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公開番号2025100021
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023217099
出願日2023-12-22
発明の名称AgCuカルコゲン化合物を主成分とする半導体ナノ粒子
出願人国立大学法人東海国立大学機構,田中貴金属工業株式会社
代理人オリジネイト弁理士法人
主分類C09K 11/88 20060101AFI20250626BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】長波長領域における光応答特性、特に光吸収特性が良好であり、近赤外線領域及び短波赤外線領域で好適に対応し得る半導体ナノ粒子を提供する。
【解決手段】本発明は、Ag、Cu、カルコゲン元素(Ch)からなる下記式で示されるAgCuカルコゲン化合物を含む半導体ナノ粒子に関する。本発明では、カルコゲン元素としてTeを必須的に含む。カルコゲン元素の中で比較的質量が大きいTeを適用することで、光応答特性を長波長側にシフトする。本発明に係る半導体ナノ粒子は、AgCuカルコゲン化合物を90原子%以上含み、吸収スペクトルの長波長側の吸収端波長が1200nm以上となっている。
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(式中、Chはカルコゲン元素である。x、y、zは、Ag、Cu、カルコゲン元素の原子数であり、0.2≦z/(x+y)≦1である。また、1.0≦x/y≦10.0である。)
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
Ag、Cu、カルコゲン元素からなる下記式で示されるAgCuカルコゲン化合物を含む半導体ナノ粒子であって、
前記カルコゲン元素は、必須のカルコゲン元素としてTeを含み、
前記AgCuカルコゲン化合物を90原子%以上含む半導体ナノ粒子。
TIFF
2025100021000011.tif
15
149
(式中、Chはカルコゲン元素である。x、y、zは、Ag、Cu、カルコゲン元素の原子数であり、0.2≦z/(x+y)≦1である。また、1.0≦x/y≦10.0である。)
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記AgCuカルコゲン化合物を構成するカルコゲン元素は、Te以外の他のカルコゲン元素を含む、前記他のカルコゲン元素はS、Seである請求項1記載の半導体ナノ粒子。
【請求項3】
前記AgCuカルコゲン化合物を構成するカルコゲン元素の原子数に対するTeの原子数の比が0.2以上0.4以下である請求項2記載の半導体ナノ粒子。
【請求項4】
前記AgCuカルコゲン化合物を99原子%以上含む請求項1又は請求項2記載の半導体ナノ粒子。
【請求項5】
平均粒径が2nm以上20nm以下である請求項1又は請求項2記載の半導体ナノ粒子。
【請求項6】
保護剤として、アルキル鎖炭素数が4以上20以下のアルキルアミン、アルケニル鎖炭素数が4以上20以下のアルケニルアミン、アルキル鎖炭素数が3以上20以下のアルキルカルボン酸、アルケニル鎖炭素数が3以上20以下のアルケニルカルボン酸、アルキル鎖炭素数が4以上20以下のアルカンチオールの少なくともいずれかが、表面に結合された請求項1又は請求項2記載の半導体ナノ粒子。
【請求項7】
吸収スペクトルの長波長側吸収端波長が1200nm以上である請求項1又は請求項2記載の半導体ナノ粒子。
【請求項8】
発光スペクトルのピーク波長が1000nm以上である請求項1又は請求項2記載の半導体ナノ粒子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、AgCuカルコゲン化合物を主成分とする半導体ナノ粒子に関する。詳しくは、必須のカルコゲン元素としてTeを含み、長波長領域において好適な光応答性を有するAgCuカルコゲン化合物からなる半導体ナノ粒子に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
半導体は、ナノスケールの微小粒子とすることで量子閉じ込め効果を発現し、粒径に応じたバンドギャップを示す。そのため、半導体ナノ粒子の組成と粒径を制御してバンドギャップを調節することで、発光波長や吸収波長を任意に設定することができるようになる。この特性を利用した半導体ナノ粒子は、量子ドット(QD:Quantum Dot)とも称されており、様々な技術分野での活用が期待されている。半導体ナノ粒子の応用例としては、例えば、ディスプレイ装置や生体関連物質検出用マーカー物質等に利用される発光素子、蛍光物質への活用が検討されている。
【0003】
半導体ナノ粒子は、前記した粒径調整による発光波長が制御可能であることに加えて、その発光ピーク幅が有機色素に比べて十分に狭く安定的であるためである。更に、半導体ナノ粒子は、吸収波長の制御が可能であることに加えて、高い量子効率を有し、吸光係数が高いという特性も有する。こうした特性により半導体ナノ粒子は、太陽電池や各種の光センサ等に搭載される光電変換素子や受光素子への利用も検討されている。
【0004】
特に、半導体ナノ粒子は、近赤外線領域(NIR)や短波赤外線領域(SWIR)に対応する光センサの受光素子への応用が期待されている。これら長波長領域の光に対応できる光センサは、LIDAR(Light Detection and Ranging)やSWIRイメージセンサに搭載されている。LIDARは、自動車自動運転・ドローン・船舶等におけるリモートセンシングシステムであり、近年の自動運転技術の発展において重要なデバイスとなっている。最近では、LIDARは、スマートフォンやタブレット等における顔認証技術や拡張現実(AR)技術への応用もなされている。また、SWIRイメージセンサは、食品検査、農業分野、ドローン等の分野において、今後需要が高まることが予測されるデバイスである。
【0005】
上記のような光学デバイスのセンサの受光素子には、これまではSi薄膜の適用例が多かった。しかし、Si薄膜によるセンサは、900nm以上の長波長域で感度が大きく低下するので、上記のアプリケーションには適合し難い。そこで、半導体ナノ粒子を利用した受光素子の開発が期待されている。
【0006】
半導体ナノ粒子の構成に関しては、これまでいくつかの半導体化合物が検討されている。近赤外線領域(NIR)や短波赤外線領域(SWIR)の長波長領域において光応答性を有する半導体化合物として、PbS、PbSe、CdHgTe、Ag

S、Ag

Se、Ag

Te、AgInSe

、AgInTe

、CuInSe

、CuInTe

、InAs等の金属カルコゲナイド化合物が知られている(特許文献1~4)。本願出願人も、特許文献5においてAgAuS系化合物を主成分とする半導体ナノ粒子を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2004-243507号公報
特開2004-352594号公報
特開2017-014476号公報
国際公開WO2020/054764号公報
特許第7269591号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した半導体化合物は、所望の波長領域で光応答性を有するが、冒頭で述べたディスプレイ装置や生体関連物質検出用マーカー等の用途への適用を考慮すると、障害になる事由を有するものが多い。例えば、Pbは、欧州のRoHS指令(Restriction of the use of certain Hazardous Substances
in electrical and electronic equipment)により、環境負荷の観点から電気・電子機器への使用制限が規定されている。そのため、金属成分としてPbを含む化合物からなる半導体ナノ粒子は、電気・電子分野への広範な利用が期待し難い。また、生体関連分野への半導体ナノ粒子の利用を考慮すると、重金属であるCdやHg等を含む化合物の利用も難しい。
【0009】
また、上記した半導体化合物は、長波長領域における光応答性を有するが、より長波長側の光応答性を発揮し得るものへの要請が高まっている。最近の自動車の自動運転技術の発展は目覚ましく、ドライバーによる運転を前提としない自動運転レベル(レベル4、5)に対応する必要がある。この場合、LIDARには太陽光・自然光の影響を受け難いより長波長域での応答性が重要となる。そのため、量子ドット技術はいまだ研究段階にあるといえる。そして、実用性を考慮しながら、より長波長域で応答性を発揮できる半導体ナノ粒子が必要である。
【0010】
本発明は、以上のような背景の下になされたものであり、各種規制に対する実用性への配慮がなされると共に、好適な光応答性を有する新規な半導体化合物からなる半導体ナノ粒子を提案する。特に、本発明は、近赤外線領域(NIR)及び短波赤外線領域(SWIR)の長波長領域で好適な光吸収特性を示すと共に、発光も発現し得る半導体ナノ粒子を提示する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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