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公開番号2025126590
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-29
出願番号2024022899
出願日2024-02-19
発明の名称セルロースナノファイバーと有機溶媒とを含有する懸濁液とその製造方法
出願人日本製紙株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08B 15/04 20060101AFI20250822BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】セルロースナノファイバーと高濃度の有機溶媒とを混合する際に、セルロースナノファイバーの凝集を抑えることができる方法を提供する。
【解決手段】混合する有機溶媒に予め疎水化セルロースナノファイバーを混合する。すなわち、セルロースナノファイバーの水分散液と疎水化セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液とを混合することにより、セルロースナノファイバーと有機溶媒とを少なくとも含む懸濁液を製造する。懸濁液における水と有機溶媒との合計量に対する有機溶媒の量が50質量%以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セルロースナノファイバーと有機溶媒とを含有する懸濁液の製造方法であって、
セルロースナノファイバーの水分散液と、疎水化セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液とを混合することを含み、
上記懸濁液における水と有機溶媒との合計量に対する有機溶媒の量が50質量%以上である、上記方法。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
疎水化セルロースナノファイバーが、アニオン性セルロースナノファイバーのアニオン性基にアミンまたはホスフィンを有する重量平均分子量600以上の化合物が結合した疎水化セルロースナノファイバーである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
セルロースナノファイバーがアニオン性セルロースナノファイバーである、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
セルロースナノファイバー1質量部に対して疎水化セルロースナノファイバーが0.1~3質量部となるように前記セルロースナノファイバーの水分散液と前記疎水化セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液とを混合することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
セルロースナノファイバー、疎水化セルロースナノファイバー、水、及び有機溶媒を含み、水と有機溶媒との合計量に対する有機溶媒の量が50質量%以上である、懸濁液。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースナノファイバーと有機溶媒とを含有する懸濁液の製造方法に関する。より詳細には、セルロースナノファイバーと高濃度の有機溶媒とを含有しながら、疎水化セルロースナノファイバーを加えることにより、セルロースナノファイバーの凝集が抑制された懸濁液の製造方法に関する。また、セルローナノファイバー、疎水化セルロースナノファイバー、水、及び有機溶媒を含有する懸濁液に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
セルロースを機械的に処理することにより、微細な繊維径を有するセルロースへと変換することが知られている。また、セルロース分子鎖にカルボキシル基やカルボキシメチル基などのアニオン性基を導入し、解繊することで、ナノオーダーの繊維径を有するセルロースナノファイバーへと変換することも知られている(特許文献1、2)。セルロースナノファイバーは、軽くて強度が高く、生分解性であるため、様々な分野への応用が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-001728号公報
国際公開第2014/088072号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セルロースや、アニオン性基を導入したセルロース由来のセルロースナノファイバーは、親水性が高いため、高濃度の有機溶媒中に添加すると、凝集するという問題がある。本発明は、セルロースナノファイバーを高濃度の有機溶媒と混合する際に、セルロースナノファイバーの凝集を抑えることができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、セルロースナノファイバーの水分散液に有機溶媒を混合する際に、有機溶媒に予め疎水化セルロースナノファイバーを含有させておくことにより、有機溶媒を混合した際のセルロースナノファイバーの凝集を抑制することができることを見出した。本発明は、これらに限定されないが、以下を含む。
(1)セルロースナノファイバーと有機溶媒とを含有する懸濁液の製造方法であって、
セルロースナノファイバーの水分散液と、疎水化セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液とを混合することを含み、
上記懸濁液における水と有機溶媒との合計量に対する有機溶媒の量が50質量%以上である、上記方法。
(2)疎水化セルロースナノファイバーが、アニオン性セルロースナノファイバーのアニオン性基にアミンまたはホスフィンを有する重量平均分子量600以上の化合物が結合した疎水化セルロースナノファイバーである、(1)記載の方法。
(3)セルロースナノファイバーがアニオン性セルロースナノファイバーである、(1)または(2)記載の方法。
(4)セルロースナノファイバー1質量部に対して疎水化セルロースナノファイバーが0.1~3質量部となるように前記セルロースナノファイバーの水分散液と前記疎水化セルロースナノファイバーの有機溶媒分散液とを混合することを含む、(1)~(3)のいずれか1つに記載の方法。
(5)セルロースナノファイバー、疎水化セルロースナノファイバー、水、及び有機溶媒を含み、水と有機溶媒との合計量に対する有機溶媒の量が50質量%以上である、懸濁液。
【発明の効果】
【0006】
セルロースナノファイバーの水分散液に有機溶媒を混合する際、本発明にしたがって、混合する有機溶媒に予め疎水化セルロースナノファイバーを添加しておくことにより、セルロースナノファイバーの凝集を抑制することができる。本発明の方法により、簡便な手段で、セルロースナノファイバーの凝集が抑制されたセルロースナノファイバーと有機溶媒とを含有する懸濁液を得ることができる。また、本発明により得られる懸濁液は、セルロースナノファイバーの凝集が抑制されているため、高い透明度を呈するという利点もある。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、セルロースナノファイバー(以下、「CNF」とも呼ぶ。)と有機溶媒とを含有する懸濁液を製造する際の、有機溶媒の混合によるCNFの凝集を抑制するものである。本発明者らは、混合に用いる有機溶媒に予め疎水化CNFを懸濁/分散させておくことにより、CNFの水分散液に有機溶媒を混合する際のCNFの凝集が抑制されることを見出した。本発明の方法は、CNFの水分散液と、疎水化CNFの有機溶媒分散液とを混合することを含む。なお、本願において、「懸濁」と「分散」の語は同じ意味を有する語として用いることがある。また、本願において、CNFについて「疎水化」と記載していない場合(すなわち、「疎水化」の語をつけずに、単に「CNF」または「アニオン性CNF」と記載する場合)は、特に断りがない限り、疎水化を行っていないCNFを指す。一方、CNFまたはセルロースに「疎水化」の語が付加されている場合(すなわち、「疎水化CNF」、「疎水化セルロース」)は、疎水化処理(疎水基の付与)がされたCNFまたはセルロースを指す。疎水化処理は、CNFまたはセルロースのセルロース分子鎖におけるすべての反応基に対して行われている必要はなく、セルロース鎖の一部が疎水化されている場合も「疎水化CNF」または「疎水化セルロース」に含むこととする。
【0008】
<CNF>
(平均繊維径、アスペクト比)
CNFは、セルロースまたは化学的に変性したセルロースをナノオーダーの繊維径となるように解繊することにより、製造することができる。CNFの平均繊維径は、好ましくは3~500nm、さらに好ましくは3~150nm、さらに好ましくは3~20nm、さらに好ましくは5~19nm、さらに好ましくは5~15nmである。CNFの繊維径は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察した繊維の形状像の断面高さを計測することにより求めることができる。また、CNFの平均繊維径は、ランダムに選んだ50本の繊維について上述の方法で繊維径を測定し、長さ加重平均繊維径を算出することにより求めることができる。
【0009】
CNFのアスペクト比は、好ましくは30以上、さらに好ましくは50以上、さらに好ましくは100以上である。アスペクト比の上限は限定されないが、500以下程度となる。CNFの平均繊維長は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いてランダムに選んだ200本の繊維の繊維長を測定し、長さ加重平均繊維長を算出することにより求めることができ、CNFのアスペクト比は、上述した平均繊維長と平均繊維径を用いて、以下の式で求めることができる:
アスペクト比=平均繊維長(nm)/平均繊維径(nm)。
【0010】
(セルロース原料)
CNFの原料となるセルロースの種類は、特に限定されない。セルロースは、一般に起源、製法等から、天然セルロース、再生セルロース、微細セルロース、非結晶領域を除いた微結晶セルロース等に分類される。本発明では、これらのセルロースのいずれも、原料として用いることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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