より好ましくは２５．０μｍ以上であり、さらに好ましく３０．０μｍ以上である（但し、Ｄ．１０よりも大きい値である）。上限は、通常、１００．０μｍ以下、好ましくは８０．０μｍ以下、より好ましくは６０．０μｍ以下、更に好ましくは５０．０μｍ以下である。
Ｄ．９０は、通常、５０．０μｍ以上であり、好ましくは６５．０μｍ以上であり、より好ましくは８０．０μｍ以上である（但し、Ｄ．５０よりも大きい値である）。上限は、通常、１５０．０μｍ以下であり、好ましくは１２０．０μｍ以下であり、より好ましくは１００．０μｍ以下である。
（【００１１】以降は省略されています）

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